みんなのブックマーク

※こちらは投票会場です。本会場(https://late-late.jp/mondai/show/3315)をご確認の上、どなたでもお気軽にどうぞ!

今回12個の個性豊かな要素を使った作品が13個揃いました!
深夜投稿組からギリギリ投稿、2作創りだした方もいっぱいいらっしゃいました!
参加された皆さん、素晴らしい作品をありがとうございます!


それでは、これより「正解を創りだすウミガメ」の投票フェーズに移行します。
お気に入りの作品、苦戦した要素を選出しましょう。
作品投稿してない方も投票できますよ!


●投票の手順

作品を投稿した「シェフ」は”3”票、投稿していない「観戦者」は”1”票を、気に入った作品に投票できます。
それぞれの「タイトル・票数・作者・感想」を質問欄で述べてください。
また、「最も組み込むのが難しかった(難しそうな)要素」も1つお答えください。

※投票は、1人に複数投票でも、バラバラに投票しても構いません。
※自分の作品に投票は出来ません。その分の票を棄権したとみなします。
※こちらの質問欄は闇スープに設定しております。発表まで他の人の投票を見ることはできません。
※投票締め切りまで何度でも投票内容を編集できます。

皆様の投票により、
◆最難関要素賞(最も票を集めた要素)
◆最優秀作品賞(最も票数を集めた作品)
◆シェチュ王(最も票数を集めたシェフ)※次回の【正解を創りだすウミガメ】を出題していただきます!
が決定します。



◯投票フェーズ
 12/27(木)00:00頃~12/31(月)23:59まで

◯結果発表
 1/1(火)夜遅く ※多少のずれアリ




●投票テンプレート例

「◯◯◯」(作・◯◯◯)に◯票
◯◯◯◯◯。
「◯◯◯」(作・◯◯◯)に◯票
◯◯◯◯◯。
「◯◯◯」(作・◯◯◯)に◯票
◯◯◯◯◯。
最も組み込むのが難しかった要素「◯◯◯」




●エントリーした要素一覧(全12種)

①信じることが出来ない
②喧嘩の原因は男にある
③フィットネスジムに入る
④戦闘機がスクランブル発信する
⑤なんだかんだ言ってみんな青春している
⑥増え過ぎて困る
⑦砂糖と塩を間違える
⑧食堂のおばちゃんは関係する
⑨防火扉は関係する
⑩大晦日でしか起こり得ない
⑪出逢えたことから全てが始まった
⑫小指の爪が割れている

●エントリーした作品一覧(提出順、敬称略)

「自己中な男」(作:みづ)
「20XX年、ラテ共和国にて」(作:ミンタカ)
「今年の漢字は『災』」(作:とろたく(記憶喪失))
「ラテ学園戦争」(作:赤升)
「億劫」(作:ミンタカ)
「シュガー&ソルト」(作:赤升)
「創出神話 第8章」(作:こはいち)
「家族の絆」(作:夜船)
「ぎぼむす?(B級、むしろC?)」(作:みづ)
「食堂のおばちゃんはすごい」(作:きっとくりす)
「かわるもの」(作:ハシバミ)
「聖母の娘は静かに笑う 中二病物語」(作:キャノー)
「元スパイ、日本を救う」(作:まりむう)
「ウミガメ高校サッカー部事件」(作:ぎんがけい)
18年12月27日 00:05
【新・形式】 [鯖虎]

【第6回正解を創りだすウミガメ】の投票会場です。結果発表しました!詳しくは本会場の方へ!




解説を見る
結果発表(簡易版です。本会場の方に詳しく載せました)

【最難関要素賞】
👑『大晦日でしか起こり得ない』(3票)
『防火扉は関係する』(2票)
『フィットネスジムに入る』(1票)
『戦闘機がスクランブル発信する』(1票)
『なんだかんだ言ってみんな青春している』(1票)
『食堂のおばちゃんは関係する』(1票)
『出逢えたことから全てが始まった』(1票)
『小指の爪が割れている』(1票)

