「【BS】大好物にゃ質より量よ」「8Good」
トリック:3票物語:1票納得感:4票
ラテラ王国民、特に位の高い人々の間では、ダジャカルデと呼ばれる料理を食べるとき、少し残すことがマナーであり、全て平らげてしまうとマナー違反とされている。
しかしある日、ラテラ国の王子であるレオンが、ダジャカルデを一切残すこと無く平らげたところ、国民から賞賛された。
一体何故?
※この問題はBS問題です
出題後30分が経過するか正解が出ましたら一時間のBSタイムに突入いたします
BSタイム中は雑談でも質問でもネタ質でもマナーと良識の範囲であればなんでも受け付けます!
BSタイムが終わりましたら速やかに問題を解く作業にお戻り下さい!
☆スペシャルサンクス
「マクガフィン」さん 、ダジャカルデの使用許可ありがとうございました!
&BS問題投票してくださった皆様!
&いつも私の問題に参加してくださる皆様!!
&今このBSに参加して下さっているあなた!!!
しかしある日、ラテラ国の王子であるレオンが、ダジャカルデを一切残すこと無く平らげたところ、国民から賞賛された。
一体何故?
※この問題はBS問題です
出題後30分が経過するか正解が出ましたら一時間のBSタイムに突入いたします
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23年07月07日 22:00
【ウミガメのスープ】 [ベルン]
【ウミガメのスープ】 [ベルン]
解説を見る
ラテラ国から遠く離れたボーノ国の王様との会談の時。
その王様はラテラ国のマナーに疎く、ダジャカルデを全て平らげてしまった。
もし自分だけダジャカルデを少し残すと、王様に恥をかかせると思ったレオン王子は、王様と同じようにダジャカルデを全て平らげた。
その様子がニュースになり、国民から、レオン王子はとても気の遣える人だと賞賛された。
その王様はラテラ国のマナーに疎く、ダジャカルデを全て平らげてしまった。
もし自分だけダジャカルデを少し残すと、王様に恥をかかせると思ったレオン王子は、王様と同じようにダジャカルデを全て平らげた。
その様子がニュースになり、国民から、レオン王子はとても気の遣える人だと賞賛された。
「父親は両方」「8Good」
良質:3票トリック:1票納得感:4票
修学旅行でお土産やさんに来た青井カメオ。
班員の友達みんなが、限定品の青色のキーホルダーを買うのを見て、カメオも同じ種類のものを買おうと思ったのだが、結局彼は一人だけ、ピンク色のキーホルダーを買った。
どうして青色の方を買わなかったのだろう?
班員の友達みんなが、限定品の青色のキーホルダーを買うのを見て、カメオも同じ種類のものを買おうと思ったのだが、結局彼は一人だけ、ピンク色のキーホルダーを買った。
どうして青色の方を買わなかったのだろう?
23年08月09日 20:05
【ウミガメのスープ】 [みさこ]
【ウミガメのスープ】 [みさこ]

少し要知識ですが、知らないと解けないくらいではありません!
解説を見る
カメオたちが買おうとしていたのは、{名前プレート付きの}キーホルダーだった。
お土産やさんがいろんな名前のものを用意しているのだが、用意はあくまでよくある名前のものに限られ、オーダーメイドをお願いすることはできない。
翔太くん「このドラゴンのやつ、みんなで買おーぜ!」
晴樹くん「えーっと、『はるき』、『はるき』…。あ、あった!」
幸次郎くん「さすがに『こうじろう』はないかあ…。『こうじ』にしとこ。」
カメオくん「カメオ…。ない。かすってるのもない。」
カメオくん「あ〜。『あおい』ならあるなあ。ドラゴンじゃないけど、こっちのネコのも可愛いし、これにするか。」
カメオは自分の苗字の『あおい』(女の子の名前用で用意されていたもの)のプレートがついた、ピンク色のキーホルダーを買うことにした。
お土産やさんがいろんな名前のものを用意しているのだが、用意はあくまでよくある名前のものに限られ、オーダーメイドをお願いすることはできない。
翔太くん「このドラゴンのやつ、みんなで買おーぜ!」
晴樹くん「えーっと、『はるき』、『はるき』…。あ、あった!」
幸次郎くん「さすがに『こうじろう』はないかあ…。『こうじ』にしとこ。」
カメオくん「カメオ…。ない。かすってるのもない。」
カメオくん「あ〜。『あおい』ならあるなあ。ドラゴンじゃないけど、こっちのネコのも可愛いし、これにするか。」
カメオは自分の苗字の『あおい』(女の子の名前用で用意されていたもの)のプレートがついた、ピンク色のキーホルダーを買うことにした。
「限りなく恋に近いグレー」「8Good」
トリック:2票物語:4票納得感:2票
瑞希のクラスメイトである神田。
容姿端麗で気遣いのできる努力家なナイスガイらしいのだが、はっきり言って瑞希の好みのタイプではない。
そんな神田のことを、瑞希が恋愛的な意味で「{好き}」と言い出したのは一体何故?
