みんなのGood

良質:15票トリック:6票納得感:6票
今日はずっと雨が降りそうな天気だったのでコンビニに向かったカメオ。
しかしすぐに分厚い雲が無くなり、だんだんと晴れてきた。
さてこの時太陽の光が綺麗に○に映っていたため、コンビニからの帰り道、カメオは赤の他人であるカメコを殺した。

○は何?
23年04月09日 20:09
【20の扉】 [ベルン]

だからこそ日陰「も」あって おかぷ中




解説を見る
【月】

狼男のカメオ。
分厚い雲が覆っていたのでまぁコンビニくらいなら大丈夫だろうと外出したところ、突然晴れてきた。
そして満月の光がカメオを照らし、狼男となったカメオは隣を歩いていたカメコを殺してしまった。

※満月の光=月に映った太陽の光
良質:12票トリック:6票物語:7票納得感:1票
小さい頃からクランの花が大好きで、一度でいいからクランの花畑に行きたいと望んでいたコトミ。

しかしコトミは体が弱いため、なかなか遠くの地にしか咲かないクランの花畑に行くことが出来なかった。

それでもなんとかして連れて行きたいと、両親は、コトミの18歳の誕生日にクランの花畑に連れて行こうと決めた。

そして迎えた18歳の誕生日、両親に連れられ、コトミは念願のクランの花畑に行くことができた。

クランの花畑を初めて目にしたコトミは、涙を浮かべ、頬を緩めた。

「これがクランの花… とってもきれい…」

さて、クランの花に囲まれ、微笑むコトミの頬を伝う涙は、{嬉しさではなく、悲しみによるものである}。

一体なぜ?
22年10月03日 22:33
【ウミガメのスープ】 [ベルン]

月曜22時頃まで!




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【簡易解説】
クランの花畑を見た夜、発作に対応できず、そのまま亡くなってしまったコトミ。
死ぬまでに見ておきたかったクランの花を見ることができたのか、その死に顔は微笑んでいた。
さて、お葬式のとき、棺の中でクランの花に囲まれて横たわるコトミを見て母親の流した涙がコトミの頬に落ち、そのまま流れていった。

【物語風解説】

コトミは少し貧しい家に、一人娘として生まれた。

念願の子供だったのもあり、両親は大変愛情をこめてコトミを育てた。
コトミもそんな両親が大好きだった。

しかし、コトミは生まれつき体が弱く、ほとんどの時間を病院で過ごしていた。
両親はそんなコトミの治療費を稼ぐため、必死になって働いていた。
そのため、コトミのそばにはいつもおばあちゃんがいて、話し相手になったり、簡単なゲームをしたり、本を読んであげたりした。
その中でもコトミが大好きだったのは、おばあちゃんの昔話。
おばあちゃんは旅がとても大好きで、色々なところに行っており、ほとんど病院から出られないコトミにとって見たことのない所の話は、とても新鮮で面白かった。

アフリカに行ってピラミッドという大きなお墓の中に入った話。
アメリカに行って今は亡きおじいちゃんと運命的な出会いをした話。
インドに行って大量のお金を盗まれた話。

この世界は色々なことで満ちあふれているというのは、コトミにとってとても魅力的だった。

その中でも特にコトミが気に入っていたのは、北欧にあるというクランの花のお話。
なんとクランは、雪の中から鮮やかな青色をした花を咲かすという。
そのためその花は、どんな辛いときでも希望を与えてくれる花だと現地では言い伝えられているらしい。

そしてその花畑は、おじいちゃんがおばあちゃんに結婚を申し込んだところでもあった。

懐かしそうに、それでいてどこか淋しそうにその話をしてくれるおばあちゃんを見ていると、コトミもクランの花畑にとっても行きたくなった。

おばあちゃんが見せてくれた、当時撮った写真の中のクランの花は、色あせているのにも関わらずコトミの瞳にとても鮮やかに映った。

私もこんな綺麗なところ、おばあちゃんの思い出の場所に行ってみたいなぁ。

コトミの口からは自然とその言葉が漏れた。

…そうだね、大きくなって、元気になったらおばあちゃんと一緒に行こうね。

おばあちゃんは笑顔でそう言った。

うん!

