「きっと☆くりす先生のジンクス🎨」「10ブックマーク」
漫画家の界隈では、ある週刊誌にまつわるジンクスが囁かれていた。
それは『きっと☆くりす先生の連載でパロディされると人気になる』というもの。
勿論ただの都市伝説ではなく、画風を真似されたことによって松田先生やルーシー先生のような新人作家はたちまち話題沸騰して有名となった。
しかし噂を聞いた凛先生は彼女の漫画を読むなり、たとえ自分の作品が使われても効果は薄いだろう落胆した。
いったいなぜ??
(本作品はユーザーに関する要知識問題ではありません。)
それは『きっと☆くりす先生の連載でパロディされると人気になる』というもの。
勿論ただの都市伝説ではなく、画風を真似されたことによって松田先生やルーシー先生のような新人作家はたちまち話題沸騰して有名となった。
しかし噂を聞いた凛先生は彼女の漫画を読むなり、たとえ自分の作品が使われても効果は薄いだろう落胆した。
いったいなぜ??
(本作品はユーザーに関する要知識問題ではありません。)
20年08月29日 22:10
【ウミガメのスープ】 [弥七]
【ウミガメのスープ】 [弥七]

劇団ココナッツ🌴+ルーシーさん。
解説を見る
解説
『◯先生』って、一体誰なんだ…??🤔
きっと☆くりす先生は他作品を使うお礼(おわび)として、宣伝用に『松◯』や『ル◯シ◯』など伏せ字で作者名を書き込んでいた。自分のペンネーム『凛』ではどうやっても名前の全てが隠れてしまうので、読者に伝わらない(売名にはならない)と考えたのだ。
『◯先生』って、一体誰なんだ…??🤔
きっと☆くりす先生は他作品を使うお礼(おわび)として、宣伝用に『松◯』や『ル◯シ◯』など伏せ字で作者名を書き込んでいた。自分のペンネーム『凛』ではどうやっても名前の全てが隠れてしまうので、読者に伝わらない(売名にはならない)と考えたのだ。
「”Where is Dad?”」「10ブックマーク」
まだ冬と呼ぶには少し早い11月20日。神奈川に今年初めての雪が降った。神奈川県で11月に降雪が観測されるのは実に18年ぶりのことであった。
そんな雪の日に、女子高生の雪子は生まれて初めて父の名前を口にした。 一体、彼女に何があったのだろうか?
(SP:アルバートさん! 感謝です!!)
そんな雪の日に、女子高生の雪子は生まれて初めて父の名前を口にした。 一体、彼女に何があったのだろうか?
(SP:アルバートさん! 感謝です!!)
20年09月06日 00:12
【ウミガメのスープ】 [異邦人]
【ウミガメのスープ】 [異邦人]

SP:アルバートさん! ありがとうございます!
解説を見る
解説:
私の名前は雪子。今年から県立水平高校に通っている、今をトキめく15歳!
・・・なんて言うほどのものでもなく。経済的に厳しい母子家庭で育ったので、オシャレしたり遊んだり部活をエンジョイしたりなんて華の高校生ライフは過ごしていない。
学校の成績は落とさないようにしつつも、今年からアルバイトを始めて・・・まあ、何だかんだ私なりに充実した日々を送っている。
おかげ様で、日々青春を謳歌している友達にもさして嫉妬心を抱かずにやっているけれど、一つだけ、友達の軽口を上手に受け流せないものがある。
「父親とかマジ最悪。雪子は良いよねー、家にあんなデリカシーの無いのがいなくて」
そう、父の話題だ。 私には、父親がいない。いないだけでなく、何も知らない。
写真も無く、物も無く。我が家の中で父の存在していた形跡を感じたことは一度も無い。
皆が言うように父という存在が最悪なものなのか知る由が無く、父がいないことは私にとって大きなコンプレックスなのだ。
幼稚園児の頃、何故お父さんがいないのかと母に聞いたことがある。
「おかあさん、どうしてわたしにはおとうさんがいないの? おとうさんはどこ? おとうさんにあいたい!」
