みんなのGood

命による「14Good」
良質:3票トリック:2票物語:5票納得感:4票
新人の殺し屋であるカメオは初めて殺しの依頼を受けた日、予想外の買い物をすることになった。
カメオが買った物とは?
25年07月12日 00:01
【20の扉】 [甘木]

正解者5名まで目安です。やや年代的な要知識ありかも?正解者5名でました!




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これはまだビデオテープが主流だった時代。
カメオは組織から送られてくるビデオテープによって指令を伝えられた。

『では、指令を伝える。〇○という男を×日後の△△時までに、事故に見せかけて殺せ。なお、このテープは再生が終わった五秒後に自動的に消滅する・・・・・・』

カメオ「えっ?消滅って・・・・・・」

💥📺💥ボンっ!

カメオ「・・・・・・新しいビデオデッキ買いにいかなきゃ」

正解:ビデオデッキ、レコーダーなど
噂のキッスをあげる「14Good」
良質:3票トリック:3票物語:8票
「海が見えるところに住みたいな」

そんな妻の願いを叶えるために田中は昼夜問わず働いて、浜辺のそばに家を建てた。

妻はその家を大層気に入り、毎日浜辺に出かけて貝殻をひとつだけ拾ってくるのが日課となった。

その貝殻が30個ほど集まったある日のこと。

「見て見て!桜貝!」

妻が嬉しそうに田中の目の前に二片の貝殻を持ってきた。

「二枚貝だからこっちとこっちが対になってるの。他の貝殻とは絶対に合わないんだよ。だから…」
妻が貝の片方を田中の手に握らせて
「一つは君にあげる。もし生まれ変わってもまた君に会えるようにっておまじない」

そう言って桜貝のように頬を染める妻。

(ちくしょう!超絶可愛いな!俺の嫁!)

田中はそう思わずにいられないのであった。

問題
その前日、田中が釣ってきた魚は何?
理由とともに答えよ。
25年07月13日 00:32
【20の扉】 [ダニー]

7/20(日) 22:00ごろ締めます




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状況は絶望的だった。

2人が海難事故の末に打ち上げられたのは無人島。

そしてライターやナイフなどサバイバルに必要なものを何一つ持ち合わせていなかった。

それでもこんな時だからこそ明るく行動しないとと2人は気丈に振る舞っていた。

「とりあえずこれ以上体を冷やさないように屋根のある拠点を作らないと」
「どうせなら海が見えるところに住みたいな」

田中は昼夜問わず島の至る所から材料をかき集め、浜辺のそばに簡易的な家を拵えた。

妻はその家を大層気に入り、ここに着いた経過日数を数えるために毎日貝殻を拾って家の中に並べていった。

浅瀬での釣りや森の中での野草など食料はある程度確保できたものの、いかんせん火が起こせないというのは致命的であった。

飲料水は雨水。しかしそれを煮沸することはできず、食料も生でしか食べることができない。
2人は体調を崩し体力を消耗していくのを止められなかったのだが、希望を捨てずに生きようと明るく努力し続けた。

この島に着いて30日が経過。

「見て見て!桜貝!」

妻が嬉しそうに田中の目の前に二片の貝殻を持ってきた。

「一つは君にあげる。もし生まれ変わってもまた君に会えるようにっておまじない」

2人はこの時点で限界を超えていた。
このタイミングで希少な合わせ貝が見つかったということも、{昨日フグが釣れたということも}、天の啓示なのではないだろうか。

2人は来世で結ばれることを祈りながらフグの肝を同時に口にしたのだった。































以外、本問の真相には関係のない話。

「俺、フグ太!生まれた時から囲いに囲まれた場所で暮らしてるんだけど、大海に憧れてるんだ!」
「でも憧れで終わらせるつもりはないよ!今日はあいつの目を盗んで…」

フグのフグ太は養殖場を抜け出すことを決意していた。
気合いで身につけた大ジャンプ。これで囲いを飛び越える。
しかしフグ太に異様なほどの執着を持つ男がいる。
この養殖場のオーナー、あなご君である。

フグ太は見事そのジャンプで養殖場を抜け出すことに成功したのだが、あなご君はフグ太の逃亡の瞬間を目撃し、執拗なまでに追いかけ回した。なんかちっちゃい舟で。

逃げるフグ太、追うあなご。

三日三晩の逃走劇でフグ太は目の前に島を発見し、いったん身を隠すことに。

それにしてもお腹が空いて仕方がない。
そんな時にフグ太の目の前にミミズが現れた。

ミミズに食いつくフグ太。

しかしそれは針に仕掛けられた釣り餌だったのだ!

