みんなのGood

良質:9票物語:10票
伸び盛りの弟を持つ私は、家の柱に傷をつけては彼の身長を記録していた。

弟「ちぇっ、まだ全然だぁ。」

1ヶ月で5cmも伸びれば大したものだと思ったが、
弟はなんだか不満そうである。

私「じゃあこれ、おまけね。」

そう言って、私が弟の身長より少し高い場所に印をつけると、

弟は途端に怒り出した。

それは私の優しさだよって言っても聞いてくれない…一体なぜだろう??
20年04月01日 21:28
【ウミガメのスープ】 [弥七]

Special Thanks!!! さなめ。さん^ ^




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<解説>
簡易解答:ただ姉の身長を追い越す瞬間が見たいなら、お互い背中を合わせればそれでいい。弟は柱に私の身長を刻んだことを、「もうこの家に帰ってくることはない」という意思表示だと捉えたから。


春から県外の大学へ進学する私。家族との別れに寂しさを覚えつつ、弟が私の身長を追い越す瞬間が見られるように、【私の身長】を柱に刻んだ。すると弟は「寂しいっていう割に、帰ってくる気ないじゃん!」と怒り始めたのだった。

ーーーーーーーーーー

もし、もしも。

私が今抱いている感情が、私一人だけのものだとしたら。

それはとても、悲しいことだと思う。








「まあ、そうですよね。七海先輩くらいの成績だったら、進学しますよねー。」
「七海ちゃん、よく勉強してたもんね。」
「県外の大学だって??いいなー頭の良い子は。」





ああ、そういうもんなのかなって。


「ーーー私、東京の大学に行くんだ。」


私の一世一代の決心は、そうして、すんなりと周囲の人に受け入れられていった。




それは、家族に対しても同じことだ。

三者面談の日。

読み上げられた進路希望に、母は何も言わずただ頷いてくれた。家に帰って父にそのことを話すと、「お金のことは心配するな」と、たった一言交わしただけで終わった。




先生に何度教えられたことか。

「進路はよく考えること」「よく悩んで選ぶこと」




誰に勧められたわけでもない。自分の好きなものを選んで、絞って。その末に、私の将来はこれしかないと決めた。

私の中で、とても大切な決断だったのに。

しかしその結末は、あまりにあっさりしすぎていた。




どうして?

どうしてそんなにすっきりはっきり、感情を入れ替えれるのだろう??

私には理解できない。

だって、私が東京の大学に行くということは、つまりーーー











「……姉ちゃん!!聞いてんの!?」


はっと我に帰る。


私は家の柱の前でぼうっと立ち尽くしていた。隣では弟が壁に張り付いたまま私に向かって話しかけている。

「姉ちゃん、まだ??」
「ああ、ごめんね、すぐやるから。」

私は弟の身長に合わせて柱に傷をつけた。過去の自分とを交互に見比べながら、弟は不満そうに鼻を鳴らした。

「ちぇっ、まだ全然だぁ。」

1ヶ月で5cmも伸びれば大したものだと思ったが。それでも物足りないのだろうか??

台所にいた母がひょっこりと顔を出す。

「はあ〜男の子の成長期ってすごいね〜。制服、もっと大きいサイズにしておけばよかったね〜。」
「やだよ!だぼだぼしてダサいじゃん!!」
「新しく買うよりいいでしょうが。」

ああケンカしてる。いつもの家族風景だ。

私がいなくとも、きっと何も変わらないだろう。

「…今に七海の身長、追い越しちゃうかもしれないねえ。」



私は柱の方を振り返った。

不揃いに重ねられた、弟の成長の記録。なんとも誇らしく、そして悲しいのだろう。

私の身長を弟が越す瞬間を、私は見ることができないのだから。

強烈な寂しさに背中を押されて、私は再びナイフの柄を強く握った。

カリカリ…



「姉ちゃん、なにしてるの??」

「これ、おまけね。これでいつでも、比べられるでしょ。」



私は自分の身長を測って、柱に傷をつけた。



「やめろよ。」



急に肩を掴まれたので、私の傷は大きく曲がってしまった。誰の声だろうと思うくらい、真剣な口調で弟は言った。

「姉ちゃんって、ほんとずるいわ。試すようなことばっかりして。」

「え?」

「急に東京の大学に行くって言うから、みんなすげー心配して。

でも姉ちゃんが決めたことだから、そんな悲しい顔しないようにしゃんとしてたのに…。母ちゃんだって言ってたよ。ほんとに一人で生活できるのかって、寂しくなるって言ってたし。

でも姉ちゃんからは『寂しい』なんて一言も聞かなかった!!」

「……」

「俺、ずっと一緒だからまだわかんないけど、姉ちゃんがいなくなったらきっと寂しいと思う。けど、けどさ!!寂しいなら、帰って来ればいいじゃんか、戻って来ればいいじゃんか!」

「……ごめん。」

私は下を向いて、ただ謝った。涙が出るかと思ったからだ。

「謝ってばっかりだ、姉ちゃんなんて、もう知らねえよ。」



こんな調子で東京でやっていけるのかねえ、と母親のようなことを言った。そして、柱の方にぐいと私を押し付けた。もうすぐ私を追い越してしまう彼の身長が、ことさら大きく見えた。

「もういい、姉ちゃんは、東京で大人しく勉強でもしてろ。







……俺が迎えに行ってやるから待っとけ。」



いつの間に

人間というものは、人知れず成長してゆくものなのだろう。

随分と男らしくなったなぁ、なんて思いながら

こくりと、私は頷いた。








柱の傷は、おとどしの。








窓辺からそよそよとやってくる柔らかな風を感じながら、私はベッドの上でうんと背伸びをして周囲を見渡した。

私だけのテレビに、私だけの本棚。ソファの上のパーカーは、誰に片付けられることもなく無造作に、おとなしくそこにかけられている。

目覚まし時計が鳴る前なんて…全く行儀の良い時間に起きてしまったものだ。


(……どうして目が覚めてしまったのだろう?)