コトミも嬉しそうに返した。



それから約一年、おばあちゃんは病気にかかり、そのまま天国に行ってしまった。

生まれてから一番長く一緒の時間を過ごした人の死。
コトミはそれが受け入れがたく、固く心を閉ざしてしまった。

それを見た両親は、少なくとも片方はずっとコトミのそばにいてあげようと誓った。

ある日、お母さんがおばあちゃんの遺品を整理していると、コトミ、と書かれた箱が出てきた。
箱を開けると、中からはノートが一冊入っていた。

ノートを開くと、そこにはコトミと過ごした日々が日記に綴られていた。
とりとめもない日常のことばかりだったが、コトミとおばあちゃんが二人で過ごした日々が、明確に脳裏に浮かんでくるようで、お母さんの目からは涙がこぼれた。

そのままペラペラとノートをめくっていくと、中から何枚かの写真が落ちた。

ピラミッドに行ったときの写真や、おじいちゃんとのツーショット。
そして、雪の中に咲き誇るクランの花畑。

こんなにいろんなお話をしてくれたんだね...
ありがとう...

そう思いながらもお母さんは、その形見をコトミの病室に持って行った。

コトミにそれを見せると、コトミの目からは一筋の涙がこぼれ落ちた。
…そしてまた一筋。

そのノートと写真は、コトミの心を開く鍵となり、それからおばあちゃんとの思い出をコトミはゆっくりと話してくれた。
そして、おばあちゃんはもうここにはいないと知っているのに、全然実感が湧かなかったということも。
そして…

でも、最近は夢でずっとおばあちゃんが色々な話をしてくれるんだ。
…だから、もう悲しくなんてないよ。
今まで、折角そばにいてくれたのに態度悪くしてごめんね。

お母さんには、7歳になるコトミの姿が、ずいぶんと大人びて見えた。

こちらこそごめんね、お母さん、こんなにコトミのこと知らなかったなんて気付かなかった。
こんなお母さんだけど、これからもよろしくね。

…うん!

それからコトミは、お母さんやお父さんとも、生前のおばあちゃんと同じくらい心を開き、それからの入院生活を楽しそうに送り始めた。


そんなある日、お母さんは、8歳の誕生日を祝おうと、誕生日に何が欲しいかを尋ねてみた。

するとコトミは、クランの花を実際に見たいと告げた。
家があまり裕福でない上に病気の治療費がかさんでいるのを知っていたのか、滅多に欲しいものなど言わなかったコトミが求めたもの。
それは、遠くの地にしか咲かない、今は亡きおばあちゃんの思い出の地である花畑だった。

滅多に願い事を言わない娘が希望したものだったので、クランの花畑は絶対に見せようと両親は心に誓った。

…いつか絶対一緒に見ようね。ただ、今すぐにはコトミの体調もあるし、ちょっと遠い場所にあるからなぁ。
大きくなって、体調が良くなったら絶対見に行こう、約束するね。




それから十年近く経った。
コトミの病気はなかなか良くならず、いまだにクランの花畑まで連れて行くことは出来ていなかった。

もうすぐ18歳、ついに成人だな。
誕生日は何が欲しい?

…やっぱりクランの花畑が見たい

そうだよな、小さい頃からずっと言ってるもんな。

でも私の病気がっていうんでしょ?

…いや、数日病院を離れるくらいは何とか出来るか、お医者さんにもう一度尋ねてみよう

そうやって毎年のように言ってるじゃない

…はは、でも折角成人になるんだ、今年こそコトミの夢を叶えてあげたいんだ


そして何度も無理言って医者に頼んだ結果、お医者さん同行のもと、数日間の旅行をなんとか許可して貰えた。

コトミ! 今年こそクランの花畑に行けるぞ!

え! 本当に?

コトミの体調が良かったら、という条件付きだけど、サトミ先生も一緒に来てくれるんだって!

