みんなのGood

借金返済「15Good」
良質:3票物語:6票納得感:6票
カメオは生活費に困窮し、友人のウミオから1万円を借りた。
数年後、カメオは仕事が成功して大金持ちになったが、それにもかかわらず再びウミオに会いさらに1万円を借りた。その後、カメオは2万円をウミオに返したのだが、ウミオは物凄く喜んだのだという。
カメオはただ貸したお金を返しただけのようにも見えるが、一体なぜだろうか?
20年01月28日 20:10
【ウミガメのスープ】 [ブラダマンテ]

借金に関するご相談は○○法律事務所へ。




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【手品師のカメオは、ウミオから1万円札を借りて2万円に増やすという手品を披露し、そのまま借金を返済した】

プロの手品師を目指して修行中であったカメオ。しかし当初は全く売れず、非常に苦しい下積み時代を経験した。ついに生活費が底をついたカメオは、友人のウミオに懇願して1万円を借りた。

カメオ「本当にありがとう。助かったよ…。この金は必ず返す。」
ウミオ「気にすんな。出世払いでいいよ。応援してるぞ。」

その後カメオの努力は報われ、カメオは手品師として大成功した。マジックショーはいつも満席、様々なテレビ番組にも引っ張りだこになり、大金持ちになった。
ウミオは一躍有名人となったカメオの活躍を嬉しそうにテレビで見ていた。しかし、多忙であるカメオと会うことはほとんどなくなっていた。

そんな時、ウミオの元に、カメオから「久しぶりに会わないか」と連絡が来た。これに承諾したウミオは、カメオと数年振りに会い、他愛もない話で盛り上がった。するとカメオが突然、
「そうだ。せっかくだからウミオにも手品を見せてあげるよ。{ちょっと1万円札を貸してくれないか}。」
ウミオが1万円札を貸すと、カメオは一瞬のうちに1万円を消してしまった。さらに指を鳴らすと、何も無かったはずのカメオの手の中から1万円札が2枚現れた。
見事な手品に感心したウミオが拍手をすると、カメオは嬉しそうな様子であったが、ふと真面目な顔になり、{その2万円をそのままウミオに差し出した}。

カメオ「…なあ、昔俺がお前から1万円を借りたの、覚えてるか?今日お前を呼んだのは他でもない、その金を返しに来たんだ。遅くなってごめんな。あの時は本当にありがとう。さっきの手品はこのためだけに練習した取っておきのやつで、お前以外の人には見せたことはないんだ。」
と照れ臭そうに笑った。

カメオが有名人になっても昔の約束を覚えており、自分のためだけに手品を見せてくれたことが嬉しく、ウミオはとても喜んだ。
移りゆく想い「15Good」
良質:6票トリック:6票物語:2票納得感:1票
中学の同級生だったトモコとケンジが付き合い始めて、4年の月日が経とうとしていた。
ある日、ケンジが部活帰りにトモコと長話をしていると、ふと周りを見渡したトモコは家々の明かりがつき始めているのに気付いた。
「今日はそろそろ終わりにしない?」そう促すトモコにケンジは「まだ日が暮れたばかりだし時間あるだろ?俺はもう少しトモコと話したいな〜」と返した。

トモコはその言葉に酷く失望し、ケンジは以前ほど自分を愛していないのだと悟った。なぜだろう?
20年02月04日 22:04
【ウミガメのスープ】 [元灯台暮らし]

とかげさんにSPをお願いしました。SP部屋のルームキーは『灯と影』になります




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夜明け前、すやすやと眠るトモコのケータイが突然鳴った。
眠い目を擦り、確認すると恋人のケンジからだった。
(こんな時間になんだろう…)
不審に思いながらも電話に出ると、こちらが用件を聞くより早く愚痴のオンパレードが始まった。
最近のケンジの話は、9割以上が学校や親の愚痴で占められていた。
いい加減うんざりしていたトモコだったが、優しい彼女はいつも聞き役に徹していた。
そして、電話を始めてからおよそ1時間が経った頃、いつの間にか街の家々には明かりが灯り、人影が動き始めているのに気付いたトモコは「今日はそろそろ終わりにしない?」とケンジに促したが、彼は「まだ日が暮れたばかりだし時間あるだろ?俺はもう少しトモコと話したいな〜」と返してきた。

