みんなのGood

良質:6票トリック:5票物語:2票納得感:6票
私はその日、持病の対人恐怖症の調子がすこぶる悪かった。
人と話すことはおろか、視線を受けることすら苦痛だった。

逃げるようにして森の中を進むと、目の前に廃墟が現れた。
私はその廃墟に入った。
ここなら誰かに会うこともないだろうと考えたのだ。

ところが、いざ廃墟に入ってみると、どうやら先客がいるようだ。
男の名はカメオといい、近所の高校に通う学生だった。
彼は受験勉強の辛さに苦しんでおり、自殺するためにここにやって来たらしい。

そんなカメオの姿を見て、私は安心することができた。
さて、一体なぜ?
20年01月08日 01:40
【ウミガメのスープ】 [るょ]

新・深夜の小ネタ集5




解説を見る
人知れず、ひっそりと死んでしまいたい。

自前の対人恐怖症の調子がすこぶる悪い。
人の視線すら苦痛に感じる日々に嫌気が刺した私は、
絶対に人が来ないであろう、森の奥にある廃墟に向かった。

一人きりで孤独に死ぬにはもってこいのロケーションだ。

しかし、廃墟には先客がいた。
男の服装の首つり死体。

側にはボロボロの遺書が置いてある。
遺書には、
彼がカメオという学生だったことや、
受験の辛さを苦にして自殺を図ったことなどが詳細に書いてあった。

私は彼の死体をまじまじと見た。
腐臭すらしないほどミイラ化した、大昔の遺体である。

それは同時に、長い間、今まで誰もここに来なかったことを示していた。

私は安心した。
人の視線は苦痛だ。
死んだ後の姿すら、誰かの前に晒したくはない。

私は荷物からロープを取り出すと、カメオに話しかけた。


「お隣、よろしいですか?」


あなたのように朽ち果てるまで。
願わくば、誰にも見つかりませんように。



答え:
長い年月放置されていたであろうカメオの死体を見て、
死んだあとの自分の姿を、誰にも見られずに済むと考えたから。
私の問題「19Good」
良質:15票トリック:4票
以前{②}に悩んでいた時期もあったとはいえ、その頃から10年以上の{⑦}が経ち、
すっかり油断していた{④}は今、久々の{②}に悩まされています。

たぶん、正月の贅沢に{③}を食べようと{⑤}を切り詰めていたのが悪かったのでしょう。
{①}頃から感じていた兆候を放置せずに、きちんと対策していれば良かったと
後悔した{④}は、{⑥}という言葉を戒めにしようと思いました。

{②}とは、一体何でしょうか?




① 11月

③ サシの入った近江牛
④ 私


⑦ 年月

※ あまり馴染みのない言葉と思われるので、⑤⑥の言葉の特定は非推奨です。
ざっくりですが、⑤は「お金のこと」で、⑥は「教訓の言葉」とお考えください。
20年01月21日 00:16
【20の扉】 [霜ばしら]

むずむず




解説を見る
【 《 答え 》 霜焼け】




以前{霜焼け}に悩んでいた時期もあったとはいえ、その頃から10年以上の{星霜}が経ち、
すっかり油断していた{霜ばしら}は今、久々の{霜焼け}に悩まされています。

たぶん、正月の贅沢に{霜降りの近江牛}を食べようと{霜先の金銀}を切り詰めて、
(暖房を使っていなかった)のが悪かったのでしょう。

{霜月}頃から感じていた(足が冷たいという)兆候を放置せずに、きちんと
(防寒)対策をしていれば良かったと後悔した{霜ばしら}は、{霜を履みて堅氷至る}と
いう言葉を戒めにしようと思いました。

まあ我慢できるなと思ってほぼ裸足でいたのがバカでした。
手足が痛がゆくて地味に辛いです。
不足した扉「19Good」
良質:6票トリック:11票納得感:2票
この問題文に不足している漢字1文字は何か。
20年02月23日 20:43
【20の扉】 [あおがめ]

解説出しました。ご参加ありがとうございました!




