「新ラテシン 呪いのゲーム」「10ブックマーク」
プレイをするとプレイヤーが死んでしまう呪われたゲームがあった。
そのゲームを手に入れたカメオはゲームをプレイすると自殺を決意し行動をしたのにカメオは死ぬことは無かった。
一体なぜ?
そのゲームを手に入れたカメオはゲームをプレイすると自殺を決意し行動をしたのにカメオは死ぬことは無かった。
一体なぜ?
19年08月22日 20:06
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]
解説を見る
そのゲームをプレイするとキャラクターのライフ(残機)がプレイヤーの命となるのです。
つまりゲームでキャラが死んでしまうとプレイヤーも死んでしまうのです。
しかしカメオは裏ワザを使い残機をバグらせて命のストックを無限増殖させることを思いついたのです。
すると何という事でしょう!!
カメオの命も無限になったではないでしょうか・・・・?本当に?(・ω・`)
では試してみましょう。
それで本当に無限の命が手に入ったか確かめるために自殺を試してみて死ななかったのです
(´∩・ω・)∩ 本当に残機が増えた~
oh!ゲームが付けっぱなしなのです、電気代が勿体ないのです(゚д゚#)
ープツンー
つまりゲームでキャラが死んでしまうとプレイヤーも死んでしまうのです。
しかしカメオは裏ワザを使い残機をバグらせて命のストックを無限増殖させることを思いついたのです。
すると何という事でしょう!!
カメオの命も無限になったではないでしょうか・・・・?本当に?(・ω・`)
では試してみましょう。
それで本当に無限の命が手に入ったか確かめるために自殺を試してみて死ななかったのです
(´∩・ω・)∩ 本当に残機が増えた~
oh!ゲームが付けっぱなしなのです、電気代が勿体ないのです(゚д゚#)
ープツンー
「【正解を創りだすウミガメ】凍りついた情熱に雫【第14回】」「10ブックマーク」
■■<問題文>■■
【かつてはそこにいるだけでも汗ばむほどの熱を帯びていた場所。
今となっては熱が失われ誰も近づかないその場所を、一人の男が訪れた。
そこに広がる真っ白な地面にしずくが落ちたのを見た男は、
冷たくなった手で真っ白な地面を水浸しにした。
状況を説明してください。
】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
({前回はコチラ}:https://late-late.jp/mondai/show/6450)
夏だ! お盆だ! 「創りだす」だぁっ!!
毎度おなじみ、自称創りだす大好き芸人、改め「正解を創りだす松岡修造」とろたくです☆
季節も暑いし、主催も暑苦しい、ならば問題文で(物理的に)涼しくさせようではありませんか。
要素数は【《12個》】で参ります。そのうちの数個を主催の独断と偏見により選定させていただく予定です。
責任もって私もエキシビジョンを作らせて頂きますので一緒に頑張りましょう。
さて、それではルールに参ります。
■■ 1・要素募集フェーズ ■■
[8/10(土)21:30頃~質問が50個集まるまで]
初めに、正解を創りだすカギとなる色々な質問を放り込みましょう。
◯要素選出の手順
1.出題直後から、YESかNOで答えられる質問を受け付けます。《質問は1人{4}回まで》です。
2.皆様から寄せられた質問の数が”50”に達すると締め切り。
{12個}の質問がランダムで選ばれ、「YES!」の返答とともに『[良い質問]』(=良質)がつきます。
※良質としたものを以下『要素』と呼びます。
※あまりに矛盾して成立しなさそうな場合や、条件が狭まりすぎる物は採用いたしません。
[矛盾例]田中は登場しますか?&今回は田中は登場しませんよね? →今回もOKとします。頼んだぞエクセル先輩・・・
[狭い例]ノンフィクションですか?(不採用)
[狭い例]登場キャラは1人ですか?(不採用)
[狭い例]ストーリーはミステリー・現実要素ものですよね?(不採用)
なお、要素が揃った後、まとメモに要素を書き出しますのでご活用ください。
■■ 2・投稿フェーズ ■■
[要素を12個選定後~{8/24(土)23:59}]
要素募集フェーズが終わったら、選ばれた要素を取り入れた解説を投稿する『投稿フェーズ』に移行します。
各要素を含んだ解説案をご投稿ください。
{今回はお盆を挟むため長めの期間を設けています。}締め切りにはお気を付けて。
らてらて鯖の規約に違反しない範囲で、思うがままに自由な発想で創りだしましょう!
※過去の「正解を創りだす(らてらて鯖版・ラテシン版)」もご参考ください。
ラテシン版:sui-hei.net/mondai/tag/正解を創りだすウミガメ
らてらて鯖:https://late-late.jp/mondai/tag/正解を創りだすウミガメ
◯作品投稿の手順
1.投稿作品を、別の場所(文書作成アプリなど)で作成します。
質問欄で文章を作成していると、その間他の方が投稿できなくなってしまいます。
コピペで一挙に投稿を心がけましょう。
2.すでに投稿済みの作品の末尾に終了を知らせる言葉の記述があることを確認してから投稿してください。
記述がない場合、まだ前の方が投稿の最中である可能性があります。
しばらく時間をおいてから再び確認してください。
3.まずタイトルのみを質問欄に入力してください。
後でタイトル部分のみを[良質]にします。
4.次の質問欄に本文を入力します。
「長文にするときはチェック」を忘れずにつけると、文章もいい感じに改行されます。
5.本文の末尾に、おわり完など、{終了を知らせる言葉}を必ずつけてください。
■■ 3・投票フェーズ ■■
[8/25(日) 00:00頃~8/29(木)23:59]
投稿期間が終了したら、『投票フェーズ』に移行します。
お気に入りの作品、苦戦した要素を選出しましょう。
◯投票の手順
1.投稿期間終了後、別ページにて、「正解を創りだすウミガメ・投票会場」(闇スープ)を設置いたします。
2.作品を投稿した「シェフ」は“3”票、投稿していない「観戦者」は“1”票を、気に入った作品に投票できます。
それぞれの「タイトル・票数・作者・感想」を質問欄で述べてください。
また、「最も組み込むのが難しかった(難しそうな)要素」も1つお答えください。
※投票は、1人に複数投票でも、バラバラに投票しても構いません。
※自分の作品に投票は出来ません。その分の票を棄権したとみなします。
※投票自体に良質正解マーカーはつけません。ご了承ください。
3.皆様の投票により、以下の受賞者が決定します。
【 《メイン》
◆最難関要素賞(最も票を集めた要素):その質問に[正解]を進呈
◆最優秀作品賞(最も票数を集めた作品):その作品に[良い質問]を進呈
◆シェチュ王(最も票数を集めたシェフ=作品への票数の合計):全ての作品に[正解]を進呈】
→見事『シェチュ王』になられた方には、次回の「正解を創りだすウミガメ」を出題していただきます!
※票が同数になった場合のルール
[最難関要素賞][最優秀作品賞]
同率で受賞です。
[シェチュ王]
同率の場合、最も多くの人から票をもらった人(=複数票を1票と数えたときに最も票数の多い人)が受賞です。
それでも同率の場合、出題者も(事前に決めた)票を投じて再集計します。
それでもどうしても同率の場合は、最終投稿が早い順に決定させていただきます。
■■ タイムテーブル ■■
【◯要素募集フェーズ
8/10(土)21:30~質問数が60個に達するまで
◯投稿フェーズ
要素選定後~8/24(土)23:59まで
◯投票フェーズ
8/25(日)00:00頃~8/29(木)23:59まで
◯結果発表
8/30(金)23:00ごろを予定しております。】
■■ お願い ■■
要素募集フェーズに参加した方は、出来る限り投稿・投票にも御参加くださいますようお願いいたします。
要素出しはお手軽気軽ではありますが、このイベントの要はなんといっても投稿・投票です。
頑張れば意外となんとかなるものです。素敵な解説をお待ちしております!
もちろん投稿フェーズと投票フェーズには、参加制限など一切ありません。
どなた様もお気軽にご参加ください。
それでは、『要素募集フェーズ』スタートです!
質問は【1人4回まで】です。皆様の質問お待ちしております!
【かつてはそこにいるだけでも汗ばむほどの熱を帯びていた場所。
今となっては熱が失われ誰も近づかないその場所を、一人の男が訪れた。
そこに広がる真っ白な地面にしずくが落ちたのを見た男は、
冷たくなった手で真っ白な地面を水浸しにした。
状況を説明してください。
】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
({前回はコチラ}:https://late-late.jp/mondai/show/6450)
夏だ! お盆だ! 「創りだす」だぁっ!!
毎度おなじみ、自称創りだす大好き芸人、改め「正解を創りだす松岡修造」とろたくです☆
季節も暑いし、主催も暑苦しい、ならば問題文で(物理的に)涼しくさせようではありませんか。
要素数は【《12個》】で参ります。そのうちの数個を主催の独断と偏見により選定させていただく予定です。
責任もって私もエキシビジョンを作らせて頂きますので一緒に頑張りましょう。
さて、それではルールに参ります。
■■ 1・要素募集フェーズ ■■
[8/10(土)21:30頃~質問が50個集まるまで]
初めに、正解を創りだすカギとなる色々な質問を放り込みましょう。
◯要素選出の手順
1.出題直後から、YESかNOで答えられる質問を受け付けます。《質問は1人{4}回まで》です。
2.皆様から寄せられた質問の数が”50”に達すると締め切り。
{12個}の質問がランダムで選ばれ、「YES!」の返答とともに『[良い質問]』(=良質)がつきます。
※良質としたものを以下『要素』と呼びます。
※あまりに矛盾して成立しなさそうな場合や、条件が狭まりすぎる物は採用いたしません。
[矛盾例]田中は登場しますか?&今回は田中は登場しませんよね? →今回もOKとします。頼んだぞエクセル先輩・・・
[狭い例]ノンフィクションですか?(不採用)
[狭い例]登場キャラは1人ですか?(不採用)
[狭い例]ストーリーはミステリー・現実要素ものですよね?(不採用)
なお、要素が揃った後、まとメモに要素を書き出しますのでご活用ください。
■■ 2・投稿フェーズ ■■
[要素を12個選定後~{8/24(土)23:59}]
要素募集フェーズが終わったら、選ばれた要素を取り入れた解説を投稿する『投稿フェーズ』に移行します。
各要素を含んだ解説案をご投稿ください。
{今回はお盆を挟むため長めの期間を設けています。}締め切りにはお気を付けて。
らてらて鯖の規約に違反しない範囲で、思うがままに自由な発想で創りだしましょう!