容姿端麗で気遣いのできる努力家なナイスガイらしいのだが、はっきり言って瑞希の好みのタイプではない。
そんな神田のことを、瑞希が恋愛的な意味で「{好き}」と言い出したのは一体何故?
23年08月30日 23:28
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]
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【簡易解説】
{A.親友に恋心を自覚させるため。}
【ながいやつ】
「神田くんって甘いもの好きらしいよ…可愛くない?」
私は瑞希。
華も恥じらう現役JKというやつだ。
突然だが、そんな私の悩みを聞いて欲しい。
私には美優という友達がいる。
さっきから私の隣でクラスメイトの「カンダクン」について熱心にプレゼンしているこいつだ。
こいつは小学校からの友達で、そのまま地元の中学、高校へと一緒進学した…まあ、腐れ縁というやつだ。
悩みというのは他でもない、最近美優と二人っきりになるたび、「カンダクン」がいかにカッコいいかを私にアピールしてくるのだ。
今日も放課後にいつものように二人でダベっていたらこれである。いや、予想はしていたけど。
件の「カンダクン」…もとい「神田信也」だが、正直いいやつだとは思う。
人当たりがよくクラスに馴染み、素直な性格で人物としては好感が持てる。ただよく言えば柔和、悪く言えばナヨっとしたタイプで、ちょっと男らしさに欠けるなと感じる。
美優評としては、「{容姿端麗で気遣いができ、努力家なナイスガイ}」とのことだ。
別にイケメンではない。断じて。
初めの頃は適当な相槌をしながら流していたのだが、ここ数日の美優ははっきり言って異常だ。自覚があるかは不明だが、口を開けばカンダクンの話しかしていない。やれ「努力家でよく自習室にいる」とか「こないだ財布を交番に届けてた」とか「スイーツ好きなのが可愛い」とか、どこから聞いたかもわからないカンダクンTipsを熱弁してくる。
まあ正直それは良い。大体話の最後には…
「ね!瑞希もかっこいいと思うよね!」
<(知るか)>「ソウダネ…」
なぜこちらに意見を求めるのか。
心のなかで毒づきながら、何回目もわからない空返事をする。
「あのさ…そんなにカンダクンのことが好きなら、さっさと告白とかすればいいじゃん。」
「ヌゥエェッ!?別に好きとかそういうのじゃ…」
ウッソだろお前。
…そう、美優はまだ、{自分の気持ちが恋心であると気付いていない}。
思えば美優は誰とでも仲良くやれるタイプで、異性の友達も多い。明るく社交的で、だからこそ、自分の気持ちもまだ「そういうもの」だと思ってる。
(他人の気持ちには敏感な癖に…)
それにしても困った。私から言葉で促してもこいつは素直に認めないだろうし、第一その程度のアプローチならもう何度もしている。今でこそ私の前でしか「カンダクン」の話はしていないが、悪化すると他の友達にも同じようなムーブをし始めるかもしれない。こんなに分かりやすいのだ。美優の好意など美優以外にはあっさり見透かされるだろう。うっかり口の軽いやつにでも広まったらと考えると…いやダメだ。何とかしないと。
親友として、私にできること───手っ取り早く恋心を自覚させる手段は無いだろうか。
「{実はさ}」
思い浮かぶと同時に言葉にしていた。
「{私、神田くんのこと好きなんだよね。}」
「え、あ…。うん。…え?」
暫し、耐え難い沈黙が流れた。しまった。少し、意地悪だっただろうか。いやまあいかにも棒読みっぽかったし大丈夫か?第一、これぐらい荒療治の方が効くだろう。うん。
無理やり自分を納得させた隣で、未だ戸惑いの表情を浮かべ続ける美優。詰まりかけた返事の向こう側で、その瞳はいつまでも此方を見ようとしない。
「…冗談だよ。ごめんって。」
そう言われてやっと私を見た表情には、安堵と困惑が混じった表情が見えた。
「嫌なら名前でも書いときなよ。私以外にもそう言い出す子が居るかもだし。」
「…そうだね。」
多少の効き目はあっただろうか。いや、今ので確信を持って行動に移せるほど鋭い子なら、ここまでめんどくさい感じにはならなかっただろう。乙女心とはめんどくさいものだ。
再三になるが、神田くんは良いやつだ。自分以外の誰かを大事にし、尊べる人だと思う。それに多分、彼も美優のことを…………いや、野暮だな。
私にできることは見守ることだけなのだから。
───いつか、その想いがちゃんと芽吹くことを願って。
{A.親友に恋心を自覚させるため。}
【ながいやつ】
「神田くんって甘いもの好きらしいよ…可愛くない?」
