みんなのGood

良質:12票トリック:2票物語:2票納得感:6票
 春と思えぬ寒気。休日だというのに雨が降っている。窓の外は暗いがもう昼らしい。
 男はキッチンへ向かうと、買いだめしてあったカップラーメンを手に取った。最後の一つだ。ビニールをはぎ取り、ふたを開けてお湯を注ぐ。

 短い昼食を済ませたのち彼は出かけることにした。またしばらくの間食べる分のカップ麺を買おうと思ったのだった。近所のスーパーなので適当な格好のまま、靴を履いて玄関のドアを開けた。
 その直後、彼は自分の犯したミスについて思い至ることになる。

 もしそのミスが無ければ、その日、男の昼食はカップラーメンではなかったかも知れない。

 さて、どういうことだろうか?
20年04月18日 02:32
【ウミガメのスープ】 [Hugo]

創り出すからの逃走




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 男は浮気をしていた。つい先日、なぜかそれがバレて、妻と別居になったばかりだった。
 一人では家事などをする気が起きず、食事は適当に、買いためた冷凍やインスタント麺などで済ませることが多くなっていた。

 それはさておき、玄関のドアを開けた男がまず目にしたのは傘立て、正確にはそこに置いてあった一本の傘である。自分のものではなかった。
 妻は身の回りの物を大抵持って行ってしまっていたし、おそらくどこからか自分が誤って持ち帰ったものだろう。さて一番最近傘を使ったのはいつだったか。

 そして男の背筋は凍る。浮気相手の女性の家から帰るのに、自分のものと勘違いして彼女の傘を使ってしまったのではないか。浮気がバレたのは奇しくもその同じ日である。あの時は西日で気づかなかったが、夕焼けを吸ったような濃いオレンジの女物の傘である。男は自分のミスを確信した。

 浮気がバレていなければ、妻と別居することにはならなかったはずだ。昼食だって妻が作ってくれていたかもしれない。
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ーカメオの日記ー

○月×日(金)

最悪。

あさって、カメコをユニバーチャル・スタジオ・ジャポンに連れて行くことになった。

母さんの都合が急に悪くなったって。

あんたどうせ土日はゴロゴロしてるんだから、って。横暴だぜ、まったく。

せっかくの休みに中坊のお守りかよ。だりー。

テーマパークなんか俺、行ったことねえし、興味すらねえよ。

しかも、妹とふたりってか。マジユウウツ。


○月△日(日)

っぶねー。うっかりあの店入るとこだったよ。ギリギリでその危険性に気付いた俺、天才。間一髪。やべー。

まあ、杞憂ってやつかも知んないけど、万が一ってことがあるし。

男にはプライドってもんがあるのだ。



ーカメコの日記ー

○月△日(日)

今日は楽しかった!お兄ちゃんに感謝。

二人とも初めてのUSJだから、もっとうろうろしちゃうかと思ったけど、案外大丈夫だったな。

あ、でも、ひとつだけ変なことがあったぞ。

「昼めしはここにしよう」ってお兄ちゃんがお店決めたんだよね。

ガイドブックには『気さくで話好きなスタッフがおもてなし。ウミガメのスープも★★★!』って書いてあるお店。

なのにお兄ちゃん、そのレストランに入ろうとしてドアの前に立ったら、なんかちょっと考えてクルッと振り返って「やっぱりやめる」ってスタスタ行っちゃった。

追いかけて訳を聞いても「別に」「なんとなく」って。

あれ、なんだったんだろ?


…さて、カメコが不思議に思っているカメオの行動。なぜ一度は入ろうとしたレストランに入らなかったのか?その理由を推理してみてくださいませんか?
20年06月25日 21:58
【ウミガメのスープ】 [きまぐれ夫人]

あー楽しかった~




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日曜日のデート(?)がうまくいくように前日の土曜日に下見に来たことを、カメコに知られるのが照れ臭かったのです。
気さくで話し好きなスタッフが、悪気無くしゃべっちゃうかもしれませんものね。「イケメン君、昨日も来てくれたよね!」なんて。
実際はスタッフもいちいち客の顔なんて覚えてないでしょうけど、そこはほら、男子高校生といえば自意識過剰なお年頃ですから…


ー書かれなかったカメオの日記ー

○月□日(土)

ガイドブックとかネットの情報だけじゃ不安だからさ。

現地に視察に行って来ました("`д´)ゞ

やっぱ、大事だわ、現地行くの。

電車の乗り継ぎとか、アトラクションの場所とか待ち時間とか満足度とか、効率的な移動ルートとか、どの時間帯が混むかとかさ。

実際に歩いてみないとわかんねーもんだ。

実証的っていうの?フィールドワーク?なんでもいいけどw

とにかくカメコのヤツ、トロくせーからなあ。ちゃんと調べといてやんねーと、まごまごしてるうちに1日終わっちゃうよ、アイツ。

苦労するぜ、俺も。

それにしても、あのレストラン、美味かったなあ。

店員もみんな気さくで、いっぱい話し掛けてくれたし。

アットホームって感じ?