「雪子、ゴメンね・・・」
幼稚園の友達の皆にはいるお父さんが私にだけいない寂しさと、私に謝る母の哀しそうな表情とで胸がいっぱいになってワンワンと泣いたっけ。
それ以来、父について聞くことはしなくなったし、家族の話や自分の生い立ちに関する話を避けるようになった。
小学生の時に、『自分の名前にはどんな意味があるのかお父さん・お母さんに聞いてみよう』という宿題が出された。
お腹に重いものを感じつつも家に帰って母に訊ねてみる、母は少し驚いたような顔をした後に、
「あなたが生まれた時にね、随分と早い初雪が降っていたの。神奈川で11月に雪なんて珍しいでしょ? だから『雪子』」
そう教えてくれた。 「こう育って欲しいから」とか「考えて考えてこういう名前を付けると決めていた」とかそういうのを予想していたのだけど、思い付きのような安直な由来で少しガッカリして、同時に、込み入った事情が無くてホッとする思いもあった。
でも、自分が生まれた日に珍しくも雪が降っていたなんて聞いたのは初めてで、なんだか自分が特別な存在になったような気もした。
そして、高校生活も半年が過ぎ、私は16歳の誕生日を迎える。
11月20日、朝。 神奈川に、雪が降った。
朝起きて窓の外を見た私は驚いた。私が覚えている限り11月に雪を見るのは初めてだし、何よりも、私『雪子』の誕生日に雪が降ったのだ。
あの時感じた特別な気持ちが戻ってきたようで、私は胸を高鳴らせる。忙しくも変わり映えしない私の毎日に今日だけは特別なことが起こりそうで、既に起きている母の待つリビングへ飛び込んだ。
「お母さん、雪が降ってる! 今日、私の誕生日! 雪子の誕生日に雪だよ!」
柄にもなくはしゃぐ私に母も嬉しそうにしていて、今年は奮発してお高いケーキを買って帰るねと言ってくれた。 ああ、もう特別なことが起きている!
どんなケーキかなとワクワクしつつ、窓の外の空から降る雪を満喫。空が私を祝福してくれているみたい、なんて我ながらバカな浮かれよう。
祝福の雪をひとしきり味わうと、今度は小さなテレビの電源を点けて、今日という日に湧いているであろうニュースを探した。
天気予報を流している局に切り替わると、神奈川の様子と共にテロップが映し出される。
『神奈川で11月に雪が観測されるのは実に18年ぶり』
「18年ぶり! ってことは私の誕生日以来の・・・・・・えっ?」
瞬間、テレビの音が外の雪に吸い込まれたかのように、私の耳には何も聞こえなくなった。
「え、だって、私の誕生日にも雪が降って・・・。ねえっ、お母さんっ、だって私、16年前の雪の日に生まれたから雪子だって・・・」
『18年ぶり』。ただそれだけの文字に、私の16年間の記憶が搔き消されていく錯覚に陥った。自分の輪郭が雪に埋もれていく感覚に囚われた。
私って、『雪子』って・・・一体、誰で、何なの・・・?
こんな特別な1日なんて望んでいない。悪い夢なら覚めてほしい。・・・いや、今までがずっと悪い夢だった?
頭の先から血の気が引いているのに目頭だけはカーッと熱くて、私の背後でテレビを見ていた母の方に振り返ると・・・
「うーん、そっか、バレちゃったか」
・・・随分とあっけらかんとしている母がそこにいて。
「・・・え、あ、ん? おどどどうお、えっ。 ど、ど、ど、どういうこと?」
「ホントはね、あなたが大人になった時に全部話そうと思っていたことなんだけど。『雪が降った日に生まれたから、雪子』。アレは嘘だったの」
「USO? うそ、ウソ・・・・・・あ、嘘! え、ウソ、嘘!? マジで!? マジで嘘!? ウッソ、マジで!? なんで!? えっ、なんで!?」
「急にアホの子にならないでよ、こっちがビックリするじゃない」
「ご、ごめん」
あービックリした。いやまだビックリしてるけれど。 どうにか気持ちを落ち着けて、母の話が聞ける精神状態を取り戻す。
