「ストライプ厨カメコ」「8ブックマーク」
カメコの彼氏のカメオは、所謂ドジである。
すぐ道に迷うし、改札で引っ掛かるし、財布は失くすし、寝坊もよくする。
デートにもしょっちゅう遅刻するので、とうとう先日カメコにがっつり怒られてしまった。
そんなわけで反省したカメオ。普通に家を出たら何かしらドジをして間に合わないので、今日のデートはかなり早めに家を出ることにした。
さて、カメコが待ち合わせ場所である駅前に着くと、なんとそこには余裕綽々と待っているカメオの姿が!聞くとかなり早めに家を出たのが功を奏し、待ち合わせ時刻の20分前には到着していたらしい。
感心していたのもつかの間、カメオの{ボーダー柄の服}を見たカメコは、「多少遅刻してくれた方がマシだった」と心底思った。
いったいなぜ?
すぐ道に迷うし、改札で引っ掛かるし、財布は失くすし、寝坊もよくする。
デートにもしょっちゅう遅刻するので、とうとう先日カメコにがっつり怒られてしまった。
そんなわけで反省したカメオ。普通に家を出たら何かしらドジをして間に合わないので、今日のデートはかなり早めに家を出ることにした。
さて、カメコが待ち合わせ場所である駅前に着くと、なんとそこには余裕綽々と待っているカメオの姿が!聞くとかなり早めに家を出たのが功を奏し、待ち合わせ時刻の20分前には到着していたらしい。
感心していたのもつかの間、カメオの{ボーダー柄の服}を見たカメコは、「多少遅刻してくれた方がマシだった」と心底思った。
いったいなぜ?
23年06月29日 22:50
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
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{カメコを待つ間、ペンキ塗り立てのベンチにうっかり座っていたカメオ。そのせいで、ベンチの木板に合わせて服にボーダー状にペンキがついていたから。}
カメコ「今度からは家まで迎えに行くわ」
カメオ「ごめんなさい…」
カメコ「今度からは家まで迎えに行くわ」
カメオ「ごめんなさい…」
「「本」末転倒」「8ブックマーク」
読書好きの女は面白い本を読むためにつまらない本を買ったという。
いったいどういうことだろうか?
いったいどういうことだろうか?
23年08月08日 23:38
【ウミガメのスープ】 [rotary]
【ウミガメのスープ】 [rotary]
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小さな子供がいる女は夜に子供がなかなか寝付かないため、自分の趣味の読書の時間をなかなか取れずにいた。
そこで子供がぐっすり眠るようあえて{つまらない絵本}を購入し、{読み聞かせ}をしようと試みたのだ。
そこで子供がぐっすり眠るようあえて{つまらない絵本}を購入し、{読み聞かせ}をしようと試みたのだ。
「限りなく恋に近いグレー」「8ブックマーク」
瑞希のクラスメイトである神田。
容姿端麗で気遣いのできる努力家なナイスガイらしいのだが、はっきり言って瑞希の好みのタイプではない。
そんな神田のことを、瑞希が恋愛的な意味で「{好き}」と言い出したのは一体何故?
容姿端麗で気遣いのできる努力家なナイスガイらしいのだが、はっきり言って瑞希の好みのタイプではない。
そんな神田のことを、瑞希が恋愛的な意味で「{好き}」と言い出したのは一体何故?