フグ太はなんか顔色の悪い夫婦に捕まり、その一生を終えることとなった。

一方のあなご君。島のあたりでフグ太を見失い、とりあえず島で一夜を過ごして捜索を再開。

そこで顔色の悪い夫婦に出会った。
彼らがフグ太を口に入れたタイミングで。

「お前ら、俺の、俺のフグ太を!」
「人!人だ!僕ら以外に人がいたのか!でもフグを食べてしまった。もう助からない…」
「助かるよ」
「へっ?」
「うちのフグ太には毒ないよ」
「うちの…フグ太…?」
「養殖フグは適切な管理をすれば無毒化することが可能です。フグ毒は餌を通じて体内に蓄積される後天的なものであり、養殖では毒を持つ餌を与えなければ、無毒のフグを育てることができるのです」

ということでフグ太の尊い命を犠牲にして顔色の悪い夫婦は助かりました。

めで鯛!
良質:3票トリック:6票物語:2票納得感:3票
◯月△日

吾科
人學
をの
し進
て歩
月は
を止
踏ま
むる
日所
もを
近知
から
らず
ん 


問い
◯と△に入る文字を答えよ
25年07月28日 17:17
【20の扉】 [ダニー]

ちょっとだけ要知識。8/3(日) 22:00ごろまで




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A.
◯=歩
△=進

問題文は明治時代の新聞記事の一部であり、「日進月歩」というタイトルが右横書きで書かれている。
ひと匙の海「14Good」
良質:6票トリック:3票物語:5票
深夜、男は疲れきって帰宅した。
ふと空腹を覚え、何か食べようと冷蔵庫を開けると、「温めて食べてね」と書かれたメモの貼ってある皿が目に留まった。皿の中には、鮮やかなカボチャのスープが。男はしばし、それをじっと見つめていたが、やがてため息をつくと、冷蔵庫からスープを取り出し、レンジで温めてテーブルについた。
スプーンで掬い、そっと口へ運ぶ。一口啜ったそのスープはとても美味しかったのだが、男の表情は次第に曇り、それきりスプーンを置いてしまった。
男はスープに何を望んでいたのだろうか?
 
18年10月07日 21:12
【ウミガメのスープ】 [チーム対抗さん]



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【解答】
妻に美味しく飲んでもらうこと



【解説】
深夜1時、男は自分の家の玄関の前に立ち尽くしていた。
ハッと自分の動作が止まっていることに気づくと、思い出したかの様に家の鍵を探し始める。家の外灯が点いていないから、玄関は真っ暗。鍵一つ見つけるのにさえ手間取ってしまう。
やっと鍵を見つけると、それを鍵穴に差し込んで無気力に捻る。ドアノブを回す時、男は何も考えてはいなかった。男は身も心も疲れ切ってしまっていた。

3時間前、男の妻が交通事故に巻き込まれ意識不明の重体となっていた。


男は大学で妻と出会った。
男は触れ合ううちに、妻の将来の仕事への情熱を理解し、自分は支える側になろうと決めた。
大学卒業後、男は専業主婦となり、そして妻が働き家計を支える生活が始まった。今まで家事全般をしてこなかった男は、一からのスタートだったが、日を追うに連れて、男は家事を段々とこなせるようになっていた。

そんなある日、男は用事があって早くから家を空けていた。大学時代の同窓会に誘われていたからだ。
会場に着くと懐かしい顔ぶれが集まっていた。
顔を合わせると近況報告などで話は盛り上がり、瞬く間に時間は過ぎていった。
夜遅くになって、二次会に参加するかどうかという話をしていると、突然男の携帯の呼び出し音が鳴り響いた。

電話は救急隊員からのものだった。

妻が仕事帰りに暴走した車に巻き込まれ重体。

男は絶句した。

病院に担ぎ込まれたが未だに意識も戻らないとのこと。急いで会場を後にして、車で病院に向かった。
男が病院に辿り着いた頃、妻が集中治療室から出てきて病室に運ばれているところだった。駆け寄って妻の名前を呼ぶ。何度も何度も呼び続ける。しかし、妻が目を覚ますことはなかった。
握っている手は暖かい。
いつかは目を覚ましてくれるのではないかと、名前を呼び続けた。


その後どれくらいの時間が経ったか、わからない。
呼び続けて喉が痛み始めたくらいのところで看護師さんが声をかけてくれた。
妻の着替えも必要だろうから、一度家に帰られてはと。
男はフラフラした足取りで病院を出た。

