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ナナミのことを「ママ」と呼んでいた息子•ヨウタに、初めて「おかあさん」と呼ばれたとき。
ナナミがヨウタに、ママと呼んで欲しい気持ちを我慢して「ママでもお母さんでもない別の呼び方」で自分のことを呼ぶよう言ったのは何故か?
23年11月03日 23:12
【ウミガメのスープ】
[オリオン]
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息子は言葉の覚えが比較的早い子だった。
『マ〜マ!』
ぷくぷくとした唇が私に向かって何度もぱくぱくと動いて、初めての言葉はやっぱりママだったねなんて夫と笑いあったのが、息子が1歳になる少し前のこと。
私の両親が良くない筋からの借金を残したまま事故で死んで、どうやらその返済名義が一人娘の私になっているらしいと発覚したのが、息子が1歳になった少し後。
恫喝まがいの取り立てから家族を守りたくて、夫に息子を託す形で離婚したのが同じ頃。
昼も夜も働き通しだった毎日。
やっと完済の目処が立って、学生の頃からの夢だった小学校の先生へと転職したのが去年。
◆ ◆ ◆
そして今年。
何の運命のいたずらなのかーーーーなんと息子が、私の学校に入学してきた。
驚いた。間違っても息子達に取り立ての矛先が向かないようにと、別れてから一切連絡を取らないようにしていたから。
…………どうしよう。声をかけてもいいものなのかしら。でも、なんて声をかけたらいいの。
『ママのこと覚えてる?』『もし叶うなら、もう一度ママと呼んで欲しい』って。そんな風に思ってしまうのは……やっぱりわがままかしら。
悶々と悩み続けて数週間。
「おかあさん」
不意に、息子にそう呼ばれた。
……心臓が止まるかと思った。愛しさで目が潤みそうになったけど……息子がすぐにハッとした顔になって、それから恥ずかしそうにおろおろとし始めたのを見て、気がつく。
そういえば、この子は私を『ママ』と呼んでいたのに、さっきの『おかあさん』は随分と慣れた言い方だった。
そっか…………。
{あなたにはきっと、もう私とは別の『おかあさん』がいるのね。それなら、『ママ』って呼んで欲しいなんて私のわがままで、あなたを困らせるわけにはいかないわ。}
「こら、洋太くん。私はあなたのママでもお母さんでもありませんよ? ちゃんと七海先生って呼んでくださいね?」
「はぁい! ごめんなさぁいななみせんせい!」
寂しいけど、あなたが今幸せなら、
『ママ』とっても嬉しいわ!
◾️簡易解説◾️
息子が物心つく前に離婚した、小学校教師をしてい七海。
数年ぶりに再会した息子が、『せんせい』を呼ぶつもりで間違えて『おかあさん』と呼んできた。それはむまり、息子は咄嗟に呼び間違いをするくらい、普段から『おかあさん』という言葉を口にし慣れており、今は七海とは別の『おかあさん』と暮らしているということだと思ったので、七海は自分が『ママ』だと明かすことをやめて、あくまでも教師として息子と接することにした。
名前も知らない男の死体に必死の形相で銃を突きつけるエミリー。
男が死んでいることは十分理解しているのだが、では彼女は何を恐れているのだろうか?
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A. 立てこもり犯エミリーを取り囲む警察隊に、もう人質はいないのだとバレること。
とある店に強盗に入ったエミリー。
店員に銃を突きつけて金を出すよう脅す彼女だったが、逃げ出した客に通報されてしまう。
たちまち建物を包囲する警察を見て、店員を人質にして逃走経路を用意させるしかないと考えたエミリー。
しかし、店員から思わぬ抵抗を受け、揉み合う中で誤って射殺してしまう。
人質が死んでしまったことが警察隊に知られれば、すぐに突入・逮捕されてしまうだろう。
もし窓から覗かれても引き続き人質を脅す様子に見えるよう、店員の死体に銃を突きつけながら、エミリーは震える声で要求を叫んだ。
「初めて会った日のことを思い出すなぁ…」
最愛の夫・壮太との思い出のアルバムを眺めながら、ひとり呟く瑞希。
薄暗い部屋の中で自らの死を悟った瑞希は、震える手で遺書を残すことに決めた。
さて、{この遺書の右上にある単語}は何か?
