「おとぎ話をあなたへ」「7Good」
良質:6票物語:1票
室町時代の後期くらい。
簡単に書くなら、むか~しむかし。
いろは村では食うものに困っておった。
ほへと村でも貧しさに飢えておった。
しかたなしに、いろは村では、口減らしをおこなったそうじゃでな。
すると、どうじゃろう。
ほへと村では、腹一杯食えるようになっての、やがて正義の味方がこの村から出発することになるんじゃよ。
遠い昔の、ものがたり。
はてさて、どういうこっちゃろのう?
簡単に書くなら、むか~しむかし。
いろは村では食うものに困っておった。
ほへと村でも貧しさに飢えておった。
しかたなしに、いろは村では、口減らしをおこなったそうじゃでな。
すると、どうじゃろう。
ほへと村では、腹一杯食えるようになっての、やがて正義の味方がこの村から出発することになるんじゃよ。
遠い昔の、ものがたり。
はてさて、どういうこっちゃろのう?
21年12月31日 00:38
【ウミガメのスープ】 [京介]
【ウミガメのスープ】 [京介]
解説を見る
桃太郎をモチーフに。
大きな桃や鬼が物語に出てこないとするとどうなるのか、を京介流に。
………
いろは村では、口減らしのために、働けぬ者を殺して川に流しておったんじゃ。特に、寒くなる季節、米や麦の量が少ないとなれば、村が存続できる最低限の人間を残して、いらない人間は殺して流したわけじゃな。
一方、川下にあるほへと村でも食べるものに困っておったんじゃが、ある頃から川に人間の死体が流れてくるでの、それを解体して皆でわけて、干し肉にしたり、煮たり炊いたりして食っておったんじゃ。
不思議なこともあるものよ、人を殺していた村では乏しい食料をちまちまと食いつなぎ、特段人を減らそうとしていなかった村では大した労もなく肉を手に入れ食いつないでゆけるとは。
さて、一番むごたらしかったのは、妊婦の遺体が流れてきたときじゃろうか。お腹にやや子のあるままに流れついたんじゃが、人間の肉に味を占めておったある老夫婦が「大きな桃じゃ!」と半狂乱になって持ち帰ってしもうた。
腹をさばくと、腹の中の子は生きておってのう。
これもまた、不思議な話なのじゃが、ほへと村は「死んでいる人間」は食うのじゃが、生きている人間を殺して食うわけではなくての。
老夫婦には子もなかったし、多少なり干し肉などの蓄えもある、子供をやしなっていけそうじゃ、となって、その子は夫婦の子として育てられるわけじゃな。
もちろん、他に食材はないから人の肉を食いながら育っていったわけじゃ。
やがて、年月を経て、いろは村は前ほどは貧しくなくなった。芋、麦、米がそれなりに潤沢になったでの。
そうすると、いろは村は口減らしをしなくなったでな、ほへと村に流れ着く死体もめっきりなくなった。
しかし、ほへと村の者共は、それでも肉を食いたくて仕方がない。と、いうよりは、川へゆけば食料が手に入る、というように生きておったから、田畑をいまさらやる奴らもおらなんだ。たちどころに飢えに苦しむありさまとなった。
この村で生まれ、生まれてからこのかた人の肉しか食っておらん、田畑のことなど何も知らん、あの子供はどうなったじゃろう。
成長期まっただなか、気も狂わんばかりじゃったでな。あわやひえ、きびなどを与えても、吐き出してしまう。
他の村人も似たり寄ったりじゃったか、いまさら雑穀では腹が満たせぬ、みな痩せ細り、ほへと村はだんだんと滅ぶ一方じゃったわけよの。
