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みんなのGood

ひみつのイヤフォン「22Good」
良質:18票物語:4票
ある日の昼下がり。
古びたテープレコーダーから流れ出すのは途切れ途切れの音。

その音を聴きながら、
《縁側に腰掛けてこのテープレコーダーを片手に日向ぼっこをする祖母が、いつもイヤフォンをしていたこと》を思い出した私は
“あの時”とは違う涙を流した。


では、“あの時”の涙の理由はいったい何だろうか?
19年06月13日 01:24
【ウミガメのスープ】 [藤井]



解説を見る
【解答】
途切れ途切れの音は、幼き頃のピアノの発表会での私の演奏。たくさん間違えて聴くに堪えない失敗の演奏だった。
それを録音した母が祖母に聴かせようと再生した“あの時”、私は恥ずかしさや悔しさから祖母に聴かせるのが嫌で泣いた。


【解説】
私は幼き頃からピアノを習っていた。
小学1年生の頃、初めての発表会に挑んだ。課題曲には祖母の大好きな童謡『茶摘み』を選んだ。家で何度も何度も練習をし、ついに本番を迎える。
しかし当日私はひどく緊張していて、たくさん間違えてしまった。いつもはミスなく弾けるところも指が震えて何度もつっかえてしまい、聴くに堪えない演奏だった。どうにか最後まで弾き終えて礼をする。響き渡る拍手は全然嬉しくなんかなくて、私は泣きたい気持ちをこらえるのに必死だった。

客席で見守っていた母は私の演奏をテープに録音しており、帰宅後、あのひどい演奏を祖母に聴かせたのだ。
私は声を荒げて怒った。
「そんなの聴かせないでよ!!!!」
恥ずかしくて悔しくて涙が溢れた。あんなにたくさん練習したのに、あんなにたくさん間違えて……二度と聴きたくない演奏だ。祖母は私の背中を撫で、テープの再生を止めた。

それ以来、私の前でそのテープが再生されることはなかった。



歌が好きな祖母は日頃からよく童謡などを口ずさんでいて、たまに天気のいい日には縁側に腰掛けてテープレコーダーを片手に音楽を聴いているようだった。しかし、常にイヤフォンを装着していたので、祖母が何の曲を聴いているのかわからなかった。
私が近づいて隣に座ると、祖母はテープを止めてイヤフォンを外し、手遊びなどをたくさん教えてくれたものだ。
私は祖母が大好きだった。


季節は巡り、私は中学生になった。祖母は年々老衰により耳が遠くなり、声も出にくくなっているようだった。次第に部屋にこもりがちになり、縁側に置かれたテープレコーダーはついに再生されることがなくなってしまった。

私はふと、気になった。
祖母はイヤフォンで何の曲を聴いていたのだろうか?
興味本意でテープレコーダーを手に取り、イヤフォンを取り外して、再生ボタンを押す。


流れ出したのは、途切れ途切れのピアノの音。
聴くに堪えなかったあの日の私の演奏。


祖母はずっと、これを聴いていたのだ。
私が悔しさと恥ずかしさで泣き出したあの日から、私が傷つくことのないように、私に聴かれることのないように、わざわざイヤフォンをつけて。


「……おばあちゃんね、ウミコが発表会でその曲弾くって知ったとき、すっごく喜んだのよ」

いつの間にか後ろにいた母がそっと囁いた。

「おばあちゃんの好きな曲を選んでくれたことが嬉しくて仕方なかったみたいでね。ウミコにとっては失敗の演奏だったかもしれないけど、おばあちゃんにとってはとびっきりの宝物よ」


下手くそな演奏が終わり、拍手が響く。
それはとても温かくて、まるでその中に笑顔で手を叩く祖母の姿が見えるようで……

こらえきれず溢れる涙を、私は震える指で拭った。
 
塗られた毒「22Good」
良質:18票物語:2票納得感:2票
寿司を食べていたカメオは毒で死んだ。
箸にも寿司にも毒はついていなかった。
そうすると、どこに毒がついていたのだろう?
19年07月13日 21:20
【新・形式】 [Rest]

簡単かな?5人正解出ましたら諦めます。(元は名無しでした)