解説を見る
「{不}足した扉」

この問題文に足している漢字1文字は「{不}」です。
良質:9票物語:10票
伸び盛りの弟を持つ私は、家の柱に傷をつけては彼の身長を記録していた。

弟「ちぇっ、まだ全然だぁ。」

1ヶ月で5cmも伸びれば大したものだと思ったが、
弟はなんだか不満そうである。

私「じゃあこれ、おまけね。」

そう言って、私が弟の身長より少し高い場所に印をつけると、

弟は途端に怒り出した。

それは私の優しさだよって言っても聞いてくれない…一体なぜだろう??
20年04月01日 21:28
【ウミガメのスープ】 [弥七]

Special Thanks!!! さなめ。さん^ ^




解説を見る
<解説>
簡易解答:ただ姉の身長を追い越す瞬間が見たいなら、お互い背中を合わせればそれでいい。弟は柱に私の身長を刻んだことを、「もうこの家に帰ってくることはない」という意思表示だと捉えたから。


春から県外の大学へ進学する私。家族との別れに寂しさを覚えつつ、弟が私の身長を追い越す瞬間が見られるように、【私の身長】を柱に刻んだ。すると弟は「寂しいっていう割に、帰ってくる気ないじゃん!」と怒り始めたのだった。

ーーーーーーーーーー

もし、もしも。

私が今抱いている感情が、私一人だけのものだとしたら。

それはとても、悲しいことだと思う。








「まあ、そうですよね。七海先輩くらいの成績だったら、進学しますよねー。」
「七海ちゃん、よく勉強してたもんね。」
「県外の大学だって??いいなー頭の良い子は。」





ああ、そういうもんなのかなって。


「ーーー私、東京の大学に行くんだ。」


私の一世一代の決心は、そうして、すんなりと周囲の人に受け入れられていった。




それは、家族に対しても同じことだ。

三者面談の日。

読み上げられた進路希望に、母は何も言わずただ頷いてくれた。家に帰って父にそのことを話すと、「お金のことは心配するな」と、たった一言交わしただけで終わった。




先生に何度教えられたことか。

「進路はよく考えること」「よく悩んで選ぶこと」




誰に勧められたわけでもない。自分の好きなものを選んで、絞って。その末に、私の将来はこれしかないと決めた。

私の中で、とても大切な決断だったのに。

しかしその結末は、あまりにあっさりしすぎていた。




どうして?

どうしてそんなにすっきりはっきり、感情を入れ替えれるのだろう??

私には理解できない。

だって、私が東京の大学に行くということは、つまりーーー











「……姉ちゃん!!聞いてんの!?」


はっと我に帰る。


私は家の柱の前でぼうっと立ち尽くしていた。隣では弟が壁に張り付いたまま私に向かって話しかけている。

「姉ちゃん、まだ??」
「ああ、ごめんね、すぐやるから。」

私は弟の身長に合わせて柱に傷をつけた。過去の自分とを交互に見比べながら、弟は不満そうに鼻を鳴らした。

「ちぇっ、まだ全然だぁ。」

1ヶ月で5cmも伸びれば大したものだと思ったが。それでも物足りないのだろうか??

台所にいた母がひょっこりと顔を出す。

「はあ〜男の子の成長期ってすごいね〜。制服、もっと大きいサイズにしておけばよかったね〜。」
「やだよ!だぼだぼしてダサいじゃん!!」
「新しく買うよりいいでしょうが。」