23年08月30日 23:28
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
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【簡易解説】
{A.親友に恋心を自覚させるため。}
【ながいやつ】
「神田くんって甘いもの好きらしいよ…可愛くない?」
私は瑞希。
華も恥じらう現役JKというやつだ。
突然だが、そんな私の悩みを聞いて欲しい。
私には美優という友達がいる。
さっきから私の隣でクラスメイトの「カンダクン」について熱心にプレゼンしているこいつだ。
こいつは小学校からの友達で、そのまま地元の中学、高校へと一緒進学した…まあ、腐れ縁というやつだ。
悩みというのは他でもない、最近美優と二人っきりになるたび、「カンダクン」がいかにカッコいいかを私にアピールしてくるのだ。
今日も放課後にいつものように二人でダベっていたらこれである。いや、予想はしていたけど。
件の「カンダクン」…もとい「神田信也」だが、正直いいやつだとは思う。
人当たりがよくクラスに馴染み、素直な性格で人物としては好感が持てる。ただよく言えば柔和、悪く言えばナヨっとしたタイプで、ちょっと男らしさに欠けるなと感じる。
美優評としては、「{容姿端麗で気遣いができ、努力家なナイスガイ}」とのことだ。
別にイケメンではない。断じて。
初めの頃は適当な相槌をしながら流していたのだが、ここ数日の美優ははっきり言って異常だ。自覚があるかは不明だが、口を開けばカンダクンの話しかしていない。やれ「努力家でよく自習室にいる」とか「こないだ財布を交番に届けてた」とか「スイーツ好きなのが可愛い」とか、どこから聞いたかもわからないカンダクンTipsを熱弁してくる。
まあ正直それは良い。大体話の最後には…
「ね!瑞希もかっこいいと思うよね!」
<(知るか)>「ソウダネ…」
なぜこちらに意見を求めるのか。
心のなかで毒づきながら、何回目もわからない空返事をする。
「あのさ…そんなにカンダクンのことが好きなら、さっさと告白とかすればいいじゃん。」
「ヌゥエェッ!?別に好きとかそういうのじゃ…」
ウッソだろお前。
…そう、美優はまだ、{自分の気持ちが恋心であると気付いていない}。
思えば美優は誰とでも仲良くやれるタイプで、異性の友達も多い。明るく社交的で、だからこそ、自分の気持ちもまだ「そういうもの」だと思ってる。
(他人の気持ちには敏感な癖に…)
それにしても困った。私から言葉で促してもこいつは素直に認めないだろうし、第一その程度のアプローチならもう何度もしている。今でこそ私の前でしか「カンダクン」の話はしていないが、悪化すると他の友達にも同じようなムーブをし始めるかもしれない。こんなに分かりやすいのだ。美優の好意など美優以外にはあっさり見透かされるだろう。うっかり口の軽いやつにでも広まったらと考えると…いやダメだ。何とかしないと。
親友として、私にできること───手っ取り早く恋心を自覚させる手段は無いだろうか。
「{実はさ}」
思い浮かぶと同時に言葉にしていた。
「{私、神田くんのこと好きなんだよね。}」
「え、あ…。うん。…え?」
暫し、耐え難い沈黙が流れた。しまった。少し、意地悪だっただろうか。いやまあいかにも棒読みっぽかったし大丈夫か?第一、これぐらい荒療治の方が効くだろう。うん。
無理やり自分を納得させた隣で、未だ戸惑いの表情を浮かべ続ける美優。詰まりかけた返事の向こう側で、その瞳はいつまでも此方を見ようとしない。
「…冗談だよ。ごめんって。」
そう言われてやっと私を見た表情には、安堵と困惑が混じった表情が見えた。
「嫌なら名前でも書いときなよ。私以外にもそう言い出す子が居るかもだし。」
「…そうだね。」
多少の効き目はあっただろうか。いや、今ので確信を持って行動に移せるほど鋭い子なら、ここまでめんどくさい感じにはならなかっただろう。乙女心とはめんどくさいものだ。
再三になるが、神田くんは良いやつだ。自分以外の誰かを大事にし、尊べる人だと思う。それに多分、彼も美優のことを…………いや、野暮だな。
私にできることは見守ることだけなのだから。