ぱぁっと満面の笑みを咲かせるコトミ。
それだけで、両親の心は温かくなった。


そして迎えた旅行前日。
コトミの体調も旅行に合わせたかのように、絶好調だった。
これなら数日病院を離れても大丈夫でしょう、という先生の言葉は、それだけでコトミと両親をとっても嬉しくさせた。


そして出発の日。
コトミは初めて日本を出た。
初めての飛行機、初めての外国、初めての景色…
初めてだらけの経験にコトミは胸を躍らせていた。

…と同時に、体には負担がとてもかかっていることにコトミは気づけていなかった。


そのまま、コトミ一行はクランの花畑のある国に到着した。

明日はついに長年の夢だった、クランの花畑。
今が満開で一番の見頃だという。

興奮とある種の緊張で、その晩はなかなか寝付けなかったコトミだが、ホテルのベッドで微睡むうちにいつのまにか翌朝になっていた。

今日、ついに、クランの花畑が見れる。
おばあちゃんの思い出の場所に行ける。

そう思うだけでワクワクしていた。

そして、母親に車椅子を押してもらいながら、クランの花畑に到着したコトミ。
実はコトミには内緒で、両親は花畑を一時間だけ貸し切りにしてもらっていた。

貸切状態に驚くカメコの目の前に広がっているのは、雪の積もる中、一面に咲き誇る青色の花。
どんなに辛いときでも希望を、幸せを運んでくれるという花。
そして、おばあちゃんとおじいちゃんの思い出の花。

クランの花畑を初めて目にしたコトミは、涙を浮かべ、笑みを浮かべた。
「これがクランの花… とってもきれい…」

車椅子からいつの間にか立ち上がり、ただただ青色の花々に見とれるコトミ。
その目からは嬉し涙が溢れていた。
「本当にクランの花畑を私、見てるのね…」

普段は観光客でいっぱいの花畑が、この一時間だけはコトミだけのものである。

心の底から喜ぶコトミを見ながら、両親も涙を流して微笑んでいる。
コトミが人生で一番見たかったもの、それを一緒に見れている。
私たちはなんて幸せなんだろう。

「コトミ、18歳の誕生日、おめでとう」

「お父さん、お母さん… ありがとう… 本当にありがとう…」

このまま時が止まってしまえばいいのに。
ずっとここにいられたらいいのに。

しかし時間は残酷で、貸し切りの一時間は一瞬で過ぎ去り、閉園時刻が訪れた。

あとはホテルに戻って、明日には飛行機で日本に帰ってしまう。

あぁ、クランの花畑は本当に綺麗だったな…
もっともっといたかったな…

そう思いを馳せながら、タクシーに揺られるコトミ。

でも本当に幸せだったな…

そんな時だった。
慣れない旅行で疲れていたのか、予期せぬ発作が起こった。

「う゛っ!!」
突然苦しみ出すコトミ。

必死に呼びかける両親。

異常に気付き、急いでタクシーを路肩に止める、言葉のほとんど通じない運転手。

鞄から発作を収める薬を取り出し、焦りつつも慣れた手つきで注射する医者。

「う゛っ げほっ げほっ」
「コトミ! 大丈夫か!?」
「コトミちゃん!」
「… うん、 げほっ 薬のおかげで大分落ち着いたみたい…」

胸をなで下ろす両親と医者。

「よかった…」
「う゛ぅ … ふぅ。。」
「いったんタクシーから降りて、そこに横になろう」
「…うん」

タクシーの外に運ばれながら、コトミは直感的に感じていた。
この発作は今までに無いほど辛いもので、
このまま自分は死んでいくことを。

「クランの花… とっても綺麗だったよ」

「…うん、綺麗だったね」

「本当に連れてきてくれてありがとう。
 私のわがままを聞いてくれてありがとう」

「…」

「本当にお父さんとお母さんの元に生まれれて幸せだった」


そのままそっとコトミは息を引き取った。
その顔は、発作が起こったとは思えないほど穏やかで、口元には笑みすらたたえていた。





数日後。

特別に許可をもらい、クランの花畑から摘んで持って帰ってきたクランの花が、コトミのお葬式で大量に飾られた。
その中心で微笑む、写真の中のコトミ。
両親は改めて愛娘の死を実感したが、もはや涙は出なかった。


