「神童の暗号」「8ブックマーク」
神童と呼ばれていた私は、自分でも、私の身体には神が宿っているのだ、と信じて疑わなかったものであるが、その頃の私が、誰彼となく捕まえては「サインしてあげる」と言ってノートの切れ端に書いた自己流の拙いサインの横に必ず添えていた、{「I=E>!」}という数式もどきに込められた意味を解き明かしていただきたい。
23年06月16日 14:13
【ウミガメのスープ】 [きまぐれ夫人]
【ウミガメのスープ】 [きまぐれ夫人]
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つづく
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{「私は偉大なり!」}
「壁に耳あり」「8ブックマーク」
配管工のカメオは築40年以上経過した寂れた一軒家に住んでいる。
自宅兼作業場の一軒家は築年数相応に劣化しており、壁のところどころがひび割れ大きな亀裂の入っている箇所もあった。
ある日、隣家のカメコから騒音が聞こえてくると注意を受けたカメオは、壁を修理して厚くすることにした。
防音機能を向上させたおかげでカメコの家に騒音が漏れることはなくなった。
しかし、相変わらずカメコが文句を言い続けるので、カメオは軽度の寝不足に陥ってしまった。
カメオの家から騒音が漏れることはなくなったのに、どうしてカメコは文句を言い続けたのだろう?
自宅兼作業場の一軒家は築年数相応に劣化しており、壁のところどころがひび割れ大きな亀裂の入っている箇所もあった。
ある日、隣家のカメコから騒音が聞こえてくると注意を受けたカメオは、壁を修理して厚くすることにした。
防音機能を向上させたおかげでカメコの家に騒音が漏れることはなくなった。
しかし、相変わらずカメコが文句を言い続けるので、カメオは軽度の寝不足に陥ってしまった。
カメオの家から騒音が漏れることはなくなったのに、どうしてカメコは文句を言い続けたのだろう?
23年06月21日 22:17
【ウミガメのスープ】 [虹色レインボー]
【ウミガメのスープ】 [虹色レインボー]
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カメオはカメコを殺して自宅の壁に死体を埋めた。
それ以降、夜になると殺された恨みからカメコの幽霊が出るようになり、カメオに呪詛を呟くようになったから。
<細かいお話>
配管工のカメオは真面目に仕事をこなす一方で、人間を解体するという趣味を持っていた。
自宅でもある作業場では、夜な夜な攫ってきた人間を分解し、自分の趣味を満喫していた。
ペンチ、鋸、ハンマーなどなど、選定された道具の数々は仕事でも趣味でも欠かすことの出来ない存在で、工具に付着した人間の血や脂は古い厨房の油汚れなんかよりも簡単に落とすことが出来た。
ある日、カメオは隣人であるカメコから注意を受けた。
「夜になるとお宅から物音が聞こえてくるときがあるんだけど、どうにかしてくれない」
カメオは夜に作業場で仕事をしたことがない。
間違いなく、趣味で発生した音だった。
「すみません。すぐに何とかします」
カメオはカメコの言葉にとても動揺した。
なぜなら彼は、自分の趣味が他人の迷惑になっていると思っていなかったからだ。
作業場の壁は所々ひび割れていて、大きな亀裂の入っている箇所もあった。
早急に何とかしなければ。
しかし、作業場にあるセメントの量は少なく、壁全体を補装するには十分に量が足りていなかった。
どうにかして今あるセメントだけで修理しなくては。
「あ、そうだ」
カメオは閃いた。
カメコを殺して処刑されたキリストの様に壁に磔れば、人間一人分のセメントを減らせるのではないか。
早速カメオは実行することにした。
カメコをハンマーで撲殺し、作業場の大きな亀裂を塞ぐようにカメコの死体を磔た。
そして、その周囲をセメントで覆い、カメコの死体がちょうど隠れるくらい壁を平らにならした。
壁のひび割れはすべて消え、亀裂もカメコが隠してくれた。
そのカメコもセメントが覆ってくれている。
「これでよし」
カメオは自分の作業に満足した。
ただ一つだけ、カメオには誤算があった。
それは、殺したカメコが毎晩枕元に立ち、自分に文句を言うようになったことだ。
カメオはカメコの声に顔をしかめながら時計を確認する。
予定していた就寝時間はとっくに過ぎていた。
「ああ、五月蠅いなあ。こんなことなら他の死体と同じように、殺したとき口を潰しておくんだった」