私は瑞希。
華も恥じらう現役JKというやつだ。
突然だが、そんな私の悩みを聞いて欲しい。
私には美優という友達がいる。
さっきから私の隣でクラスメイトの「カンダクン」について熱心にプレゼンしているこいつだ。
こいつは小学校からの友達で、そのまま地元の中学、高校へと一緒進学した…まあ、腐れ縁というやつだ。
悩みというのは他でもない、最近美優と二人っきりになるたび、「カンダクン」がいかにカッコいいかを私にアピールしてくるのだ。
今日も放課後にいつものように二人でダベっていたらこれである。いや、予想はしていたけど。
件の「カンダクン」…もとい「神田信也」だが、正直いいやつだとは思う。
人当たりがよくクラスに馴染み、素直な性格で人物としては好感が持てる。ただよく言えば柔和、悪く言えばナヨっとしたタイプで、ちょっと男らしさに欠けるなと感じる。
美優評としては、「{容姿端麗で気遣いができ、努力家なナイスガイ}」とのことだ。
別にイケメンではない。断じて。
初めの頃は適当な相槌をしながら流していたのだが、ここ数日の美優ははっきり言って異常だ。自覚があるかは不明だが、口を開けばカンダクンの話しかしていない。やれ「努力家でよく自習室にいる」とか「こないだ財布を交番に届けてた」とか「スイーツ好きなのが可愛い」とか、どこから聞いたかもわからないカンダクンTipsを熱弁してくる。
まあ正直それは良い。大体話の最後には…
「ね!瑞希もかっこいいと思うよね!」
<(知るか)>「ソウダネ…」
なぜこちらに意見を求めるのか。
心のなかで毒づきながら、何回目もわからない空返事をする。
「あのさ…そんなにカンダクンのことが好きなら、さっさと告白とかすればいいじゃん。」
「ヌゥエェッ!?別に好きとかそういうのじゃ…」
ウッソだろお前。
…そう、美優はまだ、{自分の気持ちが恋心であると気付いていない}。
思えば美優は誰とでも仲良くやれるタイプで、異性の友達も多い。明るく社交的で、だからこそ、自分の気持ちもまだ「そういうもの」だと思ってる。
(他人の気持ちには敏感な癖に…)
それにしても困った。私から言葉で促してもこいつは素直に認めないだろうし、第一その程度のアプローチならもう何度もしている。今でこそ私の前でしか「カンダクン」の話はしていないが、悪化すると他の友達にも同じようなムーブをし始めるかもしれない。こんなに分かりやすいのだ。美優の好意など美優以外にはあっさり見透かされるだろう。うっかり口の軽いやつにでも広まったらと考えると…いやダメだ。何とかしないと。
親友として、私にできること───手っ取り早く恋心を自覚させる手段は無いだろうか。
「{実はさ}」
思い浮かぶと同時に言葉にしていた。
「{私、神田くんのこと好きなんだよね。}」
「え、あ…。うん。…え?」
暫し、耐え難い沈黙が流れた。しまった。少し、意地悪だっただろうか。いやまあいかにも棒読みっぽかったし大丈夫か?第一、これぐらい荒療治の方が効くだろう。うん。
無理やり自分を納得させた隣で、未だ戸惑いの表情を浮かべ続ける美優。詰まりかけた返事の向こう側で、その瞳はいつまでも此方を見ようとしない。
「…冗談だよ。ごめんって。」
そう言われてやっと私を見た表情には、安堵と困惑が混じった表情が見えた。
「嫌なら名前でも書いときなよ。私以外にもそう言い出す子が居るかもだし。」
「…そうだね。」
多少の効き目はあっただろうか。いや、今ので確信を持って行動に移せるほど鋭い子なら、ここまでめんどくさい感じにはならなかっただろう。乙女心とはめんどくさいものだ。
再三になるが、神田くんは良いやつだ。自分以外の誰かを大事にし、尊べる人だと思う。それに多分、彼も美優のことを…………いや、野暮だな。
私にできることは見守ることだけなのだから。
───いつか、その想いがちゃんと芽吹くことを願って。
「この世界から消えるとき」「8Good」
良質:3票物語:4票納得感:1票
この世に未練がある人間は、幽霊になるという。
「わたし、幽霊になっちゃった」
亡くなったはずの恋人・日向は、樹の元へと現れて言った。
「樹くんとやりたかったことが多すぎたからね」
それを聞いた樹は、日向が満足して消えられるようにと、日向の望みを何でも叶えると決めた。
最近できた遊園地に一緒に行く。
この辺りで一番高い山の山頂から夕陽を見て、2人の写真を撮る。
海の見えるレストランでウミガメのスープを食べる。
……
…
日向の言ったことを一つひとつ叶えていった樹だったが、その半分も終わらないうちに、日向は消えてしまった。
一体なぜ?