※過去の「正解を創りだす(らてらて鯖版・ラテシン版)」もご参考ください。
ラテシン版:sui-hei.net/mondai/tag/正解を創りだすウミガメ
らてらて鯖:https://late-late.jp/mondai/tag/正解を創りだすウミガメ
◯作品投稿の手順
1.投稿作品を、別の場所(文書作成アプリなど)で作成します。
質問欄で文章を作成していると、その間他の方が投稿できなくなってしまいます。
コピペで一挙に投稿を心がけましょう。
2.すでに投稿済みの作品の末尾に終了を知らせる言葉の記述があることを確認してから投稿してください。
記述がない場合、まだ前の方が投稿の最中である可能性があります。
しばらく時間をおいてから再び確認してください。
3.まずタイトルのみを質問欄に入力してください。
後でタイトル部分のみを[良質]にします。
4.次の質問欄に本文を入力します。
「長文にするときはチェック」を忘れずにつけると、文章もいい感じに改行されます。
5.本文の末尾に、おわり完など、{終了を知らせる言葉}を必ずつけてください。
■■ 3・投票フェーズ ■■
[8/25(日) 00:00頃~8/29(木)23:59]
投稿期間が終了したら、『投票フェーズ』に移行します。
お気に入りの作品、苦戦した要素を選出しましょう。
◯投票の手順
1.投稿期間終了後、別ページにて、「正解を創りだすウミガメ・投票会場」(闇スープ)を設置いたします。
2.作品を投稿した「シェフ」は“3”票、投稿していない「観戦者」は“1”票を、気に入った作品に投票できます。
それぞれの「タイトル・票数・作者・感想」を質問欄で述べてください。
また、「最も組み込むのが難しかった(難しそうな)要素」も1つお答えください。
※投票は、1人に複数投票でも、バラバラに投票しても構いません。
※自分の作品に投票は出来ません。その分の票を棄権したとみなします。
※投票自体に良質正解マーカーはつけません。ご了承ください。
3.皆様の投票により、以下の受賞者が決定します。
【 《メイン》
◆最難関要素賞(最も票を集めた要素):その質問に[正解]を進呈
◆最優秀作品賞(最も票数を集めた作品):その作品に[良い質問]を進呈
◆シェチュ王(最も票数を集めたシェフ=作品への票数の合計):全ての作品に[正解]を進呈】
→見事『シェチュ王』になられた方には、次回の「正解を創りだすウミガメ」を出題していただきます!
※票が同数になった場合のルール
[最難関要素賞][最優秀作品賞]
同率で受賞です。
[シェチュ王]
同率の場合、最も多くの人から票をもらった人(=複数票を1票と数えたときに最も票数の多い人)が受賞です。
それでも同率の場合、出題者も(事前に決めた)票を投じて再集計します。
それでもどうしても同率の場合は、最終投稿が早い順に決定させていただきます。
■■ タイムテーブル ■■
【◯要素募集フェーズ
8/10(土)21:30~質問数が60個に達するまで
◯投稿フェーズ
要素選定後~8/24(土)23:59まで
◯投票フェーズ
8/25(日)00:00頃~8/29(木)23:59まで
◯結果発表
8/30(金)23:00ごろを予定しております。】
■■ お願い ■■
要素募集フェーズに参加した方は、出来る限り投稿・投票にも御参加くださいますようお願いいたします。
要素出しはお手軽気軽ではありますが、このイベントの要はなんといっても投稿・投票です。
頑張れば意外となんとかなるものです。素敵な解説をお待ちしております!
もちろん投稿フェーズと投票フェーズには、参加制限など一切ありません。
どなた様もお気軽にご参加ください。
それでは、『要素募集フェーズ』スタートです!
質問は【1人4回まで】です。皆様の質問お待ちしております!
19年08月10日 21:30
【新・形式】 [とろたく(記憶喪失)]
【新・形式】 [とろたく(記憶喪失)]

31日(土)2:00ごろに結果を掲示いたしました。ご迷惑をおかけしました。
解説を見る
{※恒例(?)の長めの結果発表です。結果だけご覧になりたい方は投票会場をご覧ください。}
さあ、結果発表の時間です。{遅れたのはほんとすいません。}
はてさて、今回はお盆時期ということで投稿数も少なめであることを予想しておりましたが・・・
{32}個集まってしまいました。ロスタイムも併せて33個・・・すごいな・・・
逆にあの問題文でよくここまで創りあげたなと、主催ながら非常に驚いてます。
(問題文の難易度は申訳無)
そうそう、今回から
【「{賞金のコイン}」】
【「{迷宮入り対策用のアカウント}」】
という要素も加わりましたので、まずそちらの説明をざっくりと説明します。
【■■賞金のコインについて■■】
今回、以下のコインを管理人さんに用意してもらいました。
次回から同じ設定で統一されるそうなので、主催の方はご注意ください。
【シェチュ王 {エントリー作品数}×15コイン
最優秀作品賞 {得票数}×15コイン
シェフ参加賞 10コイン
最難関要素賞 5コイン】
匠エモンガはサブ(主催者がやるかやらないか次第)ですので今回は見送りました。
もし追加希望であれば、管理人さんにご連絡お願いいたします。
シェフ参加賞は、「シェフとして作品投稿フェーズに参加した人」にだけ与えられます。
今後は集計後、計算してから「{何コインが必要か}」を管理人さんに申請していただく形になります。
また、これらのコインは、主催のコインから上乗せすることもできるそうです。
その場合は、○○コイン(シェチュ王)+(上乗せ○○) と上乗せしたい数を入れて申請することもできます。
(今回は主催のコインが少ないので上乗せは見送らせていただきます。)
また、コインチケットの発送は、ミニメールにてお送りいたします。
【■■迷宮入り対策用アカウントについて■■】
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、「マクガフィン」さんからのアイデアをいただき、
迷宮入り対策用アカウントをつくりました。
【「創 作造」https://late-late.jp/users/profile/3357】
「{迷宮入り間近の問題}」入りを避けるために、こちらのアカウントで質問し、
迷宮入り間近になりそうな時に、回答してください。
また、投票の集計にてシェチュ王が同率一位となった場合の主催事前投票にも利用できますので、ぜひそちらにもご活用ください。
「創りだす」は主催が毎回変わるため、ユーザーIDとアカウントを表記してありますが、
基本的に「創りだす」以外での無許可での使用はご遠慮ください。
(ただしプロフィールいじりは基本許可しております。もしよろしければ、思う存分キャラ設定してくださいませ)
さて、それでは新仕様の方の説明をこれぐらいとして、
お待ちかね結果発表と参りましょう。
<最難関要素賞(上位3位)>
【第三位
🥉「記憶喪失になりますか?」(by・きっとくりすさん)
】
かなり匙加減が難しい。記憶喪失になるきっかけも、基本的には事故だったり、そういったことが多かった印象です。
ですので、これの扱い方で票を左右する、そう言っても過言ではなかったのではないでしょうか。
【第二位
🥈「作中作は関係しますか?」(by・ハシバミさん)
】
こちらは、どちらかというと世界観などが限定されたことにあるかもしれません。
基本的には「物語」の中にそのまた「物語」があり、それをどう利用するのか。
こちらは、作品の世界観を左右する、そういった要素であったように感じます。
それでは、第一位はというと・・・・・・・・・
【第一位
🥇「ラッキースケベしますか?」(by・赤升さん)
】
さあ、今回どうしても問題文、そして要素から、シリアスなムードを漂わせていました。
そんなムードをぶち壊すかのような台無し感。文句なし。ええ、文句なしですとも。
そんな赤升さんには、今回賞金として、5コイン用意しております。おめでとうございます(?)
ちなみに、今回私が選ばせていただいた要素は「ラッキースケベ」「狐だったりする」でした。
自分で要素を選ぶのは初めてでドッキドキだったわけですが、まさかここで戦犯になるとは・・・すいません。
うーん、もうすこしギャグもできそうな雰囲気の問題文を作ればよかったかも?
【匠賞】
【🥇「私にとってはすべての要素が最難関だ」(作・夜船さん)】
まあそりゃね・・・勝てないよ・・・だって【総要素144個】だもん・・・
逆によく創りだしたなって・・・しかも物語としても面白いなんてって思いますもん・・・
しかし、匠票は今回僅差でして、なかなか結果も面白かったです。そちらは是非投票会場でご確認ください。
(問題文のやりづらさもあるのかもしれませんがそれはマジですんません)
【エモンガ賞】
【🥇「そして、あなたたちを忘れないために」(作・葛原さん)】
エモンガはこちら。ちなみに圧巻の最多票でした。
第8回「コンピューターに世界征服をさせない方法」の後日談、そして前日譚ともいえるこの作品は、
{「話はスゲーよくわかる。ストーリーとしても最高だ。だがな、これに相応しい感想が全然書けない」}
そんな語彙力喪失したエモンガをごっそり獲得していました。いやほんと、私も短い文字数でどう感想を書くべきだろうという闘いを地味にしておりました。
そんな参加者の感想、ぜひぜひご覧くださいませ。
・・・それでは、いよいよメインの最優秀作品賞の発表です。
<最優秀作品賞(上位3位)>
【第三位
🥉「汗と涙と幸せの行方」(作・OUTISさん)
🥉「輝きの中で」(作・松神さん)
🥉{「私にとってはすべての要素が最難関だ」}(作・夜船さん)
🥉「食べられる」(作・Hugoさん)
】
3位めっちゃ多っ・・・・・・ですがそれもそのはず。
匠もこちらで入選していますが、他3つもとにかく世界観、そして鮮やかな情景がすばらしい。
この4つの世界観は見るものを惹きつけてやまないため、実に甲乙つけがたい。
それを称えてか、特にシェフの方々からいただくことが多かった印象です。
【第二位
🥈{「そして、あなたたちを忘れないために」}
】
こちらではエモンガが入選いたしました。
感想ももちろん、かなりの方が長文で熱く語ってくださってます。その熱はもう創りだす界の松岡修造(自称)もびっくりです。
みんな松岡修造。実はこの時点で3位と大きく差をつけており、まさに1位と2位を争う状態が続いていました。
それだけでもじゅうぶん凄かったのですが・・・・
・・・そう。前回と同じく、最優秀賞は{匠}でも{エモンガ}でもなく・・・・・・・・・・・・
【第一位
{夕暮れ、一人の少年がホースを持って校庭に立っていた。}
🥇「〖創り出せ!ウミガメ探偵くらぶ!〗〜凍てつく校庭の謎〜」(作・ひややっこさん)
】※タイトルを少しだけ改変しています。ご了承ください。
「推理もの」と「創り出す」の見事な融合!