【最優秀作品賞】
👑「今年の漢字は『災』」(作:とろたく(記憶喪失))(8票)
「シュガー&ソルト」(作:赤升)(3票)
「食堂のおばちゃんはすごい」(作:きっとくりす)(3票)
「かわるもの」(作:ハシバミ)(3票)
「聖母の娘は静かに笑う 中二病物語」(作:キャノー)(3票)
「自己中な男」(作:みづ) (2票)
「20XX年、ラテ共和国にて」(作:ミンタカ) (2票)
「ラテ学園戦争」(作:赤升) (2票)
「ぎぼむす?(B級、むしろC?)」(作:みづ)(1票)
「ウミガメ高校サッカー部事件」(作:ぎんがけい)(1票)

【シェチュ王】
とろたく(記憶喪失)さん(8票)




最後に拙いながらもこっそり初日に開催者も解説を作ってみたのであげさせていただきます。

【風が吹けば恋を覚える】

響く轟音。頭の上を戦闘機が飛んでいく。
またスクランブル(緊急発進)の指示が政府から発信されたのであろう。④
もうすぐ年の瀬だっていうのに忙しいものだ。
と同時に戦闘機による風がコンクリートジャングルを吹きすさぶ。

男「あぁー、さっぶ。なんか暖かいもの食べたいわ。」

風よけも兼ねてと近くの大衆食堂に入り込む。
「ウミガメのスープ」とメニューに書かれていたのでそれを頼むと、湯気の立ったスープが出てきた。
ごくりごくりと喉を鳴らし熱を取り入れていると食堂のおばちゃんがにやりと笑い話しかけてきた。

おばちゃん「それね、看板娘の自信作なのよ、どう?」

男「いやいや、あんた看板“娘”って年じゃあないだろう。」

おばちゃん「あっはっは!私じゃあないよ!この子!」

ケタケタとおばちゃんは笑い声をあげ厨房の方を指さす。
そこには顔だけのぞかせた状態でこちらをうかがっている少女がいた。
俺がそちらを見ると少女は厨房に逃げていった。
なるほど、確かに娘って年だが少し人見知りが過ぎるんじゃないだろうか。

男「恥ずかしがり屋か…?まぁスープは確かに美味しかったぞ。」

おばちゃん「そんなところさ。彼女に伝えとくよ。」

おばちゃんに伝言を頼みお店を出る。何とも家庭的な味で気に入った。
それ以上にこう風が強いと暖かいスープがないとやってられない。
一週間に何度も出動する戦闘機を思い出し空をにらむ。
我が国を守るためだなんて言われても
何度も緊急発進が行われている現状を作った政府を信じることはできない①
政治を嘆く酒場のオヤジみたいだが、
戦闘機を見る回数が増えすぎた現実に一人頭を抱えた。⑥

===============================================================================

そうして何回か食堂に来るにつれて分かったことがある。

ひとつ、看板娘には彼氏がいること。
ふたつ、その彼氏は戦闘機乗りだっていうこと。

どちらも食堂のおばちゃんから教えてもらった⑧ことだが、どうやら本当らしい。
恥ずかしがり屋の彼女からたまに頼まれる味見がその証拠だろう。
その味見はいつだって似たような濃い味付けばかりで、
俺が「もしかして誰かへ奮う料理の練習?」とかまをかけると
顔を真っ赤にして厨房の奥へと逃げるのだ。

しかし今日の味見は少し違った味だった。
目の前に置かれたシフォンケーキを咀嚼しながら彼女に問う。

男「このシフォンケーキ、しょっぱいな。」

娘「え、砂糖と塩を間違えたかもしれません……⑦」

男「それにちょっと湿っているし。」

娘「焼く時間が短かったのかも……」

男「君の目が赤くなっている。泣いたんじゃないのか?」

娘「……!!!」

彼女はその発言に驚くと同時に俺の手を引っ張り店の奥へと連れてきた。
そのまま細い腕で防火扉を閉める⑨。簡易的な密室の完成だ。
何かまずいことをしてしまったと気付いたが後には引けない。
何をされるかと身構えていると彼女はぼろぼろと大粒の涙をこぼしながら言葉を紡いだ。

話を聞くとどうやら彼氏の様子がおかしいらしい。
しかし戦闘機乗りは毎年の大晦日しか帰れず、
検閲された手紙でしか連絡を取り合うことができない。
彼氏が心配で心配で、戦闘機乗りをやめてほしいらしい。

なるほど、防火扉で密室を作ったのは政府の悪口を誰かに聞かれると困るからか。
とりあえずのわが身の安全にほぅっと息を吐く。
しかし恥ずかしがり屋の彼女がこうも感情をあらわにするのだ。
何かしてやりたいと思うのは自然なことだった。