※「この世に未練がある人間は幽霊になる」以外の非現実要素はありません。
「わたし、幽霊になっちゃった」
亡くなったはずの恋人・日向は、樹の元へと現れて言った。
「樹くんとやりたかったことが多すぎたからね」
それを聞いた樹は、日向が満足して消えられるようにと、日向の望みを何でも叶えると決めた。
最近できた遊園地に一緒に行く。
この辺りで一番高い山の山頂から夕陽を見て、2人の写真を撮る。
海の見えるレストランでウミガメのスープを食べる。
……
…
日向の言ったことを一つひとつ叶えていった樹だったが、その半分も終わらないうちに、日向は消えてしまった。
一体なぜ?
※「この世に未練がある人間は幽霊になる」以外の非現実要素はありません。
23年09月18日 22:31
【ウミガメのスープ】 [輝夜]
【ウミガメのスープ】 [輝夜]
解説を見る
【簡易解説】
日向の本当の未練とは、{日向の死後、家に引きこもるようになってしまった樹}。
見かねた日向は樹の前に現れ、{自分の望みと称して}樹を{外へと連れ出した}。
日向の願いを叶えていく中で、樹が{社会復帰を果たした}ため、日向は満足し、消えた。
【とても長い解説】
「わたし、幽霊になっちゃった」
昔、樹くんと一緒に暮らしていた部屋。埃の積もったそこに、半透明の足先をつけて着地した。
樹くんったら、幽霊でも見たような顔しちゃってさ、失礼なんだから。あ、わたし、幽霊だった。
「え、あ、日向……?」
「えー、わたしのこと、忘れちゃったなんて言わないよね?」
そんなわけない。それは私が一番知ってる。
部屋はカーテンが締め切られていて薄暗い。床に放ったままにされている通販の段ボールや、はさみはちょっと危なっかしい。ゼリーのゴミは結構汚い。あと流しに積み重なってるカップラーメンのゴミも。わたしが虫嫌いなの、知ってるくせに。
「っまさか! 一瞬だって、忘れたことはっ……」
「うん、忘れないでいてくれたのは嬉しいけどさ、」
こんなの望んでないよ。
その言葉は呑み込んで、なんでもないよ、って首を振ると、わたしは宣言する。
「わたし、この世に未練ばっかりなの! 樹くんとしたかったことが多すぎたからね」
「そ、そうか……?」
「そう! だからさ、まず、最近できた遊園地に一緒に行こうよ! わたしが消えられるように、手伝って!」
「けど、俺、」
「なーに、可愛い彼女のお願いひとつ叶えられないの?」
そう言うと、樹くんは伸び切った前髪の奥で、泣き出しそうな顔で笑った。
「幽霊になっても、日向は日向なんだな」
「当たり前でしょ?」
「そういうやつだったよ。……一週間くれ。絶対連れていく」
「やったー!」
無邪気に喜んで、洗面所に走っていく樹くんを見送った。
それから、遊園地に行った。山にも登ったし、水族館にも行った。わたしは食べられないけど、おしゃれなレストランにも連れてってもらったし、一緒に(といってもわたしは見てただけだけど)バンジージャンプも行ってみた。悲鳴をあげる樹くん、見ものだったなあ。
それだけ遊んでたらもちろん、お金が足りなくなった。樹くんはバイトを始めた。新しい友達ができたらしい。その友達と一緒に、今は仕事を探してるんだって。
同窓会に行きたいってねだってみた。樹くんはわたしばっかり見ているわけにもいかなくて、昔の友達と話してた。「あいつら、変わってないな」って、呆れたように笑ってた。
それは、ある公園からの、帰り道でのことだった。
樹くんはばったりあった友達くんと話し込んでて、夕陽が樹くんの髪を照らしていた。
綺麗に整えられて、つやつやと光っている黒髪。わっと笑った樹くんが、友達くんの肩を勢いよく叩いた。
もう、わたしはいらないかな。
そう思った瞬間に、ちょっと体が軽くなった。これは消えるや、と思った。
「ごめん待たせた」
「もー、待たせすぎ」
「悪かったって」
