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みんなのGood

良質:12票トリック:12票物語:2票納得感:4票
「なんで…俺が…こんな目に…」

そうつぶやきながら血でダイイングメッセージを書いている田中。

自分をこんな目に合わせたやつの名前を書いたのだが、息を引き取る前にダイイングメッセージを書いたことを後悔した。

一体なぜ?
22年01月14日 00:01
【ウミガメのスープ】 [ダニー]

すごくキリの良い本日23:59に締めます




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「なんで…俺が…こんな目に…」

目の前に血まみれで倒れている男を見つめ、そうつぶやいた田中。

「あいつが浮気なんかしなけりゃ… 俺は殺人なんか起こさなかったのに… そうだ!この浮気相手の血であいつの名前を書いてやれ!そしたらあいつが殺人犯として疑われる。俺は助かる。完璧だ!」

田中は付き合っていた彼女の浮気相手を衝動的に殺してしまったのだが、浮気相手の血でダイイングメッセージを偽装することで殺人罪から逃れようと考えた。

田中が偽装のダイイングメッセージで書いたのは浮気した彼女の苗字。日口さん。変わった名前。

ダイイングメッセージを書き終えてその場を後にした田中。
そして瞬く間にポリに捕まった。

「なんで? ダイイングメッセージちゃんと見た? ねえ?」
とポリに詰め寄る田中。

「ダイイングメッセージは田中って書いてあったよ」
と優しく答えるポリ。

そう浮気相手はまだ死んでおらず、息も絶え絶えの中、日口さんの名前を田中に書き換えたのだ。
ていうかラッキーなことに真ん中に線一本足すだけで田中になった。

「あいつ、まだ死んでなかったのか! ダイイングメッセージ書くタイミング早かった!」
と田中は後悔したのだった。

「ダイイングメッセージが書き換えられていなかったら誤認逮捕するところだったなあ…」
そしてポリも安堵のため息を漏らすのであった。

めでたし。
ふっかつのじゅもん「30Good」
良質:9票トリック:10票物語:1票納得感:10票
上記文章は、学校の教室でラテラテコロシアム(通称ラテコロ)をプレイして没収されたAがノートにゲームで使われるメッセージを書き込んだものである。
{????}は何だろうか?

※2023年3月24日(金)22時00分で出題期間終了の予定です。
23年03月19日 21:51
【20の扉】 [フリテンダブリー]

SP:うつま様・ハイジさま ありがとうございました!




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のりしろ
良質:24票トリック:2票物語:2票納得感:2票
【※あらすじ】
あなたは友人のだだだだと旅行中、不運にも乗っていた飛行機が墜落し、見知らぬ森へと投げ出されてしまいました。
奇跡的に大きな怪我はありませんでしたが、近辺にあなた達以外の乗客は見当たりません。

宛もなく歩いていると、「{カヌソギ}」と名乗る青年と出会いました。どうやらこの森で暮らしている現地人のようです。

だだだだが「町に行きたいのだが、道に迷っている」とを話すと、カヌソギは少し訝しげな様子を見せましたが、町へ続く道まで案内して貰えることになりました。

さて、カヌソギと行動することになったあなた達。

歩き始めるとすぐ、「町へ続く道まで時間がかかるから、雑談ついでにクイズでもしよう」と言われました。

まだあなた達は青年のことを信用し切ったわけではありませんが、「少し会話するくらいなら」とこの提案を了承しました。

あなた達はカヌソギのクイズの答えを考えつつ、鬱蒼とした森を歩きます。

そんな二人を待ち受ける運命とは…?