魅力的なキャラクターの掛け合いもあり、非常に楽しい物語となっていました!!
「犯人だけわかるウミノ」、「動機をストーリーとして組み立てるカメダ」。
王道ではないはずなのに、不思議とこのコンビが織りなすシリーズが読みたくなる。
そんな素晴らしい作品を、まさかこの問題文で、そしてこの要素で! 回収も本当にお見事でした。
さあ、そんなわけで、ドッキドキの発表はこれにて終わりです。
今回あまり凝ったことはできませんでしたが、それでもシェチュ王に再び携われたこと、改めて感謝いたします。
それでは、シェチュ王の表彰に移らせていただきます。
第14回! シェチュ王はっ・・・・・・!!
<👑{ひややっこ}さん👑>
おめでとうございます!!🎉🎉
ひややっこさんは前回よりその文才を発揮していましたが、なんと参加2回目にしてシェチュ王を獲得いたしました!!
これはご友人のマクガフィンさんにも感謝しなくては!!!!
ロスタイムでの作品投稿もしてくださり、今回ひややっこさんには感謝の気持ちでもいっぱい!
ありがとうございます! そして、おめでとうございます!!
また、のちほど今回の反省を、こちらのまとメモにも書かせて頂きます。
自分用のメモですが、今後の参考にでもしていただければなと思います。
(おそらく31日中には出来上がりますが、長いことだけは確定してます)
それでは時間をかけてもなんですので、ひややっこさんに王冠を授けたいと思います。
ハァーイ> ( ・ω・)ノシー==三三👑 \[゜∀゜\] <ワーイ
さあ、結果発表の時間です。{遅れたのはほんとすいません。}
はてさて、今回はお盆時期ということで投稿数も少なめであることを予想しておりましたが・・・
{32}個集まってしまいました。ロスタイムも併せて33個・・・すごいな・・・
逆にあの問題文でよくここまで創りあげたなと、主催ながら非常に驚いてます。
(問題文の難易度は申訳無)
そうそう、今回から
【「{賞金のコイン}」】
【「{迷宮入り対策用のアカウント}」】
という要素も加わりましたので、まずそちらの説明をざっくりと説明します。
【■■賞金のコインについて■■】
今回、以下のコインを管理人さんに用意してもらいました。
次回から同じ設定で統一されるそうなので、主催の方はご注意ください。
【シェチュ王 {エントリー作品数}×15コイン
最優秀作品賞 {得票数}×15コイン
シェフ参加賞 10コイン
最難関要素賞 5コイン】
匠エモンガはサブ(主催者がやるかやらないか次第)ですので今回は見送りました。
もし追加希望であれば、管理人さんにご連絡お願いいたします。
シェフ参加賞は、「シェフとして作品投稿フェーズに参加した人」にだけ与えられます。
今後は集計後、計算してから「{何コインが必要か}」を管理人さんに申請していただく形になります。
また、これらのコインは、主催のコインから上乗せすることもできるそうです。
その場合は、○○コイン(シェチュ王)+(上乗せ○○) と上乗せしたい数を入れて申請することもできます。
(今回は主催のコインが少ないので上乗せは見送らせていただきます。)
また、コインチケットの発送は、ミニメールにてお送りいたします。
【■■迷宮入り対策用アカウントについて■■】
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、「マクガフィン」さんからのアイデアをいただき、
迷宮入り対策用アカウントをつくりました。
【「創 作造」https://late-late.jp/users/profile/3357】
「{迷宮入り間近の問題}」入りを避けるために、こちらのアカウントで質問し、
迷宮入り間近になりそうな時に、回答してください。
また、投票の集計にてシェチュ王が同率一位となった場合の主催事前投票にも利用できますので、ぜひそちらにもご活用ください。
「創りだす」は主催が毎回変わるため、ユーザーIDとアカウントを表記してありますが、
基本的に「創りだす」以外での無許可での使用はご遠慮ください。
(ただしプロフィールいじりは基本許可しております。もしよろしければ、思う存分キャラ設定してくださいませ)
さて、それでは新仕様の方の説明をこれぐらいとして、
お待ちかね結果発表と参りましょう。
<最難関要素賞(上位3位)>
【第三位
🥉「記憶喪失になりますか?」(by・きっとくりすさん)
】
かなり匙加減が難しい。記憶喪失になるきっかけも、基本的には事故だったり、そういったことが多かった印象です。
ですので、これの扱い方で票を左右する、そう言っても過言ではなかったのではないでしょうか。
【第二位
🥈「作中作は関係しますか?」(by・ハシバミさん)
】
こちらは、どちらかというと世界観などが限定されたことにあるかもしれません。
基本的には「物語」の中にそのまた「物語」があり、それをどう利用するのか。
こちらは、作品の世界観を左右する、そういった要素であったように感じます。
それでは、第一位はというと・・・・・・・・・
【第一位
🥇「ラッキースケベしますか?」(by・赤升さん)
】
さあ、今回どうしても問題文、そして要素から、シリアスなムードを漂わせていました。
そんなムードをぶち壊すかのような台無し感。文句なし。ええ、文句なしですとも。
そんな赤升さんには、今回賞金として、5コイン用意しております。おめでとうございます(?)
ちなみに、今回私が選ばせていただいた要素は「ラッキースケベ」「狐だったりする」でした。
自分で要素を選ぶのは初めてでドッキドキだったわけですが、まさかここで戦犯になるとは・・・すいません。
うーん、もうすこしギャグもできそうな雰囲気の問題文を作ればよかったかも?
【匠賞】
【🥇「私にとってはすべての要素が最難関だ」(作・夜船さん)】
まあそりゃね・・・勝てないよ・・・だって【総要素144個】だもん・・・
逆によく創りだしたなって・・・しかも物語としても面白いなんてって思いますもん・・・
しかし、匠票は今回僅差でして、なかなか結果も面白かったです。そちらは是非投票会場でご確認ください。
(問題文のやりづらさもあるのかもしれませんがそれはマジですんません)
【エモンガ賞】
【🥇「そして、あなたたちを忘れないために」(作・葛原さん)】
エモンガはこちら。ちなみに圧巻の最多票でした。
第8回「コンピューターに世界征服をさせない方法」の後日談、そして前日譚ともいえるこの作品は、
{「話はスゲーよくわかる。ストーリーとしても最高だ。だがな、これに相応しい感想が全然書けない」}
そんな語彙力喪失したエモンガをごっそり獲得していました。いやほんと、私も短い文字数でどう感想を書くべきだろうという闘いを地味にしておりました。
そんな参加者の感想、ぜひぜひご覧くださいませ。
・・・それでは、いよいよメインの最優秀作品賞の発表です。
<最優秀作品賞(上位3位)>
【第三位
🥉「汗と涙と幸せの行方」(作・OUTISさん)
🥉「輝きの中で」(作・松神さん)
🥉{「私にとってはすべての要素が最難関だ」}(作・夜船さん)
🥉「食べられる」(作・Hugoさん)
】
3位めっちゃ多っ・・・・・・ですがそれもそのはず。
匠もこちらで入選していますが、他3つもとにかく世界観、そして鮮やかな情景がすばらしい。
この4つの世界観は見るものを惹きつけてやまないため、実に甲乙つけがたい。
それを称えてか、特にシェフの方々からいただくことが多かった印象です。
【第二位
🥈{「そして、あなたたちを忘れないために」}
】
こちらではエモンガが入選いたしました。
感想ももちろん、かなりの方が長文で熱く語ってくださってます。その熱はもう創りだす界の松岡修造(自称)もびっくりです。
みんな松岡修造。実はこの時点で3位と大きく差をつけており、まさに1位と2位を争う状態が続いていました。
それだけでもじゅうぶん凄かったのですが・・・・
・・・そう。前回と同じく、最優秀賞は{匠}でも{エモンガ}でもなく・・・・・・・・・・・・
【第一位
{夕暮れ、一人の少年がホースを持って校庭に立っていた。}
🥇「〖創り出せ!ウミガメ探偵くらぶ!〗〜凍てつく校庭の謎〜」(作・ひややっこさん)
】※タイトルを少しだけ改変しています。ご了承ください。
「推理もの」と「創り出す」の見事な融合!
魅力的なキャラクターの掛け合いもあり、非常に楽しい物語となっていました!!
「犯人だけわかるウミノ」、「動機をストーリーとして組み立てるカメダ」。
王道ではないはずなのに、不思議とこのコンビが織りなすシリーズが読みたくなる。
そんな素晴らしい作品を、まさかこの問題文で、そしてこの要素で! 回収も本当にお見事でした。
さあ、そんなわけで、ドッキドキの発表はこれにて終わりです。
今回あまり凝ったことはできませんでしたが、それでもシェチュ王に再び携われたこと、改めて感謝いたします。
それでは、シェチュ王の表彰に移らせていただきます。
第14回! シェチュ王はっ・・・・・・!!