{シチュエーションを踏まえて}答えて欲しい。
23年11月30日 22:30
【ウミガメのスープ】
[だだだだ3号機]
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【解説】
今振り返ってみても、特に準備不足だったとは思わない。
危険性は充分承知していたし、学生のときに嫌というほど使ったルートでもあった。
・・・・・・・・・・・
…それでも、「山の天気は変わりやすい」ということを身を持って体感するのは初めてだった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
───夫・壮太の突然の出張。
家事の全般を請け負っている瑞希にとって、これは予期せぬ余暇の到来に他ならない。
大学生のときの趣味であった登山に思い至ったのも、単にこの余暇を充実させたいと思ったが故の思考だった。
しかし常々、人の都合を大自然は関知しない。
瑞希が山を登りはじめてから十数時間。
突如降り始めた大雪は、あっという間に視界と道標を奪い去っていた。
命からがら無人の山小屋にたどり着いた瑞希は、震えながら救助を待つことにした。
「寒い…」
建物の中とはいえ、所詮は簡素な造りの小屋である。直接の冷風は凌げても、纏わりつくような冷気はどうしようもなかった。
日帰りで下山するつもりだったため、荷物の中には少量の水と栄養食しかない。
加えてこの気温。防寒具は所持しているが、夜を明かす想定はしていなかった。
夜明けまで持つかどうかも、怪しい。
一縷の望みは携帯で救助を呼ぶことだが、孤立した山の自然に悪天候、何度試しても電波は通じなかった。
既に日は落ちかけ、辺りは闇に包まれつつある。
刻一刻と激しさを増し、本格的に吹雪いてきた外の様子を認めた瑞希は、いよいよ生きる希望を失いつつあった。
───徐に、携帯の写真のアルバムを開く。
そこに写る最愛の夫との楽しい思い出を、ゆっくりと懐古する瑞希。
「初めて会った日のことを思い出すなぁ…」
…そうだった、壮太と出会ったのも雪の降る寒い日だったな。まだ付き合ってもいなかったけど、薄着の私を心配して上着を貸してくれたっけ。
あの時は恥ずかしくって、ちゃんとお礼も言えなかったんだよなぁ…。
都合のいい脳ミソだと思う。今際になって堰を切ったよつに心残りが溢れてくるのだから。
「メモ帳…メールの下書きの方がいいのかな。」
携帯のメール機能を開いた瑞希は、新規のメールリストに、下書きで遺書をしたため始めた。
寒さで手が震えて、上手く打ち込めない。
───ご飯はちゃんと食べてね。油ものばかりじゃダメだよ。寝るときはちゃんと暖かくすること。靴下はちゃんと表にしてから洗濯に出してね。読んだ本は床に積みっぱなしにしない。あと…
(あはは…遺書に小言書いてるよ私…)
(先立つ不幸を…みたいなの書いた方が良いかな…いや、堅いよな…)
(あ、クリスマスケーキ予約してた…一人だと多いよね…ごめんね…)
(そういえば壮太のスーツ…クリーニングに出してたな…)
(あー…今度一緒に観に行くはずだった映画のラスト…教えに来てくれるとうれしいかも………)
(一緒にいてくれて、ありがとう…本当に………)
(あと、あと……そうだ……あのときの………上着の……お礼…………)
(………………ちょっと、眠いなぁ………)
(………………………………)
【A、{圏外}】
ブラック企業に勤めるカメオ。
生きる気力はほとんど失い、「どうすれば職場に嫌がらせができるか」ということばかり考えていた。
そんなある日。
『ナントカビル 100m先右折』
職場のビルの看板が近づいてくる。
その時、「もう少しだけ生きたい」とカメオが思うことができたのはなぜ?
