みんなのGood

良質:6票トリック:6票物語:14票納得感:5票
ラテラ王国の王子であるレオンは、生まれたときから箱入り息子として甘やかされてきた。
そんな王子が10歳になり、隣国ボーノの王宮を初めて訪れたときのこと。

ボーノにはダジャカルデという名物料理があり、シェフたちはこの料理で王子をもてなそうとしていた。

しかし王子は「おいしくなさそうだからいらない」と言って口をつけようとしない。

それを見たシェフたちは一度彼の皿を下げると、ダジャカルデを超大盛りにして提供し直した。

一体なぜ?


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この問題は100問出題を記念したBS問題です。

出題後30分が経過、または正解が出た時点から、
ボケて良し雑談して良し、良識とモラルの範囲内で何でもアリな1時間の「BSタイム」に移行します。

BSタイム終了後は、何事もなかったかのように問題を解決する作業に戻ってください。
皆さんで一緒に楽しみましょう!
23年02月10日 21:00
【ウミガメのスープ】 [「マクガフィン」]

ハッピーラテシンバースデー!




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『簡易解説』
ラテラ王国の捕虜として独りボーノの王宮に連れてこられた王子。
王子がダジャカルデへの毒の混入を警戒して口をつけないことに気づいたシェフたちは、一つの皿に盛られた料理を大勢で食べる方式にすることで、毒の心配をなくし、同時に王子との親睦を深めて安心させてあげたいと考えた。






長く続いた戦争は、ラテラ王国の和平受諾宣言によって終わりを迎えた。

それは事実上の敗北であり、王国は隣国ボーノの属国かのような扱いを甘んじて受け入れるしかなかった。

ボーノはラテラ王国の裏切りを警戒し、王位継承者である王子を{人質}として差し出すよう求めた。

たった一人の王子として、戦火にさらされぬよう極力城から出さずに育てられてきたレオンが、国境を跨いだ瞬間であった。



ラテラ王国とのさらなる敵対は本意ではないボーノは、レオン王子を丁重に迎え入れ、もてなした。

世話を任された王宮の使用人やシェフたちは、王子にボーノ国の魅力を伝えるべく、夕食に名物料理のダジャカルデを振る舞うことにした。


しかし、レオン王子は口をつけようとはしなかった。

無理もない。彼が生まれたとき、すでにボーノは敵国であった。
年端もいかない王子にとって、彼らは国民たちから家族や住む場所を奪ってきた非道な存在であり、またそう教えられてきた。

そんなボーノ国に囚われている身として、王子は自分がいつ殺されてもおかしくないと感じていた。

そう、たとえば{料理に入れられた毒}で。


初めて目にする料理、ダジャカルデ。その珍妙な見た目と形容しがたい香りを前にしたレオン王子は咄嗟に、「おいしくなさそうだからいらない」と嘘をついた。
毒が怖いなどと言おうものなら、すぐに殺されてしまう気がして。


そんな彼の様子を見たシェフは、しかしその恐怖をすぐに見抜いた。
いきなり慣れ親しんだ人々や土地から引き離され、憎んできた敵国に連れてこられた王子。周囲の誰も信じられないであろうその心中は、想像するに余りある。

自分が毒見代わりに一口食べてみせるのは簡単だ。私たちが王子を殺す気ならもうとっくに殺していると説明することもできる。
だが・・・

シェフは無言のまま王子の皿を持って厨房に向かうと、{およそ3人前になるように}ダジャカルデを盛り直して王子の前に置いた。


「私たちと一緒に食べましょう、レオン王子。」


傍らに佇むお付きの使用人にも手招きし、3人で皿を囲む。

「こうしてみんなで同じ皿から食べれば、何倍も美味しく感じるものです。」

そう言ってスプーンに乗り切らんばかりのダジャカルデを掬い、大きく口を開けて流し込む。それを見た使用人も後に続いた。
その意味を理解しながらも躊躇う王子に、シェフは柔らかな眼差しを向けて呼びかけた。

「王子、突然ご家族から引き離されてさぞお辛いでしょう。ですがいつかまた会える日が必ず来ます。それまでは、いいえ、これからずっと、私たちはあなたの味方です。」

その言葉に意を決した王子は、ゆっくりと料理を口に運ぶ。

「…おいしい」

湯気を立てる温かな料理は、王子の強がりをはがすには十分だった。思わず漏れた言葉とともに、横に家族のいない寂しさが溢れ出してくる。

「父様…母様…」

目を潤ませる王子の背中をさすりながら、シェフは「頑張りましょう、一緒に頑張りましょう」と声をかけ続けた。


その夜王子が流した涙は、幼くかすかな、しかし確かな、平和への祈りだった。

良質:18票トリック:6票物語:6票納得感:1票
South West East Northの4枚で構成される4枚謎を作成したカメオ。上記の画像は4枚謎_完成版_最新であり、これは4枚謎_完成版と比べて一ヵ所加筆が加えられている。