<👑{ひややっこ}さん👑>
おめでとうございます!!🎉🎉
ひややっこさんは前回よりその文才を発揮していましたが、なんと参加2回目にしてシェチュ王を獲得いたしました!!
これはご友人のマクガフィンさんにも感謝しなくては!!!!
ロスタイムでの作品投稿もしてくださり、今回ひややっこさんには感謝の気持ちでもいっぱい!
ありがとうございます! そして、おめでとうございます!!
また、のちほど今回の反省を、こちらのまとメモにも書かせて頂きます。
自分用のメモですが、今後の参考にでもしていただければなと思います。
(おそらく31日中には出来上がりますが、長いことだけは確定してます)
それでは時間をかけてもなんですので、ひややっこさんに王冠を授けたいと思います。
ハァーイ> ( ・ω・)ノシー==三三👑 \[゜∀゜\] <ワーイ
「交換」「10ブックマーク」
私は【{ある物}】と大事な【{娘}】を交換した。
何故そんなことをするのかと、あなたは思うでしょうか?
私は、あの時の過ちを繰り返したくはない...もう二度と。
【{ある物}】とは何?
何故そんなことをするのかと、あなたは思うでしょうか?
私は、あの時の過ちを繰り返したくはない...もう二度と。
【{ある物}】とは何?
19年08月28日 20:55
【20の扉】 [輪ゴム]
【20の扉】 [輪ゴム]

登録1年の記念出題🎂/ 本日22時頃に〆ますが、駆け込みも歓迎です!ヒント追加中。
解説を見る
【夫「あ、電話だ。ちょっとカメコ持っててくれる?」】
【私「おっけー。あ、これと交換でお願い!」】
私は夫から【娘(1歳)】を受け取り、大事な【{眼鏡}】を夫に手渡した。
新調した眼鏡を、また壊されてしまってはたまらないからだ。
娘は、1歳になったばかりだ。
抱っこされると、私の顔で遊ぼうとする。
口や鼻に細い指を突っ込んだり、
油断していると目潰しも仕掛けてくる。
そう。油断していた私は【先日、メガネをひねり壊されてしまった】のだ。乳児の握力は案外つよい...(ε_ε;)
* * *
去年の8月にらてらてに登録して、1年になりました。
1歳になった記念の100問目出題、色々な方とゆっくりやりたいなーと闇スープで出題させていただきました。
登録した当時とは生活が変わって参加は控えめになりましたが、これからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m
【私「おっけー。あ、これと交換でお願い!」】
私は夫から【娘(1歳)】を受け取り、大事な【{眼鏡}】を夫に手渡した。
新調した眼鏡を、また壊されてしまってはたまらないからだ。
娘は、1歳になったばかりだ。
抱っこされると、私の顔で遊ぼうとする。
口や鼻に細い指を突っ込んだり、
油断していると目潰しも仕掛けてくる。
そう。油断していた私は【先日、メガネをひねり壊されてしまった】のだ。乳児の握力は案外つよい...(ε_ε;)
* * *
去年の8月にらてらてに登録して、1年になりました。
1歳になった記念の100問目出題、色々な方とゆっくりやりたいなーと闇スープで出題させていただきました。
登録した当時とは生活が変わって参加は控えめになりましたが、これからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m
「魔法のコーヒー」「10ブックマーク」
カメオは{テスト前に魔法のコーヒーを飲んだ}ので、【テストの点数がすごく上がった】。
いったいなぜだろうか?
いったいなぜだろうか?
19年09月29日 21:47
【ウミガメのスープ】 [えいみん]
【ウミガメのスープ】 [えいみん]
解説を見る
カメオ「(今回のテスト楽勝だな...まだ40分も余ってるし暇だ...ボーっとしとくか)」
(数分後)
カメオ「({トイレ行きたくなってきたな})先生!トイレ行ってきていいですか?」
先生「【見られないように答案を裏返してから行きなさい】」
({答案を裏返す})
カメオ「(......え?)」
({慌てて問題も裏返す})
カメオ「【裏あるんかい!!】」
【(魔法のコーヒーは商品名)】
(数分後)
カメオ「({トイレ行きたくなってきたな})先生!トイレ行ってきていいですか?」
先生「【見られないように答案を裏返してから行きなさい】」
({答案を裏返す})
カメオ「(......え?)」
({慌てて問題も裏返す})
カメオ「【裏あるんかい!!】」
【(魔法のコーヒーは商品名)】
「雨、それは人の妄なり。」「10ブックマーク」
頭に雫が一滴落ちたので、私は向かいに住む素性の分からない男のことを心配した。
一体なぜか??YESかNOで答えられる質問で、真実を解き明かしなさい。
一体なぜか??YESかNOで答えられる質問で、真実を解き明かしなさい。
19年10月13日 21:30
【ウミガメのスープ】 [弥七]
【ウミガメのスープ】 [弥七]

ちいさなあめ。にさそわれて。
解説を見る
<解説>
簡易解答:囚人である私は天井に掘った穴から脱獄を計画していた。完成する直前、このトンネルが地上ではなく海に繋がっていることを知った。そこで仮に開通した場合自分は泳いで脱出することは可能でも、檻に閉じ込められた向かいの囚人は水流に飲まれて死んでしまうだろう、と考えたのである。
ーーーーーーーーーー
『オウムガイの唄』
独房。
私は5年もの歳月を、この独房の中で過ごした。
ここがどこかは知らぬ。何もわからぬ。
最初の数年は、なぜ私が閉じ込められたのか、そればかり考えていたが、ぐわんぐわんと頭が鳴るばかりで、やはり答えは出てこない。
ただ一つ、確かなことは。
毎週木曜日になると運ばれてくる腐ったウミガメのスープと、私だけに偶然配られた2本のスプーン。そして、暗闇の中のさらに深淵、独房の天井にネズミがあけた、小さな穴ひとつ
それから20年がたった。
消灯時間を過ぎた刑務所内では日中の刑務作業で疲れた囚人たちが、泥のように皆眠っていた。時々うつ寝返りで、簡素なベッドがキィキィと軋む音がこだましている。
私は冷たい独房の床にそっと降り立つと、音を立てないように人差し指の腹を使いながら全身の土を丁寧に落とした。舞う土埃で咳をしないよう、私は天井を見上げる。
20年間、毎日毎日、指の皮一枚ほどの距離を私は掘り続けた。
あのとき見つけた穴は、時を経て随分と大きく、そして深くなっていた。
もうすぐだ。確証はないが、もうすぐ完成するであろう。
自分の創作物を誇らしげにまじまじと見つめた。まるで子供が自分で作った砂城を見るかのごとく。私の頬はほころんだ。
さて、朝日が昇るまで、疲れ切った老体を休めようとベッドに手を伸ばしたところ、背後から掠れるかのごとく小さな声が聞こえてきた。
(おい、そこで何してる?)
私の心臓が大きく脈打つ。看守に見つかったか??身体に石炭でも放り込まれたかのようのに肺腑が激しく上下し始めた。吐く息が熱いのに、体は冷汗を伴う。しかしながら私は平静を保ちつつ、そして音をたてずゆっくりと後ろを振り返った。
向かいの独房から、1人の囚人がこちらを見ている。
そこに人がいるのを見るのは初めてだった。きっと最近になって収容されたのだろう。暗闇で顔こそわからなかったが、檻を掴む筋肉質な腕が2本、暗闇から伸びていた。どうやら若い男であるらしい。
(あんた、今、天井から現れなかったか!?)
「見間違いじゃないのかい?新入り君」
男は動揺していた。私は人差し指を唇に当てながら、大きな声を出すなと指示した。
(いいや、見間違いじゃないとも。)
男は反論した。
(あんたが音も立てず床に降り立つのを、俺は見た。手に持っているのは金属か?おおかた天井に穴を掘って脱獄を試みていたのだろう。)
私は男に向かって両手を見せた。右手には柄の折れたスプーンが握られている。土に汚れ、錆びついたその食器はくすんでもはや反射する光さえ失っていた。
「どうやら君の言い分は正しいようだな。新入り君。」
私は鷹揚に頭を縦に振って見せた。震える唇を隠しつつ言葉を重ねる。
「結構。ではひとつ聞こう。君は私のことを、看守に訴えるかね??」
20年もこの計画を遂行してきたのだ。このような状況も、勿論想定の範囲内にあった。
「その行為は正義か?それとも贖罪か?...新入り君がどうしてこの場所にいるのかは知らないが、ここは刑務所だ。人を騙し、殺し、金を盗み…君と同じような境遇の人間で溢れている。ここは外の世界とは違う。独自の社会だ。」
暗闇の中で対峙する名前も分からぬ男を前にして、私は用意していた言葉で説得を試みる。
「看守への密告はすなわち囚人への裏切り。この社会の鉄則だ。見たところお前はまだ若い。長生きしたければ、他人との関わりは避けることだな。」
(まてまてまて!)