さて、死体から産まれた子は、やがて自分の食べていたものが人間だったと知り、また自分の力で人間を殺せるようになると、自分が幼いころに殺されて食われなかったことに思いを馳せて、世話になった老夫婦や村の人がやつれていくのを見るにつけ、もっと良い肉を与えたいと思うて、とある島へ人間を狩りにいったんじゃよ。
その島のことを「鬼ヶ島」と呼んで、その島の人間を「鬼」と呼んで、のう。
大きな桃や鬼が物語に出てこないとするとどうなるのか、を京介流に。
………
いろは村では、口減らしのために、働けぬ者を殺して川に流しておったんじゃ。特に、寒くなる季節、米や麦の量が少ないとなれば、村が存続できる最低限の人間を残して、いらない人間は殺して流したわけじゃな。
一方、川下にあるほへと村でも食べるものに困っておったんじゃが、ある頃から川に人間の死体が流れてくるでの、それを解体して皆でわけて、干し肉にしたり、煮たり炊いたりして食っておったんじゃ。
不思議なこともあるものよ、人を殺していた村では乏しい食料をちまちまと食いつなぎ、特段人を減らそうとしていなかった村では大した労もなく肉を手に入れ食いつないでゆけるとは。
さて、一番むごたらしかったのは、妊婦の遺体が流れてきたときじゃろうか。お腹にやや子のあるままに流れついたんじゃが、人間の肉に味を占めておったある老夫婦が「大きな桃じゃ!」と半狂乱になって持ち帰ってしもうた。
腹をさばくと、腹の中の子は生きておってのう。
これもまた、不思議な話なのじゃが、ほへと村は「死んでいる人間」は食うのじゃが、生きている人間を殺して食うわけではなくての。
老夫婦には子もなかったし、多少なり干し肉などの蓄えもある、子供をやしなっていけそうじゃ、となって、その子は夫婦の子として育てられるわけじゃな。
もちろん、他に食材はないから人の肉を食いながら育っていったわけじゃ。
やがて、年月を経て、いろは村は前ほどは貧しくなくなった。芋、麦、米がそれなりに潤沢になったでの。
そうすると、いろは村は口減らしをしなくなったでな、ほへと村に流れ着く死体もめっきりなくなった。
しかし、ほへと村の者共は、それでも肉を食いたくて仕方がない。と、いうよりは、川へゆけば食料が手に入る、というように生きておったから、田畑をいまさらやる奴らもおらなんだ。たちどころに飢えに苦しむありさまとなった。
この村で生まれ、生まれてからこのかた人の肉しか食っておらん、田畑のことなど何も知らん、あの子供はどうなったじゃろう。
成長期まっただなか、気も狂わんばかりじゃったでな。あわやひえ、きびなどを与えても、吐き出してしまう。
他の村人も似たり寄ったりじゃったか、いまさら雑穀では腹が満たせぬ、みな痩せ細り、ほへと村はだんだんと滅ぶ一方じゃったわけよの。
さて、死体から産まれた子は、やがて自分の食べていたものが人間だったと知り、また自分の力で人間を殺せるようになると、自分が幼いころに殺されて食われなかったことに思いを馳せて、世話になった老夫婦や村の人がやつれていくのを見るにつけ、もっと良い肉を与えたいと思うて、とある島へ人間を狩りにいったんじゃよ。
その島のことを「鬼ヶ島」と呼んで、その島の人間を「鬼」と呼んで、のう。
「恋するカメコのお正月」「7Good」
良質:3票物語:2票納得感:2票
職場でのささやかな新年会が終わり、皆が三々五々帰って行く中、降り出した雨をぼんやりと眺めながらカメコは物思いに耽っていた。
(あーあ。今日も言えなかったな…)
憧れの先輩になかなか恋心を伝えられないカメコ。
そこに、
「おや、カメコくん、帰らないのかい?」
素敵なバリトンのこの声は!
慌てて振り返ると、件の先輩が目の前に!
