みんなのGood

苦すぎ「25Good」
良質:6票トリック:12票物語:3票納得感:4票
「{ハイこれ、あげる}」
俺は先輩からチョコを受け取った。
「…ありがとうございます」
{好きな人の手作りチョコ}だというのに、{ちっとも嬉しくない}。


【「俺」がちっとも嬉しく思っていないのは、一体なぜ?】
20年02月14日 22:53
【ウミガメのスープ】 [こたこた2号]

知人の実話です。




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イケメン先輩【「いらねーって言ってんのに今年も下駄箱に勝手に入ってたー…{こんなに食いきれねーよ}」】

周り「黙れモテ男!自慢かこのやろー!!」

先輩「【てなわけでみんなで食ってくんない?】テキトーに配るね。はいこれ。お前にはこれ。そっちにはこれ。{ハイこれ、あげる}」

俺「…ありがとうございます」
【(これ、俺の好きな人のチョコだ…あの子、先輩のこと好きだったんだ…)】

周り「さすが女子、めっちゃ美味ぇ!」
【俺「めっちゃにげぇ…はぁ…」】
良質:9票物語:11票納得感:5票

20XX年、繁栄を極めたAI技術はついに人型ロボットの個人所有を可能にした。

通称『ナナミ』と名付けられたそのアンドロイドは、優秀な演算能力と人間らしい柔軟な思考能力とをあわせ持ち、どのような状況においても最速かつ最善の選択をすることができる。
その利便性から徐々に一般家庭への普及も進み、カオルも『ナナミ』を購入した1人であった。

そんな『ナナミ』たちは月に一度、本社の建物に集められて試験を受ける。システムに劣化や故障がないか確認するために、大量の問題をいかに速く処理できるかを計測するのだ。

カオルの家の『ナナミ』は同型のロボットの中でも優秀な成績を維持していたが、ある月を境に底辺に近い結果を出すようになってしまった。

その報告を聞いたカオルが嬉しそうにしているのは、一体何故だろう?
20年05月17日 21:00
【ウミガメのスープ】 [「マクガフィン」]

久々の出題は渾身の一杯。




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『簡易解説』
ある日カオルに{婚約を申し込まれた}『ナナミ』は、毎月行われる{筆記試験}で自分の名前に添えて{カオルの名字}を記すようになった。
コンマ何秒を争うロボットの試験においてその{わずか数秒は命とり}だが、『ナナミ』が{結婚の申し出を受け入れてくれた}と感じたカオルは歓喜した。

◇◇◇◇◇◇◇◇


アンドロイドと人間は何が違うのか?
それは心を持つかどうかである。
では人間がアンドロイドに恋をするのは、おかしいことなのだろうか?

篠崎カオルの思考はいつもこの疑問に行き着いて止まる。その名前や中性的な容姿からよく女性に間違われる彼は自分の優柔不断な性格に悩んでいたが、その恋心だけは疑いようもなかった。

『ナナミ』を購入した数ヶ月前は、まさかこんな感情を抱くことになるとは思いもよらずにいた。職業柄効率的な事務処理が必要とされる彼にとって、その全てを的確にこなすロボットに興味を惹かれただけだった。

だが一つ屋根の下で毎日を共に過ごすうちに、いつしか彼女をただの鉄の塊だとは思えなくなっていった。いつでもカオルを助けてくれるその頼もしさに、時折見せる柔らかな笑顔に、それがプログラムに過ぎないことはわかっていても、胸の高鳴りを抑えられなかった。

毎月ナナミは試験を受けるためにカオルの家を離れて東京へ向かう。アンドロイドがわざわざ筆記試験なんて前時代的なと思うものの、いかにもロボットらしい演算処理に加えて、専属の係員が直接視認して歩く、話す、書くといった人間らしい動作に異常はないかをチェックするというのだから、あながち非合理的でもないのだろう。
しかしそんな一時の留守でさえ、カオルの心をかき乱すには十分だった。


だからある時カオルは、思いの丈をナナミに伝えることにした。夕飯の後に話があると改まった様子の彼を見て、彼女は怪訝そうな表情を浮かべる。

{「あなたのことが好きです。僕と結婚してください。」}

カオルらしくどもりながらもハッキリとそう口にした。きっと彼女は困ったように断るのだろうと、心のどこかで思いながら。


気まずい沈黙の後、ナナミはゆっくりと口を開く。

「……すみません、私は明日、月例試験に行かなくてはいけないので、今日は失礼します。」

どこまでも無機質なその声は、彼女が閉めたドアの音は、2人の埋めがたい距離を冷たく示すようだった。わかってはいても、拒絶はやはり身にこたえる。カオルは肩を落としながら床についた。


