みんなのGood

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風紀委員長の西園は、校則違反を絶対に許さないことで有名だ。
時に先生を注意することもあるくらい、風紀の乱れには厳しい。

そんな西園がその日、日頃から素行不良な武田に校則を破るよう促したのは、
武田が実は驚くほど成績がいいと知ってしまったからだという。

一体どういうこと?
20年02月09日 20:13
【ウミガメのスープ】 [「マクガフィン」]

ラテシン記念日1日前のスープ




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『簡易解説』
制服のボタンはきちんと留めることが定められている高校で、風紀委員長を務める西園とそのクラスメートの武田。
武田に恋する西園は、武田が実は成績優秀で遠くの大学に進学することを知り、もう逢えなくなるならばと第二ボタンをくれるよう頼んだ。





「高橋さん、スカートの丈が短すぎるわ!」

「太田くん、今はスマホを見ていい時間じゃないでしょう?」

「田中くん、他人のリコーダーを舐めるのは人倫にもとるわ。」


風紀委員長の西園は、校則に詳しく、時間に厳しい、眼鏡をかけた典型的な委員長。
平均から見れば真面目なこの学校でも、彼女の怒声は日常茶飯事だった。

中でも彼は西園と事あるごとに衝突する、素行不良の生徒だった。

「こら、武田くん!
学ランのボタンは上から下まで全部留めなさいっていつも言ってるでしょ!」

「うわ、また委員長来たよ…
ちょっとくらいいーじゃん、ボタンくらいバレねーって」

「ダメよ、服装にルーズでいたら社会に出てから大変なんだからね!」

「はいはい、わかりましたよーっと。
それにしても委員長、細かいとこまでよく見てるよなぁ」

「え!? それは……そう、風紀委員長だからよ!みんなのことをしっかり見て、学校の風紀を良くしないといけないの!
べ、別に武田くんのことだけ見てるわけじゃないんだからねっ!!」

「誰もそんなこと言ってないじゃん…
まあいいや、明日からテストらしいね、頑張って〜」

「あ、ちょっと待ちなさいよ!
武田くんもちゃんと勉強して、サボらずに来るのよ!」



(まったく、本当に困った人……)



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「いいんちょ〜、来週バレンタインだね!
委員長は誰かにチョコあげるの?」

「ああ、高橋さん。特にあげる予定はないわ。見ての通り、仲の良い男子もいないもの。
高橋さんはあげる相手はいるのかしら?」

「私?私は武田にあげようかなーって。
あんなだけど、根はいいやつだしね。」

「そ、そうなの。それは……校則違反じゃないわね。」





(バレンタイン、か…好きな相手に、ねぇ…

た、武田くん!?
どうして武田くんのことを思い起こしちゃったのかしら…

そ、そうよ、高橋さんが変なこと言うからだわ。きっとそう。

……高橋さん、渡すのは本命チョコなのかしら…そのまま告白するのかしら…
気になるけど、そんなの、聞けない……)



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『卒業生、退場。
皆様、拍手でお送りください。』




「いや〜今日でこの高校も卒業だなんて、ホントにあっという間だったね!」

「そうね、高橋さん。怒ってばかりだった気がするけれど、終わってしまうとなると寂しいものね。」

「みんなバラバラになっちゃうもんね〜
太田は理工学系に進むっていうし、田中は警察のご厄介になりそうだし。」

「そうなのね、同窓会でも開けばまたみんなで集まれるかしら。」

(そういえば武田くんの進路、全然知らないわね…勉強している様子もなかったし、近くにでも就職するのかしら…)


「あ、委員長、武田の進路聞いた?」

「ふぇっ!?
あぁ、た、武田くんね、何も聞いてないわ。」


「アメリカの大学行って、そのまま向こうに住んじゃうらしいよ〜
あいつめちゃめちゃ頭いいもんね!」




(え?)




「素行不良で優秀ってズルいよね〜
にしても外国行っちゃったら、そう簡単には帰ってこられないよね、同窓会とか来なそう。」





(もう、会うことはない…?
このまま、ずっと…?)