それ以降、夜になると殺された恨みからカメコの幽霊が出るようになり、カメオに呪詛を呟くようになったから。
<細かいお話>
配管工のカメオは真面目に仕事をこなす一方で、人間を解体するという趣味を持っていた。
自宅でもある作業場では、夜な夜な攫ってきた人間を分解し、自分の趣味を満喫していた。
ペンチ、鋸、ハンマーなどなど、選定された道具の数々は仕事でも趣味でも欠かすことの出来ない存在で、工具に付着した人間の血や脂は古い厨房の油汚れなんかよりも簡単に落とすことが出来た。
ある日、カメオは隣人であるカメコから注意を受けた。
「夜になるとお宅から物音が聞こえてくるときがあるんだけど、どうにかしてくれない」
カメオは夜に作業場で仕事をしたことがない。
間違いなく、趣味で発生した音だった。
「すみません。すぐに何とかします」
カメオはカメコの言葉にとても動揺した。
なぜなら彼は、自分の趣味が他人の迷惑になっていると思っていなかったからだ。
作業場の壁は所々ひび割れていて、大きな亀裂の入っている箇所もあった。
早急に何とかしなければ。
しかし、作業場にあるセメントの量は少なく、壁全体を補装するには十分に量が足りていなかった。
どうにかして今あるセメントだけで修理しなくては。
「あ、そうだ」
カメオは閃いた。
カメコを殺して処刑されたキリストの様に壁に磔れば、人間一人分のセメントを減らせるのではないか。
早速カメオは実行することにした。
カメコをハンマーで撲殺し、作業場の大きな亀裂を塞ぐようにカメコの死体を磔た。
そして、その周囲をセメントで覆い、カメコの死体がちょうど隠れるくらい壁を平らにならした。
壁のひび割れはすべて消え、亀裂もカメコが隠してくれた。
そのカメコもセメントが覆ってくれている。
「これでよし」
カメオは自分の作業に満足した。
ただ一つだけ、カメオには誤算があった。
それは、殺したカメコが毎晩枕元に立ち、自分に文句を言うようになったことだ。
カメオはカメコの声に顔をしかめながら時計を確認する。
予定していた就寝時間はとっくに過ぎていた。
「ああ、五月蠅いなあ。こんなことなら他の死体と同じように、殺したとき口を潰しておくんだった」
「ストライプ厨カメコ」「8ブックマーク」
カメコの彼氏のカメオは、所謂ドジである。
すぐ道に迷うし、改札で引っ掛かるし、財布は失くすし、寝坊もよくする。
デートにもしょっちゅう遅刻するので、とうとう先日カメコにがっつり怒られてしまった。
そんなわけで反省したカメオ。普通に家を出たら何かしらドジをして間に合わないので、今日のデートはかなり早めに家を出ることにした。
さて、カメコが待ち合わせ場所である駅前に着くと、なんとそこには余裕綽々と待っているカメオの姿が!聞くとかなり早めに家を出たのが功を奏し、待ち合わせ時刻の20分前には到着していたらしい。
感心していたのもつかの間、カメオの{ボーダー柄の服}を見たカメコは、「多少遅刻してくれた方がマシだった」と心底思った。
いったいなぜ?
すぐ道に迷うし、改札で引っ掛かるし、財布は失くすし、寝坊もよくする。
デートにもしょっちゅう遅刻するので、とうとう先日カメコにがっつり怒られてしまった。
そんなわけで反省したカメオ。普通に家を出たら何かしらドジをして間に合わないので、今日のデートはかなり早めに家を出ることにした。
さて、カメコが待ち合わせ場所である駅前に着くと、なんとそこには余裕綽々と待っているカメオの姿が!聞くとかなり早めに家を出たのが功を奏し、待ち合わせ時刻の20分前には到着していたらしい。
感心していたのもつかの間、カメオの{ボーダー柄の服}を見たカメコは、「多少遅刻してくれた方がマシだった」と心底思った。
いったいなぜ?
23年06月29日 22:50
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
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{カメコを待つ間、ペンキ塗り立てのベンチにうっかり座っていたカメオ。そのせいで、ベンチの木板に合わせて服にボーダー状にペンキがついていたから。}
カメコ「今度からは家まで迎えに行くわ」
カメオ「ごめんなさい…」
カメコ「今度からは家まで迎えに行くわ」
カメオ「ごめんなさい…」
「「本」末転倒」「8ブックマーク」
読書好きの女は面白い本を読むためにつまらない本を買ったという。
いったいどういうことだろうか?
いったいどういうことだろうか?