それを聞いたトモコは怒りを通り越して唖然としていた。
トモコが海外留学中のため、二人は遠く離れた遠距離恋愛をしており、時差もかなりあるのだが、ケンジはそんな事をすっかり忘れてこんな時間に電話をかけてきたのだ。
(ああ、あなたはきっと愚痴の捌け口が欲しいだけで、もう私のことなんて…)
一つの恋の終わりを悟った彼女を包み込む朝日は、憎いほど眩しく輝いていた。
天邪鬼のケーキ「15Good」
良質:3票トリック:7票納得感:5票
ケーキ屋で、母と娘が、ショートケーキを買おうか、モンブランを買おうか迷っている。

母が「どっちが食べたい?」と聞くと、娘はすぐにショートケーキを指さした。
それを見た母は、ショートケーキではなく、モンブランを買うことにしようと思った。

一体なぜだろう?
20年02月21日 20:57
【ウミガメのスープ】 [みたらし団子]



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娘は交互にケーキを指さしながらつぶやく。

「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な・て・ん・の・か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り。こっち!」

娘が選んだのはモンブラン。

「どちらにしようかな~」は全部で二十二文字、偶数なので、必然的に後で指をさした方が選ばれる。
だから、娘が真っ先に指をさしたショートケーキではなく、
モンブランが選ばれるだろうと、母は考えたのだ。
ラズベリーソース「15Good」
良質:6票トリック:8票納得感:1票

男は フレンチ店でコース料理を注文した

ウェイトレスがテーブルに前菜を運び 簡単な説明を始める

料理名の次に 彼女が教えてくれたのは{赤いソース}について

その直後 男の頬まで{赤く}なってしまったのは 一体なぜ?
20年04月26日 21:00
【ウミガメのスープ】 [青信号]



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『解説』
【一日中ソースが口元に付いていたから】

「こちらはポワローヴィネグレットになります。
 あっ...お客様 お口付いてますよ^^」

今朝食べた真っ赤なソースが一日中付いていたのか
ふっ 今日は電車内でよく視線を感じるなと思ったぜ
恥ずかしさのあまり 口元だけでなく 頬まで赤くなるのだった。
迷惑客とタクシー「15Good」
良質:9票トリック:1票物語:5票
私はすっかり深夜の酔っ払いになっていた。千鳥足の勢いが余って道路に飛び出したところに走ってきたのは、私がこのあと乗ることになるタクシーだった。急停車したタクシーを捕まえた私は、そのまま「乗せてくれ」の一点張りだ。タクシーは回送表示だったが、こうなってしまうと諦めて私を乗せるしかなかった。

「まったく、この前もうるさい奴がいて後ろに移動してもらったっていうのに、また同じような迷惑客かい。」
「いいじゃないか、助手席にいたって。お詫びに何か買ってあげるさ。今欲しいもの、何でも言ってみな。」
「それじゃあ、今着ているこのスーツをどうにかしたいものだ。」
「そのスーツ、もうダボダボじゃねえか。新しいのを忘れず調達しておくさ!ハハハ!」
「俺とどこかで再会するつもりか?残念だがこっちにそんな余裕はないよ。」
のべつ幕なしまくし立てられるのに痺れを切らしたのだろう、彼は私をいい加減なところに降ろし、再びタクシーを走らせて夜の闇に消えてしまった。私がその夜の行動を自省したのは、日も昇りきった後だった。次の日、昨晩の無礼を詫びようとタクシー会社に問い合わせたのだった。

後日私は、ピカピカで新品のスーツを購入した。私の乗っていたタクシー、その運転手にすぐにでも渡してあげたかった。運転手は本当にスーツが欲しいのかと言われると私の思い過ごしのようにも感じるが、それでも構わなかった。