そしてお葬式が終わり、式場を飾っていたたくさんのクランの花がコトミの入った棺の中に全て入れられた。

クランの花に囲まれるコトミ。
その微笑みを浮かべた死に顔を見て、両親の目からは枯れたと思っていた涙が再び溢れ出してきた。

その中の一滴がコトミの頬に落ち、そのまま流れてクランの花びらに染みを作った。

どんな辛いときでも希望を運んでくれるという、幸せの花。


その見事なまでに青い花は、コトミと一緒に灰となり、天高く昇っていった。



セピア色の胸騒ぎ「26Good」
良質:24票物語:2票
あなたは行きつけの『喫茶店』にやって来ました。
入店した際、店内には三人の人間がいました。

いつも気怠そうにしているアルバイト店員『有田灰斗(アリタ ハイト)』
常連客である近所のご婦人『暮井マミ子(クレイ マミコ)』
同じく常連客の女子大生『御茶ノ水秋葉(オチャノミズ アキハ)』
の三人です。

あなたは適当な『テーブル』を選んで、いつものように『カフェラテ』を注文しました。そうして運ばれて来たカフェラテにいつものように口を付けようとしたのですが、
そのときです。

ぞ く り と ……

あなたは何だかとても嫌な予感を察知しました。このままカフェラテを飲んではいけないような気がするのです。
しかし、何故自分がそんな風に感じるのか、あなたは自分でも理解できていません。

このままでは、頭の片隅で確かに点滅している危険信号をきっと気のせいだとろう振り払って、あなたはカフェラテを飲んでしまうことでしょう……。




◆ ◆ ◆




《ルール説明》

あなたの目的は何故自分がカフェラテを飲んではいけないと感じたのか、その根拠に思い至ってカフェラテを飲むのをやめることです。

あなたは質問欄に書き込むことで、下記の三つの行動をとることができます。

【①『』を観察する】
この問題には本文と回答に『』が付いているワードがいくつも登場します。そういった『』のワードに対して取ることができる行動です。
店内にある『』をよく見たり『』に対して聞き耳を立てたりして新たな情報を得ることができます。

【②『』について思い出す】
『』について知っていることを思い出します。

【③〜〜だと推理する】
考えが正しいかどうかを確認することができます。
最終的には“私はこういう理由で自分がカフェラテを飲んではいけないと感じたのだと推理します”のように、この推理するのコマンドを使って、カフェラテを飲んではいけないと感じた理由を詳しく説明してくだされば問題クリアとなります。
そういった最終的なまとめとしてだけではなく、こういう方向性で調べていこうと考えてるんだけどこれであってるかな?のような確認作業にもりようできる機能です。
18年07月16日 21:00
【新・形式】 [オリオン]

まとメモに例題が貼ってあります。質問の仕方の参考になれば幸いです。




解説を見る
【回答一覧】
【★が付いている回答が良質です】

『喫茶店』
《喫茶店を観察する》
あなたは店内を見回しました。いつもと変わりない、喫茶店らしい落ち着いた内装の店です。特に変わったところはありません。
《喫茶店について思い出す》
あなたはこの喫茶店について自分が知っている情報を思い出してみました。
この店の名前は喫茶アフタヌーン。アフタヌーンティーが由来のその店名の通り紅茶がメインの喫茶店で、あなたのようにカフェラテや『コーヒー』の類を注文する客はかなり珍しいです。


『コーヒー』
《コーヒーを観察する》
あなたはコーヒーを観察しようとしましたが観察対象になるコーヒーがこの場にはありません。特にコーヒーを観察する必要はないようです。
《コーヒーについて思い出す》
★あなたは、御茶ノ水はこの店に来るといつも決まってブラックコーヒーを飲んでいたということを思い出しました。


『有田灰斗』
《有田灰斗を観察する》
有田に目を向けると、彼は暮井婦人に何やら文句を言われています。『文句を言っている暮井婦人』はとても不機嫌そうです。
《有田について思い出す》
★有田は無精髭を生やした、身なりからして適当さがにじみ出ている男です。いつ来てもいかにも面倒臭そうに仕事をしていて、
あなたは有田のことを、

