みんなのGood

Hip! Step! Jump!「21Good」
良質:6票トリック:3票物語:2票納得感:10票
スリが多いことで有名な大都市「ラテライツ」に住むカメオ。

彼は人混みを往来する時、絶対に財布を尻ポケットに入れないようにしている。死角になる上に盗られても気付きにくいため、スリに狙われやすいからだ。

そんなカメオだが、{あるもの}を失くして以来、人混みを往来する時は財布を尻ポケットに入れることにしたのだという。

{あるもの}とは何だろうか?

理由も含めて答えて欲しい。
22年10月14日 20:13
【20の扉】 [だだだだ3号機]

17日(月)23:00までに延長しました!




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【解説】

A.{両足}

事故で両足を失くし、車椅子で生活するようになったカメオ。
人混みを往来する時は、体重をかけるため盗まれにくく、一番安全であろう尻ポケットに財布を入れるようになった。






【ストーリー】({読まなくていいです})

国内有数の大都市『ラテライツ』。
人口が多く、時間帯によって道路が人や車で大変混雑するこの街は、有名な観光地である一方、スリが大変多いことでも知られている。

そんなラテライツに住むサラリーマン、カメオ。
高校時代に運動部だった彼は、その持ち前と体力と人柄の良さから職場では大いに慕われている。
その上昔から困っている人を見過ごせない性分で、近所でも有名な好青年というやつだった。

そんなカメオも当然スリへの警戒は怠っておらず、人混みを往来する時は、彼は絶対に財布を尻ポケットに入れないようにしている。死角になる上盗られても気付きにくく、スリにとって格好の的だからだ。





その日は、酷い雨だった。

通勤中、いつものように人混みを歩いていたカメオは、その日の夜に病院で目を覚ましていた。
困惑しながらも、曖昧な記憶を辿っていくカメオ。
人混み、横断歩道、女の子、赤信号───。


(そうだ、俺は…)

トラックに轢かれそうになった女の子を庇って、そのまま…


事の顛末を全て悟ったカメオが身体を起こす。
鈍い痛みが残る全身に気をやりながらも、自然と自分の足先に目を向ける形になった。
目覚めた時から、漠然と感じていた下半身の違和感。その正体が解った。


「両の膝から下」が、無かった。



カメオが目覚めたことを聞きつけ病室までやって来た医師は、なんともばつの悪そうな顔をしながら、ゆっくりと仔細を説明した。
カメオはそれを黙って聞いていた。
ただ、女の子が無事だったことを告げられた時だけ、小さな声で「ありがとうございます」と、そう言ったきりだった。


入院中、助けた女の子とその母親がお見舞いに来て、主に金銭面で援助をしてもらうことになった。
最初は「勝手にやったことだから」と断っていたのだが、承諾するまで帰ってくれそうになかった上、仕舞いには娘のいる前で土下座までしようとしたので、最終的にはカメオが折れた。

帰り際、二人が病室を出た後、女の子だけがこっそり病室に戻ってきた。カメオが「どうしたの?忘れ物?」と尋ねると、心配しているのか、申し訳ないのか、なんとも言えない表情で此方を見つめた。
少ししてから、女の子は二つ折の小さな紙切れをカメオに渡して、何も言わず駆け足で病室を出てってしまった。

渡されたのは、ピンク色のメッセージカードだった。
まず間違いなく女の子の字だろう。「たすけてくれて ありがとう」という言葉と共に、名前と小さな押し花が添えられていた。
きっと彼女は幼い子供ながらに、後ろめたさを感じていたのだろう。あるいは、元々恥ずかしがり屋な子なのかもしれない。
それでも彼女なりに、心からの感謝を伝えようとしてくれたのだ。

カメオは暫く一人でメッセージカードを見つめた後、それを丁寧に畳んで仕舞った。


それからも、女の子は母親に連れられて何度もお見舞いに来た。
最初は母親の後ろでモジモジしていた女の子だったが、日を重ねるごとに少しずつ心を開いてくれるようになった。
カメオの退院の日程が決まる頃には二人はすっかり仲良くなり、病室でよく絵を描いたりして遊んでいた。