「どひゃあー!」
「ははは。そんなにたまげることはないだろう。ふむ。だいぶ降ってきたね。雨の夜道を若い女性が歩くのは極めて危険と見た。最寄り駅まで…いや、家まで送ってあげよう。僕の車に乗りなさい。そして道案内をしたまえ。ああ、傘を忘れずに」
先輩の澄んだ瞳に陶然となりながらも、なんとか正気を保とうとするカメコ。
しっかりするのよ、カメコ、ちゃんと言わなくちゃ。だって… ううん。でも、でも…
会社の駐車場まで傘をさして歩きながら、揺れ動く乙女心。
「あ、あの、せ、先輩、あたし、実は…」
しかし結局カメコはそれ以上言えず、吸い込まれるように先輩の車に乗ってそのまま家に着き、言えなくて良かった、と思った。
(おかげで先輩とお付き合いできることになったんだもん)
勇気を出して告白したカメコに拍手!
さて、そんな恋するカメコが会社に置いてきてしまったものとは何だろう?
(あーあ。今日も言えなかったな…)
憧れの先輩になかなか恋心を伝えられないカメコ。
そこに、
「おや、カメコくん、帰らないのかい?」
素敵なバリトンのこの声は!
慌てて振り返ると、件の先輩が目の前に!
「どひゃあー!」
「ははは。そんなにたまげることはないだろう。ふむ。だいぶ降ってきたね。雨の夜道を若い女性が歩くのは極めて危険と見た。最寄り駅まで…いや、家まで送ってあげよう。僕の車に乗りなさい。そして道案内をしたまえ。ああ、傘を忘れずに」
先輩の澄んだ瞳に陶然となりながらも、なんとか正気を保とうとするカメコ。
しっかりするのよ、カメコ、ちゃんと言わなくちゃ。だって… ううん。でも、でも…
会社の駐車場まで傘をさして歩きながら、揺れ動く乙女心。
「あ、あの、せ、先輩、あたし、実は…」
しかし結局カメコはそれ以上言えず、吸い込まれるように先輩の車に乗ってそのまま家に着き、言えなくて良かった、と思った。
(おかげで先輩とお付き合いできることになったんだもん)
勇気を出して告白したカメコに拍手!
さて、そんな恋するカメコが会社に置いてきてしまったものとは何だろう?
22年01月02日 06:54
【20の扉】 [きまぐれ夫人]
【20の扉】 [きまぐれ夫人]

明けましておめでとうございます~
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自分の車。
「クライシスベイビーズ」「7Good」
良質:3票トリック:3票物語:1票
田中家は田中パパと田中ママ、4人兄弟の大家族。
その四男が産まれる直前の話。
病室にはベッドの上で苦しそうにいきんでいる田中ママ、それを心配そうに見つめる田中パパと長男、次男、三男がいる。
いきなり田中ママの側で次男が泣き出し、三男もそれに続いて泣き出した。
田中パパもなんだか泣きそうになっている。
(あれ?赤ちゃんに異変があるのでは?)
長男が大丈夫かと不安になったのは、次男と三男が泣き出したせいではないのだが、ではどんな理由で赤ちゃんに異変があるのではと不安になったのだろうか?
※長男(ナガオ)、次男(ツグオ)、三男(ミツオ)、四男(ヨツオ)みたいな名前のトリックは無いよん
普通にちょうなん、じなん、さんなん、よんなんの意味で考えてね
その四男が産まれる直前の話。
病室にはベッドの上で苦しそうにいきんでいる田中ママ、それを心配そうに見つめる田中パパと長男、次男、三男がいる。
いきなり田中ママの側で次男が泣き出し、三男もそれに続いて泣き出した。
田中パパもなんだか泣きそうになっている。
(あれ?赤ちゃんに異変があるのでは?)
長男が大丈夫かと不安になったのは、次男と三男が泣き出したせいではないのだが、ではどんな理由で赤ちゃんに異変があるのではと不安になったのだろうか?
