みんなのGood

寝耳に見ず「19Good」
良質:6票トリック:1票物語:7票納得感:5票
ある日突然、
微睡む私に、彼女が言った。

「ねぇ…私、あと半年で死んじゃうんだって。」

いつもの調子で冗談めかす彼女だったが、
私は彼女の言っていることが真実だと確信した。

彼女の顔色を伺ったわけでもないのに、だ。
さて、一体なぜ?
22年01月03日 23:21
【ウミガメのスープ】 [るょ]



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「ただいま。」

長い間入院していた彼女が突然、同棲しているアパートに帰ってきた。

「ねぇ、久々に耳かきしてあげるよ。」

彼女は帰ってきてそうそう、そんなことを言うのだった。

・・・
彼女の膝枕で耳かきをしてもらうと、
気持ちよくて、ついウトウトしてしまう。

とても穏やかな、至福の時間。
そんな幸せな時間は、彼女の一言で終わりを告げた。

「ねぇ…私、あと半年で死んじゃうんだって。」

私の耳元にぽたりぽたりと落ちる雫。
それが彼女の涙だと気づくのに、そう時間はかからなかった。


(………まさに『寝耳に水』だな…。)


声色こそいつも通りだったが、
涙が偽りだとは到底思えない。
彼女の告白は、きっと真実なのだろう。

…泣き顔を見られたくなかったから、
急に「耳かきしてあげる」なんて言ったのかな。


彼女の耳かきが終わるまで、
私は、耳元に落ちる涙を、ただじっと受け止めることしか出来なかった。


答え:
寝耳に涙が落ちてきたから。
(顔色を伺えなかったのは、耳かきの途中だから。)
良質:3票トリック:11票物語:1票納得感:4票
彼女の人差し指が震えながら彼の顔に触れた瞬間、彼女の目から大粒の涙がこぼれ落ちた。

さて彼女が自分の涙を手で拭えないのは何故?
22年05月31日 13:34
【ウミガメのスープ】 [ダニー]



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隠れキリシタンとして捕まり、両手を拘束されたから
※1行目は彼女の足の人差し指がキリストの顔に触れた瞬間の描写
人を食った話「19Good」
良質:9票物語:8票納得感:2票
【南米の奥地に住む少数民族・リバニ族には、今もなお食人の風習が残っている】……との噂がある。

噂がある、というのはつまり、リバニ族が実際に人間を食しているところを見た者は誰もいない、ということだ。いや、何も、真実を知った者は生きては彼らの集落から出られないとか、迷い込んだ旅人はことごとく襲われ喰われるので誰も近づきたがらないとか、そういう恐ろしい話ではない。

噂によるとこうだ。{リバニ族は、民族の誰かが死亡すると、その親族が集まり、死者の肉を食べ、血を飲む。これは、死者の血肉を己の身体に取り込むことで、その魂をこの世に留め、不滅のものとするという、リバニ族流の弔いの儀式である}……とのことらしい。
そして、その儀式の場には死者の親族以外は決して立ち入ることを許されない。そのため、実際の儀式の場で何が行われているのか、リバニ族以外は誰も見たことがないのだ。

{文化人類学者である私}は、リバニ族のこの噂に大いに興味を持ち、その真相を確かめるべく、フィールドワークとして彼らの住む小さな集落を訪れた。
いきなり噂のことを尋ねてもまともに答えてくれる訳がないと思った私は、とにかくまずは彼らとの交流を深めることに注力。やがて、カメルという一人の若者と親しくなった私は、彼の家に住まわせてもらえるようになった。昼はカメルの仕事――彼の仕事は主に森から資材を切り出し、それを集落の倉庫へ運ぶことだ――を手伝い、夜はカメルの家族から、リバニ族に伝わる言い伝えや昔話を収集し記録するという、学者としての本業を行う日々。カメルの家族や、その他のリバニ族からの信頼も得て、私はすっかり彼らの暮らしに溶け込んでいった。

そんな暮らしを続けることおよそ3ヶ月。{カメルの祖父・ウミスが死んだ。}
横たわるウミスの遺体と、すすり泣く彼の親族たち。そんな中、カメルは私に、「弔いの儀式を行うので、しばらく家を出ていてほしい」と伝えてきた。
私は思いきって、儀式に同席させてくれないかと尋ねたが、カメルは申し訳なさそうに首を振った。
「君が我々のことをよく知ろうとしてくれていることは嬉しく思うし、本当は儀式のことも気になっていたのだろうけれど、それを無闇に口にないようにしていたことも分かっている。僕もウミスも、君のその誠実さがとても好きだ。けれど、すまない、儀式には家族しか立ち会えない……これは我々の掟なんだ、分かってくれ」
「分かった。無理を言ってすまなかった。すぐに出て行くとするよ。外で待っているから、終わったら声をかけてくれ」
そう言うと私は、彼の家を出た。

――それから2時間程が経った後。

儀式が終わったのか、家からカメルが出てきた。
「ありがとう。おかげで儀式は無事に終わり、ウミスを弔うことが出来た。ウミスの魂は僕とともにある。彼も君に感謝しているよ。今の僕にはそれが分かる」
「礼を言うのはこちらの方だ。君たちのおかげで私は多くを知ることができた。ありがとうカメル、そしてウミス」

