みんなのGood

良質:6票トリック:9票
千鳥足の広田はドアの所でふうと酒臭い息を吐き、
「いや、今日は済まなかったねー、すっかりご馳走になっちゃって」
と言って敬礼の真似をする。
村上は、
「それはいいけど、お前、明日ちゃんと仕事行けよな」
「だいじょーぶ いなばの缶詰 百人乗ってもだいじょーぶ。字余り。わはは。んじゃ、おやすみ」
「うん。おやすみ」
村上がドアを閉めてリビングに戻ると、妻が少し怒った顔で、
「家まで送ってあげればよかったのに」
「んー、そうだなあ…」
「広田さん、明日仕事行けるかしら」
「んー、本人は大丈夫って言ってるけどなあ…」
妻は心配げにため息をついた。

さて、テレビの前で寝転がっている村上の息子が不機嫌そうなのはなぜだろう?
25年03月12日 12:24
【ウミガメのスープ】 [プロテインX]

だいじょうぶでした




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自分の部屋を追い出され、リビングで寝るハメになったから。
(息子の部屋には広田が泊まっているのだ)
噂のキッスをあげる「15Good」
良質:3票トリック:3票物語:9票
「海が見えるところに住みたいな」

そんな妻の願いを叶えるために田中は昼夜問わず働いて、浜辺のそばに家を建てた。

妻はその家を大層気に入り、毎日浜辺に出かけて貝殻をひとつだけ拾ってくるのが日課となった。

その貝殻が30個ほど集まったある日のこと。

「見て見て!桜貝!」

妻が嬉しそうに田中の目の前に二片の貝殻を持ってきた。

「二枚貝だからこっちとこっちが対になってるの。他の貝殻とは絶対に合わないんだよ。だから…」
妻が貝の片方を田中の手に握らせて
「一つは君にあげる。もし生まれ変わってもまた君に会えるようにっておまじない」

そう言って桜貝のように頬を染める妻。

(ちくしょう!超絶可愛いな!俺の嫁!)

田中はそう思わずにいられないのであった。

問題
その前日、田中が釣ってきた魚は何?
理由とともに答えよ。
25年07月13日 00:32
【20の扉】 [ダニー]

7/20(日) 22:00ごろ締めます




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状況は絶望的だった。

2人が海難事故の末に打ち上げられたのは無人島。

そしてライターやナイフなどサバイバルに必要なものを何一つ持ち合わせていなかった。

それでもこんな時だからこそ明るく行動しないとと2人は気丈に振る舞っていた。

「とりあえずこれ以上体を冷やさないように屋根のある拠点を作らないと」
「どうせなら海が見えるところに住みたいな」

田中は昼夜問わず島の至る所から材料をかき集め、浜辺のそばに簡易的な家を拵えた。

妻はその家を大層気に入り、ここに着いた経過日数を数えるために毎日貝殻を拾って家の中に並べていった。

浅瀬での釣りや森の中での野草など食料はある程度確保できたものの、いかんせん火が起こせないというのは致命的であった。

飲料水は雨水。しかしそれを煮沸することはできず、食料も生でしか食べることができない。
2人は体調を崩し体力を消耗していくのを止められなかったのだが、希望を捨てずに生きようと明るく努力し続けた。

この島に着いて30日が経過。

「見て見て!桜貝!」

妻が嬉しそうに田中の目の前に二片の貝殻を持ってきた。

「一つは君にあげる。もし生まれ変わってもまた君に会えるようにっておまじない」

2人はこの時点で限界を超えていた。
このタイミングで希少な合わせ貝が見つかったということも、{昨日フグが釣れたということも}、天の啓示なのではないだろうか。

2人は来世で結ばれることを祈りながらフグの肝を同時に口にしたのだった。































以外、本問の真相には関係のない話。

「俺、フグ太!生まれた時から囲いに囲まれた場所で暮らしてるんだけど、大海に憧れてるんだ!」
「でも憧れで終わらせるつもりはないよ!今日はあいつの目を盗んで…」

フグのフグ太は養殖場を抜け出すことを決意していた。
気合いで身につけた大ジャンプ。これで囲いを飛び越える。
しかしフグ太に異様なほどの執着を持つ男がいる。
この養殖場のオーナー、あなご君である。

フグ太は見事そのジャンプで養殖場を抜け出すことに成功したのだが、あなご君はフグ太の逃亡の瞬間を目撃し、執拗なまでに追いかけ回した。なんかちっちゃい舟で。

逃げるフグ太、追うあなご。

三日三晩の逃走劇でフグ太は目の前に島を発見し、いったん身を隠すことに。

それにしてもお腹が空いて仕方がない。
そんな時にフグ太の目の前にミミズが現れた。

ミミズに食いつくフグ太。

しかしそれは針に仕掛けられた釣り餌だったのだ!