※長男(ナガオ)、次男(ツグオ)、三男(ミツオ)、四男(ヨツオ)みたいな名前のトリックは無いよん
普通にちょうなん、じなん、さんなん、よんなんの意味で考えてね
22年01月13日 23:24
【ウミガメのスープ】 [ダニー]
【ウミガメのスープ】 [ダニー]

ソニックブーム問題
解説を見る
田中家は田中パパと田中ママ、4人兄弟の大家族。
しかも兄弟は四ツ子である。
その田中家の四男のお産の時の話。
まあ四ツ子なので四兄弟全員のお産の時の話。
まず田中ママがスル〜ンと長男を産み、続いてスッポ〜ンと次男、三男が産まれてきた。
次男、三男はすぐに産声を上げたのだが、長男はなかなか産声を上げない。
田中は(あれ?赤ちゃんに異変があるのでは?)と産声を上げない長男が大丈夫か不安になった。
続いて四男がブリブリ出てきたタイミングで長男も無事産声を上げたのだった。
「「「「「ヴヴェエエエエエエン!!!」」」」」
田中ママ以外の5人の大号泣が病室に響き渡った。
しかも兄弟は四ツ子である。
その田中家の四男のお産の時の話。
まあ四ツ子なので四兄弟全員のお産の時の話。
まず田中ママがスル〜ンと長男を産み、続いてスッポ〜ンと次男、三男が産まれてきた。
次男、三男はすぐに産声を上げたのだが、長男はなかなか産声を上げない。
田中は(あれ?赤ちゃんに異変があるのでは?)と産声を上げない長男が大丈夫か不安になった。
続いて四男がブリブリ出てきたタイミングで長男も無事産声を上げたのだった。
「「「「「ヴヴェエエエエエエン!!!」」」」」
田中ママ以外の5人の大号泣が病室に響き渡った。
「食堂の地図」「7Good」
トリック:3票物語:2票納得感:2票
カメシタは紙をとりだした。
カメナシはそこに点を書いた。
カメシタは何をしたかったのだろう?
カメナシは何をしたがっているだろう?
カメナシはそこに点を書いた。
カメシタは何をしたかったのだろう?
カメナシは何をしたがっているだろう?
22年01月14日 23:17
【ウミガメのスープ】 [京介]
【ウミガメのスープ】 [京介]

言葉遊びの閃きをあなたへ
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胃の上食道:井上食堂
♪てんてんどんどん♪
カメシタはあんまりにも退屈であった。(※この退屈さを表現するため、状況設定を「監獄」とすることもあるが、ノイズになりやすく、無駄な深入り質問が増えるので削除。小学校でも特に問題はないはずである。)
ぼけーーーーっとしていて、同じように暇なのだろうと、カメシタはカメナシを誘ってゲームでもしてやろうと思った。
最近、マルバツゲームの必勝法を思い付いたので、ギャフンと言わせる腹づもりである。(※そもそも退屈だという理由で、世の中にこんなに娯楽のある時代にあえてマルバツゲームをするのか? という。)
カメシタは紙に井桁(いげた:#)を書いてカメナシに見易いよう広げて前に差し出した。先手をカメナシにゆずる手筈である。
カメシタにとって悲劇であったのは、カメナシは退屈をもて余してぼーーーーっとしていたのではない、ということだろう。
カメナシは、ただただ空腹なのであった。
『胃の上のほうまでグルグルいってやがるぜ……、胃の上、、井上食堂の天丼、、食いたい』
そんなカメナシの目の前に差し出される、#の書かれた紙!
どんぶり!!くいたい!
もはや、人間としての意識があるのやらないのやら、とるものもとりあえず、井に点を打ち丼にして満足した。
カメシタは心から『選ぶ相手を間違えた』と思った。
それを噂話できいていた京介は、さっそく井桁をかいて丼の文字を作る、ということを実際にやってみたところ、
「ああ、こりゃ、宝の地図みたいだな……。誰かの価値があると思ってるものが隠されているような、誰かにとってはまるで勝ちがなくなってしまうかのような」と思ったのだった。
♪てんてんどんどん♪
カメシタはあんまりにも退屈であった。(※この退屈さを表現するため、状況設定を「監獄」とすることもあるが、ノイズになりやすく、無駄な深入り質問が増えるので削除。小学校でも特に問題はないはずである。)
ぼけーーーーっとしていて、同じように暇なのだろうと、カメシタはカメナシを誘ってゲームでもしてやろうと思った。
最近、マルバツゲームの必勝法を思い付いたので、ギャフンと言わせる腹づもりである。(※そもそも退屈だという理由で、世の中にこんなに娯楽のある時代にあえてマルバツゲームをするのか? という。)
カメシタは紙に井桁(いげた:#)を書いてカメナシに見易いよう広げて前に差し出した。先手をカメナシにゆずる手筈である。
カメシタにとって悲劇であったのは、カメナシは退屈をもて余してぼーーーーっとしていたのではない、ということだろう。
カメナシは、ただただ空腹なのであった。
『胃の上のほうまでグルグルいってやがるぜ……、胃の上、、井上食堂の天丼、、食いたい』
そんなカメナシの目の前に差し出される、#の書かれた紙!