「すみませんカメオさん…怪我もまだ治りきっていないのに。」


ある日、女の子の母親が申し訳なさそうに言った。


「いや良いですよ全然!どうせ暇ですし。こちらこそいつもわざわざお見舞いに来てもらってすみませんね。」

「いえ、娘の命の恩人ですから…それに、最近は娘がお見舞いに行きたいと言って聞かないんですよ。」


え、とカメオは声を上げた。母親は話を続ける。


「旦那はこの子が産まれてすぐに亡くなりました。それからは私も必死で、あまり構ってあげられなかったんです。ですから、カメオさんに遊んで貰うのが本当に嬉しいんだと思います。」


「そう…なんですか。」


カメオはしばらく考え込んだ後、女の子に向かって言った。


「もし良かったらさ、退院した後もまた遊ぼうか。今度は外で。」

「…いいの?」

「もちろん。何がしたい?」


それを聞いた女の子は物凄く悩ましい顔をして、口をつぐんでしまった。カメオが「なんでも、正直に言って良いよ。」と言うと、女の子は目を伏せながら呟いた。


「…鬼ごっこ。」


母親はしまった、という顔をしたが、カメオは真っ直ぐな瞳で


「わかった。約束ね。」


と返した。
嬉しそうに笑う女の子を見て、カメオは思わず口元が緩んでしまった。

きっと母親は、カメオの足の話もしているはずだ。でもまだ幼い女の子には、失った足が二度と戻らないことまでは分からなかったのだろう。あるいは、なんとなく分かっていて、それで口をつぐんだのかもしれない。


ただ、そんなことはカメオにはどうでも良かった。
お見舞いも鬼ごっこのことも、恥ずかしがり屋のあの子がやっと溢したわがままなら。
母子家庭で、一人で遊ぶことが多かったあの子が初めて誰かと交わした約束なら。

カメオの中には、確かな決意があった。








…それから少し時が経って。
退院し、車椅子での生活にも慣れてきたカメオ。
当たり前と言えば当たり前だが、カメオの生活は随分と様変わりしていた。仕事も辞めたし、住居は車椅子でも過ごしやすい段差の無い家に引っ越した。
細かいところでは、財布の持ち歩き方も変わった。

最近、カメオは以前と異なり、財布を尻ポケットに入れるようにしている。
車椅子の身だろうと、スリは警戒しなければならない。
無理はできない身体であるため、用事の時にはできるだけ人混みを避けているのだが、人口飽和気味のラテライツではいつでもそうとはいかない。
どうしても、人通りの多い時間帯に被る時がある。
他のポケットや鞄に入れても安全性は高いが、この身体では、力ずくで盗られるリスクもあるだろう。そうなれば、きっと抵抗すらままならない。
しかし、しかしである。
かつてなら盗まれないよう尻ポケットは避けるが、車椅子を使う場合は話は別だ。
体重をかけて座っている以上、取り出すときは大変だが、その分盗まれる危険は限りなく低い。
そう考えたカメオは、人混みを往く時は財布を尻ポケットに入れるようになった。

…財布という生活の切れ端からすら、「足が無い」という事実を実感する日々。
もちろん、財布の持ち方一つに懊悩できるほど、気持ちに余裕ができたとも言えるのだが。


「最近特に物騒ですからね~。良いアイデアだと思いますよ。」

「でしょ?まあ、財布を取り出すと体温でものすごく温いんですけど。」


あれから、カメオはリハビリのため病院に通い詰めていた。
彼のために用意された、義足による歩行訓練。
ひたむきな努力が実を結んだのか、少しずつ歩ける距離は増えていった。
医師曰く、早ければ半年もすれば歩いて生活できるようになるだろう、と。

きっとまだ、たくさん不安はあるけれど。


「アハハ…良いじゃないですか。お財布が温かいのは、カメオさんが元気な証拠ですよ。」


すっかり顔馴染みの看護師がそう返すと、ほんの少しの沈黙が流れた後、噛み締めるようにカメオが呟いた。


「元気な証拠、かぁ…。」


看護師の手を借りながら、休憩用の椅子に腰を降ろしたカメオは、自身の温もりを確かめるように腿を擦る。
そして財布を取り出すと、その中から丁寧に折り畳まれたメッセージカードを手に取った。
その様子を見た看護師が尋ねる。