「委員長、どうかした?顔色悪いよ?」

「あ、ううん、なんでもないの。
寂しくなるわ、またね。」





(……どうしてこんなに苦しくなるんだろう…
ただのクラスメートなのに…
もしかして私、武田くんのこと…)


「うわっ!」

「あ、ごめんなさい!考え事をしていたの…って、武田くん!?」

「なんだ、委員長か。委員長でもよそ見してることあるんだね〜」


(今日でもう、逢えない…
それならいっそ…)



「武田くん!」

「な、なんだよ?式の間は静かにしてたでしょ?」

「そ、そのことじゃないの。
あの、その、よければ、ボタンを…」



{「第二ボタンを、私にください」}





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「へぇ〜そんな出来事があったんですね、なんだか少女漫画みたいじゃないですか〜」

「そんなこと言わないでよ、恥ずかしいじゃないの…」

「だって、普段ボタンはしっかり留めろって言ってた委員長が、ボタンをください、だなんて…
部長の普段の雰囲気からは全然想像できないです。」

「コンタクトに変えれば少しは怖くなくなるかと思ったの。でもあまり効果はなかったみたいね。」

「まあ、そうですね、特に最初のうちは。
ほら、こっちに向かってきてる新入社員もビクビクしてますよ。」


コンコン


「し、失礼します!
今お時間よろしいでしょうか、

武田部長?」
良質:12票トリック:2票物語:2票納得感:6票
 春と思えぬ寒気。休日だというのに雨が降っている。窓の外は暗いがもう昼らしい。
 男はキッチンへ向かうと、買いだめしてあったカップラーメンを手に取った。最後の一つだ。ビニールをはぎ取り、ふたを開けてお湯を注ぐ。

 短い昼食を済ませたのち彼は出かけることにした。またしばらくの間食べる分のカップ麺を買おうと思ったのだった。近所のスーパーなので適当な格好のまま、靴を履いて玄関のドアを開けた。
 その直後、彼は自分の犯したミスについて思い至ることになる。

 もしそのミスが無ければ、その日、男の昼食はカップラーメンではなかったかも知れない。

 さて、どういうことだろうか?
20年04月18日 02:32
【ウミガメのスープ】 [Hugo]

創り出すからの逃走




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 男は浮気をしていた。つい先日、なぜかそれがバレて、妻と別居になったばかりだった。
 一人では家事などをする気が起きず、食事は適当に、買いためた冷凍やインスタント麺などで済ませることが多くなっていた。

 それはさておき、玄関のドアを開けた男がまず目にしたのは傘立て、正確にはそこに置いてあった一本の傘である。自分のものではなかった。
 妻は身の回りの物を大抵持って行ってしまっていたし、おそらくどこからか自分が誤って持ち帰ったものだろう。さて一番最近傘を使ったのはいつだったか。

 そして男の背筋は凍る。浮気相手の女性の家から帰るのに、自分のものと勘違いして彼女の傘を使ってしまったのではないか。浮気がバレたのは奇しくもその同じ日である。あの時は西日で気づかなかったが、夕焼けを吸ったような濃いオレンジの女物の傘である。男は自分のミスを確信した。

 浮気がバレていなければ、妻と別居することにはならなかったはずだ。昼食だって妻が作ってくれていたかもしれない。
良質:9票トリック:10票納得感:3票
私は彼女の目を見
20年04月26日 19:18
【新・形式】 [休み鶴]

……。




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(るとたちまち石にされてしまった。メデューサって怖い。)
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う〜、二日酔いで頭が痛い…
おう、悪い悪い、俺はよくここで遊ばせてもらってる西田ってもんだけどよ、今日はちょっくららてらてのみんなに助けてほしいことがあるんだ。

昨日の晩は久しぶりに酒を飲んでたんだけどよ、どうやら飲みながらウミガメのことでも考えてたのかな、スマホにメモが残ってたんだ。
ほら、これだ。

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ウミガメ高校に通う女子高生カメコは、読書があまり好きではなく、小説の類いは今までにもほとんど読んだことがなかった。

そんなカメコがある日、本屋でできるだけ長いシリーズ物の小説を探していたのだが、

彼女が突然読書好きになったのでなければ、一体どういう目的があったのだろう?