───いつか、その想いがちゃんと芽吹くことを願って。
{A.親友に恋心を自覚させるため。}
【ながいやつ】
「神田くんって甘いもの好きらしいよ…可愛くない?」
私は瑞希。
華も恥じらう現役JKというやつだ。
突然だが、そんな私の悩みを聞いて欲しい。
私には美優という友達がいる。
さっきから私の隣でクラスメイトの「カンダクン」について熱心にプレゼンしているこいつだ。
こいつは小学校からの友達で、そのまま地元の中学、高校へと一緒進学した…まあ、腐れ縁というやつだ。
悩みというのは他でもない、最近美優と二人っきりになるたび、「カンダクン」がいかにカッコいいかを私にアピールしてくるのだ。
今日も放課後にいつものように二人でダベっていたらこれである。いや、予想はしていたけど。
件の「カンダクン」…もとい「神田信也」だが、正直いいやつだとは思う。
人当たりがよくクラスに馴染み、素直な性格で人物としては好感が持てる。ただよく言えば柔和、悪く言えばナヨっとしたタイプで、ちょっと男らしさに欠けるなと感じる。
美優評としては、「{容姿端麗で気遣いができ、努力家なナイスガイ}」とのことだ。
別にイケメンではない。断じて。
初めの頃は適当な相槌をしながら流していたのだが、ここ数日の美優ははっきり言って異常だ。自覚があるかは不明だが、口を開けばカンダクンの話しかしていない。やれ「努力家でよく自習室にいる」とか「こないだ財布を交番に届けてた」とか「スイーツ好きなのが可愛い」とか、どこから聞いたかもわからないカンダクンTipsを熱弁してくる。
まあ正直それは良い。大体話の最後には…
「ね!瑞希もかっこいいと思うよね!」
<(知るか)>「ソウダネ…」
なぜこちらに意見を求めるのか。
心のなかで毒づきながら、何回目もわからない空返事をする。
「あのさ…そんなにカンダクンのことが好きなら、さっさと告白とかすればいいじゃん。」
「ヌゥエェッ!?別に好きとかそういうのじゃ…」
ウッソだろお前。
…そう、美優はまだ、{自分の気持ちが恋心であると気付いていない}。
思えば美優は誰とでも仲良くやれるタイプで、異性の友達も多い。明るく社交的で、だからこそ、自分の気持ちもまだ「そういうもの」だと思ってる。
(他人の気持ちには敏感な癖に…)
それにしても困った。私から言葉で促してもこいつは素直に認めないだろうし、第一その程度のアプローチならもう何度もしている。今でこそ私の前でしか「カンダクン」の話はしていないが、悪化すると他の友達にも同じようなムーブをし始めるかもしれない。こんなに分かりやすいのだ。美優の好意など美優以外にはあっさり見透かされるだろう。うっかり口の軽いやつにでも広まったらと考えると…いやダメだ。何とかしないと。
親友として、私にできること───手っ取り早く恋心を自覚させる手段は無いだろうか。
「{実はさ}」
思い浮かぶと同時に言葉にしていた。
「{私、神田くんのこと好きなんだよね。}」
「え、あ…。うん。…え?」
暫し、耐え難い沈黙が流れた。しまった。少し、意地悪だっただろうか。いやまあいかにも棒読みっぽかったし大丈夫か?第一、これぐらい荒療治の方が効くだろう。うん。
無理やり自分を納得させた隣で、未だ戸惑いの表情を浮かべ続ける美優。詰まりかけた返事の向こう側で、その瞳はいつまでも此方を見ようとしない。
「…冗談だよ。ごめんって。」
そう言われてやっと私を見た表情には、安堵と困惑が混じった表情が見えた。
「嫌なら名前でも書いときなよ。私以外にもそう言い出す子が居るかもだし。」
「…そうだね。」
多少の効き目はあっただろうか。いや、今ので確信を持って行動に移せるほど鋭い子なら、ここまでめんどくさい感じにはならなかっただろう。乙女心とはめんどくさいものだ。
再三になるが、神田くんは良いやつだ。自分以外の誰かを大事にし、尊べる人だと思う。それに多分、彼も美優のことを…………いや、野暮だな。
私にできることは見守ることだけなのだから。
───いつか、その想いがちゃんと芽吹くことを願って。
「魔法の扉」「8ブックマーク」
【扉の中には誰もいない。】
しかし扉の【鍵は開いたり閉まったり】している。
一体なぜ?
しかし扉の【鍵は開いたり閉まったり】している。
一体なぜ?