【※クイズ】

「人間とタバコの{共通点}ってな~んだ?」





【※ルール】
①本問題のFA条件は、{上記のクイズの答えを明らかにすること}です。
②あなたの取れる行動は、「{カヌソギに話しかける(質問する)}」または「{だだだだに相談する}」ことです。
{「カヌソギに話しかける(質問する)」場合、質問はYESかNOで答えられるものでなくても構いません。}質問でなくても良いです。
{「だだだだに相談する」場合、質問欄で「だだだだに相談する」ことを明記の上}、次の行動や今の状況、あなたの考えについて相談しましょう。だだだだも万能ではありませんが、{行き詰まったときやリスクの高い行動を取る際}に助けてくれます。
③{END分岐}があります。{質問内容によっては、カヌソギの機嫌を損ねてしまうことがあり、5回蓄積するとバッドエンドとなります(蓄積する度に回答でお知らせします)。}カヌソギは一見親切に見えますが、まだ得体が知れません。{カヌソギに話しかける際はチャットで相談の上、慎重に話題を選ぶ}ことを薦めます。
④問題文中で話されている会話は、{全て日本語}とします。

【※注意】
①本問題を解くにあたり、「{真偽が定かではない流説}」に関する知識が必要です。必要に応じて検索を推奨します(検索で出てくることは確認済みです)。
②本問題はフィクションです。
25年06月28日 20:02
【新・形式】 [だだだだ3号機]

新形式です!参加前にルールを及び注意点をよくお読み下さい!




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カヌソギは、{食人文化}のあるエットイホホ族の青年である。
彼らの居住地では牛や豚と同じように、死んだ人間が丸々、あるいはブロック肉で売られている。
エットイホホ族には掟があり、部族内の人間は食べてはならない。
だからエットイホホ族が食べる「人間」とは専ら、彼らの居住地の外からやって来た異人である。

そうつまり、あなた達のような。


さて、クイズの答えだが、こんな流説がある。

{豚や牛を「頭」、魚を「尾」、鳥を「羽」と数えるのは、死んで、食べられた後に残る部位が由来なのだと。}







カヌソギ
「クイズに関係無さそうなこともめっちゃ聞かれたけどよ、あれなんだったんだ?…まあいいか」

「しかしあんたらもドジだな~エットイホホ族の癖に森で迷うだなんて!」

「最初は俺はあんたらが外から来た人間かと思ってよ、狩っていいものかと悩んでたんだ。ただ、外の人間はもっと綺麗な格好してるから、ひょっとしたら仲間かも…って。」

「でも、このクイズの答えがわかるってことは、やっぱりあんたらもエットイホホ族の人間だったんだな」

「{タバコも人間も「服」で数えるのは、俺たちエットイホホ族だけだもんな!}」

上機嫌なカヌソギのとなりで、あなたは苦笑いを浮かべました。あなたがその卓越した頭脳でエットイホホ族の文化を推理したことはバレていないようです。

しばらく歩くと草木が刈られ、少し整えられた道に出ました。
未だ周囲は木々に覆われていますが、どうやらこの道は一本道のようで、だだだだと二人でも迷うことは無さそうです。

「この道をまーっすぐ行くとよ、2時間くらいで舗装された道に出るぜ」

「たまに鉄の馬車?が通ってるから、もっと人がいるところに行きたきゃそいつに頼みなよ」

「しっかし、あんたら人里に何しに行くんだ?森の外での"狩り"は謝肉祭の時期に村の男衆がやるくらいだから…あれか?野菜の買い出しにでも行くのか?」

あなたがはぐらかしながらも肯定すると、カヌソギはニッコリと笑って言いました。

「そうか~まあ気を付けろよ!たまーに蛇とか熊とか出るからよ!」

それを聞いたあなた達は少し怯えつつも、お礼を言いカヌソギと別れました。
彼の言った通り一本道を歩き続けると、やがてアスファルトで舗装された道に出ました。幸いにも、蛇や熊に遭遇することもありませんでした。

