みんなのGood

花の名は。「14Good」
トリック:4票物語:1票納得感:9票
【見ぬ間に踏む花】
24年08月25日 22:27
【20の扉】 [ぷっきー]

9/1 21:00終了 スナイプ5名




解説を見る
<ひまわり>
花、落つ「14Good」
良質:3票物語:8票納得感:3票
生まれた時から心臓が悪く、近くの病院でずっと入院している鼠屋敷さん。

そんな鼠屋敷さんに初めて友達ができました。

病院の近所に住んでいる離小島君。

離小島君は鼠屋敷さんに会いに彼女が入院している病室の外にやってきます。

離小島君がきたら窓を開けてお話しするのが、鼠屋敷さんの何よりの楽しみでした。

夏は日焼けで顔が真っ黒に、冬は寒さで鼻を真っ赤にしながら、離小島君は毎日鼠屋敷さんに会いにやってきます。

離小島君にとっても鼠屋敷さんと会えるのはとても大切な時間だったのです。

特に寒くなったその日は鼠屋敷さんの大事な手術の前日でした。

「手術、とってもこわいの。夜一人で寝れるかな」

離小島君に不安な気持ちを伝える鼠屋敷さん。

離小島君は夜まで一緒にいてあげたい気持ちでいっぱいでしたが、彼も家に帰らないとお母さんに心配されてしまいます。

「大丈夫!チュー子はいい子だから絶対に手術は成功するよ!」

最後にそう伝えて、後ろ髪を引かれながらも離小島君は鼠屋敷さんとお別れしました。

しかし。

次の日も。

その次の日も。

またその次の日も。

鼠屋敷さんは病室に戻ることはなく、離小島君は彼女に会うことができませんでした。

清々しいほどの晴天なのに、離小島君の心は鼠屋敷さんに会えない悲しみでどんよりと曇ったままでした。

問い
鼠屋敷さんに会うことを諦めた離小島君がバケツに入れた野菜は何?
理由とともに答えよ。

※難易度の設定上、要望がなければ誘導強めに回答していきます。もしそれが嫌な場合は質問欄(雑談チャットでもよいよ!)にてお伝えください。
※質問制限数なし!
※鼠屋敷さん、離小島君は小学五年生くらいの年齢を想定しています
25年04月27日 22:15
【20の扉】 [ダニー]