23年09月10日 13:34
【ウミガメのスープ】 [chemis]
【ウミガメのスープ】 [chemis]
初出題です。よろしくお願いします。
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場所は広めの駐車場。
運転手は自分がどこに車を停めたのか分からなくなった。
そこでリモコンキーで鍵の開閉を繰り返し、音やランプで気付きやすいようにしたのだった。
実体験です。
ポイントは「なぜ」がなんとなく開閉の方法を聞いているような聞き方をしていますが、方法自体は面白みのないもので、むしろ開閉の動機が重要でそこに焦点を絞れるかという問題にしました。
運転手は自分がどこに車を停めたのか分からなくなった。
そこでリモコンキーで鍵の開閉を繰り返し、音やランプで気付きやすいようにしたのだった。
実体験です。
ポイントは「なぜ」がなんとなく開閉の方法を聞いているような聞き方をしていますが、方法自体は面白みのないもので、むしろ開閉の動機が重要でそこに焦点を絞れるかという問題にしました。
「涙の続きを夢に見て」「8ブックマーク」
カメコを傷心旅行に誘ったウミオだったが、
二人を乗せた飛行機は、奇しくも無人の孤島に墜落してしまった。
遭難から数日が経ったある日のこと。
島の外の様子を見に行ったウミオは、砂浜で産卵する一頭のウミガメを見つけた。
……そういえば、二人が生き延びる分の食料がそろそろ尽きてしまいそうだ。
すっかりホームシックになっている彼女のために、
彼女の故郷でよく食べられていた『ウミガメのスープ』を作ってあげよう。
そう思ったウミオだったが、すぐにこう考えなおした。
……いや、もし自分がウミガメのスープを彼女に振る舞ったら、
{せっかくここまで生き延びたのに全て無駄となってしまうかもしれない。}
これまでのことが水泡に帰すと考えたウミオは、
結局捕まえかけたウミガメを海に放してしまった。
さて、ウミオがウミガメのスープを作らなかったのは、一体なぜだろう?
二人を乗せた飛行機は、奇しくも無人の孤島に墜落してしまった。
遭難から数日が経ったある日のこと。
島の外の様子を見に行ったウミオは、砂浜で産卵する一頭のウミガメを見つけた。
……そういえば、二人が生き延びる分の食料がそろそろ尽きてしまいそうだ。
すっかりホームシックになっている彼女のために、
彼女の故郷でよく食べられていた『ウミガメのスープ』を作ってあげよう。
そう思ったウミオだったが、すぐにこう考えなおした。
……いや、もし自分がウミガメのスープを彼女に振る舞ったら、
{せっかくここまで生き延びたのに全て無駄となってしまうかもしれない。}
これまでのことが水泡に帰すと考えたウミオは、
結局捕まえかけたウミガメを海に放してしまった。
さて、ウミオがウミガメのスープを作らなかったのは、一体なぜだろう?
23年10月08日 20:59
【ウミガメのスープ】 [とろたく(記憶喪失)]
【ウミガメのスープ】 [とろたく(記憶喪失)]
はじめてSPしてもらいました。 この場を借りて大感謝:るょさん
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《簡易解説》
{失恋した人魚姫}のカメコがウミガメのスープを食べれば、近くに海があることに気づいてしまい
海に身を投げて泡になってしまうかもしれないと思ったから。
《詳しい解説》(最終稿)
ウミオはカメコが人魚姫であることを知っていた。
ある日、ウミオはカメコが王子に対して失恋したのを知ってしまった。
そして、恋が叶わなければ海の泡になってしまうことも。
ウミオはカメコを慰めた。
カメコは声を発せないながらも、涙を流しながら海を見つめていた。
……きっと、故郷に帰りたくて仕方がないのだろう。
そんなカメコを不憫に思い、ウミオは彼女を傷心旅行に誘った。
――しかし、二人を乗せた飛行機は、悪天候の憂き目に遭い奇しくも墜落してしまう。
奇跡的に生き延びたカメコとウミオだったが、
電波も届かないまま救助を待ち続ける生活を余儀なくされてしまった。
歩くと足に激痛が走るカメコの代わりに、周囲の探索に出かけたウミオ。
すると墜落地点からほど近い場所に青い海と砂浜を見つけた。
どうやら、自分たちは海の孤島の真ん中に墜落したらしい。
……墜落したのが陸地でよかった。
もし海に落ちていたら、道半ばでカメコが泡になってしまっているところだった。
だが、近くに海があることを教えれば、
彼女のホームシックを助長してしまうかもしれない。
ただでさえ傷心の彼女を、更に落ち込ませたくない。
ウミオは、カメコに{近くに海があること}を隠しておくことにした。
そしてある日、ウミオは休んでいるカメコを起こさないように、
岩陰に囲まれた入り江へと足を運んだ。
相変わらず、船やヘリコプターのような救助の影は見られない。
代わりに、砂浜で産卵する一頭のウミガメを見つけた。
……そういえば、二人が生き延びる分の食料がそろそろ尽きてしまいそうだ。
ウミガメの肉は、彼女の故郷……海の王国では馴染み深い食べ物らしい。
せめて今ここでウミガメを捕まえて、
海に帰ることができない彼女のホームシックを少しでも和らげてあげたい。
そこまで考えて、ウミオはふと思いとどまった。
……いや、もし自分がウミガメのスープを彼女に振る舞ったら、
ウミガメの入手ルートを疑問に思って、自分の嘘に気づいてしまうかもしれない。
ただでさえ食料が困窮するほどには日数が経ってしまっている。
救助の目処もたたない状態で、近くに海があることを知ってしまったら彼女は……
{……故郷に帰るために、足を引きずってでも海に身を投げようとするのではないだろうか?}
それを自分が目を離した隙にやられてしまったら、
せっかくここまで彼女が生き延びたのも全て水の泡……
……もとい、{彼女自身が海の泡になってしまうじゃないか。}
そう思ったウミオは、捕まえたウミガメを海に放してしまった。
……さて、では二人は結局何を食べたのだろうか?