私はカメルと固く抱き合いながら、

 【――リバニ族が人を食うという話は、どうやら嘘のようだな。】

{と結論付けたのだった。}

さて、それは何故だか、わかるだろうか?
22年06月19日 00:58
【ウミガメのスープ】 [ブルーエール]



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カメルに家を追い出される直前。
私は、{ウミスの遺体に、極めて強力な毒物をこっそり注射しておいた。}

もしカメルや他の親族が、その遺体の肉や血を口にしようものなら、たちまち彼らはウミスの後を追うことになっていただろう。
そして、カメルは今、私と力強く抱き合っている。それが私にとっては答えだった。


「……100年くらい前までは、本当に死肉を食べていたらしいんだ」

ずいぶん後になって、カメルはそう教えてくれた。もっとも、そのときの彼は、アマゾンの奥地に暮らす少数民族ではなく、シアトルに本社を置く某巨大企業の社員という肩書きだったが。森の奥で木を運ぶだけの暮らしに飽きた彼は集落を出て、指先ひとつで世界中のあらゆる物を動かすエリート会社員へ転身したのだった。

「でも、さすがに人肉を食らうのはどうなんだという話になって、形だけ儀式を行った後、そのまま遺体を土葬するように変わったんだ。本当はそれだけの話のはずだったんだが、その直後くらいから、どこからなのか、"リバニ族が人間を喰っているらしい"って噂が広まったらしくてな。学者や作家、テレビ局なんかが入れ替わり集落に取材やら調査やらに来るようになったんだ。連中も、取材に来るだけ来てこっちには何も渡さない、ってほど無作法じゃあなかったからな、リバニ族にとっては、ちょっとした小遣い稼ぎになったわけだ。そういえば、集落でも仕事がしたいって言って、ネット回線をわざわざ引いてくれた学者がいたっけな……。ま、そういうわけだから、『人を食ってる』って誤解されたままの方が都合が良かったから、儀式の実態は秘密っていう体にして、噂をそのままにしておいたのさ」
「なるほど、そういうことだったのか。教えてくれてありがとう、カメル。やはり君は心の友だ」
そう言うと私たちは、グラスになみなみと注いだ真っ赤なワイン――これには特に何も入れていない、その必要がないから――で乾杯するのだった。
気づいてほしい「19Good」
良質:12票納得感:7票
日頃からのストレスが祟り、ついに失声症(心の問題で声が出せなくなる病気)に罹ってしまった緋紗子。

《一度でいいから、"すみません"と言ってほしい。》
彼女は発症してまもない頃、クラスメイトの千秋にこう要求した。

ただし、千秋は緋紗子を虐めていたわけでは全くない。彼女の意図は何?
22年08月02日 23:21
【ウミガメのスープ】 [みさこ]

ありがとうございました!




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【"すみません"を録音素材として使うため。】

緋紗子は控えめで大人しい子だったので、手帳に文字を書いて会話する最低限の方法でも安泰なことが多かった。

そんな彼女だが、すぐに悩みができた。{相手の注目を惹けない。}

例えば、前を歩くクラスメイト、騒がしい飲食店内。いくら手を挙げたりメモを振りかざしたりしても、そう簡単に相手は気づいてくれない。親友の千秋といる時や、相手が触れられるほど近くにいる時ならば問題ないのだが、なんとも煩わしい有り様だった。

そんな折、緋紗子は名案を考えついた。{千秋の助けをいつでも借りられるようにしよう。}騒がしい中でもよく通る彼女の"すみません(Excuse me)"を録音すれば、相手の注意をいつでも惹ける。

《一度でいいから、"すみません"と言ってほしい。》

例によって千秋の肩を叩いてから、スマホ片手にそのメモを見せる緋紗子。察しのいい千秋は二つ返事で快諾してくれた。

この音声のおかげで、食券制ではないラーメン屋でも、一人で楽しめる。千秋との他愛ない雑談LINEを閉じ、店内に録音音声を響かせる緋紗子。

無事注文を終え、大好きな塩ラーメンを啜る緋紗子。

「…おいし〜!」

ストレスと向き合う時は、やっぱり心の友と美味しいご馳走だよね。

【要約】
声が出せないのでお店で店員さんを呼ぶ"すみません"が出来ず、注文に難儀を感じていた緋紗子は、千秋の"すみません"を録音しお店で再生することを考えた。
良質:6票トリック:10票物語:1票納得感:2票
娘「ねえお父さん、あるなしクイズ出すから解いてもらっていい?」
父「ああ、いいよ」
娘「国際にあって日本にない」
父「うん」
娘「行進曲にあって鎮魂歌にない」
父「うん」
娘「記念日にあって祝日にない」
父「あー…」
娘「答え分かった?」
父「…いや、分からないな」
娘「………………」
父「………………」
娘「えーとね、( A )にあって」
父「待て、ちょっと待ってくれ」

( A )に当てはまるのは何?
23年08月05日 19:33
【20の扉】 [ひゅー]

〇〇〇〇の〇人さんの「あるなしクイズ」に感銘を受けて…




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そうか、カメコももう結婚する歳か…
いつか親離れするとは分かっていたが、いざそうなると寂しいな。

少し戸惑ってしまったが、
ここは親として快く送り出してあげよう。

「そうか、{お父さん}にあってほしい人がいるんだな。」


想定正答:A=お父さん
  別解:A=(私の)彼氏