あの夜私の隣でハンドルを握った彼は、それっきり私の前に姿を見せていない。出来るならそのまま、金輪際私の前には現れないで欲しいものだ。{折角スーツも用意したのに、私がそう思うのはなぜだろうか?}
20年05月30日 18:13
【ウミガメのスープ】 [NSGN]

着想から1ヶ月以上煮込みました。SPをして下さった方々に大いなる感謝を。




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俺は会社をクビになってすっかり落ちぶれていた。溜まりに溜まった苛立ちが爆発して首を絞めてしまったのは、ひょんな理由から口喧嘩を始めたタクシー運転手だった。彼に少し黙って欲しかっただけで、殺すつもりはなかったのだ。

俺は彼の服装を奪って運転手になりきり、死体はトランクに乗せて、タクシーごと人目のつかない場所に遺棄しようと企んだ。その真っ最中に、運悪くあの酔っ払いに遭遇してしまったのだ。元々客をお断りするための回送表示だったが、こうなってしまうと諦めてこいつを乗せるしかなかった。

「まったく、この前もうるさい奴がいて後ろに移動してもらったっていうのに、また同じような迷惑客かい。」
その"うるさい奴"が今も後ろにいるとは、酔っ払いは知る由もなかろう。
「いいじゃないか、助手席にいたって。お詫びに何か買ってあげるさ。今欲しいもの、何でも言ってみな。」
「それじゃあ、今着ているこのスーツをどうにかしたいものだ。」
実際、このスーツは俺のサイズに合っていなかったので着づらい。
「そのスーツ、もうダボダボじゃねえか。新しいのを忘れず調達しておくさ!ハハハ!」
「...俺とどこかで再会するつもりか?残念だがこっちにそんな余裕はないよ。」
もし会うとしても、それは俺が手錠をかけられた後だ。

今日が初仕事のタクシー運転手に土地勘なんてものはなかったので、こいつはいい加減な場所に降ろしてしまった。ようやく邪魔が消えたので、死体処理を済ませてさっさとずらかろうと、森の中へタクシーを走らせた。明日か明後日位にあの酔っ払いが真実を知って、恐怖に震えた姿を想像すると、とてもおかしかった。

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「回送中に酔っ払いを乗せた?そんな話ここの従業員からは聞いておりませんよ。」
「え、どういうことですか...?」
電話での会話で私は、昨晩の運転手は偽物であり、本物の運転手は現在消息を絶っていることを知った。そしてその運転手は、間もなく亡くなっている状態で発見された。

あの夜、タクシーに乗っていた私のすぐ後ろで、本当の運転手が殺されてトランクに閉じ込められていたなんて。そんなことをこれっぽっちも知らないまま、酒の回った頭で人殺しを相手に騒ぎ立てていたことに、自責の念が込み上げてきた。

あの夜、私の隣にいた偽の運転手に対して言い放った、新しいスーツを用意するという約束。私は、彼が着ていたものと同じサイズの立派なスーツを購入した。もちろん、スーツの本当の持ち主である運転手のためにだ。

出来ることなら、私は生きているあなたと会いたかった。タクシーを走らせるあなたの隣に座って、世間話でもして盛り上がりたかった。しかし、過ぎた時間はもう巻き戻せない。失った人は二度と戻っては来ない。だからせめて、奪われたスーツを運転手に返してあげ、それを冥土の土産として天国まで送り届けてあげることにした。今の私にできる償いは、これが精一杯だった。

事件の犯人は無事に逮捕された。タクシーに乗った晩の出来事は私にとってトラウマとなり、時々それが夢にまで現れる。人の命を奪った上、私の隣で"運転手ごっこ"をしていた彼とは、当然二度と会いたくないものだ。

【《簡易解説》】
ハンドルを握っていたのは偽物の運転手であり、彼に殺された本物の運転手はトランクの中にいた。自分が事件の渦中にいたことを後になって知った「私」は、タクシーに乗った晩のことがトラウマとなったため、偽物の運転手=事件の犯人と再び会うことを拒んだ。