男は私の話を手で制しながら、いやいやをするように首を振った。
(俺はあんたを看守に売ったりはしない、約束する。)
「そうだ。それが刑務所の正義だ。」
私は掲げていた両手を、やっと下ろした。安心はできないが、現状その場は乗り切ったのだろうと胸を撫で下ろした。しかし次の瞬間、私は男の言葉に耳を疑った。
(そう、逆だ。俺はあんたの脱獄に協力したい。)
「なんだって??」
想定し得なかった言葉に、私は少しうろたえた。男は暗闇に消え、自分のベッドの下に手を滑らせるとまた檻の前に戻ってきてこれを見ろと言ってきた。小さな鏡の破片だ。
(俺は鏡を持ってる。あんたが穴を掘る間、俺は看守の見張りをする。そしたらあんたは作業に集中できるはずだ。)
男は早口で必死に私に語りかけた。
(嫌だって言っても俺は関わるぜ、でなきゃ俺は看守に密告する。)
理由は全く分からないが、男はどうしても私の脱獄に加担したいらしい。この男を信用するべきか?しかし私にとって、男の言い分は利益でしかなかった。
「…私は君と2人で脱獄しようとは考えていない。それでも協力するのか??」
(ああ、勿論だ。そうだ、あんた名前は?俺はそうだな……『J』と呼んでくれ。)
私は少し考えると、口を開いた。
「なら、私は『K』だ。」
(K…Kevinか、それともKeithか…なんだっていい。)
男、いやJの姿は相変わらず暗闇で見えなかったが、笑っているようにもなぜか安堵しているようにも見えた。Jは私の返事に満足してこう言った。
(よし、俺たちは、今日から共犯者だ。)
ーーーーーーーーーー
その日から向かいの住人、Jとの奇妙な生活が始まった。
私の予想とは裏腹に、彼はとても賢く、そして有能だった。
深夜の決まった時間になると、2人はベッドから起き出して秘密の仕事を始めた。
Jは鏡の破片を使って看守の位置を把握し、巡回にくるときには私に合図を出してくれた。
私は音さえ気を付けていれば人を気にする必要がなくなったので、作業に集中できた。この20年間が嘘のように穴は掘り進められていく。私の湿気た身体が陽の光を浴びるのも、時間の問題に思われた。
しかし、穴が深くなるほどに、うず高く積る疑問があった。なぜJは私の脱獄にこんなにも協力的なのだろう??私の興味は依然としてそこにあった。
K「なあJ。私は君に本当に感謝している。ぜひ腹を割って話がしたいね。」
J「ああ、いいとも。」
暗闇の中で行われるこの会話劇も、すっかり当たり前のようになってしまった。
K「では単刀直入に聞こうじゃないか?君は自分が脱獄できないことを知っていながら、素性もわからない私になぜ協力しようとする??」
J「俺は自分が脱獄しようなんざ思っちゃいない。もしあんたがこの刑務所から出られたら、一つだけお願いしたいことがあるんだ。」
それはなんだ?と私は聞いた。
J「俺には父親がいない。母親は女手ひとつで俺を育ててくれた。だから大人になった俺は孝行のために必死に働いた。象牙細工の職人になって、町で一番の市場で店を構えようとしたんだ。だけどその場所取りで揉めて、男を銃で撃った。警察が来た頃には男は死んでた。俺はその場で自首した。殺すつもりはなかったと言ったが、2発撃ったのがまずかった。誤射では済まされないと、裁判でそう言われた。」
彼は滔々と自分の経緯について語った。
J「母親に恩を返すつもりが、まったくとりかえしのつかないことをしてしまった。もしKが脱獄するときは母親を探し、今から渡す手紙を必ず届けてほしい。」
Jは机の引き出しから一枚の便箋を取り出すと、それをぐちゃぐちゃに丸めてこちらの方に投げた。私は檻の間から手を伸ばしてそれを受け取った。
K「そうか、それが望みか。…しかしだなJ。」
手紙を囚人服のポケットに忍ばせながら、私は新たな疑問をぶつけた。
K「君はまだ若いんだ。罪を償ってから直接母親に会って話せばいいだろう?それに看守の間では君は評判が良い。模範囚に選ばれれば、もっと早く出所することもできるだろう?私と関わってわざわざこんな危ない橋、いや穴に手を突っ込むことはないと思うのだがね??」
矢継ぎ早な質問。Jはそれに苛立つかのようにまた早口に答えた。
J「そんな不確定なものに頼ってはいられないんだよ、K。」
脱獄の成功以上に不確定なものはないと思ったが、私は口を噤んだ。
J「刑務所に入る直前、あのクソッタレな医者が、クソッタレなことを言いやがった。俺の母親は病気でもう長くないんだと。クソッタレなタイミングさ。いつ出られるかもわからないこの刑務所の中で、ただ待ってることなんてできないんだ。」
彼は自分に対する怒りと悔しさとで身体を震わせていた。私の方から檻を握る手に力が入っているのが見えた。
J「俺は母親が生きている間に感謝を伝えたい。俺はあんたの掘った穴に賭ける、賽を投げ入れるぜ。あんたはただ自分が外に出ることだけ考えてくれりゃあいい。俺は全力でそれを手助けする。ただそれだけのことさ。」
彼の身に降りかかっている境遇は、自業自得と言ってしまえばそれまでだ。罪の償いは、きっと必ず、どこかで果たさねばなるまい。しかしJにとって、それは今すべきことでもないのかもしれない、と私は思った。
J「俺の話はそんなところさ。さてK。今度はあんたの話を聞かせてくれ。あんたは20余年、なぜこんな暗い独房に閉じ込められているんだ?」
K「いやはや、それが私にも、全く身に覚えがないのだよ。」
J「身に覚えがないということはないだろう。俺はあんたの罪を責めたりしない。正直に話すべきだ。今俺がしたように。」
私は深いため息をついて、独房の床に固く敷き詰められたタイルを冷たい目で見つめた。
K「今言ったことは真実だ。いや、身に覚えがないというか、わからないというのが正しい答えだろう。私は記憶がないのだ。この独房に閉じ込められる以前のことを、少しも覚えていないのだ。白状すれば、自分の名前さえ、もう覚えていないのだ。Kと名乗ったのはアルファベットの次の文字を言ったに過ぎないのだよ、君。」
J「そうか、あんたは記憶がないと。」
私は彼に暫しの沈黙をもって返した。
K「…罪人としてまったく恥ずかしいことだ。監獄に入れられていながら、私の頭の中には罪を償う気持ちさえないのだから!!看守は何も教えてはくれない…私は以前、刑務所仲間の占い師に、自分を占ってもらったことがあったがね。私は人生の内、過去か未来かわからぬが、ひとりの人間の死に関わるのだという。そんな不確定な言葉だけで私は25年間、どこかもわからぬこの暗闇の世界で生きてきた。」
J「なるほど…」
Jは独房の天井を見上げた。それもまた独房であることに変わりないが、彼の見上げる虚空には私と違って傷ひとつない、まっさらな天井が広がっていた。
K「私は知りたいのだ。私がなぜ、ここに閉じ込められているのかを。外の世界へ行けば、何か掴めるかもしれないのだ。私は大罪人か、それとも冤罪を喰らった身か。どちらにせよ、私はもうじき罪を犯す。やはり君は、私に関わるべきではなかったな。」
彼はまた、いやいやをするように首を振った。
J「あんたが過去にどんな人間だったのかは、俺にはわからない。しかしこの場所での生き方や、暗闇だけのこの場所で守ってくれたのはあんただけだ。絶望の底に潜っていた俺に、太陽の光を与えてくれたんだ。俺はあんたに感謝するぜ、K。」
全くの勘であるが、きっとこの穴はもうじき開通する。根拠もなく、これがどこに続いているのか皆目検討もつかないが、この穴に希望の光がさすことを、ただ2人は願った。
ーーーーーーーーーー
その夜。
昏々と深い夢路を辿る私は、頭蓋の中に響く単調な音の連なりによって目を覚ました。何者の仕業か?
