「拝啓、6月のいちばん遠い場所から」「9ブックマーク」
雨が降るたび机から双眼鏡を取り出して、窓の外を眺める純太郎。
噂では『【双眼鏡で女性の下着をウォッチングする変態クソヤロー】』とのことだが。
しかしレンズを一生懸命覗く姿を偶然見つけた時、
私は『これは【{生き別れた妹}】を探すため』という彼の言葉を信じることにした。
一体なぜ?
※SP:みづさん
※解説文の挿絵をくろださんに描いていただきました、お楽しみに!
※『創りだす38 ほうき星をナントヤラ』のオマージュです。
(https://late-late.jp/mondai/show/15053)
噂では『【双眼鏡で女性の下着をウォッチングする変態クソヤロー】』とのことだが。
しかしレンズを一生懸命覗く姿を偶然見つけた時、
私は『これは【{生き別れた妹}】を探すため』という彼の言葉を信じることにした。
一体なぜ?
※SP:みづさん
※解説文の挿絵をくろださんに描いていただきました、お楽しみに!
※『創りだす38 ほうき星をナントヤラ』のオマージュです。
(https://late-late.jp/mondai/show/15053)
22年06月26日 22:01
【ウミガメのスープ】 [弥七]
【ウミガメのスープ】 [弥七]
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6月の雨には、物語スープを。
解説を見る
【簡易解答】
双眼鏡に押し当てた目から化粧が剥がれ、色の無い素肌が現れたことで、純太郎が透明人間であると知った。彼は雨の日に窓の外を観察することで、同じように剥がれて現れる『透明人間の家族』を探しているのだと気付いたから。
ここからいちばん遠いところは自分の背中である。
(寺山修司)
(J Kは 6月なんて 好きじゃない!)
放課後、予報はずれの雨を前に、心の一句。
毎日1時間かかるお化粧が、あっという間にぐずぐずになるのが私は嫌いだった。
そんな顔、女子高生なら誰だって見られたくないでしょう?
机に置き傘があったっけ、と教室へ戻ったとき
隣のクラスから微かな声が聞こえた。
「始めようか天体観測、ほうき星をナントヤラ〜♪…」
2分後に誰も来ないと思って、鼻歌なんか歌っている。
扉の隙間から覗くと、彼がちょうど机から『あれ』を取り出すところだった。
ああ、学校の七不思議とは言わずとも。
噂の現場を、目撃した。
ジュンタロー先輩の奇行が知れ渡ったのは、6月の梅雨入りからだった。
雨が降るたび、一生懸命双眼鏡で窓の外を観察している。
私の友達は、『双眼鏡で女性の透けた下着をウォッチングする変態クソヤロー』
だと言っていた。みんなも、たぶん、きっとそうだと。
女の敵じゃん、サイテーじゃん。
と非難轟々。でも本当にそうだろうか?
彼は意に介さないようだが、たった一度だけ「妹を探している」と弁明した。
無事に一蹴されてロリコンに昇格したけれども。
仮にそれが嘘だとして、
そんな虚言で上塗りする意味がどこにあるのか??
先輩の家族のことは、誰も知らない。
ただ母親が、小さい頃に消えてしまったのだと、聞いている。
文字通り、消えてしまったのだと。
その真実は、子供ながら「お星様になった」なんて詩的に表現する事柄なのかもしれない。
しかし机から双眼鏡を取り出す
彼の天体観測は誰の目にもロマンチックに映らなかった。
ただ、
そんなレンズを覗き込む顔に、気付いた人は他にいるのだろうか。
(なるほど、ね。)
私はみつけてしまった。
擦れて化粧が剥がれ、透明な素肌が現れた、あの目を。
「見えないものを見ようとして〜…」
彼の鼻歌は、まだ続く。
『透明人間』
がこの世に、いや目の前に存在するということ。
彼の思惑が理解されないように、
私がいま見た現実も、周囲にはわかってもらえないだろう。
そりゃあそうだ。
どちらもすべて理解してくれるのは、『同類』しかいないのだから。
…例えばそれは、彼の言う、生き別れた妹みたいな存在、とか。
私はそっと、教室の扉を開いた。
「見つかりましたか?妹さんは。」
彼が驚いたのは鼻歌を聞かれたからでも、突然背中から話しかけられたからでもない。
私の、擦れた顔のせいだ。
お互い顔を見合わせ、ひと呼吸おいて笑みが溢れる。
「ああ…しかし、どうやらいちばん遠いところにいたらしい。」
そして1番遠い場所は自分の背中なのだと兄は言った。
扉の隙間には、うっすら化粧の跡が残っている。
(おしまい)(この物語はフィクションです)
参考:『飛んだピエロ』(なかとかくみこ)
双眼鏡に押し当てた目から化粧が剥がれ、色の無い素肌が現れたことで、純太郎が透明人間であると知った。彼は雨の日に窓の外を観察することで、同じように剥がれて現れる『透明人間の家族』を探しているのだと気付いたから。
ここからいちばん遠いところは自分の背中である。
(寺山修司)
(J Kは 6月なんて 好きじゃない!)