どうにかして少しでも仕事をサボりたい
できるだけ手抜きをしたい

そういう考えが態度に出ているとても嫌な店員だと感じています。


『暮井マミ子』
《暮井マミ子を観察する》
暮井マミ子に目を向けると、彼女は何やら有田に向かって文句を言っています。『文句を言っている暮井婦人』はとても不機嫌そうです。
《暮井マミ子について思い出す》
暮井婦人は少々クレーマー気質の強気な女性で、今までにも、何度も彼女が有田の適当な勤務態度に抗議しているのを見かけたことがあります。
しかしあなた自身有田の勤務態度にあまり良い印象を持っていないので、あなたは彼女のことを理不尽なクレーマーというより、キツイ態度のせいで誤解されがちだけどちゃんとした理由や証拠があって注意をする人だと思っています。


『文句を言っている暮井』
《文句を言っている暮井を観察する》
★頼んだ紅茶がやけにぬるい!
淹れたてとは思えないんだけど!あんた!ちゃんと紅茶淹れたんでしょうねっ!?

そんな風に怒鳴っている暮井の声があなたの席まではっきりと聴こえてきました。
《文句を言っている暮井を思い出す》
★暮井婦人が有田のだらしない接客態度に苦言を呈すのはこの喫茶店では日常茶飯事です。
そういえばついこの間来店した時には、

ちょっと!!
見てこのカップ!口紅がベットリ付いてるんだけど!あんたちゃんとカップ洗ってんの!?

と彼女が有田に向かって激昂していました。あの時は確か御茶ノ水もたまたま店に居合わせていて、暮井のすごい剣幕に驚いた顔をしていたのをよく覚えています。


『御茶ノ水秋葉』
《御茶ノ水秋葉を観察する》
★あなたは御茶ノ水のことを観察しようとしましたが、御茶ノ水は既にこの場にはいません。
そういえば、

自分が店に入ってきたのと入れ違いになる形で御茶ノ水は何やらガサゴソと帰り支度を始めて、カフェラテを注文する頃にはお会計を済ませて店から出て行ってしまった

ということを思い出します。
それと同時に、あなたは『店を出て行く前の御茶ノ水の様子』に何か強い違和感を感じます。
《御茶ノ水秋葉について思い出す》
★近所でも有名なプライドの高いお嬢様です。美人ですが性格がすこぶる悪く、あなたは以前この店で些細なことから彼女と言い争いになったことがあり、彼女に嫌われていると自覚しています。
親が大きな病院を営んでいて、彼女も現在はどこかの医大に通っていたはずです。



『店を出て行く前の御茶ノ水の様子』
《店を出て行く前の御茶ノ水の様子を観察する》
時系列的に過去の出来事なので観察することはできません。《思い出す》しかないようです。
《店を出て行く前の御茶ノ水の様子を思い出す》
★御茶ノ水は帰る直前に、飲んでいたらしいコーヒーに『スティックシュガー』で砂糖を入れているように見えました。にも関わらず彼女はその後コーヒーに一口も口を付けることなく店から出て行ってしまい、彼女のテーブルには『中身が半分ほど残ったコーヒーカップ』だけが残されていました。



『スティックシュガー』
《スティックシュガーを観察する》
★スティックシュガーを観察することはできません。何故ならこの場にはスティックシュガーなんて無いのですから。
《スティックシュガーについて思い出す》
★彼女の細い指先から砂時計の砂のようにサラサラと、白い粒が、カップへと流れ落ちて行く様子が鮮明に脳内に蘇ります。思い返せば思い返すほど、嫌な予感がますます強くなっていくような気がしました。



『中身が半分ほど残ったコーヒーカップ』
《中身が半分ほど残ったコーヒーカップを観察する》
★御茶ノ水が飲んでいたコーヒーは既に有田が片付けてしまったので観察することはできません。……観察できない、はずなのですが、あなたは不思議と観察ができるような気がしました。
《中身が半分ほど残ったコーヒーカップについて思い出す》
★あなたは、いつもはバッチリ化粧をしている御茶ノ水が今日は口紅を付けていなかったことに気付きます。そのおかげで彼女が使っていたカップは口紅の跡も無くとても綺麗な状態でした。