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「どうやら」ってのがどういう意味かと言えば、そうだな、やっぱ勢い余って飲みすぎたのがいけなかったのかな……どうにも昨夜遅くになってからの記憶がねえんだ。
どんな答えだったかも全然覚えてねえんだよな・・・しかもこの問題、なぜか『出題済み』フォルダに入ってて、ご丁寧にお気に入りチェックまでされてるんだぜ?

なあ頼むよみんな、この問題の謎を、一緒に解き明かしてくれねえか?


◇◇注意◇◇
・この問題は亀夫君問題です。語り手の西田に問いかけたり指示を出したりして彼を助けてください。
・YES NOで答えられない質問も可能です。ただし登場人物が知らないことは答えられません。
・正解マーカーが付く条件は3つあり、それぞれを満たすと正解①②③と表示されます。正解③が出た時点で終了の予定です。
20年08月27日 20:03
【亀夫君問題】 [「マクガフィン」]

亀夫君問題は初めてにつき、回答遅くなりがちなのです(^◇^;)




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どうもこんにちは。水谷です。

西田から聞いたけれど、この度はらてらての皆さんに迷惑をおかけしてごめんなさいね。
皆さんの言う通り、私は高校生の頃からずっと西田のことが好きだったの。でも、告白する勇気がなくてね…
彼はそのとき読書にハマってたから、小説なんて興味のない私も、本の貸し借りをすれば話すことも会うこともできると思って本屋をうろついてたのよ。長いシリーズ物ならそれだけたくさん話せるし。

昨日2人で久しぶりに飲みに行った時に、ウミガメのスープにかこつけてそれとなく気持ちを伝えようと思ったんだけど、西田ったら全然気づかないのよ?あの頃のことなんてまったく思い出さないみたいで、水谷のスープだーとか言ってスマホにメモして満足気なんだもの。

今日になって連絡してきたと思ったら、あの問題のこと自体忘れてるって言うじゃない。変なタイミングで私の想いに気づかれても困るし、あの恥ずかしい問題は思い出してくれない方が都合が良いもの。答えなんて教えてあげないわ。

でも、もっと早く勇気を出して告白してしまえば良かったかもしれないわね。あの後、西田からの告白してくれたの。とても、とーーっても嬉しかった。みなさんが背中を押してくれたんでしょう?本当にありがとう。

2人で幸せな時間を過ごすつもり。もちろんこれからもらてらてにはお邪魔するから、その時はよろしくね!



正解①この問題は西田の問題じゃなくて水谷が出題したもの

正解②問題の解説は「片思い中の男子とできるだけたくさん会って話す理由を作るため」だということを、自分の高校時代の記憶から解き明かす

正解③水谷がこの問題を出したのは、西田に想いを伝えるため
→告白に答えるよう指示すれば終了
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「サンタさんへ
かいとうエマノンに あえますように!」

昨日の聖夜、息子の晴輝が靴下に貼り付けたメモを見てしまった私、雪子。

今日はクリスマス。母親として、なんとか願いを叶えてあげたいのだけど…。

【目的・ルール説明】
{※}皆さんには母・雪子として、晴輝に質問をし、願いを叶えてもらいます!
{※}本問は亀夫君問題ですので、晴輝に{YesNoでは答えられない質問}もできます。但し、晴輝は自身の知っていることしか回答しません。
{※}今日の日付や晴輝の年齢など雪子自身が知っていることも、思い出すことで掘り下げられます。
{※}飽くまでも、晴輝が{生身の子供であること}をお忘れなきように…。
{※}制限時間は、晴輝が眠りにつくまでの3時間です。宜しくお願いします!
20年11月22日 19:00
【亀夫君問題】 [さなめ。]

今日のショーはここまで! 次回の怪盗エマノンも、お楽しみに!