どんぶり!!くいたい!
もはや、人間としての意識があるのやらないのやら、とるものもとりあえず、井に点を打ち丼にして満足した。
カメシタは心から『選ぶ相手を間違えた』と思った。
それを噂話できいていた京介は、さっそく井桁をかいて丼の文字を作る、ということを実際にやってみたところ、
「ああ、こりゃ、宝の地図みたいだな……。誰かの価値があると思ってるものが隠されているような、誰かにとってはまるで勝ちがなくなってしまうかのような」と思ったのだった。
「罪の記憶」「7Good」
良質:6票納得感:1票
――冷たく眠ったように動かないカメオ。どれだけゆすっても目を覚まさない。
あの日のカメオは生きていたのか死んでいたのか、思い出そうとしても記憶は朧気なまま。
でも、分からないというのはただ真実から逃げているだけなのかもしれない。そろそろ罪と向き合う日が来たのだ。
私はきっとカメオを殺した。
私はどうしてあんな恐ろしいことをしてしまったのだろうか。
一体どうして?
あの日のカメオは生きていたのか死んでいたのか、思い出そうとしても記憶は朧気なまま。
でも、分からないというのはただ真実から逃げているだけなのかもしれない。そろそろ罪と向き合う日が来たのだ。
私はきっとカメオを殺した。
私はどうしてあんな恐ろしいことをしてしまったのだろうか。
一体どうして?
22年02月10日 14:27
【ウミガメのスープ】 [うつま]
【ウミガメのスープ】 [うつま]

これもスナイプされるか…
解説を見る
カメのカメオが冬眠したことに気づかず、死んでしまったと思ったから。
小学生の頃、私はカメを飼っていた。名前はカメオ。我ながら安直なネーミングセンスだと思う。
水槽に入れて飼っていたのだが、ある冬の寒い日、カメオは冷たく動かなくなっていた。
私にもう少し知識があったならば、それが冬眠であるということに気づけただろう。しかし当時の私はカメオが死んでしまったのだと思い、庭に深い穴を掘ってカメオをそこに埋めた。私はカメオを生き埋めにしたのだ。
学校の理科の授業で冬眠について勉強したとき、私はあの日の真実に思い至った。それでも私はカメオは死んでいたのだと自分に言い聞かせ、記憶に蓋をした。私がカメオを殺したなんて認めたくなかったから。
私も大人になった。そろそろ罪を認めるときが来たのだと思う。
カメオ、ごめんなさい。
そして、安らかに。
小学生の頃、私はカメを飼っていた。名前はカメオ。我ながら安直なネーミングセンスだと思う。
水槽に入れて飼っていたのだが、ある冬の寒い日、カメオは冷たく動かなくなっていた。
私にもう少し知識があったならば、それが冬眠であるということに気づけただろう。しかし当時の私はカメオが死んでしまったのだと思い、庭に深い穴を掘ってカメオをそこに埋めた。私はカメオを生き埋めにしたのだ。
学校の理科の授業で冬眠について勉強したとき、私はあの日の真実に思い至った。それでも私はカメオは死んでいたのだと自分に言い聞かせ、記憶に蓋をした。私がカメオを殺したなんて認めたくなかったから。
私も大人になった。そろそろ罪を認めるときが来たのだと思う。
カメオ、ごめんなさい。
そして、安らかに。