24年01月26日 20:30
【ウミガメのスープ】
[ルーシー]
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看板が落ちてきたのがスローモーションに感じられたので、カメオは「ここで死ぬより、職場で自殺して事故物件にするために、もう少しだけ生きたい」と思う時間があった。
2022年4月
春に似つかわしくない雨が桜を濡らしている。
男は傘もささずにその女を見つめていた。
恐ろしいほどに美しい女。
突如現れたそれは男と同様傘を持たずしとどに濡れながら立っている。
女は唖(おし)であった。
言葉は交わせずとも男は女と恋に落ちた。
しかし蜜月は長くは続かない。
女は故郷に帰らなければならぬと言う。
男は女の意思を尊重し別れを決意した。
そして女を見送った後。
男は毎日海水を一杯飲むようになった。
一体なぜ?
※唖・・・音声による話ができない人
SP:????
24年02月11日 23:02
【ウミガメのスープ】
[ダニー]
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簡易解説
昔人魚を殺してそれを食し、不老不死になった男。
そして女は男が殺した人魚の娘だった。
女は南蛮渡来の薬を飲み、声を失う代わりに人間の足を得た。
そして母親の復讐のために男に近づき、油断させたところで気絶させ、男を海の中へと閉じ込めた。
男は海の中で溺れ、あまりの苦しみに気絶するが、決して死ぬことはない。
目が覚めたら溺れ、苦しみ、気絶して、の繰り返し。
これが女の考えた復讐の方法。
男はその復讐により毎日大量の海水を飲む羽目になったのだった。
以下長い解説、を読む前に
https://late-late.jp/mondai/show/16511
↑これを先に見ることを推奨します。
ん?なんだいお前、腹が減ってるのか?
俺のシシャモを分けてやるよ…って何ビビってんだ?
心配すんな。ちょっと尻尾が2本生えてるだけでお前と変わらないよ。
取って食ったりなんかしないから安心しな。
馳走の礼?いらないからちょっと俺の話を聞いてくれないか?
久しぶりに、本当に久しぶりに俺のご主人を見つけたのさ。
懐かしさのあまりに声を掛けようと思ったんだが、彼は別のものにご執心になってたんだな。
それが、人魚だよ。また人魚だ。
またって何が、だって?彼は以前人魚の肉を食らって不老不死になっちまった奴なんだ。
ただ彼は自分が今ご執心になってるそれが人魚だって気づいてなかったんだ。
なんでかって?その人魚には足があったのさ。
つまりは見た目は人間そのもの。俺は匂いでそれが人魚だってわかった訳だけど、彼は鼻の効かない人間だからな。情け無いこった。
それの美貌に骨抜きにされてたのさ。
俺はピーンときた。この人魚は彼が食った人魚の娘、だなって。
そしてある目的で彼に近づいてきたんだな。
なんの目的かって?そこは察しろよ。
{復讐だよ、復讐。}
自分の母親が無惨に殺された上に食われたんだ。その復讐さ。
彼に教えてやろうかと思ったんだが、ちょっと興味がわいてね。
一体人魚はどうやって不老不死の彼に復讐をするのか、ってね。
だから俺は彼らを観察することにしたのさ。
ある日、人魚は故郷に帰らねばと突然彼に別れを告げたんだ。
彼はその提案を受け入れて人魚を見送りに行ったんだが、海岸に近づいたところで人魚に襲われた。
すたんがんってやつさ。そいつで気絶させられた彼は人魚によって海の中へ連れてかれたのさ。
流石の俺も海の中までは追いかけることができないからここからは推測だ。
おそらく人魚は彼を海の中に閉じ込めたんだな。
人間ってやつは俺たちと一緒で海の中では呼吸ができない。
つまり海の中でずっといるとすげえ苦しくなるって訳だ。
普通の人間なら苦しくてすぐ死んじまうんだが、彼は普通じゃない。
死なない、いや、{死ねないのさ。}
すげえ苦しいってのが未来永劫続くんだな。
それが人魚の考えた復讐方法だったんだ。
そして人魚は憎いかたきの苦しむ顔をいつでも見に行けるって訳だ。
なんとも恐ろしい話だろ?
って、おいおい。何もそんなに怯えなくてもいいじゃないか。
え?なに?{後ろ?}