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【{「月光の下に今宵、いざ行かん!怪盗エマノン、参上!」}】

「か、か、怪盗エマノンだぁ…!」

黒いローブに、{白い仮面}。普段の私には着なれない服装に身を包み、声も意識して変えると、案外気づかれないものである。怪盗のキャラデザインとマッチしていた自分の細身をありがたがった。

(実際は予想を外したが)晴輝が要求するだろうと思って予め買っておいた怪盗エマノンのグッズをまとった母親に、晴輝は全く釘付けだ。口もあんぐりと開いている。
そういえば、子供向けアニメのグッズにしては、随分サイズが大きいな…。これが原作再現か。

「か、怪盗エマノン!いつも悪い奴らを退治してくれてありがとう!僕、エマノンのことが大好きなんだ!」

{テレビから飛び出してきたかのような}タイミングで表れた怪盗に、臆することなく会話する晴輝。この適応性、ひょっとしてちょっと凄いか。

…いやいや、そんなことより。アニメ「怪盗エマノン」はどうやら悪漢を挫くヒーロー的な怪盗らしい。悪役とはさしずめ、違法ブローカーの類いであろう。そうさ雪子、ここは怪盗らしく、エマノンらしく…!


「ありがとう、少年!
君も将来、圧倒されるような巨大な悪に立ち向かわん時が来るかも知れない。
そんな時でも、弱きを助け、悪を挫く正義を忘れないでいて欲しい。
いつか私のように、誰かの憧れを背負う人間となれ!」


…あれ?
怪盗って、こんなこという子だっけ?
レディースエーンドジェントルメーン!とか言わなくて良いのかな…??

…あ、でもなんか刺さってる、刺さってるぞ。これがエマノン力か、凄い効いてるね。

「うん!僕、エマノンみたいなすっげえ怪盗になる!絶対になってやる!」

「さあ、その意気だ!
君の健闘を、これからも祈ろう。

いざ、さらば!」

そういって、晴輝に頭から黒ローブをばっと被せる。なんだなんだ!と急な出来事に慌てる晴輝をよそに、急いで仮面などを外し隠すと、呆けた晴輝の顔がよく見えるようになった。

「…晴輝? どうしたの、そんな顔して?」

「あ、お母さん!今、本物の怪盗エマノンが来たんだよ!黒いマントに、白い仮面!サンタさんが叶えてくれたのかな!?てか、こんな時にどこいってたんだよー!」

次々、興奮覚めやらぬように捲し立てる晴輝に、素知らぬ顔を保ったままこう言った。

「怪盗エマノンかぁ~。お母さんも会いたかったな。

でもさ、ここに来てくれた怪盗エマノンのことだから、いつも晴輝のこと、見守ってくれてるんじゃない?」

「うん!きっとそうだよ!」

そう言って無邪気に笑う晴輝を、そっと撫でてあげる。
…一悶着、いやそれ以上の苦労こそあったが、息子の願いを無事叶えられ、私はやっと一安心したのであった。

…そういえば、今さっき遠く窓を颯爽と通り過ぎた影は、一体何だったのだろう?

空き巣、いや野良猫?さてはカラスか、それともまさか…?

【FA・要約:】
晴輝が会いたがったのは、アニメの主人公キャラクター、怪盗エマノン。
彼女のトレードマークは白い仮面なので、{名無し質問機能}を用いることで、雪子にエマノンの仮装をさせることができる。そしてその姿で決め台詞(途中のヒントで出現)を叫ぶなどすることで、目標通り晴輝の願いは形となる。

{但し}、晴輝は日曜午後7時開始のアニメ「怪盗エマノン」を{正にその時間、見ている}(本問出題のリアルタイムと連動)。依って(テレビ越しとはいえエマノン本人が晴輝の前にいる間、)30分のアニメが終わるまでは{変装しても無効}であるし、開始から20分~30分(アニメの山場)は晴輝はエマノンの応援に回るので、{質問が上手く回答されない}。

【余談:】
怪盗エマノン=Emanon←{no name}←名無し質問機能