解説を見る
出題者は寿司屋の大将。




<彼は人を殺した。おしぼりに{毒}を塗り込んで。>



彼は自信がなかった。自分の仕掛けた精いっぱいのトリックに。


あることを思いついた。

ここ、らてらてで出題し、5人の正解者が出たら諦めて自首しよう。

<簡単かな?5人正解者が出ましたら諦(あきら)めます。>

そう一言コメントに記し、問題を出題した。




その結果、5人に毒のトリックを見破られ、

やっぱりこのトリックはいつかはバレるのだと悟ったカメオは

{警察署へ走った。}


※流石にネット上で犯人が自分だとは言えないので、大将は犯人が出題者であることは隠します。
※出題しているのはRestではない感をだすために名無し出題しております。
※最初の大将が質問に答えるフェーズは大将目線で、そのあとの自首の理由フェーズはRest目線でお答えしています。
良質:12票トリック:8票物語:1票納得感:1票
廃墟ビルの一室。

刑事離小島と対峙する強盗殺人犯。

「動くな!」と怒鳴った後、刑事離小島の拳銃が火を噴いた。

しかし放たれた弾丸は犯人のそばのガラスを割っただけ。
当てるつもりのない威嚇射撃である。

そして手を挙げている犯人に向かって刑事離小島はこう言った。

「本当にごめんなさい!」

一体なぜ?

SP:プーさん、テストプレイ:ゴリさん。サンキュー。



※問題の解明には一切関係ありませんが、文中の「刑事」は
「けいじ」ではなく「デカ」と読んでください。拳銃は「チャカ」ね。
※この問題はらてらてとCindyで同時に出題されています。
Cindyユーザーより早く解き明かしましょう。打倒Cindy。
※だからCindyの方の問題は覗かないでね。約束だぞ✳︎
19年10月03日 21:59
【ウミガメのスープ】 [ダニー]



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強盗殺人犯、田中。

ようやくその田中の足取りを掴んだ刑事離小島はアジトの廃墟ビルに押し入った。

ソファーに深々と座り、片手でシャム猫を撫でつつでっかいワイングラスで
チェリオを飲んでいた田中は刑事離小島の闖入に慌てふためいた。

「田中!確保だ!」

そんな田中に飛びかかる刑事離小島。

掴みあう2人。
飛び交う怒号。
尻尾がピーンってなるシャム猫。
こぼれるチェリオ。

田中が刑事離小島を蹴飛ばし、一旦距離が離れた。

睨み合う両者。

沈黙を破り「動くな!」と怒鳴ったのは田中だった。
天井に向けて挙げた右手には拳銃が握られている。
揉み合いの際、刑事離小島から盗み取ったのだ。

その刑事離小島の拳銃が火を噴いた。

田中が威嚇射撃の為に天井に向けて放った弾丸は田中の頭上の蛍光灯を割った。

拳銃で撃たれちゃうって思った刑事離小島は
「本当にごめんなさい!」
と拳銃を持って右手を挙げている田中に向かって土下座した。

その速さ0.08秒。神速。神土下座である。

その見事な所作に田中はなんかちょっぴり感動した。

そんなお話。
良質:12票トリック:2票物語:2票納得感:6票
 春と思えぬ寒気。休日だというのに雨が降っている。窓の外は暗いがもう昼らしい。
 男はキッチンへ向かうと、買いだめしてあったカップラーメンを手に取った。最後の一つだ。ビニールをはぎ取り、ふたを開けてお湯を注ぐ。

 短い昼食を済ませたのち彼は出かけることにした。またしばらくの間食べる分のカップ麺を買おうと思ったのだった。近所のスーパーなので適当な格好のまま、靴を履いて玄関のドアを開けた。
 その直後、彼は自分の犯したミスについて思い至ることになる。

 もしそのミスが無ければ、その日、男の昼食はカップラーメンではなかったかも知れない。

 さて、どういうことだろうか?
20年04月18日 02:32
【ウミガメのスープ】 [Hugo]

創り出すからの逃走




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 男は浮気をしていた。つい先日、なぜかそれがバレて、妻と別居になったばかりだった。
 一人では家事などをする気が起きず、食事は適当に、買いためた冷凍やインスタント麺などで済ませることが多くなっていた。