見るとそれは独房の一角、檻の前。ひたひたと天井から落ちる水滴が、したたかに鉄のタイルを撃ち続けていた。私は急いで掛け布団を床に敷くと、その出元を探るべく、上を見上げた。
穴だ。
大きく空いた穴から、水滴が落ち続けている。ぼちゃんと雫が一滴、頭に落ちた。
頬を伝う水が口元へと流れた時、同時に私の血の気が全身から引いていくのが感じられた。それは私の汗よりも、はるかに塩辛かった。夢か?今際の幻か?私は天井の穴に飛び込んだ。
じっとりと濡れた洞の外壁に手を滑らせながら、私はその長い道のりを辿った。ひとりの力では削り取れなかった大石。危うくぶつかりかけた刑務所の基礎など右へ左へ二転三転、紆余曲折。暗闇の中のさらに深淵、一点の光もない洞を私は進んだ。いつしか横道となり、私は這うようにして穴の底に着いた。
目を閉じても開いても視界は暗いままだ。しかし確かに水はそこから溢れていた。体をくねらせ手を伸ばして触ってみる。今にも決壊しそうなその薄い壁はとても心許無く。その先でわずかに人間の拍動に似た水の対流を感じた。
間違いない。この穴は海へとつながっている。
私は再び自分の意識が遠のくのを感じた。この穴は確かに外につながっていた。しかしそこは地上ではなかったのだ。私は来た道を戻りながら、どうしたものかと頭を抱えた。いや私の一抹の不安は決して、自分の身を案じたものではない。
私は、向かいに住むひとりの囚人のことを考えていた。独房に戻ると、何かを察知していたその男は檻の前で私を待っていた。
J「どうした?一体何があった?教えてくれ、K!!」
期待と不安が入り混じるその声に、私は答えた。
K「どうやら私の願いは、つい先程叶ったようだ。」
J「そうか、では…!!」
上気した彼の言葉を、私は手で制した。
K「しかしご覧の有様だ。この穴は地上に届いてはいなかったな。続いた先は海に違いない。素人ゆえ計り知ることはできぬが、穴が壊れていないということは、泳いで脱獄出来ない深さではないと思うがね。おや、こんなにも部屋が濡れてしまった。」
私は自分の独房をぐるりと見渡した。もはや穴から垂れていた水滴は蛇口から溢れる水流の如く。鉄製のタイルが濡れて更に深い黒色に染まっていた。潮の香りが狭い部屋の中に立ち込める。
私はJのいる独房を真っ直ぐに見つめ、そしてゆっくりと口を開いた。
K「こうなってしまった以上、もうなかったことにもできまい。この先の結果がどうなろうと、私の犯した罪が白日の下に晒されるのも時間の問題だ。」
そして続けざまに、私は彼に向かって言った。
K「正直に話そう。Jよ、私は今、愚かにもこの穴を埋めようかと思っているよ。」
J「何を言っている?まさかここまできてやめるとでもいうのか?臆病者!!」
あんたの言葉は理解不能だ、と彼は騒ぎ立てた。
K「馬鹿なことを言うな!!」
私があまりにも大きな声を出すので、彼は少しうろたえた。その声で何人かの囚人が目を覚ました。
K「この独房に入って20年、ずっと連れ添ってきた女だぞ!!J、お前より付き合いが長いわい!今更この頭上に広がる海が深かろうが浅かろうが…この穴と駆け落ちして溺れて心中しようが私は一向に構わないに決まっている!!」
私は目の前の親友に向かって激昂した。
K「しかしながらJよ!!お前はどうなる?…この穴を開ければ、濁流が如く海水が間違いなく洞を通ってこちらに流れ込んでくるに違いない。私はいい、穴から逃げればいい。穴から逃げて水面を目指して泳ぎ続ければいい。しかし親友よ。君は哀れにも檻の中から出られず、大量の水に呑まれて死ぬ。私はそれが耐えられないのだ。」
私は悲痛を持って目の前の年の離れた親友に訴えた。短い間、脱獄の手助けをするという、ただそれだけの関係。それはこの長い監獄生活の中で出会った唯一の信頼関係でもあった。私は心の底から彼に死んでほしくないと願ったのだ。
J「言いたいことはそれだけか、K。」
Jは下を向きながら、重々しい口調で話し始めた。
J「それがお前の正義か?それとも贖罪か?…K、あんたは本当になっちゃいない。俺はあんたに助けられ、あんたはそれで満足する…だが俺の心は、それで救われたりはしない。あんたが用意した結末は物語の終わりにしては御笑い種だ。」
騒ぎを知った囚人が囚人を呼び、看守がそれを聞きつけた。時間が迫っている。
J「前にも言った通りだ。俺は人を殺した。罪は償う、必ずだ。だからここで溺れて死んだとしても、それは仕方のないことなのだろう。しかしそれでは終れないのだ。たったひとり残した母親に、この世で唯一の肉親に、死ぬ前にしっかりと謝っておきたいのだ。」
「「何をしている!!!そこを動くな!!!」」
看守が私たちの間に割って入った。Jが目の前で取り押さえられる。檻の前で、私は泣いた。
K「私は君を助けたかったんだ…」
J「だから御笑い種だというのに。滑稽だというのに。」
彼は渾身の力を込めて、私に叫んだ。
J「さあ、海へ出るのだ、Kよ!鉄の殻に閉じ込められ、年老いた哀れな鸚鵡貝(オウムガイ)よ!!その手、檻に阻まれ伸ばせずとも、せめて俺の心を救い出せ。それこそが、あんたの贖罪だ!!」
彼が言い終わるが早いか。私は天井の穴を目指して駆け上り、暗い洞の中を水の音を頼りに突き進んだ。そして子宮から生まれる胎児の如く、目の前の壁を突き破った。瞬時にどうどうと海水が自分の空間を包み込み、空気が泡となって押し流された。音が消え、目も開ける方ができなかったが、瞼の裏からはうっすらと深い蒼が透けて見えた。水の流れに身を任せ、喉をがりがりと掻くこともなく私は身体を動かすことをやめた。
突然、私は水面に浮かび上がった。顔だけ出した私の口から、勝手に水が飛び出した。私は暫く喘ぎ、火のついた石炭を押し込んだかのように熱い肺腑に空気を送り込んだ。まるで鍛冶屋だ。見るとここは地獄ではない。
視界に広がるのは、太平の海であった。振り返ると海岸から迫り出すようにして建てられた鉄の刑務所がそこにはあった。館内の照明が其処彼処で点々と灯り始めている。しかし私はすでに独房の中に在らず。
外だ。外にでたのだ。霧がかった夜の水面を、私は行先もわからずに泳いだ。
ーーーーーーーーーー
「世の中物騒なことが多いですねぇ。」
朝食の配膳にきた看護師が、病棟の中をぼやいて回る。
Marthaはその看護師から、頼んでいた新聞を取り上げると、ある見出しを見つけて注意深くその中身を読んだ。
「囚人が刑務所から脱走したって、このあたりらしいですよ。」
彼女は配られた盆からヨーグルトだけを取り出すと、それ以外のものを机の端に寄せた。いらないのですか?と聞く看護師に対して、好きじゃないから。と突き放した。本当はもう流動食しか口に受け付けないと知りながら、彼女はそれでも虚勢を張って見せた。
看護師が朝食の残りを片付けましょうと手を伸ばした時、お盆の隅に置かれた小さな紙屑の塊を見つけた。
「ああ、これですか??」
看護師は困った顔をして彼女に話しかける。
「病院の入り口で、あなたに渡してくれって頼まれたんですよ。…ただのごみに見えますけど、親族の方かもしれないと一応…ご気分を害されましたか?」
彼女は震える手で、そのくず紙を開いてみた。水と塩の結晶によって破け、原型を留めてはいなかったが、それは鉛筆で書き殴られた手紙のように見えた。読めるのは断片的で乱雑な文章と最後の名前だけであった。
「ほら…またこの話題ですよ。本当に怖いわねぇ。」
彼女はそっと病衣の中に手紙を隠すと、看護師の指差したテレビの方へ顔を向けた。ニュースキャスターが昨日の夜に起きた事件について話している。
///……続いてのニュースです。///
■■州、海岸沿いの州立刑務所にて、1名の囚人が脱走しました。
男は海底■■Mに作られた収容施設に穴を開け、海を泳いで脱獄したことが調べによって分かっています。これにより刑務所内において水害事故が発生し、収容されていた1名の囚人が溺水による意識不明の重体です。脱走した囚人は過去に25年前の殺人事件に対して冤罪の疑いが浮上し、世間では再審を要求する声が上がっておりました。
警察はこの囚人が未だ刑務所近隣の住宅街に潜伏している可能性を示唆し、周囲の市民に安全の確保を促しています。万が一発見した場合は接触を避け、速やかに州立警察に連絡をとるようにしてください。囚人番号、名前は以下の通りです。
囚人番号:13390871
氏名:Chris Ford
彼女は、先程の手紙に書かれた言葉を、思い出していた。
==========
親愛なる母、Marthaへ。
私は今、暗い独房の中でこの手紙を書いています。
自分をたった1人で育ててくれた、そんな母に恩を返すつもりがどうしてこうなったのか。全く取り返しのつかないことをしてしまったと後悔しています。母の死に目に会えないことをとても恥ずかしく思います。…せめてこの手紙が届けばいいと、ある人に託しました。…
…刑務所の中で、私は1人の老人と出会いました。老人とは言い過ぎですが20余年、この独房に閉じ込められている彼は陽の光を浴びることもなく衰弱しておりました。ですが彼は罪人である私に、この監獄の中で唯一と言っていいですが、敬意をもって接してくれました。
私は彼のことを何一つ知りません。しかし彼はこの刑務所の中で私を守ってくれ、そしてたくさんのことを教えてくれました。私はそこに父親の背中を見ました。いつしか私はこの手紙を渡すこと以上に、彼に幸せに生きて欲しいと願うようになりました。…
…不孝者の息子の、最後のお願いです。あなたにこの手紙を届けるために、ある男がやってくるでしょう。それは私の、唯一無二の親友です。どうか彼にひとくちのパンとワインをお与えください。
John Ford
==========
外は太陽の光が差しているというのに、不思議と雨が降っている。
「ああ、風邪、引かないといいけれど。」
彼女は誰に聞かせるわけでもなく、ポツリと一言呟いた。
(おしまい)(この物語は全てフィクションです。)
簡易解答:囚人である私は天井に掘った穴から脱獄を計画していた。完成する直前、このトンネルが地上ではなく海に繋がっていることを知った。そこで仮に開通した場合自分は泳いで脱出することは可能でも、檻に閉じ込められた向かいの囚人は水流に飲まれて死んでしまうだろう、と考えたのである。
ーーーーーーーーーー
『オウムガイの唄』
独房。
私は5年もの歳月を、この独房の中で過ごした。
ここがどこかは知らぬ。何もわからぬ。
最初の数年は、なぜ私が閉じ込められたのか、そればかり考えていたが、ぐわんぐわんと頭が鳴るばかりで、やはり答えは出てこない。
ただ一つ、確かなことは。
毎週木曜日になると運ばれてくる腐ったウミガメのスープと、私だけに偶然配られた2本のスプーン。そして、暗闇の中のさらに深淵、独房の天井にネズミがあけた、小さな穴ひとつ
それから20年がたった。
消灯時間を過ぎた刑務所内では日中の刑務作業で疲れた囚人たちが、泥のように皆眠っていた。時々うつ寝返りで、簡素なベッドがキィキィと軋む音がこだましている。
私は冷たい独房の床にそっと降り立つと、音を立てないように人差し指の腹を使いながら全身の土を丁寧に落とした。舞う土埃で咳をしないよう、私は天井を見上げる。
20年間、毎日毎日、指の皮一枚ほどの距離を私は掘り続けた。
あのとき見つけた穴は、時を経て随分と大きく、そして深くなっていた。
もうすぐだ。確証はないが、もうすぐ完成するであろう。
自分の創作物を誇らしげにまじまじと見つめた。まるで子供が自分で作った砂城を見るかのごとく。私の頬はほころんだ。
さて、朝日が昇るまで、疲れ切った老体を休めようとベッドに手を伸ばしたところ、背後から掠れるかのごとく小さな声が聞こえてきた。
(おい、そこで何してる?)
私の心臓が大きく脈打つ。看守に見つかったか??身体に石炭でも放り込まれたかのようのに肺腑が激しく上下し始めた。吐く息が熱いのに、体は冷汗を伴う。しかしながら私は平静を保ちつつ、そして音をたてずゆっくりと後ろを振り返った。
向かいの独房から、1人の囚人がこちらを見ている。
そこに人がいるのを見るのは初めてだった。きっと最近になって収容されたのだろう。暗闇で顔こそわからなかったが、檻を掴む筋肉質な腕が2本、暗闇から伸びていた。どうやら若い男であるらしい。
(あんた、今、天井から現れなかったか!?)