耳をすますと、繰り返し鳴っているインターフォンの音を、寝ぼけた私の頭がやっと認知した。


(ああ、なるほどね。)


私はスキップしながらリビングを後にした。

そう、きっとこれは、私の待ち望んでいた春の訪れ。

しかし決して悟られないようにどうぞ、と少しぶっきらぼうに玄関の扉を開ける。

「久しぶり、姉ちゃん。









やっと迎えに来たよ^ ^」

不意に口元が緩んだのを、私はちゃんと隠せただろうか??

いてっ、

などと言いながら戸枠に頭をぶつける彼が、小憎らしいほど愛らしかった。

(おしまい)(この物語は全てフィクションです。)
良質:6票トリック:3票物語:4票納得感:6票
浮気をしていたカメオとその愛人のツーショット写真がテレビで全国公開された。
カメオの妻のカメコがカメオの浮気を知り激怒したので
翌日、洗濯物の量が増加した。

一体なぜ?
20年06月13日 15:04
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]



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{それではこちらの写真をご確認ください}


{カップルと思わしき男女を睨みつける鬼の形相をした女性の霊がはっきりと映っています}

{非常に恨みの強さが写真を通じてありありと伝わってきますね。}




心霊番組で心霊写真として紹介されたカメコの怒りの形相があまりに怖かったので
夜トイレに行けない子供たちが増加しお漏らししてしまったので翌日全国で洗濯物が増えたのです


(´;ω;`) ひぃ~
良質:9票トリック:6票物語:2票納得感:2票
カメオはファンレターを貰った。
いつもはファンレターを読むと、マネージャーに渡して大切に保管しておくように言う。
しかし、その日受け取った手紙は、燃やすことにした。
いったいなぜ?
21年08月30日 00:12
【ウミガメのスープ】 [時野洋輔]



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カメオは元アイドルで、現在は有名な{作家}である。
処女作「ラテラテの花」が大ヒットし、いまやテレビに引っ張りだこの状態だ。
しかし、実際にはマネージャーのウミオが代わりに小説を書いていた。そう、ウミオは{ゴーストライター}だったのだ。

いまやファンレターの大半は小説の内容に関するものばかりなので、小説を書いたウミオに渡して大事にするように言っていた。
しかし、ある日、そのウミオが亡くなった。
カメオはその日に届いたファンレターを、彼の{棺に入れて}一緒に燃やすことにした。
良質:6票トリック:6票物語:1票納得感:6票
以下の文章を読んで、語り手がなぜ幼なじみに詰られることになったのかを推測してお答えください。


目覚まし時計が鳴り響き目を覚ます。時刻は6時半。俺は起きた。朝食を食べ、制服に着替える。そうこうするうちに7時になり、家を出た。ちょうど隣に住む、幼なじみの桃子も出てきたところだ。桃子は俺を見ると、【「おはよう!くたばれ!」】と言ってきた。いつも通りの朝だ。
21年12月21日 20:29
【ウミガメのスープ】 [メラ]



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主人公の名前をつけてください。
→「くたばれ」

「くたばれ」でよろしいですか?
→はい

【解説】
ゲームの主人公の名前を「くたばれ」にしたから
寝耳に見ず「19Good」
良質:6票トリック:1票物語:7票納得感:5票
ある日突然、
微睡む私に、彼女が言った。

「ねぇ…私、あと半年で死んじゃうんだって。」

いつもの調子で冗談めかす彼女だったが、
私は彼女の言っていることが真実だと確信した。

彼女の顔色を伺ったわけでもないのに、だ。
さて、一体なぜ?
22年01月03日 23:21
【ウミガメのスープ】 [るょ]



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「ただいま。」

長い間入院していた彼女が突然、同棲しているアパートに帰ってきた。

「ねぇ、久々に耳かきしてあげるよ。」

彼女は帰ってきてそうそう、そんなことを言うのだった。

・・・
彼女の膝枕で耳かきをしてもらうと、
気持ちよくて、ついウトウトしてしまう。

とても穏やかな、至福の時間。
そんな幸せな時間は、彼女の一言で終わりを告げた。

「ねぇ…私、あと半年で死んじゃうんだって。」

私の耳元にぽたりぽたりと落ちる雫。
それが彼女の涙だと気づくのに、そう時間はかからなかった。


(………まさに『寝耳に水』だな…。)


声色こそいつも通りだったが、
涙が偽りだとは到底思えない。
彼女の告白は、きっと真実なのだろう。

…泣き顔を見られたくなかったから、
急に「耳かきしてあげる」なんて言ったのかな。


彼女の耳かきが終わるまで、
私は、耳元に落ちる涙を、ただじっと受け止めることしか出来なかった。


答え:
寝耳に涙が落ちてきたから。
(顔色を伺えなかったのは、耳かきの途中だから。)