随分と広く見える玄関に靴を脱ぎ散らかして、リビングに倒れこむ。荷物を降ろしても、身体にのしかかる重量感が離れない。身体を仰向けにして天井を眺めていると、静かな部屋に変な音がし始める。どうやら鳴っているのは自分の腹らしい。振り返ってみれば同窓会では話に夢中で、何も口にしていなかった。何かしら腹に溜めなければと思い、立ち上がって台所に足を運ぶ。
冷蔵庫の前で立ち止まり、扉を開ける。

ふと目線を下げると、そこには思わず男の目に留まるものがあった。

背が低く冷蔵庫の中で大きく場所を占めているもの、それはスープがよそわれた皿だった。
ラップで包まれ、上には「温めて食べてね」と書かれたメモが置いてある。
その皿に、そのメモに、男は見覚えがあった。
それも当然、そのスープを作ったのは男自身に他ならないのだ。
元々、同窓会で遅れることが分かっていた男は、前もって妻の為にスープを作り置いていた。その存在をすっかり忘れていた男は、自身が調理したスープをしばらく見つめていた。
今から他のものを調理し始めたら時間がかかる上、保存料も入っていないこのスープは直ぐに腐ってしまうだろう。やがて男はため息をついてスープを取り出し、レンジで温め始めた。レンジで温める時間がこんなに長く感じたことはない。


チンという音が響く。
スープを取り出しリビングにあるテーブルに向かう。
スープを置き、スプーンを持って椅子に腰掛ける。
向かいの席に人がいないことから逃げるようにスープを覗く。

冷蔵庫の冷気に当たりすぎたのか、スープの湯気が暖かく心地よい。
メモとラップを外して、スプーンを構える。
スプーンでスープを一掬いして口に運ぶ。
そして、男はスープを味わった。

スープは美味しかった。

次第に男の表情が曇っていく。
スープを掬う度に顔が歪んでいく。
しまいには、男はスープを食べる手を止めてしまった。
スプーンを机に置くと同時に、男の感情の堰が切れた。

男は家事の中でも料理が苦手だった。
作り始めた頃の料理は美味しいとは到底言い難いものであった。
そんな料理でさえも妻は嫌な顔せず、嬉しそうな顔をして食べてくれた。
今、男は自分でも美味しいと思えるスープを作ることができた。


妻に食べさせてやりたい。


だが、本来最初に食べるはずの人が、この場にいない。

やり場のない気持ちを男は泣くことで表現するしかなかった。
男は泣いた。
ひとしきり泣くと、男はラップで再び皿を包んだ。
男はそれきり、そのスープを飲むことはなかった。


【要約】
男の愛する妻が交通事故事故に巻き込まれ、意識不明の重体に。ずっと病院にいた男は、周囲の勧めもあって一度帰宅することにした。
ふと空腹を感じて冷蔵庫を開けた男が目にしたのは、専業主夫である自分が、仕事帰りの妻のために作っておいたスープ。男はそのスープを飲もうとしたが、美味しくできたそれを本当は妻に飲んで欲しかったと思うと、それ以上はスプーンを動かせないほど、悲しみが溢れてきた。
ヒーローは人殺し「14Good」
良質:6票トリック:5票物語:2票納得感:1票
正義と悪がはびこる世界のお話。

カメタロウはそんな世界で敵を倒して活躍しており、その活躍ぶりには誰もが一目置く存在であった。

ある日、カメタロウが敵をなかなか倒せていないことを知った

カメタロウの仲間たちはカメタロウのもとへ駆けつけた。

すると、カメタロウは、力を合わせて敵を倒すどころか、

<{仲間たちを殺して自殺した。そこにいた罪のない子供も巻き込んで…。}>


いったいなぜ?
19年06月22日 22:09
【ウミガメのスープ】 [Rest]