「……すみません。食料になりそうなものは見つかりませんでした。
今日は、{亡くなった他の乗客の肉}を食べてしのぐしかなさそうです」
{失恋した人魚姫}のカメコがウミガメのスープを食べれば、近くに海があることに気づいてしまい
海に身を投げて泡になってしまうかもしれないと思ったから。
《詳しい解説》(最終稿)
ウミオはカメコが人魚姫であることを知っていた。
ある日、ウミオはカメコが王子に対して失恋したのを知ってしまった。
そして、恋が叶わなければ海の泡になってしまうことも。
ウミオはカメコを慰めた。
カメコは声を発せないながらも、涙を流しながら海を見つめていた。
……きっと、故郷に帰りたくて仕方がないのだろう。
そんなカメコを不憫に思い、ウミオは彼女を傷心旅行に誘った。
――しかし、二人を乗せた飛行機は、悪天候の憂き目に遭い奇しくも墜落してしまう。
奇跡的に生き延びたカメコとウミオだったが、
電波も届かないまま救助を待ち続ける生活を余儀なくされてしまった。
歩くと足に激痛が走るカメコの代わりに、周囲の探索に出かけたウミオ。
すると墜落地点からほど近い場所に青い海と砂浜を見つけた。
どうやら、自分たちは海の孤島の真ん中に墜落したらしい。
……墜落したのが陸地でよかった。
もし海に落ちていたら、道半ばでカメコが泡になってしまっているところだった。
だが、近くに海があることを教えれば、
彼女のホームシックを助長してしまうかもしれない。
ただでさえ傷心の彼女を、更に落ち込ませたくない。
ウミオは、カメコに{近くに海があること}を隠しておくことにした。
そしてある日、ウミオは休んでいるカメコを起こさないように、
岩陰に囲まれた入り江へと足を運んだ。
相変わらず、船やヘリコプターのような救助の影は見られない。
代わりに、砂浜で産卵する一頭のウミガメを見つけた。
……そういえば、二人が生き延びる分の食料がそろそろ尽きてしまいそうだ。
ウミガメの肉は、彼女の故郷……海の王国では馴染み深い食べ物らしい。
せめて今ここでウミガメを捕まえて、
海に帰ることができない彼女のホームシックを少しでも和らげてあげたい。
そこまで考えて、ウミオはふと思いとどまった。
……いや、もし自分がウミガメのスープを彼女に振る舞ったら、
ウミガメの入手ルートを疑問に思って、自分の嘘に気づいてしまうかもしれない。
ただでさえ食料が困窮するほどには日数が経ってしまっている。
救助の目処もたたない状態で、近くに海があることを知ってしまったら彼女は……
{……故郷に帰るために、足を引きずってでも海に身を投げようとするのではないだろうか?}
それを自分が目を離した隙にやられてしまったら、
せっかくここまで彼女が生き延びたのも全て水の泡……
……もとい、{彼女自身が海の泡になってしまうじゃないか。}
そう思ったウミオは、捕まえたウミガメを海に放してしまった。
……さて、では二人は結局何を食べたのだろうか?
「……すみません。食料になりそうなものは見つかりませんでした。
今日は、{亡くなった他の乗客の肉}を食べてしのぐしかなさそうです」