 それはさておき、玄関のドアを開けた男がまず目にしたのは傘立て、正確にはそこに置いてあった一本の傘である。自分のものではなかった。
 妻は身の回りの物を大抵持って行ってしまっていたし、おそらくどこからか自分が誤って持ち帰ったものだろう。さて一番最近傘を使ったのはいつだったか。

 そして男の背筋は凍る。浮気相手の女性の家から帰るのに、自分のものと勘違いして彼女の傘を使ってしまったのではないか。浮気がバレたのは奇しくもその同じ日である。あの時は西日で気づかなかったが、夕焼けを吸ったような濃いオレンジの女物の傘である。男は自分のミスを確信した。

 浮気がバレていなければ、妻と別居することにはならなかったはずだ。昼食だって妻が作ってくれていたかもしれない。
良質:12票トリック:1票物語:5票納得感:4票
ーカメオの日記ー

○月×日(金)

最悪。

あさって、カメコをユニバーチャル・スタジオ・ジャポンに連れて行くことになった。

母さんの都合が急に悪くなったって。

あんたどうせ土日はゴロゴロしてるんだから、って。横暴だぜ、まったく。

せっかくの休みに中坊のお守りかよ。だりー。

テーマパークなんか俺、行ったことねえし、興味すらねえよ。

しかも、妹とふたりってか。マジユウウツ。


○月△日(日)

っぶねー。うっかりあの店入るとこだったよ。ギリギリでその危険性に気付いた俺、天才。間一髪。やべー。

まあ、杞憂ってやつかも知んないけど、万が一ってことがあるし。

男にはプライドってもんがあるのだ。



ーカメコの日記ー

○月△日(日)

今日は楽しかった!お兄ちゃんに感謝。

二人とも初めてのUSJだから、もっとうろうろしちゃうかと思ったけど、案外大丈夫だったな。

あ、でも、ひとつだけ変なことがあったぞ。

「昼めしはここにしよう」ってお兄ちゃんがお店決めたんだよね。

ガイドブックには『気さくで話好きなスタッフがおもてなし。ウミガメのスープも★★★!』って書いてあるお店。

なのにお兄ちゃん、そのレストランに入ろうとしてドアの前に立ったら、なんかちょっと考えてクルッと振り返って「やっぱりやめる」ってスタスタ行っちゃった。

追いかけて訳を聞いても「別に」「なんとなく」って。

あれ、なんだったんだろ?


…さて、カメコが不思議に思っているカメオの行動。なぜ一度は入ろうとしたレストランに入らなかったのか?その理由を推理してみてくださいませんか?
20年06月25日 21:58
【ウミガメのスープ】 [きまぐれ夫人]

あー楽しかった~




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日曜日のデート(?)がうまくいくように前日の土曜日に下見に来たことを、カメコに知られるのが照れ臭かったのです。
気さくで話し好きなスタッフが、悪気無くしゃべっちゃうかもしれませんものね。「イケメン君、昨日も来てくれたよね!」なんて。
実際はスタッフもいちいち客の顔なんて覚えてないでしょうけど、そこはほら、男子高校生といえば自意識過剰なお年頃ですから…


ー書かれなかったカメオの日記ー

○月□日(土)

ガイドブックとかネットの情報だけじゃ不安だからさ。

現地に視察に行って来ました("`д´)ゞ

やっぱ、大事だわ、現地行くの。

電車の乗り継ぎとか、アトラクションの場所とか待ち時間とか満足度とか、効率的な移動ルートとか、どの時間帯が混むかとかさ。

実際に歩いてみないとわかんねーもんだ。

実証的っていうの?フィールドワーク?なんでもいいけどw

とにかくカメコのヤツ、トロくせーからなあ。ちゃんと調べといてやんねーと、まごまごしてるうちに1日終わっちゃうよ、アイツ。

苦労するぜ、俺も。

それにしても、あのレストラン、美味かったなあ。

店員もみんな気さくで、いっぱい話し掛けてくれたし。

アットホームって感じ?

ま、俺がイケメンだからってのが大きいんですけどw 嘘w フツメンw それも嘘w ブサメンw そこまでいうW

カメコの好きなウミガメのスープもメニューに載ってたな。

うん、明日の昼めしはあそこに決定だ。

カメコ喜ぶかなあ。

別にどうでもいいけど。


さあ、明日に備えて早目に寝るべ。