男「分かった。俺が大晦日に彼と出会って話そう。」

そういうと彼女は顔を真っ赤にしながらお礼を何度も繰り返した。
戦闘機の多さに辟易してたのはどこのどいつだと心のどこかで思いながらも
なぜかうれしさにそっと微笑んでいた。

===============================================================================

そうして大晦日の夜のこと。娘の彼氏を待って夜の闇に潜む。
そうしてやってきたところにこう声をかけた。

男「やぁ、そこの彼氏さん。あんたの彼女さんからの伝言でね
  アンタの仕事を辞めてほしいらしくてさ。」

しかし彼氏は虚ろな目をしたままふらりふらりと歩いていく。

彼氏「出撃、殲滅、シュツゲキ、センメツ……」

その様子に奇妙さを抱き「おい」と肩を掴むと彼は寒空に咆哮を上げ襲い掛かってきた。

彼氏「ウぉおオォォォッ!!」

まずいと思いすぐさま防戦の構えをとる。
喧嘩になったときの為にフィットネスジムに入った③がまさに役に立つとは。
軽く相手の攻撃をいなすと相手は勢いのまま壁にぶつかった。

男「あれ!?戦闘機乗りも軍人だろ?」

一般人でもいなせるなんておかしいと思い調べてみると
彼の目には隈、さらには体中にムチの跡がついていた。
睡眠不足に体罰か、それなら体力など尽きているだろう。

彼氏「あれ、私は一体……」

男「あぁ、ちょっと喧嘩をして目を回していたんだよ。
  俺の言い方も悪かったし喧嘩は俺のせいにしてくれ②
  でも仕事の件は本当だ。彼女さんがあんたの心身を心配してんだ。
  このままじゃあアンタが壊れちまうって。」
  
彼氏「でも仕事をしなければ、私は……」

彼氏の瞳からまた光がなくなっていく。それを見て俺はこう提案していた。

男「なら、入れ替わればいい。
  スープ屋に通うさえない男の俺と、政府の犬である戦闘機乗りのお前と。」
  
彼氏「しかしそんなことをしたらあなたが!」

男「どちらにしろその手じゃ戦闘機のハンドルは握れないだろう。」

彼氏の手を指さす。その手は喧嘩によって小指の爪が割れ血がダラダラと垂れていた。⑫
それに俺の心配をすぐにできる奴だ。
きっとあの恥ずかしがり屋の娘を悲しませることはないだろう。

こうして除夜の鐘が響く大晦日の町で
冴えないスープ屋通いの男と一人の戦闘機乗りが改名した。
お互いがお互いの名前へ。
大晦日だからこそ起こった⑩この奇跡は誰にも知られることがなかった。

===============================================================================

そうしてこの年から俺は戦闘機乗りとなった。
とはいえ俺はあの彼氏のように真面目な好青年なんかじゃない。
政府を信じられないひねくれものだ。
やってくるスクランブルの命令を無視し、敵機などない晴天を舞う。

勝手に敵なんか創りだして他の国を好き勝手脅かしやがって。
これだから政府はいけ好かないんだと狭い機内で独り愚痴る。
だってなんだかんだ言って地上ではみんな青春しているんだから。⑤

何も知らない民間人も、戦闘機乗りも、きっと海の向こうでも。

あの日風が強くなければ、あの店を選ばなければ、ウミガメのスープを頼まなければ、
俺はこんなことしていないで戦闘機が飛び回る平和をかみしめていただろう。
いや、違う。

きっとあの恥ずかしがり屋の看板娘に出逢ってから全てが始まった。⑪
あの日からずっと俺はあの子のためになりたいと思っていたんだ。

遅すぎる、しかも失恋確定の患いに呆れながらも戦闘機のハンドルを強く握りしめた。

===============================================================================

○×年、とある戦闘機乗りが国を守るという重要な職務を放棄したとして、
裁判にかけられることになった。
しかし彼の主張する「敵機が存在しない」という説が本当ならば、
彼は襲撃を拒絶し、他国の民間人を救った英雄となるだろう。
しかし政府は「彼の発言は全て嘘である。」との声明を出している。
職務怠慢な隊員の法螺話なのか、注目の裁判が明日始まる。

《△月○×日、とある新聞からの抜粋》


=完=


あなたのように「8ブックマーク」
弟が生まれ、姉になったカメコ。

カメオの食べこぼしを拾っては口元へ運ぶ。教えてもいないのにすっかりお姉さんになったカメコを見て、母のウミノはたまらなく嬉しくなった。
カメオはそんなカメコのそばで泣いていた。しかし、カメコもウミノもカメオをあやそうとはしない。

一体なぜ?
19年01月14日 23:55
【ウミガメのスープ】 [藤井]

ご参加ありがとうございました!