「・・・ホントはね。あなたの『雪』の字は、お父さんから貰ったのよ」
「お、お父さん・・・? お母さんのお父さんのこと?」
ここ数年会っていない、母の実家の祖父を思い浮かべる。
「いいえ。あなたのお父さん・・・『雪夫(ゆきお)』さんから一文字貰って、『雪子』」
「雪夫・・・? それが、私のっ・・・私の、お父さんっ・・・の、名前?」
「そう。『あなたは雪夫さんの子供だから、雪子』」
「雪夫・・・雪夫・・・だから、雪子・・・」
私は、父に関する初めての情報を噛み締めるように何度も呟いた。 そして、今一度、自分の名前を口にしてみた。
雪夫。雪子。 一度失いかけた自分の輪郭が、以前よりも強さを増して戻って来たことを実感した。
「そっか。私のお父さんの名前、雪夫っていうんだ・・・」
「そう。たとえ雪夫さんと家族になれなくても、会うことができなくなっても、雪夫さんと私が過ごした時間も想いもホンモノだったんだ、って証明したくて。だから私、一人で産んで一人で育てるって決めたの。 そのことを知った雪夫さんのお家はものすごく怒ったんだけど、雪夫さんから手紙でね・・・
『自分の子供に何もしてあげられないことがツラい。だから、僕の字をあげてほしい。滅多に降らない雪の日に生まれた僕の、特別な1文字を』
・・・って、『雪』の字を子供に付けてほしいって頼まれたの。だから、『雪子』。どう納得したかしら、雪子?」
・・・・・・・・・・・・。
「・・・いや、えっとね、なんだろう・・・とりあえず、お父さんとお母さんは何者ですか?」
私はまた意識が遠のきかけた。今まで何も知らなかっただけに、新情報が多い。多過ぎる。
「うーん。いやーまー、学生同士だったしねぇ、相手方のお家がお家だったりでねぇ。どうにもならないことだったし、結局あの後、雪夫さんはイタリアの住まいに無理矢理連れていかれたって風の噂で・・・」
懐かしき激動の日々を思い出すかのように、目をつぶって困り顔をする母にこれ以上喋らせるのは危険だと私は判断した。
「あ、うん。ゴメン。多分、今その話をされても受け止め切れないことだけは分かった。 ・・・でも、どうして、私が小学生の時に嘘ついたの? まあ、お父さんの名前の由来を借りたって意味では全部が全部嘘では無かったのかもしれないけれど」
「雪子が幼稚園生の頃、『どうしてわたしにはおとうさんがいないの? おとうさんはどこ?』って泣いてたの覚えてる? その時の雪子のことを思い出して、ホントのことを言ったら、自分の名前を見たり聞いたりする度に寂しい思いをさせちゃうんじゃないかと思って・・・」
そうか。小学生の頃の私では、いない父から貰った名前だなんて上手く飲み込めなかっただろう。 母にはいつもいつも気を遣わせてしまっている。
「お母さんっ・・・・・・って、こんな長々と話してて大丈夫!? 大丈夫じゃないね!?」
「あらホント! お母さんもう出るから、戸締りよろしく! 雪子も遅刻しないようにね!」
「私まだパジャマですけど!?」
朝起きた時は「今日は特別な日になりそう」なんて思ってたけど、「今日から特別な日々になりそう・・・」なんて、覚めた頭で寝ぼけたことを思う私だった。
簡易解説:
母子家庭で育ち、今年で16歳になる11月生まれの雪子は、「あなたが生まれた時に雪が降っていたから『雪子』」だと母から聞かされていた。
しかし、「18年ぶりに、神奈川で11月に雪を観測」というニュースのせいで、自分が生まれた時に雪が降っていなかったことを知る。
真相を確かめようと母に尋ねた結果、「父親の『雪夫』から一文字貰って『雪子』」だと聞かされる。
それまで何も知らずにいた父親に関する初めての情報。 雪子は「私のお父さんの名前、雪夫っていうんだ・・・」と、噛みしめるように呟いたのだった。
私の名前は雪子。今年から県立水平高校に通っている、今をトキめく15歳!