長めに設定。5/4(日) 22:00に締めます




解説を見る
手術の前日。

「手術、とってもこわいの。夜一人で寝れるかな」

「・・・ちょっとまってろよ!」

離小島君は鼠屋敷さんにそう言うと雪道を走りながら家に帰り、何やらバケツを持ってきました。

バケツの中にはにんじんと、大き目の黒いボタンが入っています。

そして離小島君は雪玉を転がし、雪だるまを作り始めました。

「これで… よし!」

バケツの帽子、ボタンの目、にんじんの鼻を付けて完成した雪だるま。

「真っ赤なお鼻、コジ君みたい」

そう言ってキャッキャと笑う鼠屋敷さん。

「これで一人じゃないぞ!だるま小島がついてる!」

「うん、ありがとう!これで怖くないよ」

そうは言っても離小島君は夜まで一緒にいてあげたい気持ちでいっぱいでしたが、彼も家に帰らないとお母さんに心配されてしまいます。

「大丈夫!チュー子はいい子だから絶対に手術は成功するよ!」

最後にそう伝えて、後ろ髪を引かれながらも離小島君は鼠屋敷さんとお別れしました。

しかし。

次の日も。

その次の日も。

またその次の日も。

鼠屋敷さんは病室に戻ることはなく、離小島君は彼女に会うことができませんでした。

「チュー子、もう、会えないのかな」

落胆して視線を落とした先にはすっかり溶けて鼻が落ちてしまった雪だるま。

それを見た離小島君はなんだか無性に悲しくなり、涙が出てきました。

その心をごまかすためにか、離小島君は溶けた雪だるまを片付け始めます。

最後に残ったにんじんとボタンをバケツの中に入れ、力なく立ち上がり家に向かってトボトボと歩きはじめたのでした。



【A.にんじん】


































「あなたが、コジ君、かしら?」

家に帰る道すがら離小島君は知らない女性に話しかけられました。

「私はチュー子の母親です。あの子に頼まれてきたの」
「手術の日、急遽いいお医者さんに手術をしてもらえることになって別の病院に移ったの。それで」

「手術は無事成功したわ」

鼠屋敷ママは少し涙交じりの声で、だけども満面の笑みで離小島君にそう伝えました。

「明日こっちに戻ってこれるの。また仲良くしてくれる?」

「べ、別に、全然仲良く、するよ」

離小島君は泣いていたことが急に恥ずかしくなり、帽子を目深にかぶり直しました。

「あの子の側にいてくれて、励ましてくれて、本当にありがとう」

鼠屋敷ママにそう言われて鼻を真っ赤にする離小島君。

その時になってようやく今日が清々しいほどの晴天であることに気づいたのでした。
命による「14Good」
良質:3票トリック:2票物語:5票納得感:4票
新人の殺し屋であるカメオは初めて殺しの依頼を受けた日、予想外の買い物をすることになった。
カメオが買った物とは?
25年07月12日 00:01
【20の扉】 [甘木]

正解者5名まで目安です。やや年代的な要知識ありかも?正解者5名でました!




解説を見る
これはまだビデオテープが主流だった時代。
カメオは組織から送られてくるビデオテープによって指令を伝えられた。

『では、指令を伝える。〇○という男を×日後の△△時までに、事故に見せかけて殺せ。なお、このテープは再生が終わった五秒後に自動的に消滅する・・・・・・』

カメオ「えっ?消滅って・・・・・・」

💥📺💥ボンっ!

カメオ「・・・・・・新しいビデオデッキ買いにいかなきゃ」

正解:ビデオデッキ、レコーダーなど
トリック:7票物語:3票納得感:4票
目が眩むほどの閃光。そして爆発。

ターナカの故郷に強大な威力の爆弾兵器が投下された。

自分の故郷が爆弾によって爆発するところを離れた場所から見つめ、ターナカは涙を流した。




【問題】
ターナカは10年前に両親を亡くしている。
その時の両親の死が上記の爆弾兵器とまったく同じものによってもたらされたとした場合、『ターナカの故郷』から『ターナカが今いる場所』までの距離を算出せよ。

※ヒントが欲しい方は質問欄にて所望してください
25年08月30日 21:51
【20の扉】 [ダニー]

9/6(土) 22:00ごろに締めます




解説を見る
A.10光年

「お願いします!この子だけは!」
父親が緊急脱出ロケットにターナカを押し込む。
ターナカはその時の背中の感触を今でも覚えている。

それから1日も経たないうちに彼らの惑星は異星人によって投下された爆弾兵器によって粉々になった。

ターナカを乗せたロケットは彼の両親含む多くの人を置いて故郷である惑星を出発。
ワープを繰り返し10光年離れた別の惑星へ着陸した。

それから10年。

ターナカは生き残った仲間たちと夜空を見上げる。

10光年離れた惑星の爆発は強力な閃光となり、10年の時を経てターナカの網膜へと届く。
10年前の背中を押された感触が蘇り、爆発の光は涙でぼやける。

ターナカは届くわけがないと知りながら、10光年離れている故郷へ手を伸ばした。
ひと匙の海「14Good」
良質:6票トリック:3票物語:5票
深夜、男は疲れきって帰宅した。
ふと空腹を覚え、何か食べようと冷蔵庫を開けると、「温めて食べてね」と書かれたメモの貼ってある皿が目に留まった。皿の中には、鮮やかなカボチャのスープが。男はしばし、それをじっと見つめていたが、やがてため息をつくと、冷蔵庫からスープを取り出し、レンジで温めてテーブルについた。
スプーンで掬い、そっと口へ運ぶ。一口啜ったそのスープはとても美味しかったのだが、男の表情は次第に曇り、それきりスプーンを置いてしまった。
男はスープに何を望んでいたのだろうか?
 
18年10月07日 21:12
【ウミガメのスープ】 [チーム対抗さん]



解説を見る
【解答】
妻に美味しく飲んでもらうこと



【解説】
深夜1時、男は自分の家の玄関の前に立ち尽くしていた。
ハッと自分の動作が止まっていることに気づくと、思い出したかの様に家の鍵を探し始める。家の外灯が点いていないから、玄関は真っ暗。鍵一つ見つけるのにさえ手間取ってしまう。
やっと鍵を見つけると、それを鍵穴に差し込んで無気力に捻る。ドアノブを回す時、男は何も考えてはいなかった。男は身も心も疲れ切ってしまっていた。

3時間前、男の妻が交通事故に巻き込まれ意識不明の重体となっていた。


男は大学で妻と出会った。
男は触れ合ううちに、妻の将来の仕事への情熱を理解し、自分は支える側になろうと決めた。
大学卒業後、男は専業主婦となり、そして妻が働き家計を支える生活が始まった。今まで家事全般をしてこなかった男は、一からのスタートだったが、日を追うに連れて、男は家事を段々とこなせるようになっていた。