解説を見る
【解説】
小学生のカメコには、一歳になる弟カメジロウがいる。
母のウミノはカメジロウの育児に手一杯。
そして、祖父のカメオは利き手が不自由で食事の介助が必要だった。今までは母のウミノが介助をしており、その姿を見ていたカメコ。

「ママはカメジロウのお世話がたいへんだから、おじいちゃんのおてつだいはカメコがするの」

そう言って自ら祖父の食事介助を買って出たカメコ。小さい頃カメコにご飯を食べさせてくれていた祖父への恩返しだと言う。

娘の成長に心底嬉しくなった母ウミノ。
孫の優しさにカメオは喉を震わせた。頬を涙が伝う。

「おじいちゃん、泣いちゃったら食べられないよ~」

祖父の背中を撫でるカメコ。
そんな二人のやりとりを見て胸がいっぱいになりながら、ウミノは腕の中で泣き始めたカメジロウをあやすのだった。


【解答】
カメオはおじいちゃん。
カメコの成長と心遣いに感動して涙を流しているので、あやす必要はない(そもそもあやす対象ではない)のだ。
流しソメーン、一方その頃「8ブックマーク」
独創的な発想で度々世間を騒がせる天才コック、カメオ。

彼はある時、日本の『流し素麺』に目をつけ、彼流にアレンジ。
そうして生み出された『流しソメーン』は様々な形にカットされた色とりどりの食材を
これまたカメオが生み出した『流しソメーン用スープ』と一緒に
まるで川のように上から流し客が自由にすくって食べるというもので
食べる者だけでなく見る者も楽しませると好評になり、またたく間に大人気メニューとなった。

一方その頃、靴屋も儲かった。
なぜ?
19年02月08日 15:34
【ウミガメのスープ】 [やかた]

のどごしトゥルトゥル




解説を見る
ときは2XXX年、人類は宇宙進出を果たし、
人類の多くは宇宙に漂うコロニー内で生活していた。

ある時、寂れた星『らてらて星』の村おこしならぬ星おこしを頼まれたカメオは
古い文献に載っていた『流し素麺』なるものから着想を得て『流しソメーン』を完成させた。
【重力】によって上から下に流れる川を見立てたそれは宇宙に住む人々に新鮮な感動と驚きを与えた。
宇宙では食べられぬその『流しソメーン』を食べるため
人々は『らてらて星』にこぞって押しかけ、星おこしは大成功をおさめた。

一方その頃、
普段ぷかぷか浮いて生活をしていた宇宙に住む人々は
大地に降り立って『流しソメーン』を食べるべく、【靴】を買い求めたため
靴屋も儲かった。
職務怠惰な探偵「8ブックマーク」
資産家の娘カメコが身代金目的で誘拐されてしまった。
事件の依頼を受け、調査に乗り出す探偵のカメオ。
調査開始後、カメオは間もなくカメコの居場所の情報を得た。
しかし、カメオはそこで調査を終わらせてしまった。
カメコの家族にも警察にも知らせず、犯人探しすらしなかった。

その後、カメオが得た情報で動いた警察が無事にカメコを救出したが、カメオはなぜ途中で調査をやめてしまったのだろう?
19年02月09日 16:45
【ウミガメのスープ】 [koto]