「見間違いじゃないのかい?新入り君」
男は動揺していた。私は人差し指を唇に当てながら、大きな声を出すなと指示した。
(いいや、見間違いじゃないとも。)
男は反論した。
(あんたが音も立てず床に降り立つのを、俺は見た。手に持っているのは金属か?おおかた天井に穴を掘って脱獄を試みていたのだろう。)
私は男に向かって両手を見せた。右手には柄の折れたスプーンが握られている。土に汚れ、錆びついたその食器はくすんでもはや反射する光さえ失っていた。
「どうやら君の言い分は正しいようだな。新入り君。」
私は鷹揚に頭を縦に振って見せた。震える唇を隠しつつ言葉を重ねる。
「結構。ではひとつ聞こう。君は私のことを、看守に訴えるかね??」
20年もこの計画を遂行してきたのだ。このような状況も、勿論想定の範囲内にあった。
「その行為は正義か?それとも贖罪か?...新入り君がどうしてこの場所にいるのかは知らないが、ここは刑務所だ。人を騙し、殺し、金を盗み…君と同じような境遇の人間で溢れている。ここは外の世界とは違う。独自の社会だ。」
暗闇の中で対峙する名前も分からぬ男を前にして、私は用意していた言葉で説得を試みる。
「看守への密告はすなわち囚人への裏切り。この社会の鉄則だ。見たところお前はまだ若い。長生きしたければ、他人との関わりは避けることだな。」
(まてまてまて!)
男は私の話を手で制しながら、いやいやをするように首を振った。
(俺はあんたを看守に売ったりはしない、約束する。)
「そうだ。それが刑務所の正義だ。」
私は掲げていた両手を、やっと下ろした。安心はできないが、現状その場は乗り切ったのだろうと胸を撫で下ろした。しかし次の瞬間、私は男の言葉に耳を疑った。
(そう、逆だ。俺はあんたの脱獄に協力したい。)
「なんだって??」
想定し得なかった言葉に、私は少しうろたえた。男は暗闇に消え、自分のベッドの下に手を滑らせるとまた檻の前に戻ってきてこれを見ろと言ってきた。小さな鏡の破片だ。
(俺は鏡を持ってる。あんたが穴を掘る間、俺は看守の見張りをする。そしたらあんたは作業に集中できるはずだ。)
男は早口で必死に私に語りかけた。
(嫌だって言っても俺は関わるぜ、でなきゃ俺は看守に密告する。)
理由は全く分からないが、男はどうしても私の脱獄に加担したいらしい。この男を信用するべきか?しかし私にとって、男の言い分は利益でしかなかった。
「…私は君と2人で脱獄しようとは考えていない。それでも協力するのか??」
(ああ、勿論だ。そうだ、あんた名前は?俺はそうだな……『J』と呼んでくれ。)
私は少し考えると、口を開いた。
「なら、私は『K』だ。」
(K…Kevinか、それともKeithか…なんだっていい。)
男、いやJの姿は相変わらず暗闇で見えなかったが、笑っているようにもなぜか安堵しているようにも見えた。Jは私の返事に満足してこう言った。
(よし、俺たちは、今日から共犯者だ。)
ーーーーーーーーーー
その日から向かいの住人、Jとの奇妙な生活が始まった。
私の予想とは裏腹に、彼はとても賢く、そして有能だった。
深夜の決まった時間になると、2人はベッドから起き出して秘密の仕事を始めた。
Jは鏡の破片を使って看守の位置を把握し、巡回にくるときには私に合図を出してくれた。
私は音さえ気を付けていれば人を気にする必要がなくなったので、作業に集中できた。この20年間が嘘のように穴は掘り進められていく。私の湿気た身体が陽の光を浴びるのも、時間の問題に思われた。
しかし、穴が深くなるほどに、うず高く積る疑問があった。なぜJは私の脱獄にこんなにも協力的なのだろう??私の興味は依然としてそこにあった。
K「なあJ。私は君に本当に感謝している。ぜひ腹を割って話がしたいね。」
J「ああ、いいとも。」
暗闇の中で行われるこの会話劇も、すっかり当たり前のようになってしまった。
K「では単刀直入に聞こうじゃないか?君は自分が脱獄できないことを知っていながら、素性もわからない私になぜ協力しようとする??」
J「俺は自分が脱獄しようなんざ思っちゃいない。もしあんたがこの刑務所から出られたら、一つだけお願いしたいことがあるんだ。」
それはなんだ?と私は聞いた。
J「俺には父親がいない。母親は女手ひとつで俺を育ててくれた。だから大人になった俺は孝行のために必死に働いた。象牙細工の職人になって、町で一番の市場で店を構えようとしたんだ。だけどその場所取りで揉めて、男を銃で撃った。警察が来た頃には男は死んでた。俺はその場で自首した。殺すつもりはなかったと言ったが、2発撃ったのがまずかった。誤射では済まされないと、裁判でそう言われた。」
彼は滔々と自分の経緯について語った。
J「母親に恩を返すつもりが、まったくとりかえしのつかないことをしてしまった。もしKが脱獄するときは母親を探し、今から渡す手紙を必ず届けてほしい。」
Jは机の引き出しから一枚の便箋を取り出すと、それをぐちゃぐちゃに丸めてこちらの方に投げた。私は檻の間から手を伸ばしてそれを受け取った。
K「そうか、それが望みか。…しかしだなJ。」
手紙を囚人服のポケットに忍ばせながら、私は新たな疑問をぶつけた。
K「君はまだ若いんだ。罪を償ってから直接母親に会って話せばいいだろう?それに看守の間では君は評判が良い。模範囚に選ばれれば、もっと早く出所することもできるだろう?私と関わってわざわざこんな危ない橋、いや穴に手を突っ込むことはないと思うのだがね??」
矢継ぎ早な質問。Jはそれに苛立つかのようにまた早口に答えた。
J「そんな不確定なものに頼ってはいられないんだよ、K。」
脱獄の成功以上に不確定なものはないと思ったが、私は口を噤んだ。
J「刑務所に入る直前、あのクソッタレな医者が、クソッタレなことを言いやがった。俺の母親は病気でもう長くないんだと。クソッタレなタイミングさ。いつ出られるかもわからないこの刑務所の中で、ただ待ってることなんてできないんだ。」
彼は自分に対する怒りと悔しさとで身体を震わせていた。私の方から檻を握る手に力が入っているのが見えた。
J「俺は母親が生きている間に感謝を伝えたい。俺はあんたの掘った穴に賭ける、賽を投げ入れるぜ。あんたはただ自分が外に出ることだけ考えてくれりゃあいい。俺は全力でそれを手助けする。ただそれだけのことさ。」
彼の身に降りかかっている境遇は、自業自得と言ってしまえばそれまでだ。罪の償いは、きっと必ず、どこかで果たさねばなるまい。しかしJにとって、それは今すべきことでもないのかもしれない、と私は思った。
J「俺の話はそんなところさ。さてK。今度はあんたの話を聞かせてくれ。あんたは20余年、なぜこんな暗い独房に閉じ込められているんだ?」
K「いやはや、それが私にも、全く身に覚えがないのだよ。」
J「身に覚えがないということはないだろう。俺はあんたの罪を責めたりしない。正直に話すべきだ。今俺がしたように。」
私は深いため息をついて、独房の床に固く敷き詰められたタイルを冷たい目で見つめた。
K「今言ったことは真実だ。いや、身に覚えがないというか、わからないというのが正しい答えだろう。私は記憶がないのだ。この独房に閉じ込められる以前のことを、少しも覚えていないのだ。白状すれば、自分の名前さえ、もう覚えていないのだ。Kと名乗ったのはアルファベットの次の文字を言ったに過ぎないのだよ、君。」
J「そうか、あんたは記憶がないと。」
私は彼に暫しの沈黙をもって返した。
K「…罪人としてまったく恥ずかしいことだ。監獄に入れられていながら、私の頭の中には罪を償う気持ちさえないのだから!!看守は何も教えてはくれない…私は以前、刑務所仲間の占い師に、自分を占ってもらったことがあったがね。私は人生の内、過去か未来かわからぬが、ひとりの人間の死に関わるのだという。そんな不確定な言葉だけで私は25年間、どこかもわからぬこの暗闇の世界で生きてきた。」
J「なるほど…」
Jは独房の天井を見上げた。それもまた独房であることに変わりないが、彼の見上げる虚空には私と違って傷ひとつない、まっさらな天井が広がっていた。
K「私は知りたいのだ。私がなぜ、ここに閉じ込められているのかを。外の世界へ行けば、何か掴めるかもしれないのだ。私は大罪人か、それとも冤罪を喰らった身か。どちらにせよ、私はもうじき罪を犯す。やはり君は、私に関わるべきではなかったな。」
彼はまた、いやいやをするように首を振った。
J「あんたが過去にどんな人間だったのかは、俺にはわからない。しかしこの場所での生き方や、暗闇だけのこの場所で守ってくれたのはあんただけだ。絶望の底に潜っていた俺に、太陽の光を与えてくれたんだ。俺はあんたに感謝するぜ、K。」
全くの勘であるが、きっとこの穴はもうじき開通する。根拠もなく、これがどこに続いているのか皆目検討もつかないが、この穴に希望の光がさすことを、ただ2人は願った。
ーーーーーーーーーー
その夜。
昏々と深い夢路を辿る私は、頭蓋の中に響く単調な音の連なりによって目を覚ました。何者の仕業か?