23年08月08日 23:38
【ウミガメのスープ】 [rotary]
【ウミガメのスープ】 [rotary]
解説を見る
小さな子供がいる女は夜に子供がなかなか寝付かないため、自分の趣味の読書の時間をなかなか取れずにいた。
そこで子供がぐっすり眠るようあえて{つまらない絵本}を購入し、{読み聞かせ}をしようと試みたのだ。
そこで子供がぐっすり眠るようあえて{つまらない絵本}を購入し、{読み聞かせ}をしようと試みたのだ。
「限りなく恋に近いグレー」「8ブックマーク」
瑞希のクラスメイトである神田。
容姿端麗で気遣いのできる努力家なナイスガイらしいのだが、はっきり言って瑞希の好みのタイプではない。
そんな神田のことを、瑞希が恋愛的な意味で「{好き}」と言い出したのは一体何故?
容姿端麗で気遣いのできる努力家なナイスガイらしいのだが、はっきり言って瑞希の好みのタイプではない。
そんな神田のことを、瑞希が恋愛的な意味で「{好き}」と言い出したのは一体何故?
23年08月30日 23:28
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
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【簡易解説】
{A.親友に恋心を自覚させるため。}
【ながいやつ】
「神田くんって甘いもの好きらしいよ…可愛くない?」
私は瑞希。
華も恥じらう現役JKというやつだ。
突然だが、そんな私の悩みを聞いて欲しい。
私には美優という友達がいる。
さっきから私の隣でクラスメイトの「カンダクン」について熱心にプレゼンしているこいつだ。
こいつは小学校からの友達で、そのまま地元の中学、高校へと一緒進学した…まあ、腐れ縁というやつだ。
悩みというのは他でもない、最近美優と二人っきりになるたび、「カンダクン」がいかにカッコいいかを私にアピールしてくるのだ。
今日も放課後にいつものように二人でダベっていたらこれである。いや、予想はしていたけど。
件の「カンダクン」…もとい「神田信也」だが、正直いいやつだとは思う。
人当たりがよくクラスに馴染み、素直な性格で人物としては好感が持てる。ただよく言えば柔和、悪く言えばナヨっとしたタイプで、ちょっと男らしさに欠けるなと感じる。
美優評としては、「{容姿端麗で気遣いができ、努力家なナイスガイ}」とのことだ。
別にイケメンではない。断じて。
初めの頃は適当な相槌をしながら流していたのだが、ここ数日の美優ははっきり言って異常だ。自覚があるかは不明だが、口を開けばカンダクンの話しかしていない。やれ「努力家でよく自習室にいる」とか「こないだ財布を交番に届けてた」とか「スイーツ好きなのが可愛い」とか、どこから聞いたかもわからないカンダクンTipsを熱弁してくる。
まあ正直それは良い。大体話の最後には…
「ね!瑞希もかっこいいと思うよね!」
<(知るか)>「ソウダネ…」
なぜこちらに意見を求めるのか。
心のなかで毒づきながら、何回目もわからない空返事をする。
「あのさ…そんなにカンダクンのことが好きなら、さっさと告白とかすればいいじゃん。」
「ヌゥエェッ!?別に好きとかそういうのじゃ…」
ウッソだろお前。
…そう、美優はまだ、{自分の気持ちが恋心であると気付いていない}。
思えば美優は誰とでも仲良くやれるタイプで、異性の友達も多い。明るく社交的で、だからこそ、自分の気持ちもまだ「そういうもの」だと思ってる。
(他人の気持ちには敏感な癖に…)
それにしても困った。私から言葉で促してもこいつは素直に認めないだろうし、第一その程度のアプローチならもう何度もしている。今でこそ私の前でしか「カンダクン」の話はしていないが、悪化すると他の友達にも同じようなムーブをし始めるかもしれない。こんなに分かりやすいのだ。美優の好意など美優以外にはあっさり見透かされるだろう。うっかり口の軽いやつにでも広まったらと考えると…いやダメだ。何とかしないと。
親友として、私にできること───手っ取り早く恋心を自覚させる手段は無いだろうか。
「{実はさ}」
思い浮かぶと同時に言葉にしていた。
「{私、神田くんのこと好きなんだよね。}」
「え、あ…。うん。…え?」
暫し、耐え難い沈黙が流れた。しまった。少し、意地悪だっただろうか。いやまあいかにも棒読みっぽかったし大丈夫か?第一、これぐらい荒療治の方が効くだろう。うん。
無理やり自分を納得させた隣で、未だ戸惑いの表情を浮かべ続ける美優。詰まりかけた返事の向こう側で、その瞳はいつまでも此方を見ようとしない。
「…冗談だよ。ごめんって。」