4枚謎を全て解いた上で、カメオが何を書き加えたのか1文字で答えてほしい。
23年12月25日 19:09
【20の扉】 [うつま]

‪☆




解説を見る
    4枚謎_完成版_解説


解説

この4枚謎の答えはもともと、「{だいす}」「{きあい}」「{してい}」「{くりすます}」であった。枠線が薄くなっている文字を除いて繋げると、「{だいすきあいしています}」と読むことができる。
この謎は、カメオが妻に愛を伝えるために作った謎解きだったのだ。
しかし、いざ妻に解かせようとした直前、カメオは急に気恥ずかしくなってしまった。こんな方法で愛を伝えるなんて、子供じみていると思われないだろうか、と。カメオは応急処置としてSouthの謎の答えのマスの数を変え、潜ませていた愛のメッセージを消した。

よって、カメオが最後に書き加えたのは、【コ】である。




きっかけは、些細な喧嘩だった。日常の中にある、本当にどうでもいいようなことで妻と{言い合い}になって、怒った妻はその日一日口をきいてくれなくなった。
その翌日にはお互いにごめんと謝って、何事もなかったかのように日々は再開した。
でも、あの日から、ほんの少しだけ。妻と私の間の距離が遠くなった気がした。
私の愛が冷めた訳ではない。今でも妻のことは一番に愛している。でも、妻はもしかしたら、そうは思っていないのかもしれない。もう愛が冷めてしまったのだと妻には思われているのかもしれない。
もしそうだとしたら、私はちゃんと、妻に愛を伝えなければならない。その手段として思いついたのが、高校生の頃から趣味にしていた謎解きだった。
「{だいすきあいしています}」が現れる謎解きを作ったのは、そんな次第だった。

12/25クリスマス。もともとクリスマス用に買っていた小物をプレゼントしたあと、「そういえば、もうひとつプレゼントがあるんだ」と準備していた4枚謎について妻に話した。
「最近忙しそうにしてると思ったら、そんなもの作ってたなんて。好きな物に一途なところ、昔から変わんないね」
そう笑う妻の姿は、私が妻に初めて出会ったあの頃と何も変わっていなかった。その姿を見て私は、変わらない日常に不安を感じてしまった自分を恥じた。確かにそこにあった幸せを、つまらない妄想で見失ってしまっていたことを恥じた。
そして何より冷静になって考えてみると、謎解きで愛を伝えるなんていう子供でも思いつかないような作戦を、大の大人が本気になって実行しているというこの状況が、呆れるほど恥ずかしく思えてきた。
「ちょっと今から謎を印刷してくるよ」
私はそう言って書斎に走り、「{だいす}」が答えになる謎が「{さいころ}」が答えに変わるように、一箇所修正を加えてから謎を印刷して妻に渡した。

妻は私が想定していたより遥かに早いスピードで4枚の謎を解き終わり、「答えはクリスマスでしょ」と笑って私に伝えた。
なぜだか恥ずかしそうに笑う妻が可愛くて、愛してるの言葉はちゃんと言葉にして言おう。そう決めた。
しかしその愛の言葉が私の口から出る前に、私は思わぬ不意打ちを受けた。
「私も愛してるよ」
「えっ?」
驚く私に、妻はSouthの答えの4マス目にバツを書いて潰し、答えを「{だいす}」にして埋めた紙を私に見せた。

そういえば、昔から妻は私よりもずっと謎解きが得意だった。



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あとがき

私にとっての2023年は、{謎解き}の年でした。
ウミガメのスープを布教するために謎解きサークルに入ったのがきっかけで、月に6回くらい謎解き公演に行ったり、いくつか謎解き制作に関わらせてもらったり、気づけば謎解きまみれの日々です。
ウミガメのスープと謎解き、その両方に魅せられた人間として、両者の魅力を最大限に表現できる問題を作ってみたい。そう思って作ったのがこの問題です。皆さんの口には合ったでしょうか。
これを機に、謎解きの楽しさに気づいていただけたら幸いです。
それでは皆さん、【{メリークリスマス}】
問題文に潜む罠「31Good」
良質:9票トリック:11票物語:1票納得感:10票
いま田中の目の前にある大きめのどんぶりの中には米と鳥が入っている。

食べ物にありつけて喜んでいる田中の手に握られているものは何か?