『テーブル』
《テーブルを観察する》
★テーブルの上にはメニュー表と紙ナプキン。そして何の変哲も無い角砂糖が入ったシュガーポットが置いてあります。
《テーブルについて思い出す》
あなたは小さい頃にクレヨンで家のリビングのテーブルに落書きをして母親にものすごく叱られたことをふと思い出しました……すこしだけ懐かしい気分になりました。
今回の状況には関係のない、ただの素敵な思い出です。



『カフェラテ』
《カフェラテを観察する》
あなたがいつも飲んでいるカフェラテです。一見した限りでは特におかしなところはなく美味しそうですが……何故か嫌な予感がします。
《カフェラテについて思い出す》
★コーヒーに牛乳を混ぜて作る、あなたが好きな飲み物です。そういえば……注文してから運ばれて来るまでの時間が妙に早かったような気がします。





◆ ◆ ◆





あなたは前々から【職務怠慢な有田が食器を洗っていないどころか、客の飲み残しを他の客に使い回して提供しているのかもしれない】という事実に薄々勘付いています。
そして今日の御茶ノ水のおかしな行動に、見逃せない違和感を感じます。
以上を踏まえて、
御茶ノ水もあなたと同様に有田が客の飲み残しを使いまわしていることに気がついており、


【飲み残したコーヒーがあなたのカフェオレとして再利用されるであろうことを見越した上で、御茶ノ水が砂糖を入れるふりをして毒を入れた】


ということを推理できれば嫌な予感の正体は解明となります。

“解明できたあなた”様!
あなたはカフェオレを飲むのをやめ、事無きを得ることができました!
心よりおめでとうございます!










“解明できなかったあなた”様は…………………………。
良質:12票物語:13票納得感:1票
葬式の香典は、急なことで十分な用意ができなかったことを表すため、あえて新札ではなく使用済みの紙幣を使うのが礼儀とされている。
このマナーを忘れていなかった男は、病気で余命一年の親友の葬儀に使うために、今のうちから新札を用意することにした。
なぜ?
20年01月19日 23:15
【ウミガメのスープ】 [とかげ]

音をたてて飲むスープ




解説を見る
【新札であれば前から準備していたことになるため、認知症の男が記憶を失いまともな判断ができなくなる前に、自分自身で大切な友人の香典を用意したことが、友人の家族に伝わるだろうと考えたから。】