・・・なんて言うほどのものでもなく。経済的に厳しい母子家庭で育ったので、オシャレしたり遊んだり部活をエンジョイしたりなんて華の高校生ライフは過ごしていない。
学校の成績は落とさないようにしつつも、今年からアルバイトを始めて・・・まあ、何だかんだ私なりに充実した日々を送っている。
おかげ様で、日々青春を謳歌している友達にもさして嫉妬心を抱かずにやっているけれど、一つだけ、友達の軽口を上手に受け流せないものがある。
「父親とかマジ最悪。雪子は良いよねー、家にあんなデリカシーの無いのがいなくて」
そう、父の話題だ。 私には、父親がいない。いないだけでなく、何も知らない。
写真も無く、物も無く。我が家の中で父の存在していた形跡を感じたことは一度も無い。
皆が言うように父という存在が最悪なものなのか知る由が無く、父がいないことは私にとって大きなコンプレックスなのだ。
幼稚園児の頃、何故お父さんがいないのかと母に聞いたことがある。
「おかあさん、どうしてわたしにはおとうさんがいないの? おとうさんはどこ? おとうさんにあいたい!」
「雪子、ゴメンね・・・」
幼稚園の友達の皆にはいるお父さんが私にだけいない寂しさと、私に謝る母の哀しそうな表情とで胸がいっぱいになってワンワンと泣いたっけ。
それ以来、父について聞くことはしなくなったし、家族の話や自分の生い立ちに関する話を避けるようになった。
小学生の時に、『自分の名前にはどんな意味があるのかお父さん・お母さんに聞いてみよう』という宿題が出された。
お腹に重いものを感じつつも家に帰って母に訊ねてみる、母は少し驚いたような顔をした後に、
「あなたが生まれた時にね、随分と早い初雪が降っていたの。神奈川で11月に雪なんて珍しいでしょ? だから『雪子』」
そう教えてくれた。 「こう育って欲しいから」とか「考えて考えてこういう名前を付けると決めていた」とかそういうのを予想していたのだけど、思い付きのような安直な由来で少しガッカリして、同時に、込み入った事情が無くてホッとする思いもあった。
でも、自分が生まれた日に珍しくも雪が降っていたなんて聞いたのは初めてで、なんだか自分が特別な存在になったような気もした。
そして、高校生活も半年が過ぎ、私は16歳の誕生日を迎える。
11月20日、朝。 神奈川に、雪が降った。
朝起きて窓の外を見た私は驚いた。私が覚えている限り11月に雪を見るのは初めてだし、何よりも、私『雪子』の誕生日に雪が降ったのだ。
あの時感じた特別な気持ちが戻ってきたようで、私は胸を高鳴らせる。忙しくも変わり映えしない私の毎日に今日だけは特別なことが起こりそうで、既に起きている母の待つリビングへ飛び込んだ。
「お母さん、雪が降ってる! 今日、私の誕生日! 雪子の誕生日に雪だよ!」
柄にもなくはしゃぐ私に母も嬉しそうにしていて、今年は奮発してお高いケーキを買って帰るねと言ってくれた。 ああ、もう特別なことが起きている!
どんなケーキかなとワクワクしつつ、窓の外の空から降る雪を満喫。空が私を祝福してくれているみたい、なんて我ながらバカな浮かれよう。
祝福の雪をひとしきり味わうと、今度は小さなテレビの電源を点けて、今日という日に湧いているであろうニュースを探した。
天気予報を流している局に切り替わると、神奈川の様子と共にテロップが映し出される。
『神奈川で11月に雪が観測されるのは実に18年ぶり』
「18年ぶり! ってことは私の誕生日以来の・・・・・・えっ?」
瞬間、テレビの音が外の雪に吸い込まれたかのように、私の耳には何も聞こえなくなった。
「え、だって、私の誕生日にも雪が降って・・・。ねえっ、お母さんっ、だって私、16年前の雪の日に生まれたから雪子だって・・・」
『18年ぶり』。ただそれだけの文字に、私の16年間の記憶が搔き消されていく錯覚に陥った。自分の輪郭が雪に埋もれていく感覚に囚われた。
私って、『雪子』って・・・一体、誰で、何なの・・・?
こんな特別な1日なんて望んでいない。悪い夢なら覚めてほしい。・・・いや、今までがずっと悪い夢だった?