解説を見る
【要約】
カメコをさらった誘拐団にカメオも誘拐されてしまった。
発信機で自分の助手に居場所を知らせ救助を待っている。

※※※

「よし、さっそく調査開始だ!」
「あいつが探偵だ!捕まえろ!」
「う、うわあああ!?」

調査を開始したその直後、カメコをさらった誘拐団に連れ去られたカメオ。
監禁された部屋で、カメコと会う。

「カメコさん、無事でしたか!」
「でも、あいつら口封じをするって言っていたし、このままじゃ私達殺されちゃうわ……」
「心配いりません。これがありますから」

カメオにとっても、まったく予期せぬ事態ではあったが、そこは抜かりないカメオ。
万が一に備えて、自分に発信機をつけていたのだった。
とはいえ、自分が捕まってしまったのだから、ここでカメオの調査は終了。2人はおとなしく救助を待つ。
その後、緊急信号を受け取ったカメオの助手が警察に知らせ、2人は無事に救助、犯人は逮捕されたという。
三度目の…「8ブックマーク」
女は会ったこともない男にいきなり話しかけ、そして泣き始めた。
一体なぜ?
19年02月11日 21:31
【ウミガメのスープ】 [ミンタカ]



解説を見る
【要約】

女は自分が飼っていたが、地震が起きてから行方不明になっていた猫が男に抱かれているのを見つけ、猫が生きていたことを喜んで泣いた。

私と夫は幼馴染だった。私も夫も動物が好きで、よく動物について話していた。
いつしか互いを理解していき、好きになっていった。

夫と結婚したのは5年前のことだ。

結婚して半年、夫は猫を飼おうと言い出した。
「なんで猫なの?猫アレルギーあるのに…」
「猫がいいんだよ。なんでと言われると答えにくいけど…」私も猫は好きだった。

結局1週間後にペットショップに行った。
私たちは全身真っ黒で、なぜか足だけが真っ白な猫に惹かれた。ある意味一目惚れだ。
私たちはその猫を飼うことにした。

そして幸せな日々が続いた。

そんな日々がいつまでも続くと思ったのに…


「キャーー!」
私の悲鳴で夫が飛び上がった。
窓の外に見えたのは、いつもの穏やかな港ではなかった。まるで生き物のように、波が轟音とともに荒れ狂っていた。

津波がすぐそこまで近づいていたのだ。

こんな光景、見たことない…地獄のようだった。

私はハッとした。そんなことを考えている場合ではない。逃げないと!
夫の手を引き、何も持たずに逃げようとした。
防災セットなど探している場合ではない。

玄関まで行った時、夫がふと立ち止まる。そして手を離そうとした。
「どうしたの!」
「じゃむぱんを助けないと!」
私の家で飼っている子ねこだ。

「ダメ!あなたが死んでしまう!」

そう言ったが、夫は無理矢理手を離し、家に戻っていった。

私も助けたかったが、どうしても行けなかった。



あれ以来、私はずっと後悔している。
夫の遺体は津波から1ヶ月後に発見された。じゃむぱんも見つかっていない。
自分を呪う日々が続いた。


津波から一年後…

瓦礫が撤去され、ようやく私は元の場所に戻った。
残った財産で一軒家を建てた。真新しい家具。

しかし、そこは私には空っぽの墓標のように見えた。
夫もじゃむぱんももういない…

倒れてしまいそうだった。

しかしそんなわけにもいかない。
何を考えようが、彼らは戻ってこないのだ。
前を向いて生きるしかない。
世間はなんでこんなに残酷なの…
立ち直れない日々が続いた。


地震からおよそ一年が過ぎた師走のある日のこと。
私は買い物に出かけた。あたりはクリスマス一色だった。

道路を歩いていると、反対側を中年の男性が通り過ぎるのを見つけた。腕には猫が抱かれている。
じゃむぱんと同じ種類だ…
つい思い出して目が潤んでくる。

もう少しよく見てみる。全身真っ黒だ。しかし足だけが白い。靴下を履いているようだ。

もしかしたら…

思わず男性に駆け寄っていた。
「すみません…その猫、どこで買われましたか?」
「この子はペットショップじゃないんだ…1年前に大地震があっただろ? …あれの後に、瓦礫のあたりをさまよって痛んだ…かわいそうに…それで僕が引き取って飼うことにしたんだ。」

間違いない。じゃむぱんだ!

「…この子は私の猫です!」

まさか生きているとは思わなかった…
夫が命を賭けてこの子を守ってくれたのかもしれない…
そんなことが次から次に頭をよぎり、泣き崩れてしまった。
クリスマスキャロルが遠くで鳴り響いていた。


私は今、じゃむぱんと2人で暮らしている。
じゃむぱんと過ごしていると、夫のことを思い出す。
きっと今も、見守ってくれているはずだ。どこかで…