放課後、予報はずれの雨を前に、心の一句。
毎日1時間かかるお化粧が、あっという間にぐずぐずになるのが私は嫌いだった。
そんな顔、女子高生なら誰だって見られたくないでしょう?
机に置き傘があったっけ、と教室へ戻ったとき
隣のクラスから微かな声が聞こえた。
「始めようか天体観測、ほうき星をナントヤラ〜♪…」
2分後に誰も来ないと思って、鼻歌なんか歌っている。
扉の隙間から覗くと、彼がちょうど机から『あれ』を取り出すところだった。
ああ、学校の七不思議とは言わずとも。
噂の現場を、目撃した。
ジュンタロー先輩の奇行が知れ渡ったのは、6月の梅雨入りからだった。
雨が降るたび、一生懸命双眼鏡で窓の外を観察している。
私の友達は、『双眼鏡で女性の透けた下着をウォッチングする変態クソヤロー』
だと言っていた。みんなも、たぶん、きっとそうだと。
女の敵じゃん、サイテーじゃん。
と非難轟々。でも本当にそうだろうか?
彼は意に介さないようだが、たった一度だけ「妹を探している」と弁明した。
無事に一蹴されてロリコンに昇格したけれども。
仮にそれが嘘だとして、
そんな虚言で上塗りする意味がどこにあるのか??
先輩の家族のことは、誰も知らない。
ただ母親が、小さい頃に消えてしまったのだと、聞いている。
文字通り、消えてしまったのだと。
その真実は、子供ながら「お星様になった」なんて詩的に表現する事柄なのかもしれない。
しかし机から双眼鏡を取り出す
彼の天体観測は誰の目にもロマンチックに映らなかった。
ただ、
そんなレンズを覗き込む顔に、気付いた人は他にいるのだろうか。
(なるほど、ね。)
私はみつけてしまった。
擦れて化粧が剥がれ、透明な素肌が現れた、あの目を。
「見えないものを見ようとして〜…」
彼の鼻歌は、まだ続く。
『透明人間』
がこの世に、いや目の前に存在するということ。
彼の思惑が理解されないように、
私がいま見た現実も、周囲にはわかってもらえないだろう。
そりゃあそうだ。
どちらもすべて理解してくれるのは、『同類』しかいないのだから。
…例えばそれは、彼の言う、生き別れた妹みたいな存在、とか。
私はそっと、教室の扉を開いた。
「見つかりましたか?妹さんは。」
彼が驚いたのは鼻歌を聞かれたからでも、突然背中から話しかけられたからでもない。
私の、擦れた顔のせいだ。
お互い顔を見合わせ、ひと呼吸おいて笑みが溢れる。
「ああ…しかし、どうやらいちばん遠いところにいたらしい。」
そして1番遠い場所は自分の背中なのだと兄は言った。
扉の隙間には、うっすら化粧の跡が残っている。
(おしまい)(この物語はフィクションです)
参考:『飛んだピエロ』(なかとかくみこ)
「人を食っていない話」「9ブックマーク」
そのレストランには、{「人肉を出す」}という噂がある。なんでも、誰も食べたことがないような旨い肉料理を出すのだが、その不思議な味わいはとても牛や豚とは思えない、もしかして……ということらしい。
自称・美食家である私は、その話を聞いて大いに興味を持ち、ある週末にそのレストランを訪れた。
早速、看板料理であるステーキを注文。程なくして料理が運ばれてきた。
ナイフで切り分け、フォークに突き刺し、口に運ぶ。
……旨い。そしてなるほど、不思議な味だ。蕩けるように柔らかいのに、確かな歯応えがある。どこか野性の荒々しさのようなものを感じさせる一方で、後味はどこまでもさっぱりと上品だ。
私は夢中になって食べ続け、あっという間に完食してしまった。
紙ナプキンで口元を拭きながら、私は考える。
確かに不思議な味だった。今まで食べたことのあるどの肉にも似ない。普通の牛や豚などでないのは間違いないだろう。怪しげな噂が立つのも頷ける……
{……が、しかし。}
【――少なくとも、人肉を出しているというわけではなさそうだ。】
私はそう結論付けたのだった。
さて、それは何故だか、分かるだろうか?