30分ほど経った頃、そこに一台のセダンが通りかかりました。あなた達は親切な運転手に町まで送ってもらい、無事に警察のお世話になることができました。

それにしても、もしエットイホホ族ではないことがバレていたら、今頃どうなっていたのでしょうか。

きっと文字通り、骨も残らなかったことでしょう。
それこそ、服以外は。


<グッドエンド「生還」>




【{A、どちらも一服、二服…と数える}】

※クイズの答えを明らかにする前に、カヌソギに「エットイホホ族ではない=森の外から来た」ことを疑われるとカヌソギが怪しみます。5回疑われるとバッドエンドに行きます。
※「エットイホホ族について教えて」など、露骨に範囲の広い質問をするとカヌソギに怪しまれるので、世間話をしつつ食人文化について聞き出すのがポイント。想定は「カヌソギの好物は?」あたりです。
※要知識の部分に関しては、クイズの答えに助詞が関係するという推理をした上で、エットイホホ族の食人文化が判明しているタイミングでだだだだに相談するとヒントをくれます。
良質:18票トリック:7票物語:2票納得感:3票
らてらての皆様、{メリークリスマス}!
…には、ちょっと早いですけども。

クリスマスと言ったら嘘扉…ということで、扉問題をご用意致しました!
嘘アリ・質問制限付きと特殊な形式ではありますが、気軽にご参加ください!

【ルール】
※FA条件は{2人が欲しい物}が何かを言い当て、正解マーカーを貰うことです。{ただし、物が正解でもそれに対する私の解答が嘘であった場合、正解マーカーは付かない}ものとします。

※この問題は{嘘扉}です。皆さんの質問に対し、私は特定の条件で{嘘の回答}をします。
嘘の吐き方としては単純なYES or NOの逆転ではなく、「間違った返答をする」と解釈してください。ただし、良質マーカーはそのままとします。
ex.本来の解答が「YES!重要です!{良い質問}」ならば、嘘の解答は「YESNO!関係ありません!{良い質問}」になったりもします。

※{質問制限回数}があります。50回と余裕はありますが、参加者の皆様で相談をしてから質問することを推奨します。

※その他問題のルールについて疑問点があれば、遠慮なく相談チャットにてご質問ください。

◆◆◆◆◆◆

【問題】

日が落ちてすっかり暗くなった頃。

母に内緒で自室のベッドシーツに包まりながら、ソワソワと外の様子を窺っている、仲良し姉妹のレイチェルとケイト。

今夜{2人が欲しい物}はなんだろう?
25年12月20日 21:00
【20の扉】 [だだだだ3号機]

メリークリスマス!!参加前にルールを及び注意点をよくお読み下さい!




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<{謝罪}>
問題文冒頭における私の発言の通り、本問題は{「クリスマスと言ったら嘘」扉}です!
よって、皆様が{「クリスマス」と言った質問に対して嘘を吐きます}!

例)「クリスマスは関係しますか?→YES!(嘘)」

サンタさんは一切登場しないし、クリスマスなんか1ミリも関係ありません!ごめんなさい!!



<解説>
<{A、お菓子}>


【今日はハロウィン!!!】

目のところに穴を開けたシーツを頭から被り、お化けに扮したレイチェルとケイト。
二人でヘレナおばさんの家にお菓子を貰いに来た。


「あらあらどなた…」

【「「トリック・オア・トリート!!」」】

「まあ!可愛いお化けさんですこと!少し待っててちょうだいね。」


おばさんは家の奥に用意していたお菓子を取りに行った。開け放ちの玄関、その奥からは香ばしいカボチャクッキーの匂いがする。

{少しして家の奥から、お菓子の袋を持ったおばさんが現れた。}目を輝かせている二人に優しくお菓子を手渡すと、ニコニコ笑って二人を送り出した。

「転ばないように気を付けるのよ~!」

おばさんの声に振り返った二人は大きく手を振って、次の家へと駆けていく。


今日はハロウィン。
慌てん坊の二人のお化け。


来年はきっと、あなたのお家に。



……2人の{自室のベッドシーツ}を{内緒で持ち出した}挙げ句、外を見る用の穴まで開けてしまったことで、お母さんにこっぴどく叱られてしまったのは、ナイショだよ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

SP:ほずみさん・異邦人さん
ありがとうございました!ハッピーハロウィン!
良質:15票トリック:6票物語:7票納得感:1票
小さい頃からクランの花が大好きで、一度でいいからクランの花畑に行きたいと望んでいたコトミ。