余命一年だという話は、奴にはもったいないくらい気立ての良い奥方から聞いた。
彼女だって私にそんな話をするのは辛かろう。それでも穏やかに笑って、「きっと泣きそうになる自分を見せたくないのよ、あの人」と、からかうような口調で、奴が病気で先が長くないことを伝えに来てくれた。そうだ、「私や子ども達の前でも無理して平気な顔をしているけれど、何十年も付き合いのある親友相手じゃ、本音を隠していられる自信がないのね」などとも言っていた。一度も結婚せずにきたことを今更後悔なんぞしないが、自分の想いを託せる誰かがいるというのは、まあ、少々羨ましさを感じなくもない。
そうか、あいつは死ぬのか。彼女が帰ってから、今聞いたばかりの話を丁寧に思い出しながら、なるべく言葉そのままを手帳に記録した。そして一年後の自分を想像してみた。
一年後、奴の見舞いに行く自分。
奴が死んでから、葬式に向かう自分。
あのよくできた奥方と、子ども達、孫達に出迎えられる自分。
つまるところ、家族のいない自分にはその手が使えないのだ。誰かに伝言を頼むにしても、名前も覚えられていないヘルパーあたりに依頼するしかないだろう。事務的に処理されるのならまだいい。勝手な感情移入をされて美談のように語られたら、たまったものじゃない。
そのときふと、思い付いたのだ。
奴はよく、私の頭が固いだとか、時代遅れだとかで、何かにつけて私の昔の話を思い出しては、奥方や子ども達の前でもよく話していた。私から言わせれば奴がいい加減過ぎるのだが、しかし世間からすれば確かに私は頑固者のじいさんなのだろう。奴に対してだって、最低限の礼儀は守ってきた。そんな私が礼儀知らずな振る舞いをしたら……きっとその意図を理解してくれるに違いない。
奥方は確か言っていた……そう、「泣きそうになる自分を見せたくないのよ、あの人」だったか。奴とは考えが合わないことが多いのだが、これは同意できる。見せたくはない。しかし何も伝えられないのももどかしい。だからあいつは彼女を寄越したのだろう。寄越したのではなく、私に話すと決めたのは彼女の方なのかもしれないが、それを奴は止めなかったのだろうから、同じことだ。独り身の自分にはよくわからないが、そうやって託せる相手がいるというのはどういう感覚なのだろうな。まあ、ないものを望んでも仕方ないので、私は自分でやるしかない。
葬儀などの不祝儀の場合、急なことで十分な用意ができなかったことを表すために、あえて新札ではなく使用済みの紙幣を香典に使う。つまり、逆に新札だと前もって準備していたことになり、故人の死を待っていたという意味になってしまうので、失礼にあたる、と聞く。マナーというのは多種多様で、覚えていられないものもあるのだが、この歳になると葬式も多い。さすがにこのマナーは忘れていない。
だから、新札を用意しようと考えたのだ。今から新札を用意して、不祝儀袋の宛名も書いて、すべてを準備しておくのだ。
きっと、家族は疑問に思うだろう。頑固者の私が、あえて礼儀知らずに振る舞うとは、何か理由があるはずだと。そして私自身の姿を見て……きっと、理解してくれるに違いない。一年後にどうなっているかは正直、はっきりしないのだが、少なくとも今よりは悪化しているだろうし、そのときすぐにはわからずとも、その後の私の変化を見て、察することはできるのではないか。奴にはもったいないような、よくできた奥方だ。子ども達も聡明で、幼い頃から付き合いがあるから、私のこの性格もわかっているだろう。誰か一人でも気づいてくれれば、もしかしてそうかもしれないと思ってくれれば、それでいい。もしかしたら誰にも気付かれず、私自身すらその意図がわからなくなってしまっているのかもしれないが、少なくとも今現在の私の自己満足にはなる。よく知らない誰かに勝手に代弁されるよりはマシだ。
ああ、そうだ。新札を用意しよう。これは良い考えだ。不祝儀では新札はご法度、なぜなら……ああ、いや、それはもうさっき手帳に書いたな。そうだそうだ、「故人の死を待っていたという意味になってしまう」からだ。普通なら、早く亡くなって欲しかったから準備した、ということになろう。しかし、奴の家族がまさかそう受け取りはすまい。何かあるはずだと考えてくれるに違いない。あえて礼儀知らずに別れを告げるのはなぜか。万が一まだ正気を保っていられたら、そのときはきちんと使用済みの紙幣で香典を渡す。これはいわば保険だ。新札であいつあての香典を用意して、誰でもわかる場所に普段から置いておこう。普通なら縁起でもないことだが……いや、そこまでするのはやはりおかしいのだろうか? すでに少々おかしいのかもしれないな。まあ仕方ない。奴にもよく言われるが、私は頑固者なのだ。私の好きなようにやらせてもらおう。いつまでまともな判断ができるかわからんのだから、今のうちにきちんと考えておかねば。いやもうできていないのかもしれないのか。こういうとき、家族がいないと判断が難しいから不便に思ってしまう。今更、結婚しなかったことを後悔することはないが。
本来、香典に新札を使うのは、礼儀知らずだ。新札というのは、すぐに手に入るものじゃない。わざわざ新札を手に入れる暇があったということは、前々からそいつが死ぬのを待っていた、準備していた、という意味になるからだ。
つまり、私が新札で香典を渡したら、前々から準備していたことが伝わるだろう。
もうこの歳だ、周りの人間が死ぬことはそう珍しい話じゃない。今年だけで何回葬式に行ったことか。奴が死ぬのも、病気で少々早くなったというだけだ。幼少期からの付き合いだ、もう飽きるぐらいの時間を過ごした。もし今奴が死んでも、私は泣かないだろう。一年後でも同じことだ、泣かないのではなく泣けないのだけれども、周りから見れば同じことだろう。誰だったかな、泣きそうな自分を見せたくないとか言っていたのは……まあ、そういう気持ちもなくはないが。泣かない薄情な男だと思われるのは構わないのだ。ただ、奴が死んで、私の気持ちが私の意図とは違うように伝えられてしまったらたまらないというだけだ。もはやそんなことすら理解できなくなっているのだとしても、それでも嫌なものは嫌なのだ。一年後の私が、もはや私でなくても、勝手に悲しんでいることにされてしまうのは耐えがたい。どうせ、偶然正気に戻った瞬間があったとか、ふと奴の名前を口にしたとか、何も関係ない出来事をこじつけに繋げられて、「きっと大切なご友人が亡くなられたのがわかるのね、悲しいのね」などと良い話のようにまとめられるのだろう。まったく、なんでも陳腐な感動物語にしてありがたがるのは、勘弁願いたい。
余命一年か。まあ、奴のことだから意外と五年十年と生き延びる可能性もあるが、私より先に死ぬと考えた方がいいだろう。私の方が先に私でなくなるだろうに、おかしなもんだ。奴も死ぬ前に気付くかもしれんが、私から何か言うことはない。残念ながら、私には代わりに伝えてくれる家族がいないのだ。
ああ、新札を用意することを書いておかねば……おや、もう手帳に書いてあったか。まあ、人間、死ぬときは死ぬ。奴の方が少しだけ先にいなくなるというだけのこと。
ただ、まあ、香典くらいは用意しておいてやる。
奴の死を理解できなくなった私ではなく、私の意思を勝手に解釈する第三者でもなく、今の私が用意してやる。少しばかり早いが、年寄りの一年なんぞあっという間で誤差みたいなものだろう。なあ?