◇◇◇◇◇◇◇◇

「E判定!?」

試験を終えて帰宅したナナミからの報告に、カオルは耳を疑った。
演算処理能力を中心とした月例試験においては、正答を出すことは大前提とされ、その速度を計測してシステムに不具合がないかを調査する。アンドロイドらしいハイレベルなテストでもカオルの家のナナミ・・・『ナナミ J20557』は優秀な成績を収めており、全国に数万台いる『ナナミ』の上位10%にあたるA判定から漏れたことはなかった。それなのに…

「E判定だなんて、最底辺に近い結果じゃないか、まさか、誤答を…」
「していません」
「じゃあ、演算能力が…」
「落ちていません」
「そ、それなら筆記スピードの劣化…」
「そのままです」

「な、なら一体、どうしていきなり成績が落ちたんだろう?」
「それは」
彼女はそこでふいと目を逸らした。

「それはきっと、名前が変わったからだと思います。」
「ん、名前?」
訝しげに首をひねるカオルに、ナナミは一枚の紙を差し出した。

それは月例試験の答案用紙だった。採点後すぐに返却された答案を眺めていたカオルの目は、ふと一点に釘付けになる。

『ナナミ J20557』
もはや見慣れた機体名に通し番号。しかしその横には見慣れぬ、いやむしろ見慣れすぎた二文字が記されていた。


『篠崎ナナミ J20557』


怒涛の進歩を遂げたAIによる試験はコンマ何秒を争うものだ。確かに無駄な漢字なんて書いていたら、一気に抜かれるのも当然と言えよう。
でも、これって……

「すみません、余計なことをしてしまいました。」
下を向くナナミに余計だなんてと紡ぎかけた声は、「でも」という彼女の言葉にかき消された。

「でも、仕方ないですよね。だって…」


「だって私たち、夫婦なんですから。」


はにかんだように笑うナナミは、他の誰よりも人間らしかった。

僕はこの笑顔を、守りたいと思う。人か機械かなんて関係ない。誰が何と言おうと僕が幸せにしてみせる。

きっと大丈夫だ。だって、


{愛に不可能はないのだから。}

「25Good」
良質:15票トリック:1票物語:7票納得感:2票
大学の友人であるライナスが、朝から授業に出席していないことに気がついたあなたたち。

メッセージアプリでメッセージを送るも、既読がつかないことを心配したあなたたちは、

午前の授業が終わった後、午後のバイトが始まるまでの時間で彼の自宅へ向かい、様子を伺うことにした。


インターホンを押すと、ライナスの母親が出てきた───


【「はーい。あら、君たち、ライナスの友達?

 ライナス、今日は体調悪いから大学は休むって言ってたけど……」】



{MISSION:
午後のバイトが始まるまでの3時間以内に、彼が音信不通となった原因の真相を解明せよ。}
20年09月05日 19:59
【ウミガメのスープ】 [キュアピース]

テストプレイ・SP監修:ちくたくさん。ジャンルミス:ウミガメ→亀夫君問題です。




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───次の日の朝。


ライナス

「いやー、本当に心配かけてごめん!悪かった。

 実は、一昨日の晩……


───12月17日、水平思考サークル部室内にて───

「あの!サンディ先輩。」

「んー?なんだい、ライナス君。」

「あの。イブの日って、何してますか…?」

「え。イブってクリスマスイブのこと?」

「そ、そうです」

「えっと……【あいては、いるけど。】ライナs」

「あっあっそうですよね!!変なこと言ってすみません!それじゃ、また明日!」

「えっ。ちょっ、ちょっと待っ……」

────────────────────────


……ってことがあったんだ。

てっきり、先輩にはイブを一緒に過ごす【『相手』】がいるんだと思ってたけど、イブの予定が【『空いて』】いるって意味だったとは…。


俺、サンディ先輩のこと全然知らなくて。彼氏がいるかどうかもわからずに誘ってたから、

イブを一緒に過ごす相手がいるかいないかがめちゃくちゃ気になってたんだよな。

それで、あんな聞き違いをしてしまったんだと思う。


早速、昨日サークルの部室に先輩に会いに行って、謝って、もう一度誘ってみたよ。そしたらOKだって!!