しかしコトミは体が弱いため、なかなか遠くの地にしか咲かないクランの花畑に行くことが出来なかった。

それでもなんとかして連れて行きたいと、両親は、コトミの18歳の誕生日にクランの花畑に連れて行こうと決めた。

そして迎えた18歳の誕生日、両親に連れられ、コトミは念願のクランの花畑に行くことができた。

クランの花畑を初めて目にしたコトミは、涙を浮かべ、頬を緩めた。

「これがクランの花… とってもきれい…」

さて、クランの花に囲まれ、微笑むコトミの頬を伝う涙は、{嬉しさではなく、悲しみによるものである}。

一体なぜ?
22年10月03日 22:33
【ウミガメのスープ】 [ベルン]

月曜22時頃まで!




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【簡易解説】
クランの花畑を見た夜、発作に対応できず、そのまま亡くなってしまったコトミ。
死ぬまでに見ておきたかったクランの花を見ることができたのか、その死に顔は微笑んでいた。
さて、お葬式のとき、棺の中でクランの花に囲まれて横たわるコトミを見て母親の流した涙がコトミの頬に落ち、そのまま流れていった。

【物語風解説】

コトミは少し貧しい家に、一人娘として生まれた。

念願の子供だったのもあり、両親は大変愛情をこめてコトミを育てた。
コトミもそんな両親が大好きだった。

しかし、コトミは生まれつき体が弱く、ほとんどの時間を病院で過ごしていた。
両親はそんなコトミの治療費を稼ぐため、必死になって働いていた。
そのため、コトミのそばにはいつもおばあちゃんがいて、話し相手になったり、簡単なゲームをしたり、本を読んであげたりした。
その中でもコトミが大好きだったのは、おばあちゃんの昔話。
おばあちゃんは旅がとても大好きで、色々なところに行っており、ほとんど病院から出られないコトミにとって見たことのない所の話は、とても新鮮で面白かった。

アフリカに行ってピラミッドという大きなお墓の中に入った話。
アメリカに行って今は亡きおじいちゃんと運命的な出会いをした話。
インドに行って大量のお金を盗まれた話。

この世界は色々なことで満ちあふれているというのは、コトミにとってとても魅力的だった。

その中でも特にコトミが気に入っていたのは、北欧にあるというクランの花のお話。
なんとクランは、雪の中から鮮やかな青色をした花を咲かすという。
そのためその花は、どんな辛いときでも希望を与えてくれる花だと現地では言い伝えられているらしい。

そしてその花畑は、おじいちゃんがおばあちゃんに結婚を申し込んだところでもあった。

懐かしそうに、それでいてどこか淋しそうにその話をしてくれるおばあちゃんを見ていると、コトミもクランの花畑にとっても行きたくなった。

おばあちゃんが見せてくれた、当時撮った写真の中のクランの花は、色あせているのにも関わらずコトミの瞳にとても鮮やかに映った。

私もこんな綺麗なところ、おばあちゃんの思い出の場所に行ってみたいなぁ。

コトミの口からは自然とその言葉が漏れた。

…そうだね、大きくなって、元気になったらおばあちゃんと一緒に行こうね。

おばあちゃんは笑顔でそう言った。

うん!

コトミも嬉しそうに返した。



それから約一年、おばあちゃんは病気にかかり、そのまま天国に行ってしまった。

生まれてから一番長く一緒の時間を過ごした人の死。
コトミはそれが受け入れがたく、固く心を閉ざしてしまった。

それを見た両親は、少なくとも片方はずっとコトミのそばにいてあげようと誓った。

ある日、お母さんがおばあちゃんの遺品を整理していると、コトミ、と書かれた箱が出てきた。
箱を開けると、中からはノートが一冊入っていた。

ノートを開くと、そこにはコトミと過ごした日々が日記に綴られていた。
とりとめもない日常のことばかりだったが、コトミとおばあちゃんが二人で過ごした日々が、明確に脳裏に浮かんでくるようで、お母さんの目からは涙がこぼれた。

そのままペラペラとノートをめくっていくと、中から何枚かの写真が落ちた。

ピラミッドに行ったときの写真や、おじいちゃんとのツーショット。
そして、雪の中に咲き誇るクランの花畑。

こんなにいろんなお話をしてくれたんだね...
ありがとう...