少し早いが、さようなら。
先にそっちで待っていろ。

END
朝の寝坊が夜に響く「26Good」
良質:15票トリック:3票物語:4票納得感:4票
カメオとカメコは2泊3日の旅行に来ていた。2日目にカメオはカメコにプロポーズをする予定だ。
その2日目に2人は大寝坊をしてしまう。2人は慌てて準備を済ませ出かけて行った。

その夜、カメオはカメコにプロポーズした。しかしプロポーズの言葉を受けたカメコは笑ってしまった。
しかもその原因は今日の大寝坊にあるという。いったいどういうことだろうか。
20年09月06日 17:28
【ウミガメのスープ】 [REON-X]



解説を見る
カメオはプロポーズのときにサプライズを用意していた。
ウィンドウアートである。(窓の光を利用して文字を作る作品。ホテルなどのビルで行われることが多い) そのウィンドウアートを宿泊先のホテルにお願いした。
映す文字は「大スキ」である。ホテル側は快く引き受けてくれた。ホテルがよく見えるレストランも予約し、角度も考え席まで決めた。準備万端である。

しかしプロポーズをするその日に大寝坊をしてしまった。部屋の電気をつけ窓を開け急いで目を覚ます。このままでは折角のデートプランが台無しになってしまう!慌てて2人は部屋を出た。もちろん指輪はちゃんと持った。忘れるわけにはいかない。
ところがカメオは別の忘れ物をしてしまった。ルームのカードキーだ。カードキーを電源ホルダーから抜き忘れてしまったのだ。

ディナーを終えいよいよプロポーズの時。
「カメコ、窓の外を見て」
カメコが外を見ると…
「犬スキ……?」
そう、ルームキーをさしっぱなしだったため2人の泊まっていた部屋の電気がついたまま夜を迎えてしまったのだ。
大の字に余計な点をつけてしまった。「せっかくの計画が…大失敗だ…」カメオはうなだれる。しかしカメコは笑顔だった。
「こんなの用意してくれたのね、私のために。ありがとう。私も『犬スキ』よ笑」その言葉にカメオは再び決心を固める。


「あの…! カメコさん… 僕と…結婚してください…!」  

Fin

【簡易解答】
慌ててホテルを出た時にルームキーを電源ホルダーに挿したまま出てきてしまった。 
プロポーズのサプライズででウィンドウアートを泊まっていたホテルを使って披露する予定だったカメオ。
しかし、自分の泊まっていた部屋の明かりがつきっぱなしのため想定通りの文字を写すことができなかった。これが失敗である。