頭の先から血の気が引いているのに目頭だけはカーッと熱くて、私の背後でテレビを見ていた母の方に振り返ると・・・
「うーん、そっか、バレちゃったか」
・・・随分とあっけらかんとしている母がそこにいて。
「・・・え、あ、ん? おどどどうお、えっ。 ど、ど、ど、どういうこと?」
「ホントはね、あなたが大人になった時に全部話そうと思っていたことなんだけど。『雪が降った日に生まれたから、雪子』。アレは嘘だったの」
「USO? うそ、ウソ・・・・・・あ、嘘! え、ウソ、嘘!? マジで!? マジで嘘!? ウッソ、マジで!? なんで!? えっ、なんで!?」
「急にアホの子にならないでよ、こっちがビックリするじゃない」
「ご、ごめん」
あービックリした。いやまだビックリしてるけれど。 どうにか気持ちを落ち着けて、母の話が聞ける精神状態を取り戻す。
「・・・ホントはね。あなたの『雪』の字は、お父さんから貰ったのよ」
「お、お父さん・・・? お母さんのお父さんのこと?」
ここ数年会っていない、母の実家の祖父を思い浮かべる。
「いいえ。あなたのお父さん・・・『雪夫(ゆきお)』さんから一文字貰って、『雪子』」
「雪夫・・・? それが、私のっ・・・私の、お父さんっ・・・の、名前?」
「そう。『あなたは雪夫さんの子供だから、雪子』」
「雪夫・・・雪夫・・・だから、雪子・・・」
私は、父に関する初めての情報を噛み締めるように何度も呟いた。 そして、今一度、自分の名前を口にしてみた。
雪夫。雪子。 一度失いかけた自分の輪郭が、以前よりも強さを増して戻って来たことを実感した。
「そっか。私のお父さんの名前、雪夫っていうんだ・・・」
「そう。たとえ雪夫さんと家族になれなくても、会うことができなくなっても、雪夫さんと私が過ごした時間も想いもホンモノだったんだ、って証明したくて。だから私、一人で産んで一人で育てるって決めたの。 そのことを知った雪夫さんのお家はものすごく怒ったんだけど、雪夫さんから手紙でね・・・
『自分の子供に何もしてあげられないことがツラい。だから、僕の字をあげてほしい。滅多に降らない雪の日に生まれた僕の、特別な1文字を』
・・・って、『雪』の字を子供に付けてほしいって頼まれたの。だから、『雪子』。どう納得したかしら、雪子?」
・・・・・・・・・・・・。
「・・・いや、えっとね、なんだろう・・・とりあえず、お父さんとお母さんは何者ですか?」
私はまた意識が遠のきかけた。今まで何も知らなかっただけに、新情報が多い。多過ぎる。
「うーん。いやーまー、学生同士だったしねぇ、相手方のお家がお家だったりでねぇ。どうにもならないことだったし、結局あの後、雪夫さんはイタリアの住まいに無理矢理連れていかれたって風の噂で・・・」
懐かしき激動の日々を思い出すかのように、目をつぶって困り顔をする母にこれ以上喋らせるのは危険だと私は判断した。
「あ、うん。ゴメン。多分、今その話をされても受け止め切れないことだけは分かった。 ・・・でも、どうして、私が小学生の時に嘘ついたの? まあ、お父さんの名前の由来を借りたって意味では全部が全部嘘では無かったのかもしれないけれど」
「雪子が幼稚園生の頃、『どうしてわたしにはおとうさんがいないの? おとうさんはどこ?』って泣いてたの覚えてる? その時の雪子のことを思い出して、ホントのことを言ったら、自分の名前を見たり聞いたりする度に寂しい思いをさせちゃうんじゃないかと思って・・・」
そうか。小学生の頃の私では、いない父から貰った名前だなんて上手く飲み込めなかっただろう。 母にはいつもいつも気を遣わせてしまっている。
「お母さんっ・・・・・・って、こんな長々と話してて大丈夫!? 大丈夫じゃないね!?」
「あらホント! お母さんもう出るから、戸締りよろしく! 雪子も遅刻しないようにね!」
「私まだパジャマですけど!?」
朝起きた時は「今日は特別な日になりそう」なんて思ってたけど、「今日から特別な日々になりそう・・・」なんて、覚めた頭で寝ぼけたことを思う私だった。
簡易解説:
母子家庭で育ち、今年で16歳になる11月生まれの雪子は、「あなたが生まれた時に雪が降っていたから『雪子』」だと母から聞かされていた。
しかし、「18年ぶりに、神奈川で11月に雪を観測」というニュースのせいで、自分が生まれた時に雪が降っていなかったことを知る。
真相を確かめようと母に尋ねた結果、「父親の『雪夫』から一文字貰って『雪子』」だと聞かされる。
それまで何も知らずにいた父親に関する初めての情報。 雪子は「私のお父さんの名前、雪夫っていうんだ・・・」と、噛みしめるように呟いたのだった。
「奇麗で素敵な偶然」「10ブックマーク」
「My favorite composer」「10ブックマーク」
「旅は道連れ世は情け」「10ブックマーク」
「もうすぐ産まれそうなの」
仕事の休憩中に、妻からそう連絡を受け取った男は、いてもたってもいられなかった。
後で怒られる事は覚悟の上で、仕事を放棄して妻のもとへと向かうべく、タクシーにのりこんだ。
だがそんな時ほど問題が起きるわけで…
いざ発進しようとしていたタクシーに一人の女が乗り込んできて、男にこう言った。
「お願い!無茶な事を言ってるのはわかってるけど、急いでいるの!