そう思いながらもお母さんは、その形見をコトミの病室に持って行った。

コトミにそれを見せると、コトミの目からは一筋の涙がこぼれ落ちた。
…そしてまた一筋。

そのノートと写真は、コトミの心を開く鍵となり、それからおばあちゃんとの思い出をコトミはゆっくりと話してくれた。
そして、おばあちゃんはもうここにはいないと知っているのに、全然実感が湧かなかったということも。
そして…

でも、最近は夢でずっとおばあちゃんが色々な話をしてくれるんだ。
…だから、もう悲しくなんてないよ。
今まで、折角そばにいてくれたのに態度悪くしてごめんね。

お母さんには、7歳になるコトミの姿が、ずいぶんと大人びて見えた。

こちらこそごめんね、お母さん、こんなにコトミのこと知らなかったなんて気付かなかった。
こんなお母さんだけど、これからもよろしくね。

…うん!

それからコトミは、お母さんやお父さんとも、生前のおばあちゃんと同じくらい心を開き、それからの入院生活を楽しそうに送り始めた。


そんなある日、お母さんは、8歳の誕生日を祝おうと、誕生日に何が欲しいかを尋ねてみた。

するとコトミは、クランの花を実際に見たいと告げた。
家があまり裕福でない上に病気の治療費がかさんでいるのを知っていたのか、滅多に欲しいものなど言わなかったコトミが求めたもの。
それは、遠くの地にしか咲かない、今は亡きおばあちゃんの思い出の地である花畑だった。

滅多に願い事を言わない娘が希望したものだったので、クランの花畑は絶対に見せようと両親は心に誓った。

…いつか絶対一緒に見ようね。ただ、今すぐにはコトミの体調もあるし、ちょっと遠い場所にあるからなぁ。
大きくなって、体調が良くなったら絶対見に行こう、約束するね。




それから十年近く経った。
コトミの病気はなかなか良くならず、いまだにクランの花畑まで連れて行くことは出来ていなかった。

もうすぐ18歳、ついに成人だな。
誕生日は何が欲しい?

…やっぱりクランの花畑が見たい

そうだよな、小さい頃からずっと言ってるもんな。

でも私の病気がっていうんでしょ?

…いや、数日病院を離れるくらいは何とか出来るか、お医者さんにもう一度尋ねてみよう

そうやって毎年のように言ってるじゃない

…はは、でも折角成人になるんだ、今年こそコトミの夢を叶えてあげたいんだ


そして何度も無理言って医者に頼んだ結果、お医者さん同行のもと、数日間の旅行をなんとか許可して貰えた。

コトミ! 今年こそクランの花畑に行けるぞ!

え! 本当に?

コトミの体調が良かったら、という条件付きだけど、サトミ先生も一緒に来てくれるんだって!

ぱぁっと満面の笑みを咲かせるコトミ。
それだけで、両親の心は温かくなった。


そして迎えた旅行前日。
コトミの体調も旅行に合わせたかのように、絶好調だった。
これなら数日病院を離れても大丈夫でしょう、という先生の言葉は、それだけでコトミと両親をとっても嬉しくさせた。