ま、俺がイケメンだからってのが大きいんですけどw 嘘w フツメンw それも嘘w ブサメンw そこまでいうW

カメコの好きなウミガメのスープもメニューに載ってたな。

うん、明日の昼めしはあそこに決定だ。

カメコ喜ぶかなあ。

別にどうでもいいけど。


さあ、明日に備えて早目に寝るべ。
良質:3票トリック:12票納得感:7票
昨夜、私は職場の備品であるパソコンを一台盗んだ。
管理もずさんだったので、とても容易に盗み出すことができた。

次の日、パソコンのあった場所には代わりに貼り紙がしてあった。

貼り紙には、
・パソコンを盗んでいる現場を目撃した者がおり、既に犯人は特定されている
・今すぐに返却すれば処分を受けることなく、お咎め無しで許してもらえる
という旨が書かれていた。

私はそれを見て、
「パソコンを返す必要は無いな。」
と思った。


一体なぜ?


※この問題は過去に出した問題のリメイクです。
 ピンときた人はお口にアロンアルファ!
20年07月04日 00:53
【ウミガメのスープ】 [るょ]

※この問題は【過去問リメイク】です




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その貼り紙を見た時、初めはギョッとした。


何故なら、職場の"小学校"のパソコン室からパソコンを盗んだのは他でも無い私であり、
言われてみれば、学校から盗み出すとき誰かに見られたような気がしないでもなかったからだ。
本当に特定されていたとしたら、処分を受ける前に返却するのも賢い選択だろう。

しかし、私はあることに気がついた。
貼り紙には所々"ルビ"が振られ、難しい漢字はひらがなで書かれていたのである。

犯人が"教師"である私だと特定出来ており、この貼り紙が私宛のものであるならば、
わざわざ難しい漢字をひらがなにしたり、ルビを振ったりする必要はない。

つまり、この貼り紙は児童に向けた物であり、
「犯人が特定されている」というのが嘘だというのを見破ることが出来たのである。

さらに言えば、「お咎め無し」というのも児童に向けた言葉であり、
教師の私が犯人であればそういう訳にもいかないだろう。


…やっぱりパソコンを返す必要はないな。

というか返せない。
開き直った私は、盗んだパソコンで堂々とらてらてを楽しむことにしたのだった。


答え:
ルビやひらがなの使い方が明らかに子供向けだったため、
『犯人の特定』が嘘であることを看破したから。


リメイク元
http://sui-hei.net/mondai/show/9496
超偏りアンケート「22Good」
良質:3票トリック:4票物語:1票納得感:14票
1922年。
この時代のアンケートでは「ハイ」と答えることはあっても、
「イイエ」と答えることはほとんどない。

時は流れ、2022年。
この時代のアンケートでは「イイエ」と答えることはあっても、
「ハイ」と答えることはほとんどない。

何故このようなことが起こるのだろう?
22年07月08日 22:30
【ウミガメのスープ】 [いんふぃ]

年代が丁度100年差ですが、特に意味はないです




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1922年のアンケートは【選択肢がいろは順】であると思われるため、
「選択肢ハ(3番目)と選択肢イ(1番目)」を選ぶことはあっても、
「選択肢イ(1番目)と選択肢イ(1番目)と選択肢エ({43番目})」を選ぶことはほとんどない。

2022年のアンケートは【選択肢が五十音順】であると思われるため、
「選択肢イ(2番目)と選択肢イ(2番目)と選択肢エ(4番目)」を選ぶことはあっても、
「選択肢ハ({26番目})と選択肢イ(2番目)」を選ぶことはほとんどないから。
良質:9票トリック:3票物語:4票納得感:6票
12月15日。

田中は毎年その日にティッシュを頭の上にのせる。

その行為を5年間続けていたのだが今年はやらなかった。

その日、ティッシュを切らしていたのだが、やらなかった理由はそのせいではない。

田中が『ティッシュ頭のっけ』をやめた理由は何か?
22年12月18日 00:24
【ウミガメのスープ】 [ダニー]



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12月15日。

「ティッシュ… はもうないか」
仕方なく袖口で溢れてくる涙を拭った田中。

今日は田中の息子の誕生日。
しかし息子は8歳の誕生日を迎えることはできなかった。

一週間前。交通事故だった。
病院に搬送された時にはすでに意識はなく、そのまま目を覚ますことはなかった。

感情が追いつかない頭で葬式を終え、気づけば今日は息子の誕生日。

涙で滲んだ目で空になったティッシュ箱を見つめる。

田中は成長の記録に、と毎年家の柱に息子の身長の高さの傷をつけていた。

その時に用いていたのが、ティッシュ箱。

柱に垂直にピタッとくっつけて、そのまま息子の頭の位置まで下ろし、箱が頭に乗っかったところで印をつける。

「今日も来年も、その次の年も息子の身長を測る、はずだったんだ…」

田中は柱の傷を指でなぞり、またあらたに頬をつたう涙を袖口で拭った。