そんなある日、男は用事があって早くから家を空けていた。大学時代の同窓会に誘われていたからだ。
会場に着くと懐かしい顔ぶれが集まっていた。
顔を合わせると近況報告などで話は盛り上がり、瞬く間に時間は過ぎていった。
夜遅くになって、二次会に参加するかどうかという話をしていると、突然男の携帯の呼び出し音が鳴り響いた。

電話は救急隊員からのものだった。

妻が仕事帰りに暴走した車に巻き込まれ重体。

男は絶句した。

病院に担ぎ込まれたが未だに意識も戻らないとのこと。急いで会場を後にして、車で病院に向かった。
男が病院に辿り着いた頃、妻が集中治療室から出てきて病室に運ばれているところだった。駆け寄って妻の名前を呼ぶ。何度も何度も呼び続ける。しかし、妻が目を覚ますことはなかった。
握っている手は暖かい。
いつかは目を覚ましてくれるのではないかと、名前を呼び続けた。


その後どれくらいの時間が経ったか、わからない。
呼び続けて喉が痛み始めたくらいのところで看護師さんが声をかけてくれた。
妻の着替えも必要だろうから、一度家に帰られてはと。
男はフラフラした足取りで病院を出た。

随分と広く見える玄関に靴を脱ぎ散らかして、リビングに倒れこむ。荷物を降ろしても、身体にのしかかる重量感が離れない。身体を仰向けにして天井を眺めていると、静かな部屋に変な音がし始める。どうやら鳴っているのは自分の腹らしい。振り返ってみれば同窓会では話に夢中で、何も口にしていなかった。何かしら腹に溜めなければと思い、立ち上がって台所に足を運ぶ。
冷蔵庫の前で立ち止まり、扉を開ける。

ふと目線を下げると、そこには思わず男の目に留まるものがあった。

背が低く冷蔵庫の中で大きく場所を占めているもの、それはスープがよそわれた皿だった。
ラップで包まれ、上には「温めて食べてね」と書かれたメモが置いてある。
その皿に、そのメモに、男は見覚えがあった。
それも当然、そのスープを作ったのは男自身に他ならないのだ。
元々、同窓会で遅れることが分かっていた男は、前もって妻の為にスープを作り置いていた。その存在をすっかり忘れていた男は、自身が調理したスープをしばらく見つめていた。
今から他のものを調理し始めたら時間がかかる上、保存料も入っていないこのスープは直ぐに腐ってしまうだろう。やがて男はため息をついてスープを取り出し、レンジで温め始めた。レンジで温める時間がこんなに長く感じたことはない。


チンという音が響く。
スープを取り出しリビングにあるテーブルに向かう。
スープを置き、スプーンを持って椅子に腰掛ける。
向かいの席に人がいないことから逃げるようにスープを覗く。

冷蔵庫の冷気に当たりすぎたのか、スープの湯気が暖かく心地よい。
メモとラップを外して、スプーンを構える。
スプーンでスープを一掬いして口に運ぶ。
そして、男はスープを味わった。

スープは美味しかった。

次第に男の表情が曇っていく。
スープを掬う度に顔が歪んでいく。
しまいには、男はスープを食べる手を止めてしまった。
スプーンを机に置くと同時に、男の感情の堰が切れた。

男は家事の中でも料理が苦手だった。
作り始めた頃の料理は美味しいとは到底言い難いものであった。
そんな料理でさえも妻は嫌な顔せず、嬉しそうな顔をして食べてくれた。
今、男は自分でも美味しいと思えるスープを作ることができた。


妻に食べさせてやりたい。


だが、本来最初に食べるはずの人が、この場にいない。

やり場のない気持ちを男は泣くことで表現するしかなかった。
男は泣いた。
ひとしきり泣くと、男はラップで再び皿を包んだ。
男はそれきり、そのスープを飲むことはなかった。


【要約】
男の愛する妻が交通事故事故に巻き込まれ、意識不明の重体に。ずっと病院にいた男は、周囲の勧めもあって一度帰宅することにした。
ふと空腹を感じて冷蔵庫を開けた男が目にしたのは、専業主夫である自分が、仕事帰りの妻のために作っておいたスープ。男はそのスープを飲もうとしたが、美味しくできたそれを本当は妻に飲んで欲しかったと思うと、それ以上はスプーンを動かせないほど、悲しみが溢れてきた。