そう言われてやっと私を見た表情には、安堵と困惑が混じった表情が見えた。
「嫌なら名前でも書いときなよ。私以外にもそう言い出す子が居るかもだし。」
「…そうだね。」
多少の効き目はあっただろうか。いや、今ので確信を持って行動に移せるほど鋭い子なら、ここまでめんどくさい感じにはならなかっただろう。乙女心とはめんどくさいものだ。
再三になるが、神田くんは良いやつだ。自分以外の誰かを大事にし、尊べる人だと思う。それに多分、彼も美優のことを…………いや、野暮だな。
私にできることは見守ることだけなのだから。
───いつか、その想いがちゃんと芽吹くことを願って。
{A.親友に恋心を自覚させるため。}
【ながいやつ】
「神田くんって甘いもの好きらしいよ…可愛くない?」
私は瑞希。
華も恥じらう現役JKというやつだ。
突然だが、そんな私の悩みを聞いて欲しい。
私には美優という友達がいる。
さっきから私の隣でクラスメイトの「カンダクン」について熱心にプレゼンしているこいつだ。
こいつは小学校からの友達で、そのまま地元の中学、高校へと一緒進学した…まあ、腐れ縁というやつだ。
悩みというのは他でもない、最近美優と二人っきりになるたび、「カンダクン」がいかにカッコいいかを私にアピールしてくるのだ。
今日も放課後にいつものように二人でダベっていたらこれである。いや、予想はしていたけど。
件の「カンダクン」…もとい「神田信也」だが、正直いいやつだとは思う。
人当たりがよくクラスに馴染み、素直な性格で人物としては好感が持てる。ただよく言えば柔和、悪く言えばナヨっとしたタイプで、ちょっと男らしさに欠けるなと感じる。
美優評としては、「{容姿端麗で気遣いができ、努力家なナイスガイ}」とのことだ。
別にイケメンではない。断じて。
初めの頃は適当な相槌をしながら流していたのだが、ここ数日の美優ははっきり言って異常だ。自覚があるかは不明だが、口を開けばカンダクンの話しかしていない。やれ「努力家でよく自習室にいる」とか「こないだ財布を交番に届けてた」とか「スイーツ好きなのが可愛い」とか、どこから聞いたかもわからないカンダクンTipsを熱弁してくる。
まあ正直それは良い。大体話の最後には…
「ね!瑞希もかっこいいと思うよね!」
<(知るか)>「ソウダネ…」
なぜこちらに意見を求めるのか。
心のなかで毒づきながら、何回目もわからない空返事をする。
「あのさ…そんなにカンダクンのことが好きなら、さっさと告白とかすればいいじゃん。」
「ヌゥエェッ!?別に好きとかそういうのじゃ…」
ウッソだろお前。
…そう、美優はまだ、{自分の気持ちが恋心であると気付いていない}。
思えば美優は誰とでも仲良くやれるタイプで、異性の友達も多い。明るく社交的で、だからこそ、自分の気持ちもまだ「そういうもの」だと思ってる。
(他人の気持ちには敏感な癖に…)
それにしても困った。私から言葉で促してもこいつは素直に認めないだろうし、第一その程度のアプローチならもう何度もしている。今でこそ私の前でしか「カンダクン」の話はしていないが、悪化すると他の友達にも同じようなムーブをし始めるかもしれない。こんなに分かりやすいのだ。美優の好意など美優以外にはあっさり見透かされるだろう。うっかり口の軽いやつにでも広まったらと考えると…いやダメだ。何とかしないと。
親友として、私にできること───手っ取り早く恋心を自覚させる手段は無いだろうか。
「{実はさ}」
思い浮かぶと同時に言葉にしていた。
「{私、神田くんのこと好きなんだよね。}」
「え、あ…。うん。…え?」
暫し、耐え難い沈黙が流れた。しまった。少し、意地悪だっただろうか。いやまあいかにも棒読みっぽかったし大丈夫か?第一、これぐらい荒療治の方が効くだろう。うん。
無理やり自分を納得させた隣で、未だ戸惑いの表情を浮かべ続ける美優。詰まりかけた返事の向こう側で、その瞳はいつまでも此方を見ようとしない。
「…冗談だよ。ごめんって。」
そう言われてやっと私を見た表情には、安堵と困惑が混じった表情が見えた。
「嫌なら名前でも書いときなよ。私以外にもそう言い出す子が居るかもだし。」
「…そうだね。」
多少の効き目はあっただろうか。いや、今ので確信を持って行動に移せるほど鋭い子なら、ここまでめんどくさい感じにはならなかっただろう。乙女心とはめんどくさいものだ。
再三になるが、神田くんは良いやつだ。自分以外の誰かを大事にし、尊べる人だと思う。それに多分、彼も美優のことを…………いや、野暮だな。
私にできることは見守ることだけなのだから。
───いつか、その想いがちゃんと芽吹くことを願って。