お前らがいなかったら、ずっと勘違いしてしまっていたところだった。

本当にありがとう!!今度必ず飯おごるな!」




───そして、クリスマス当日。

ライナスの告白を受け入れたサンディ。二人は晴れて付き合うこととなった。

そして、ライナスの友人である異邦人、休み鶴は

ライナスの母親リートと共に、ささやかではあるがとても楽しいクリスマスの時間を過ごすこととなった。

密かにリートに恋慕する二人であったが、それが受け入れられるかどうかはまた別のお話───。
はかのひ「25Good」
良質:12票トリック:9票物語:3票納得感:1票
母の日。

親不孝者のカメオが今年も花を買った。
母の日の贈り物の定番。カーネーションである。

だが、カメオはいつもそれを母の墓ではなく赤の他人の墓に供えるのだと言う。

いったいなぜ?
20年09月08日 01:05
【ウミガメのスープ】 [るょ]

新・深夜の小ネタ集14




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カメオには、母はいない。
いや、正確には、昔は居た。


カメオには、血の繋がっていない母がいたのだ。
やんちゃばかりしていたカメオの世話を甲斐甲斐しく焼いてくれた母だった。

言葉にこそ出さなかったが、カメオは母の事が大好きだった。
…しかし、母の方は違っていたようだ。

ある日、ヤクザまがいの商売を終えて帰宅したカメオに、母はこう言った。

『親子の縁を切りたい』

…氷のように冷たい声だった。

そこから先の事はよく覚えていない。
今まで自分が、いかに我慢してきたかを訴える母の声を背に、
気がつけば、カメオは家を飛び出していた。


…あれから、数年が経つ。
連絡も一切取っていなかったが、風のうわさであの人が亡くなったと聞く。


カメオは、彼女を『母』と呼ぶ資格など無いことを知っている。
墓参りに行くときも、いつも決まって「他人の墓だ」と言う。

だから、カメオは今から、『赤の他人』の墓にカーネーションを供える。
それだけのことだ。


かつて母であった赤の他人に、謝罪と感謝を込めて。




答え:
自分の素行の悪さが原因で親子(家族)の縁を切ることになってしまったので、
カメオはその人の墓を『母の墓』と呼ぶ資格は無いと思っているから。
または、単に勘当されて他人になってしまったから。
良質:9票トリック:7票納得感:9票
今日は火曜日。

近所のスーパーの特売日である。

主婦歴45年の田中ももちろん火曜日はこのスーパーへ行く。

火曜日は野菜が安い!

田中はジャガイモやニンジン、タマネギなどカレーの材料を次々と買い物カゴに入れていったのだが、ふと近くにいる女性の目の下のホクロを見つけた時、田中は手にしていた特売品のタナカレー(カレーのルウだよ)を商品棚に戻した。

女性とはそのスーパーで一度会ったことがあるだけで特に親しい間柄でもない。

なぜ田中はタナカレーを棚に戻したな?


※問いかけの語尾の「たな?」を「のだろうか?」に変換しても大丈夫です。たなたな言いたかっただけです。
※タナカレーは酸味と辛味のバランスが9:1のニッチな需要のあるカレールウですが、当問題を解くにあたりその商品特性は重要ではありません。
21年04月13日 12:15
【ウミガメのスープ】 [ダニー]

4/16 20時まで延長します




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田中は近所のスーパーでパートをしている主婦。

火曜日は特売日なので超多忙。必ず田中もシフトに入る。

今日はレジ担当の田中。

お客様が持ってきた商品の詰まった買い物カゴから商品を一度取り出しバーコードをスキャン、もしくは手打ちして、レジに登録し終えた商品を清算済みの買い物カゴに移し替えていくのが主な作業だ。

そして今田中のレジについた女性客。

なんか見覚えあるなあと思いながら田中はレジ打ちを始めた。

女性はカレーを作る気なのだろう、カレーに必要なジャガイモやニンジン、タマネギなどがあり、それらを次々にレジ打ちして精算済みの買い物カゴへと移していく。

そしてお一人様お一つ限りの特売品、タナカレーのレジを通す前にあらためて女性の顔を見た。

田中の視線からそっと目線を外した目元のホクロに見覚えがある。

「あなた… 先程もこのタナカレーを購入しましたね?」
「な、な、な、なんのことですか? 私にはさっぱり…」
「あなたの特徴的なその目元のホクロ。私はしっかと覚えておりますぞ! お一人様お一つまでの商品を2個買おうなぞ万死に値します!ドーーーーン!」
「お、恐れいりました!(ドーーーーンてなに!?)」

そんなやりとりを経て無事お一人様お二つ買いを華麗に阻止した田中。

取り上げたタナカレーを元の商品棚に戻したのでした。

こりゃめでたい。