どうしてもすぐに名古屋に向かわなくてはいけなくて…」
急いでいるのは男も同じである。
女に譲ってあげる義理などない男は、当然断ろうと思ったのだが
名古屋となれば話は別だ。
なんという偶然か、男の向かう先も名古屋だったのだから。
結果、二人は共に名古屋に向かうのであった。
男は幸運だった。
出産には立ち会えたし、懐が心配だったのだが、タクシー代も全額女がきっちり払ってくれた。
職場の上司には褒められ、休暇まで頂けた
いったいどういうことだろう?
仕事の休憩中に、妻からそう連絡を受け取った男は、いてもたってもいられなかった。
後で怒られる事は覚悟の上で、仕事を放棄して妻のもとへと向かうべく、タクシーにのりこんだ。
だがそんな時ほど問題が起きるわけで…
いざ発進しようとしていたタクシーに一人の女が乗り込んできて、男にこう言った。
「お願い!無茶な事を言ってるのはわかってるけど、急いでいるの!
どうしてもすぐに名古屋に向かわなくてはいけなくて…」
急いでいるのは男も同じである。
女に譲ってあげる義理などない男は、当然断ろうと思ったのだが
名古屋となれば話は別だ。
なんという偶然か、男の向かう先も名古屋だったのだから。
結果、二人は共に名古屋に向かうのであった。
男は幸運だった。
出産には立ち会えたし、懐が心配だったのだが、タクシー代も全額女がきっちり払ってくれた。
職場の上司には褒められ、休暇まで頂けた
いったいどういうことだろう?
20年10月17日 22:17
【ウミガメのスープ】 [琴水]
【ウミガメのスープ】 [琴水]
解説を見る
「もうすぐ産まれそうなの」
夜勤の休憩中に、出産のために実家の名古屋へ移っている妻から、そう連絡を受け取ったタクシー運転手の男は、いてもたってもいられなかった。
後で怒られる事は覚悟の上で、仕事を放棄して妻のもとへと向かうべく、自らが運転するタクシーにのりこんだ。
だがそんな時ほど問題が起きるわけで…
いざ発進しようとしていたタクシーに一人の女が乗り込んできて、男にこう言った。
「お願い!無茶な事を言ってるのはわかってるけど、急いでいるの!
どうしてもすぐに名古屋に向かわなくてはいけなくて…」
ここは東京である。
夜を徹して名古屋に向かってほしいという女の頼みは、確かに無茶なものであるだろう。
男は自分の主張を譲るつもりなどなかったのだが、男の向かう先も名古屋だった為、仕事をさぼらずに名古屋まで行ける事は歓迎できることであった。
そうして男は、女を客として迎え、名古屋に向かうのであった。
男は幸運だった。
出産には立ち会えたし、10万を軽く超えるタクシー代に、女の懐具合が心配だったのだが、お金が足りないということもなく全額きっちり払ってくれた。
今日一番の稼ぎ頭だな!と上司には褒められ、戻るのにも時間がかかるし、仕事にならんだろうから今日は休んでいいぞと休暇まで頂けたのであった。
夜勤の休憩中に、出産のために実家の名古屋へ移っている妻から、そう連絡を受け取ったタクシー運転手の男は、いてもたってもいられなかった。
後で怒られる事は覚悟の上で、仕事を放棄して妻のもとへと向かうべく、自らが運転するタクシーにのりこんだ。
だがそんな時ほど問題が起きるわけで…
いざ発進しようとしていたタクシーに一人の女が乗り込んできて、男にこう言った。
「お願い!無茶な事を言ってるのはわかってるけど、急いでいるの!
どうしてもすぐに名古屋に向かわなくてはいけなくて…」
ここは東京である。
夜を徹して名古屋に向かってほしいという女の頼みは、確かに無茶なものであるだろう。
男は自分の主張を譲るつもりなどなかったのだが、男の向かう先も名古屋だった為、仕事をさぼらずに名古屋まで行ける事は歓迎できることであった。
そうして男は、女を客として迎え、名古屋に向かうのであった。
男は幸運だった。
出産には立ち会えたし、10万を軽く超えるタクシー代に、女の懐具合が心配だったのだが、お金が足りないということもなく全額きっちり払ってくれた。
今日一番の稼ぎ頭だな!と上司には褒められ、戻るのにも時間がかかるし、仕事にならんだろうから今日は休んでいいぞと休暇まで頂けたのであった。