※質問制限なし!
※ 箸でも成立するけど箸以外で!
25年04月21日 18:19
【20の扉】 [ダニー]

4/24(木) 22:00ごろに締めます




解説を見る
A.枝に付けられた紐<🪤>
21の天使の蒸留酒「31Good」
良質:21票物語:10票
昔、男は警察の目を盗んで深夜の駅のホームに侵入し、設置されたピアノを演奏する事を日課としていた。

ある日彼は酒場に行くと、一番安い蒸留酒を注文した。

そして一口飲んだところでマスターを呼びつけた。

「すまんが、これはなんて名前だ?」

「…これは、La grâce de Dieu(神様のお恵み)です。」

それをきいた男は、グラスを虚空に向かって突き上げた。

一体なぜ?
19年05月05日 13:36
【ウミガメのスープ】 [弥七]

ご参加ありがとうございました!




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<解説>
簡易解答:ホームレスの老人は駅のピアノを使って孤児に音楽を教えていた。時を経てピアニストとして大成した少女の曲に出会い、彼女の人生を祝福したのだった。

ーーーーーー
最初は単なる憂さ晴らしだった。

日がな1日迷子を預かったり、ろくでもない紛失届の裏でせっせと五目並べをしている奴らのために、神が仕事を与えてやろうというのだ。(自分の風貌を見れば、誰だって神様と勘違いするだろう)

こんな俺でも、昔は人間に音楽を教えて金をもらったこともあった。そんな俺様がどうして、こんなに落ちぶれたのだろう。

きっと酒が足りないせいだな。

深夜の21番ホームでは、都会の喧騒も、俺を嘲り罵しる世間も全ては無に伏せる。

老人は汚い鹿撃ち帽を外し、それを座布団代わりに椅子へ座った。

すると、今日はおかしなことが起こった。

鍵盤に手を置くと、文字も読めなそうな子供がひとり、ピアノの前に立つではないか。

鬱陶しくも片目で観察していると、なにやら演奏に合わせて指を必死に動かしている。俺の動きを真似しているのか?なんだってそんなことを??

ははあ、さては。

ピアノを買ってもらう親も金もない孤児が、興味本位で俺に付いてきたんだろう。

ふん、勝手にするといい。と俺は思った。

好き勝手に弾いていた男は、いつの間にか少女を椅子に座らせ、しまいにはブルグミュラーの25の練習曲を一通りやる羽目になっていた。

お前は若い、きっと人生をひっくり返せるさ。

そんな言葉が、ポツリと口をついて出た。

それから少女は半年後に姿を消す日まで、毎日のように駅に訪れた。

消えたのは孤児院から離れたのか、捕まって少年院送りか、きっとそのどちらかだろう。

別れから、二度目の春。

胸いっぱいに朝の新鮮な空気を吸いこんだ老人は、ついでにアルコールとタバコの汚い煙も吸いたいと思ったので、近くの酒場に飛び込み、有り金全部使って安い蒸留酒を買った。

ふと、ボトルを空ける手を止めると、まるで荒んだ心の傷を温かい何かで埋めるような、恍惚に似た感覚が彼の中へと侵入してきた。

それは酒の匂いのせいなどではなかった。

店内に響きわたるピアノと天使の歌声。

「…これは、La grâce de Dieu(神様のお恵み)です。いい曲でしょう?最近デビューしたんですよ、まだ若いのに、素敵だねぇ…」

マスターの声は最後まで男に届かなかった。

老人は、虚空に向かってグラスを突き上げた。


乾杯...!


これは、21番ホームの天使に捧げる蒸留酒。

(おしまい)
良質:18票トリック:6票納得感:7票
現在猛烈に恋人を欲しがっている田中さん。そんな田中さんの家の近くには神社が{ふたつ}ある。
ひとつめの神社Aは【100円玉を賽銭箱に入れて祈ると意中の人とちょうど77日後に結ばれます】と謳う神社。
ふたつめの神社Bは【1万円を払ってお祈りすると運命の人が7年以内に現れるでしょう】と謳う神社。
どう考えても神社Aの方が良さげに思えるが、田中さんは{神社Bに足しげく通っている}そうだ。
一体なぜだろうか?
19年09月04日 18:47
【ウミガメのスープ】 [えいみん]

初めて作った問題です DEBONOから持ってきました




解説を見る
田中さんは{神社Bに来る女性をナンパしていた}。
神社Aの謳い文句は【意中の人と結ばれる】なので、すでに好きな人がいる女性しか参拝しに来ず、ナンパは成功し得ない。
しかし、神社Bの謳い文句は【運命の人が現れる】なので、まだ好きな人がいない可能性が高い。
田中さんは、{「まだ好きな人はいないけど彼氏は欲しい」}と思い、参拝しに来る女性をナンパするために足しげく通っていたのである。