そして出発の日。
コトミは初めて日本を出た。
初めての飛行機、初めての外国、初めての景色…
初めてだらけの経験にコトミは胸を躍らせていた。

…と同時に、体には負担がとてもかかっていることにコトミは気づけていなかった。


そのまま、コトミ一行はクランの花畑のある国に到着した。

明日はついに長年の夢だった、クランの花畑。
今が満開で一番の見頃だという。

興奮とある種の緊張で、その晩はなかなか寝付けなかったコトミだが、ホテルのベッドで微睡むうちにいつのまにか翌朝になっていた。

今日、ついに、クランの花畑が見れる。
おばあちゃんの思い出の場所に行ける。

そう思うだけでワクワクしていた。

そして、母親に車椅子を押してもらいながら、クランの花畑に到着したコトミ。
実はコトミには内緒で、両親は花畑を一時間だけ貸し切りにしてもらっていた。

貸切状態に驚くカメコの目の前に広がっているのは、雪の積もる中、一面に咲き誇る青色の花。
どんなに辛いときでも希望を、幸せを運んでくれるという花。
そして、おばあちゃんとおじいちゃんの思い出の花。

クランの花畑を初めて目にしたコトミは、涙を浮かべ、笑みを浮かべた。
「これがクランの花… とってもきれい…」

車椅子からいつの間にか立ち上がり、ただただ青色の花々に見とれるコトミ。
その目からは嬉し涙が溢れていた。
「本当にクランの花畑を私、見てるのね…」

普段は観光客でいっぱいの花畑が、この一時間だけはコトミだけのものである。

心の底から喜ぶコトミを見ながら、両親も涙を流して微笑んでいる。
コトミが人生で一番見たかったもの、それを一緒に見れている。
私たちはなんて幸せなんだろう。

「コトミ、18歳の誕生日、おめでとう」

「お父さん、お母さん… ありがとう… 本当にありがとう…」

このまま時が止まってしまえばいいのに。
ずっとここにいられたらいいのに。

しかし時間は残酷で、貸し切りの一時間は一瞬で過ぎ去り、閉園時刻が訪れた。

あとはホテルに戻って、明日には飛行機で日本に帰ってしまう。

あぁ、クランの花畑は本当に綺麗だったな…
もっともっといたかったな…

そう思いを馳せながら、タクシーに揺られるコトミ。

でも本当に幸せだったな…

そんな時だった。
慣れない旅行で疲れていたのか、予期せぬ発作が起こった。

「う゛っ!!」
突然苦しみ出すコトミ。

必死に呼びかける両親。

異常に気付き、急いでタクシーを路肩に止める、言葉のほとんど通じない運転手。

鞄から発作を収める薬を取り出し、焦りつつも慣れた手つきで注射する医者。

「う゛っ げほっ げほっ」
「コトミ! 大丈夫か!?」
「コトミちゃん!」
「… うん、 げほっ 薬のおかげで大分落ち着いたみたい…」

胸をなで下ろす両親と医者。

「よかった…」
「う゛ぅ … ふぅ。。」
「いったんタクシーから降りて、そこに横になろう」
「…うん」

タクシーの外に運ばれながら、コトミは直感的に感じていた。
この発作は今までに無いほど辛いもので、
このまま自分は死んでいくことを。

「クランの花… とっても綺麗だったよ」

「…うん、綺麗だったね」

「本当に連れてきてくれてありがとう。
 私のわがままを聞いてくれてありがとう」

「…」

「本当にお父さんとお母さんの元に生まれれて幸せだった」


そのままそっとコトミは息を引き取った。
その顔は、発作が起こったとは思えないほど穏やかで、口元には笑みすらたたえていた。





数日後。

特別に許可をもらい、クランの花畑から摘んで持って帰ってきたクランの花が、コトミのお葬式で大量に飾られた。
その中心で微笑む、写真の中のコトミ。
両親は改めて愛娘の死を実感したが、もはや涙は出なかった。


そしてお葬式が終わり、式場を飾っていたたくさんのクランの花がコトミの入った棺の中に全て入れられた。

クランの花に囲まれるコトミ。
その微笑みを浮かべた死に顔を見て、両親の目からは枯れたと思っていた涙が再び溢れ出してきた。

その中の一滴がコトミの頬に落ち、そのまま流れてクランの花びらに染みを作った。

どんな辛いときでも希望を運んでくれるという、幸せの花。


その見事なまでに青い花は、コトミと一緒に灰となり、天高く昇っていった。