見るとそれは独房の一角、檻の前。ひたひたと天井から落ちる水滴が、したたかに鉄のタイルを撃ち続けていた。私は急いで掛け布団を床に敷くと、その出元を探るべく、上を見上げた。
穴だ。
大きく空いた穴から、水滴が落ち続けている。ぼちゃんと雫が一滴、頭に落ちた。
頬を伝う水が口元へと流れた時、同時に私の血の気が全身から引いていくのが感じられた。それは私の汗よりも、はるかに塩辛かった。夢か?今際の幻か?私は天井の穴に飛び込んだ。
じっとりと濡れた洞の外壁に手を滑らせながら、私はその長い道のりを辿った。ひとりの力では削り取れなかった大石。危うくぶつかりかけた刑務所の基礎など右へ左へ二転三転、紆余曲折。暗闇の中のさらに深淵、一点の光もない洞を私は進んだ。いつしか横道となり、私は這うようにして穴の底に着いた。
目を閉じても開いても視界は暗いままだ。しかし確かに水はそこから溢れていた。体をくねらせ手を伸ばして触ってみる。今にも決壊しそうなその薄い壁はとても心許無く。その先でわずかに人間の拍動に似た水の対流を感じた。
間違いない。この穴は海へとつながっている。
私は再び自分の意識が遠のくのを感じた。この穴は確かに外につながっていた。しかしそこは地上ではなかったのだ。私は来た道を戻りながら、どうしたものかと頭を抱えた。いや私の一抹の不安は決して、自分の身を案じたものではない。
私は、向かいに住むひとりの囚人のことを考えていた。独房に戻ると、何かを察知していたその男は檻の前で私を待っていた。
J「どうした?一体何があった?教えてくれ、K!!」
期待と不安が入り混じるその声に、私は答えた。
K「どうやら私の願いは、つい先程叶ったようだ。」
J「そうか、では…!!」
上気した彼の言葉を、私は手で制した。
K「しかしご覧の有様だ。この穴は地上に届いてはいなかったな。続いた先は海に違いない。素人ゆえ計り知ることはできぬが、穴が壊れていないということは、泳いで脱獄出来ない深さではないと思うがね。おや、こんなにも部屋が濡れてしまった。」
私は自分の独房をぐるりと見渡した。もはや穴から垂れていた水滴は蛇口から溢れる水流の如く。鉄製のタイルが濡れて更に深い黒色に染まっていた。潮の香りが狭い部屋の中に立ち込める。
私はJのいる独房を真っ直ぐに見つめ、そしてゆっくりと口を開いた。
K「こうなってしまった以上、もうなかったことにもできまい。この先の結果がどうなろうと、私の犯した罪が白日の下に晒されるのも時間の問題だ。」
そして続けざまに、私は彼に向かって言った。
K「正直に話そう。Jよ、私は今、愚かにもこの穴を埋めようかと思っているよ。」
J「何を言っている?まさかここまできてやめるとでもいうのか?臆病者!!」
あんたの言葉は理解不能だ、と彼は騒ぎ立てた。
K「馬鹿なことを言うな!!」
私があまりにも大きな声を出すので、彼は少しうろたえた。その声で何人かの囚人が目を覚ました。
K「この独房に入って20年、ずっと連れ添ってきた女だぞ!!J、お前より付き合いが長いわい!今更この頭上に広がる海が深かろうが浅かろうが…この穴と駆け落ちして溺れて心中しようが私は一向に構わないに決まっている!!」
私は目の前の親友に向かって激昂した。
K「しかしながらJよ!!お前はどうなる?…この穴を開ければ、濁流が如く海水が間違いなく洞を通ってこちらに流れ込んでくるに違いない。私はいい、穴から逃げればいい。穴から逃げて水面を目指して泳ぎ続ければいい。しかし親友よ。君は哀れにも檻の中から出られず、大量の水に呑まれて死ぬ。私はそれが耐えられないのだ。」
私は悲痛を持って目の前の年の離れた親友に訴えた。短い間、脱獄の手助けをするという、ただそれだけの関係。それはこの長い監獄生活の中で出会った唯一の信頼関係でもあった。私は心の底から彼に死んでほしくないと願ったのだ。
J「言いたいことはそれだけか、K。」
Jは下を向きながら、重々しい口調で話し始めた。
J「それがお前の正義か?それとも贖罪か?…K、あんたは本当になっちゃいない。俺はあんたに助けられ、あんたはそれで満足する…だが俺の心は、それで救われたりはしない。あんたが用意した結末は物語の終わりにしては御笑い種だ。」
騒ぎを知った囚人が囚人を呼び、看守がそれを聞きつけた。時間が迫っている。
J「前にも言った通りだ。俺は人を殺した。罪は償う、必ずだ。だからここで溺れて死んだとしても、それは仕方のないことなのだろう。しかしそれでは終れないのだ。たったひとり残した母親に、この世で唯一の肉親に、死ぬ前にしっかりと謝っておきたいのだ。」
「「何をしている!!!そこを動くな!!!」」
看守が私たちの間に割って入った。Jが目の前で取り押さえられる。檻の前で、私は泣いた。
K「私は君を助けたかったんだ…」
J「だから御笑い種だというのに。滑稽だというのに。」
彼は渾身の力を込めて、私に叫んだ。
J「さあ、海へ出るのだ、Kよ!鉄の殻に閉じ込められ、年老いた哀れな鸚鵡貝(オウムガイ)よ!!その手、檻に阻まれ伸ばせずとも、せめて俺の心を救い出せ。それこそが、あんたの贖罪だ!!」
彼が言い終わるが早いか。私は天井の穴を目指して駆け上り、暗い洞の中を水の音を頼りに突き進んだ。そして子宮から生まれる胎児の如く、目の前の壁を突き破った。瞬時にどうどうと海水が自分の空間を包み込み、空気が泡となって押し流された。音が消え、目も開ける方ができなかったが、瞼の裏からはうっすらと深い蒼が透けて見えた。水の流れに身を任せ、喉をがりがりと掻くこともなく私は身体を動かすことをやめた。
突然、私は水面に浮かび上がった。顔だけ出した私の口から、勝手に水が飛び出した。私は暫く喘ぎ、火のついた石炭を押し込んだかのように熱い肺腑に空気を送り込んだ。まるで鍛冶屋だ。見るとここは地獄ではない。
視界に広がるのは、太平の海であった。振り返ると海岸から迫り出すようにして建てられた鉄の刑務所がそこにはあった。館内の照明が其処彼処で点々と灯り始めている。しかし私はすでに独房の中に在らず。
外だ。外にでたのだ。霧がかった夜の水面を、私は行先もわからずに泳いだ。
ーーーーーーーーーー
「世の中物騒なことが多いですねぇ。」
朝食の配膳にきた看護師が、病棟の中をぼやいて回る。
Marthaはその看護師から、頼んでいた新聞を取り上げると、ある見出しを見つけて注意深くその中身を読んだ。
「囚人が刑務所から脱走したって、このあたりらしいですよ。」
彼女は配られた盆からヨーグルトだけを取り出すと、それ以外のものを机の端に寄せた。いらないのですか?と聞く看護師に対して、好きじゃないから。と突き放した。本当はもう流動食しか口に受け付けないと知りながら、彼女はそれでも虚勢を張って見せた。
看護師が朝食の残りを片付けましょうと手を伸ばした時、お盆の隅に置かれた小さな紙屑の塊を見つけた。
「ああ、これですか??」
看護師は困った顔をして彼女に話しかける。
「病院の入り口で、あなたに渡してくれって頼まれたんですよ。…ただのごみに見えますけど、親族の方かもしれないと一応…ご気分を害されましたか?」
彼女は震える手で、そのくず紙を開いてみた。水と塩の結晶によって破け、原型を留めてはいなかったが、それは鉛筆で書き殴られた手紙のように見えた。読めるのは断片的で乱雑な文章と最後の名前だけであった。
「ほら…またこの話題ですよ。本当に怖いわねぇ。」
彼女はそっと病衣の中に手紙を隠すと、看護師の指差したテレビの方へ顔を向けた。ニュースキャスターが昨日の夜に起きた事件について話している。
///……続いてのニュースです。///
■■州、海岸沿いの州立刑務所にて、1名の囚人が脱走しました。
男は海底■■Mに作られた収容施設に穴を開け、海を泳いで脱獄したことが調べによって分かっています。これにより刑務所内において水害事故が発生し、収容されていた1名の囚人が溺水による意識不明の重体です。脱走した囚人は過去に25年前の殺人事件に対して冤罪の疑いが浮上し、世間では再審を要求する声が上がっておりました。
警察はこの囚人が未だ刑務所近隣の住宅街に潜伏している可能性を示唆し、周囲の市民に安全の確保を促しています。万が一発見した場合は接触を避け、速やかに州立警察に連絡をとるようにしてください。囚人番号、名前は以下の通りです。
囚人番号:13390871
氏名:Chris Ford
彼女は、先程の手紙に書かれた言葉を、思い出していた。
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親愛なる母、Marthaへ。
私は今、暗い独房の中でこの手紙を書いています。
自分をたった1人で育ててくれた、そんな母に恩を返すつもりがどうしてこうなったのか。全く取り返しのつかないことをしてしまったと後悔しています。母の死に目に会えないことをとても恥ずかしく思います。…せめてこの手紙が届けばいいと、ある人に託しました。…
…刑務所の中で、私は1人の老人と出会いました。老人とは言い過ぎですが20余年、この独房に閉じ込められている彼は陽の光を浴びることもなく衰弱しておりました。ですが彼は罪人である私に、この監獄の中で唯一と言っていいですが、敬意をもって接してくれました。
私は彼のことを何一つ知りません。しかし彼はこの刑務所の中で私を守ってくれ、そしてたくさんのことを教えてくれました。私はそこに父親の背中を見ました。いつしか私はこの手紙を渡すこと以上に、彼に幸せに生きて欲しいと願うようになりました。…
…不孝者の息子の、最後のお願いです。あなたにこの手紙を届けるために、ある男がやってくるでしょう。それは私の、唯一無二の親友です。どうか彼にひとくちのパンとワインをお与えください。
John Ford
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外は太陽の光が差しているというのに、不思議と雨が降っている。
「ああ、風邪、引かないといいけれど。」
彼女は誰に聞かせるわけでもなく、ポツリと一言呟いた。
(おしまい)(この物語は全てフィクションです。)