フグ太はなんか顔色の悪い夫婦に捕まり、その一生を終えることとなった。

一方のあなご君。島のあたりでフグ太を見失い、とりあえず島で一夜を過ごして捜索を再開。

そこで顔色の悪い夫婦に出会った。
彼らがフグ太を口に入れたタイミングで。

「お前ら、俺の、俺のフグ太を!」
「人!人だ!僕ら以外に人がいたのか!でもフグを食べてしまった。もう助からない…」
「助かるよ」
「へっ?」
「うちのフグ太には毒ないよ」
「うちの…フグ太…?」
「養殖フグは適切な管理をすれば無毒化することが可能です。フグ毒は餌を通じて体内に蓄積される後天的なものであり、養殖では毒を持つ餌を与えなければ、無毒のフグを育てることができるのです」

ということでフグ太の尊い命を犠牲にして顔色の悪い夫婦は助かりました。

めで鯛!
良質:3票トリック:6票物語:2票納得感:4票
◯月△日

吾科
人學
をの
し進
て歩
月は
を止
踏ま
むる
日所
もを
近知
から
らず
ん 


問い
◯と△に入る文字を答えよ
25年07月28日 17:17
【20の扉】 [ダニー]

ちょっとだけ要知識。8/3(日) 22:00ごろまで




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A.
◯=歩
△=進

問題文は明治時代の新聞記事の一部であり、「日進月歩」というタイトルが右横書きで書かれている。
トリック:8票物語:3票納得感:4票
目が眩むほどの閃光。そして爆発。

ターナカの故郷に強大な威力の爆弾兵器が投下された。

自分の故郷が爆弾によって爆発するところを離れた場所から見つめ、ターナカは涙を流した。




【問題】
ターナカは10年前に両親を亡くしている。
その時の両親の死が上記の爆弾兵器とまったく同じものによってもたらされたとした場合、『ターナカの故郷』から『ターナカが今いる場所』までの距離を算出せよ。

※ヒントが欲しい方は質問欄にて所望してください
25年08月30日 21:51
【20の扉】 [ダニー]

9/6(土) 22:00ごろに締めます




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A.10光年

「お願いします!この子だけは!」
父親が緊急脱出ロケットにターナカを押し込む。
ターナカはその時の背中の感触を今でも覚えている。

それから1日も経たないうちに彼らの惑星は異星人によって投下された爆弾兵器によって粉々になった。

ターナカを乗せたロケットは彼の両親含む多くの人を置いて故郷である惑星を出発。
ワープを繰り返し10光年離れた別の惑星へ着陸した。

それから10年。

ターナカは生き残った仲間たちと夜空を見上げる。

10光年離れた惑星の爆発は強力な閃光となり、10年の時を経てターナカの網膜へと届く。
10年前の背中を押された感触が蘇り、爆発の光は涙でぼやける。

ターナカは届くわけがないと知りながら、10光年離れている故郷へ手を伸ばした。
良質:6票トリック:5票物語:4票
カメオとカメコの、付き合って一年記念日。
赤身をふんだんに使った海鮮丼の他に、海鮮丼に使わなかった白身でもう一品作ったカメコ。

作った料理をテーブルに並べたカメコは、海鮮丼のことを「【◯丼】」という名前で呼んだ。
そうすればカメオが、海鮮丼の{いつもと違うところ}を褒めてくれるという確信があったからである。


それは、カメオにしか満たせない欲求からくる言動だったのだが、【◯】に当てはまるワードは、一体何だろうか?
25年09月08日 22:30
【20の扉】 [霜ばしら]

9/8(月) 22:30 〜 9/15(月) 22:30頃までの、約1週間の予定🍅




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【 〖 答え 〗 月見(海鮮)丼 】




記念日に、二人の好きな海鮮丼を作ったカメコ。
そして、一年前にした告白にちなんで、月に見立てた{卵の黄身}ものせた。

研究の結果、海鮮に合う卵黄の最高に美味しい味付けを見つけたカメコは、早くカメオとこの美味しさを分かち合いたくて、数日前からそわそわしていたのだ。

「今日は{月見丼}にしてみたんだ」

艶々に輝く卵黄が加わって、鮮やかさの増した海鮮丼。
美しく彩られた丼を見たカメオは、カメコが海鮮丼に込めた想いを感じ取った。

「おおー!{月が綺麗ですね}」

「ですね!しかも、この月めちゃくちゃ美味しいよ。ね、早く食べてみて!」

「ほんとだ……う、まっ!」


こうして感動を共有する瞬間が、カメコにとって掛け替えのないもので、それはカメオにとっても同じで、今年も二人は、月の綺麗さを再確認したのだった。


ちなみに、一緒に添えられた白いかき玉汁は、{余った白身}の活用レシピを探して作ったもの。
赤身の海鮮丼と合わせると、紅白になってめでたいね。






↓こちらに、ボツ挿絵や、参考にした白身レシピなどを載せてます。
https://note.com/preview/n7d5d6d1e9616?prev_access_key=9e0cb83985a122e7af972ca9a19c5b89