「かわいいメッセージカードですね~。彼女さんからですか?」

「…いいえ。ただ、大切な約束なんです。リハビリを頑張れるのも、これのお陰ですから。」


そう言うと、カメオは開いたメッセージカードを見つめた。
何も知らない看護師は最初は不思議そうな顔をしていたが、何かを察したのだろう、途中で穏やかな表情になった。


「じゃあ尚更、盗られるわけにはいかないですね。」

「…そうですね。」


そう返事をしながら、カメオはメッセージカードを丁寧に折り畳むと、財布の中に入れた。

いつか果たされる日まで、二人の約束を胸に仕舞い込むように、そっと。


END
良質:6票トリック:6票物語:3票納得感:6票
ある日ある時ある国での出来事。貴族カメオが、ワイン1000本を振る舞う盛大なパーティーを企画しました。

パーティー開催2日前の夜、ワインセラーで不審な動きをしていた召使いが捕らえられました。
召使いは液体が入っていたらしき容器を持っており、尋問の末、{1000本のワインの内1本にだけ、僅かでも飲むと死んでしまう猛毒を混入した}と自白しました。
容器に微かに残っていた液体を飲まされた召使いは、15時間後に死にました。

召使いが死んだ時刻から24時間後にはパーティーが開催されます。それまでに毒入りワインを特定しなくてはワイン1000本パーティーは開けず、カメオの面子が潰れてしまいます。
カメオは、奴隷が何人死んでも良いのでワイン1000本の毒味をするよう、腹心たちに命じました。
何人死んでも良いと言われても、奴隷はせいぜい2、30人。1人1本ずつ試させるワケにはいきません。腹心たちは頭を悩ませました。

腹心の一人であるウミオが、熟考した後、カメオにこう言いました。

「死んだ召使いを信じるならば、次の方法で調べることを提案いたします。 1000本のワインに2進数10桁の数字を順番に振るのです。そして各桁に奴隷を1人ずつ割り当て、自分の桁の数字が1のワイン全てを数滴ずつ飲ませまるのです」

「ど、どういうことだ?」

「たとえば513本目のワインは『1000000000』で10桁目だけが1なので、『10』の奴隷だけがそのワインを飲むことになります。もしも『10』の奴隷だけが死んだならば、513本目のワインこそが毒入りだと分かるのです。この方法なら10人の奴隷で毒入りワインを特定できます。 毒入りワインが1本であることが信用ならないと言うならば、死んでいない奴隷の飲んだワインだけをパーティーに出せば良いことです。500本は確保できましょう。なぁに、500本か1000本かなんて分かりやしませんよ」

「500本・・・グヌヌッ・・・仕方ない、それで調べろ!」

そうしてウミオの指示のもと、ラベルを貼りスポイトを差したワイン1000本がワインセラーにズラッと並べられました。
10人の奴隷は『1』から『10』の数字が割り当てられ、ワイングラスを持たされました。

カメオの息子であるカメタロウがワインのラベルを確認し、「1番、来い!」と言うと、『1』の奴隷のグラスに『0000000001』のワインをスポイトで数滴垂らしました。
「2番、来い!」と言うと、『2』の奴隷のグラスに『0000000010』のワインをスポイトで数滴垂らしました。
「1番、2番、来い!」と言うと、『1』の奴隷と『2』の奴隷のグラスに『0000000011』のワインをスポイトで数滴垂らしました。

延々と続く集中力の要る作業に立ち会った者はみな疲労困憊になりましたが、ミス無く作業は完了しました。

1滴は約0.04ml。ワイン1本から2、3滴取り出しても1人辺り約500本分なので、せいぜい50mlです。
最後の晩餐がほんの少しの毒入りワインになるかもしれないと奴隷たちは涙を流し、そしてワインを一気に飲み干しました。

毒が効くまでの時間を余分に見積もりもしましたが、パーティー開催時刻までにテストは完了しました。



【{さて、毒入りワインは何本目のワインだったでしょうか?}】
23年08月30日 18:28
【20の扉】 [異邦人]

有名論理パズル闇扉です! 8月31日の23:30まで!