あなたにとってヒーローとは、どんな存在ですか?―――SP*靴下さんに感謝。―――




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【解説】







※要約解説は下のほうにあります。辛い描写が多いので、苦手な方は要約解説をご利用ください。




「キャー!!やめてー!!」

「逃げたければ金を用意するんだな」

――――――――

「へっ、今日は500万の稼ぎだ。」



俺はカメタロウ。

【カメカメ結社の幹部で、毎日悪事を働いてはお金を手にしているんだ。】

今日も盗みを働いて、500万も稼ぎを得ることができた。

世の中、ちょろいものだ。
まったく楽な仕事だ。俺は鼻歌を歌いながら、今日も稼いだお金で宴を開くのだった。



ある日のことだった。

俺はいつも通り盗みを働こうと、カモになる家を探した。
しばらくバイクを走らせていると、いい感じの家が見えてきた。

お、ここなんて簡単に盗めそうな家じゃないか。
車もないし、どこかに行っているのだろう。

早速俺はその家に足を急がせた。
割と古めの家で、ところどころに苔が生えている。


鍵は開いていた。ドアを開けた。ゆっくりと足を動かし、静かに部屋を物色しに向かう。

なにかゴミ箱からくしゃくしゃになった大量の紙を見つけた。なんだろう、と広げようとした。

その時だった。男の子らしき声が聞こえてきた。

「なにしてるの?」

ドキッとした。このまま逃げてしまおうかとも考えたが、男の子の二言目は意外なものだった。

「もしかして、お母さんの彼氏?」


え?


そう声が出ていた。

いや、これはチャンスかもしれないと考え、俺は正体を偽ることにした。

「そ、そうだよ。様子を見に来た。お母さんは?」

「もうかれこれ4日くらい帰ってきてないよ」

「え、ずっと一人でか?」

「うん。レトルトなら僕でも作れるし食べ物も困ってないよ」

「寂しくないのか?」

「寂しいよ。ずっとお母さんを待ってる。いつ帰ってきてくれるのかなぁ」

「そういえば、お父さんはどうしたんだ?」

「別れたよ。二年前に」

悲しそうな表情に少し胸が痛んだ。

「今、何してるんだ?」

「お母さんに手紙書いてる。帰ってきたら渡すんだ。」

俺は何も言えないままだった。こんな家初めてだったから。

そういえば、と思い出した。あのくしゃくしゃの紙は何だったんだろう。
俺は静かにゴミ箱のほうへ赴き、くしゃくしゃの紙を取り出した。

紙を開いて、【背筋が{凍}り付いた。】

――――――――――――――――――――――――

カメオへ

あなたがこの手紙を読んでいるころ、{私はもうこの世にはいないでしょう。}
あなたと過ごした日々は宝物です。
こんなお母さんでごめんなさい。ありがとう。
さようなら。

あなたのお母さん カメコより

――――――――――――――――――――――――

【お母さんは…死んでいる…?】

そうなるとしたら。

新たな疑問が生まれた。

この子は…カメオはどうなるのだろう…?

俺の心から、もうここを離れるという選択肢が消えた。

この子を助けたいという気持ちが確かに芽生えた。

「俺、ここに何日間か住ませてもらうよ。よろしくな。」

俺の中で何かが変わった。

もう悪なんてどうでもよかった。

「へー。よろしくね。」


こうして、俺とカメオの奇妙な生活が始まった。


「カメオ、お前外で遊んだりするのか?」

「全然遊ばないね。学校でも独りぼっちだよ。」

そう話すカメオの目には悲しみの色が見えた。

「なぁ、公園いかないか?」

今まで人を助けようとか、楽しませようとか
考えたことがなかった俺には、誘い方が分からなかった。

だから、そのまま公園に誘った。

遊ぶといっても、家にはボール位しかなかった。
キャッチボール位しかできることはなかった。

でもあっという間に時間は過ぎていった。

【「遊ぶ」のってこんなに楽しいのか。】


「なぁ。カメオ。お前、将来の夢ってあるのか?」

「うーん、プロ野球選手になってみたいなぁ」

「そうか。きっとお前はいい野球選手になるよ。」

「そうかなぁ…」

カメオは喜びをほほに浮かべ、目をかがやせていた。
その表情を見ていたら、悪なんてもう心の中には残っていなかった。




それから3日。

カメオとはすっかり打ち解け、楽しく日々を過ごしていた。
そんな悪の結社の幹部ともあろう人の平和が長く続くはずもなく。

一通のメールが届いていた。



【――――――――――――――――――――――――

カメタロウ、遅いぞ。
もう三日も帰ってきていないな。

生命反応はあるから生きているであろう。
敵に捕まっているのか?