なお、これは敢えて言うまでもないことではあるが、{私は人の肉など未だかつて一度も食べたことはない}し、当然ながらその味についても一切知らない。
自称・美食家である私は、その話を聞いて大いに興味を持ち、ある週末にそのレストランを訪れた。
早速、看板料理であるステーキを注文。程なくして料理が運ばれてきた。
ナイフで切り分け、フォークに突き刺し、口に運ぶ。
……旨い。そしてなるほど、不思議な味だ。蕩けるように柔らかいのに、確かな歯応えがある。どこか野性の荒々しさのようなものを感じさせる一方で、後味はどこまでもさっぱりと上品だ。
私は夢中になって食べ続け、あっという間に完食してしまった。
紙ナプキンで口元を拭きながら、私は考える。
確かに不思議な味だった。今まで食べたことのあるどの肉にも似ない。普通の牛や豚などでないのは間違いないだろう。怪しげな噂が立つのも頷ける……
{……が、しかし。}
【――少なくとも、人肉を出しているというわけではなさそうだ。】
私はそう結論付けたのだった。
さて、それは何故だか、分かるだろうか?
なお、これは敢えて言うまでもないことではあるが、{私は人の肉など未だかつて一度も食べたことはない}し、当然ながらその味についても一切知らない。
22年07月17日 00:01
【ウミガメのスープ】 [ブルーエール]
【ウミガメのスープ】 [ブルーエール]
解説を見る
そのステーキは{骨付き}だった。
完食した後の皿には、ごろりと一本、骨が残っている。
【大きさといい形状といい、少なくとも人間のそれでないことは間違いない。】
自称・美食家であり本業は{解剖医}であるところの私は、一人そう結論付けたのだった。
完食した後の皿には、ごろりと一本、骨が残っている。
【大きさといい形状といい、少なくとも人間のそれでないことは間違いない。】
自称・美食家であり本業は{解剖医}であるところの私は、一人そう結論付けたのだった。
「食欲もしくは海水浴」「9ブックマーク」
「SunahamaDeGomiesを拾わない話」「9ブックマーク」
ゴミ拾いのボランティアで、
海水浴場を訪れた環境保護活動家のカメオ。
しかし、
彼はその日、殆ど一日中ずっと砂浜で貝殻を拾っていたという。
さて、一体なぜ?
海水浴場を訪れた環境保護活動家のカメオ。
しかし、
彼はその日、殆ど一日中ずっと砂浜で貝殻を拾っていたという。
さて、一体なぜ?
22年07月27日 22:46
【ウミガメのスープ】 [るょ]
【ウミガメのスープ】 [るょ]
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新・深夜の小ネタ集20(29日の24:00で締め)
解説を見る
「相変わらずここの砂浜は汚いな…ん?」
落ちていたペットボトルのキャップを拾い上げると、妙な感触があった。
……中身が入っている…。
ひっくり返すと、可愛らしい住人が姿を現した。
ヤドカリである。
よくある話だが、こういったゴミの多い場所では、
ヤドカリがゴミを住処としていることが少なくない。
…そして、
…このゴミを回収するということは、彼の住処を奪うことと同義である。
「待っててね。すぐにキミの新居を探してくるから。」
そう言ってカメオは、代わりのヤドを探しに出かけたのだった。
はてさて、すぐに気に入る物件は見つかるのでしょうか…!?
答え:
(一日中、貝殻を拾う羽目になったのは)思っていたよりもヤドカリが頑固だったため。
落ちていたペットボトルのキャップを拾い上げると、妙な感触があった。
……中身が入っている…。
ひっくり返すと、可愛らしい住人が姿を現した。
ヤドカリである。
よくある話だが、こういったゴミの多い場所では、
ヤドカリがゴミを住処としていることが少なくない。
…そして、
…このゴミを回収するということは、彼の住処を奪うことと同義である。
「待っててね。すぐにキミの新居を探してくるから。」
そう言ってカメオは、代わりのヤドを探しに出かけたのだった。
はてさて、すぐに気に入る物件は見つかるのでしょうか…!?
答え:
(一日中、貝殻を拾う羽目になったのは)思っていたよりもヤドカリが頑固だったため。
「矛盾ヒントの和同開珎」「9ブックマーク」
中央に入る漢字1文字は何?
1度間違えるとヒントが出ます。
1度間違えるとヒントが出ます。
22年08月08日 13:22
【20の扉】 [びーんず]
【20の扉】 [びーんず]
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検索可
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歪
磁歪
電歪
歪曲
不正解
の4つの熟語ができる。
1度間違えると【不正解】というヒントが出る予定でしたがヒント無しで解かれました。お見事です。
磁歪
電歪
歪曲
不正解
の4つの熟語ができる。
1度間違えると【不正解】というヒントが出る予定でしたがヒント無しで解かれました。お見事です。