解説を見る
10人の奴隷たちがワインを飲んでから10時間が経ち、15時間が経ち、20時間が経ちましたが、{奴隷は誰も死にません。}

誰かがポツリと呟きます。

「ワインに毒を入れたなんて嘘だったのでは?」

しばらくして結果確認にワインセラーにやってきた貴族カメオは、息子のカメタロウから、テストは滞りなく行われたこと、いつまで経っても奴隷が誰も死なないこと、毒入りワインは嘘だったのではないかということを聞きました。

「なーんだ、おどかしやがって」

そう言うとカメオは、一番手前にあったワインボトルを掴んでグビリと飲むとワインセラーを後にし、当初の予定通りワイン1000本を振る舞う盛大なパーティーを開きました。



そうしてパーティーの翌日。{カメオと、カメオとワインを共にしたカメタロウほか数名が死にました。}

ウミオはそっと、召使いの冥福を祈りました。






【正解:1本目のワイン{『0000000000』}】
空箱に愛「21Good」
良質:9票トリック:2票物語:3票納得感:7票
息子が自由帳にかいた奇妙な文章とイラスト。
そのイラストは猫や熊に見えないこともないが、明らかにXが多いので、きっとYのイラストなのだろう。

X、Yに入る文字をそれぞれ一字で当ててください。
23年10月27日 21:38
【20の扉】 [tsumugu]

 




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X= た
Y= 狸

Cindy :https://www.cindythink.com/puzzle/8872
良質:6票トリック:2票物語:6票納得感:7票
我が家の裏の空き地は、
野良猫の溜まり場になっている。

あまり褒められた行為ではないが、
都会の生活で心が疲れた時、
私は、猫たちにエサをやって癒やされていた。

ある日。
外から仔猫の鳴き声がすることに気づいた私は、
いつものように、煮干しの入った袋を手に空き地に向かった。

…結論から言うと、仔猫はいなかった。
空き地には、いつも集まっている猫たちの姿すらない。

代わりに、小太りのおじさんがいた。
おじさんは口を開く。

「ンニャアオ…ニャアオ……🐾」

……なんてことだ。
仔猫の鳴き声だと思っていた声は、
小太りのおじさんの口から発せられていたのだった。


私は、
猫にあげるために持ってきた煮干しを、
小太りのおじさんに与えた。

一体なぜ?
24年01月21日 21:35
【ウミガメのスープ】 [るょ]



解説を見る
四つん這いで草むらに鳴き続けるおじさん。
私は彼の肩に手を置くと、静かに首を振った。

「ここらの猫は現金でね。エサでも無いと触らせてくれないよ。」

煮干しの袋を渡す。

手のひらに煮干しを出して呼ぶと、
ものの数分で、隠れていた猫たちが集まってきた。

「地元の猫たちなら、鳴きマネに釣られて集まってくるんですがね…。」

猫ちゃんも都会っ子なんですね。
そう言って苦笑いするおじさん。
彼もまた、都会のストレスを猫で癒やそうとしていたのだった。

・・・
都会では、隣人のことなど気にかけていられない。

いつもの電車であなたの隣に座るそのおじさんも、
実は生活の中で、ストレスを感じていたりするのかもしれない。

…或いは、異様に猫の鳴きマネが上手だったりするかもしれない。


答え:
隠れている猫を呼んで触らせてあげるため
永久凍土の地「21Good」
良質:9票トリック:5票物語:3票納得感:4票
ラテラテ町の糖尿病患者が今年になって急激に数を減らし、もう殆どいないことを知った甘党のカメオ医師は来年にはラテラテ町から別の町へ引っ越すことに決めた。

以上の出来事からカメオの好きな飲み物を正確に特定した後、カメオの嫌いな食べ物まで考察せよ。
24年02月29日 22:44
【20の扉】 [松神]



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A.甘党の吸血鬼カメオの好きな飲み物は糖尿病罹患者の血液である。また、吸血鬼の嫌いな食べ物は当然にんにくだろう。