念のため、GPSを利用してお前の所に応援を3人向かわせる。
今日中には帰ってくるように。


まさか裏切ったりなんてしてないだろうな。

――――――――――――――――――――――――】


――――まずい。――――


悪の結社からここはそんなに遠くない。


奴らが、来る。


恐怖で顔が引きつっていたようだ。
カメオに心配されてしまった。

「ねぇ、何かあったの?」

「い、いや、何でもないさ。」

「でも顔色悪いよー。」

「大丈夫だって。ちょっとおなかが痛いだけだ。」

どうすればいいだろう。

GPSは取り外せない。もう無理だ。

「カメオ…もう俺、行かなきゃいけないわ」

「どこに?」

「うーん…仕事場?」

「いつ帰ってくるのー?」

「それが…もしかしたら…帰ってこれないかもしれないんだ」

「えっ…そんなの嫌だよ。また独りぼっち?」

「いや、きっと帰ってくる。きっとだ。」

「分かった。もう行くの?」

「うん、もう行かなきゃいけないみたいなんだ。」

「じゃあね。」

「またな。いい子でいるんだぞ。」

そっと、ハグをした。暖かかった。

悪の世界では味わうこともできないほどの温かみだった。

その時だった。



{ドンドン}

「カメタロウ、でてこい!」

(!?…早すぎる…)



【{ドンドンドン}】

「だれ?こわいよ…」

「大丈夫だ、きっとこれは家を間違えてるんだ」







<{ドカァッ!!}>

そこには武装した三人の男が。

「そこにいるのはカメタロウだな。何をしていた。」
「その子は誰だ。まさか裏切ったんじゃないだろうな。」

「んなわけないじゃないか…ちょっと道に迷ったんだよ…」

「じゃあ今すぐその子を{殺す}んだ。」

「え?」

「当たり前だろう。」

「いや、でも…」

「無理なのか?」

「くっ…」


俺はそこにあった包丁を手に取った。

「何してるの?カメタロウお兄ちゃん…」

カメオの目からは涙があふれだしそうになっており、
パニックから呼吸は荒くなっている…


「…だ…」

「は?どうした。早く殺すんだ」

「無理だ…」

「何言ってるんだ。早くその子を」



<「無理だって言ってんだろうがよぉーーー!!!」>



俺は体の向きをグイっと変え、三人に{切}りかかる。

グサッ、グサッ、と一撃一撃が確かに突き刺さる。

<「お兄ちゃんやめて!やめてぇぇぇーーっ!!」>








気づけばあたりは血まみれになっていた。

振り向くと、そこにはただ呆然と立ち尽くすカメオの姿が。

「ハァ…ハァ…」

そこに一件のメールが。

【―――――――――――――――――――――――

生命反応が消えたぞ。】


<{お前、殺したな?}>


【いますぐそっちにお前を殺しに行く。


まさかお前が裏切るとは思っていなかったよ…


あばよ、カメタロウ。

―――――――――――――――――――――――】


あぁ、終わった…

包丁を手に取った。

「カメオ、お前と過ごした日々は最高に楽しかった。
 俺はおまえの母ちゃんの彼氏でも何でもない。
 【ただの悪党】なんだ。お前んちに盗みに入った泥棒。
 盗んで出ていくつもりだったんだが、お前が見捨てられなかった。
 {俺はな、どうせもうじき組織に殺されちまうんだ。}
 お前とのキャッチボール、楽しかったよ。ありがとう。
 <お前は、俺の最高の息子だ。元気でな。>」

俺はそう最後の言葉をつづった。
 
「そんな…待ってよ!」

思わず声を荒らげるカメオ。

俺は手にした包丁を{自ら胸に突き刺した。}




  *



「そんな…待ってよ!」

そう叫ぶ僕には見向きもせずに、

カメタロウお兄ちゃんは手にした包丁を【{自ら胸に突き刺した。}】

そんな。

なんで。【なんで。】<なんで。>

いやだよ。カメタロウお兄ちゃん。

手を握る。まだ温かみがあった。悪党の手にも確かに温かみはあった。

どんどんカメタロウお兄ちゃんの顔が無残なものになっていく。

だめ、だめ、しんじゃいや。

あふれる涙をこらえられなかった。

「カメオ…本当に…ありがとう…」
カメタロウの瞳からは一滴の涙がこぼれ落ちていった。




荒ぶる呼吸のなか、カメオは静かに包丁を手に取り、<{自ら胸に突き刺した。}>



【完】


※要約解説

カメタロウは悪党である。
かわいそうな事情を持った子供、カメオの面倒を見ていることがばれ、敵視されてしまう。
どうしてもカメオを殺して悪を証明できなかったカメタロウは悪党の幹部三人を殺す。
そのあと、もうどうせ殺されてしまうと悟ったカメタロウはその場で自ら命を絶ち、
カメタロウに面倒を見てもらっていたカメオは、
カメタロウが目の前で自殺した悲しみから、自殺してしまった。




この物語を知ってから、タイトルをもう一度見てみると、意味が違って見えるかもしれません…