ああケンカしてる。いつもの家族風景だ。

私がいなくとも、きっと何も変わらないだろう。

「…今に七海の身長、追い越しちゃうかもしれないねえ。」



私は柱の方を振り返った。

不揃いに重ねられた、弟の成長の記録。なんとも誇らしく、そして悲しいのだろう。

私の身長を弟が越す瞬間を、私は見ることができないのだから。

強烈な寂しさに背中を押されて、私は再びナイフの柄を強く握った。

カリカリ…



「姉ちゃん、なにしてるの??」

「これ、おまけね。これでいつでも、比べられるでしょ。」



私は自分の身長を測って、柱に傷をつけた。



「やめろよ。」



急に肩を掴まれたので、私の傷は大きく曲がってしまった。誰の声だろうと思うくらい、真剣な口調で弟は言った。

「姉ちゃんって、ほんとずるいわ。試すようなことばっかりして。」

「え?」

「急に東京の大学に行くって言うから、みんなすげー心配して。

でも姉ちゃんが決めたことだから、そんな悲しい顔しないようにしゃんとしてたのに…。母ちゃんだって言ってたよ。ほんとに一人で生活できるのかって、寂しくなるって言ってたし。

でも姉ちゃんからは『寂しい』なんて一言も聞かなかった!!」

「……」

「俺、ずっと一緒だからまだわかんないけど、姉ちゃんがいなくなったらきっと寂しいと思う。けど、けどさ!!寂しいなら、帰って来ればいいじゃんか、戻って来ればいいじゃんか!」

「……ごめん。」

私は下を向いて、ただ謝った。涙が出るかと思ったからだ。

「謝ってばっかりだ、姉ちゃんなんて、もう知らねえよ。」



こんな調子で東京でやっていけるのかねえ、と母親のようなことを言った。そして、柱の方にぐいと私を押し付けた。もうすぐ私を追い越してしまう彼の身長が、ことさら大きく見えた。

「もういい、姉ちゃんは、東京で大人しく勉強でもしてろ。







……俺が迎えに行ってやるから待っとけ。」



いつの間に

人間というものは、人知れず成長してゆくものなのだろう。

随分と男らしくなったなぁ、なんて思いながら

こくりと、私は頷いた。








柱の傷は、おとどしの。








窓辺からそよそよとやってくる柔らかな風を感じながら、私はベッドの上でうんと背伸びをして周囲を見渡した。

私だけのテレビに、私だけの本棚。ソファの上のパーカーは、誰に片付けられることもなく無造作に、おとなしくそこにかけられている。

目覚まし時計が鳴る前なんて…全く行儀の良い時間に起きてしまったものだ。


(……どうして目が覚めてしまったのだろう?)


耳をすますと、繰り返し鳴っているインターフォンの音を、寝ぼけた私の頭がやっと認知した。


(ああ、なるほどね。)


私はスキップしながらリビングを後にした。

そう、きっとこれは、私の待ち望んでいた春の訪れ。

しかし決して悟られないようにどうぞ、と少しぶっきらぼうに玄関の扉を開ける。

「久しぶり、姉ちゃん。









やっと迎えに来たよ^ ^」

不意に口元が緩んだのを、私はちゃんと隠せただろうか??

いてっ、

などと言いながら戸枠に頭をぶつける彼が、小憎らしいほど愛らしかった。

(おしまい)(この物語は全てフィクションです。)
良質:6票トリック:3票物語:4票納得感:6票
浮気をしていたカメオとその愛人のツーショット写真がテレビで全国公開された。
カメオの妻のカメコがカメオの浮気を知り激怒したので
翌日、洗濯物の量が増加した。

一体なぜ?
20年06月13日 15:04
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]



解説を見る
{それではこちらの写真をご確認ください}


{カップルと思わしき男女を睨みつける鬼の形相をした女性の霊がはっきりと映っています}

{非常に恨みの強さが写真を通じてありありと伝わってきますね。}




心霊番組で心霊写真として紹介されたカメコの怒りの形相があまりに怖かったので
夜トイレに行けない子供たちが増加しお漏らししてしまったので翌日全国で洗濯物が増えたのです


(´;ω;`) ひぃ~