「お詫びに、ひとつ願い叶えて!」
「まだ大量に残ってるだろ? 何個あるんだよ」
「まあまあ、一瞬で終わるやつだからさ」
樹くんの顔を見た。やっぱりかっこよかった。
「あのさ、好きって言われたい」
「後でな」
「だめ!」
思いの外強い声が出た。わたしの勢いに面食らったような顔をしたけれど、樹くんは、いつものように仕方ないな、という顔をした。
いつだってわたしの願いを叶えてくれる顔。我が儘で主張ばっかりしてたわたしを許してくれた顔。
「好きだよ。……ほら、これで良いか?」
心が満たされた瞬間、またふっと体が軽くなった。
「うん。……ありがと」
また散らかしちゃだめだよ。
ちゃんとバイト行くんだよ。仕事探すんだよ。
わたしのことなんて忘れて、ちゃんと幸せになってね。
……でも、たまには、年に1回くらいは、あんなやつもいたなって、思い出してくれたら嬉しいな。
樹くんの顔を見た。その時ちょうど、夕日が沈んだ。
そしてわたしは、この世界から消えた。
日向の本当の未練とは、{日向の死後、家に引きこもるようになってしまった樹}。
見かねた日向は樹の前に現れ、{自分の望みと称して}樹を{外へと連れ出した}。
日向の願いを叶えていく中で、樹が{社会復帰を果たした}ため、日向は満足し、消えた。
【とても長い解説】
「わたし、幽霊になっちゃった」
昔、樹くんと一緒に暮らしていた部屋。埃の積もったそこに、半透明の足先をつけて着地した。
樹くんったら、幽霊でも見たような顔しちゃってさ、失礼なんだから。あ、わたし、幽霊だった。
「え、あ、日向……?」
「えー、わたしのこと、忘れちゃったなんて言わないよね?」
そんなわけない。それは私が一番知ってる。
部屋はカーテンが締め切られていて薄暗い。床に放ったままにされている通販の段ボールや、はさみはちょっと危なっかしい。ゼリーのゴミは結構汚い。あと流しに積み重なってるカップラーメンのゴミも。わたしが虫嫌いなの、知ってるくせに。
「っまさか! 一瞬だって、忘れたことはっ……」
「うん、忘れないでいてくれたのは嬉しいけどさ、」
こんなの望んでないよ。
その言葉は呑み込んで、なんでもないよ、って首を振ると、わたしは宣言する。
「わたし、この世に未練ばっかりなの! 樹くんとしたかったことが多すぎたからね」
「そ、そうか……?」
「そう! だからさ、まず、最近できた遊園地に一緒に行こうよ! わたしが消えられるように、手伝って!」
「けど、俺、」
「なーに、可愛い彼女のお願いひとつ叶えられないの?」
そう言うと、樹くんは伸び切った前髪の奥で、泣き出しそうな顔で笑った。
「幽霊になっても、日向は日向なんだな」
「当たり前でしょ?」
「そういうやつだったよ。……一週間くれ。絶対連れていく」
「やったー!」
無邪気に喜んで、洗面所に走っていく樹くんを見送った。
それから、遊園地に行った。山にも登ったし、水族館にも行った。わたしは食べられないけど、おしゃれなレストランにも連れてってもらったし、一緒に(といってもわたしは見てただけだけど)バンジージャンプも行ってみた。悲鳴をあげる樹くん、見ものだったなあ。
それだけ遊んでたらもちろん、お金が足りなくなった。樹くんはバイトを始めた。新しい友達ができたらしい。その友達と一緒に、今は仕事を探してるんだって。
同窓会に行きたいってねだってみた。樹くんはわたしばっかり見ているわけにもいかなくて、昔の友達と話してた。「あいつら、変わってないな」って、呆れたように笑ってた。
それは、ある公園からの、帰り道でのことだった。
樹くんはばったりあった友達くんと話し込んでて、夕陽が樹くんの髪を照らしていた。
綺麗に整えられて、つやつやと光っている黒髪。わっと笑った樹くんが、友達くんの肩を勢いよく叩いた。
もう、わたしはいらないかな。
そう思った瞬間に、ちょっと体が軽くなった。これは消えるや、と思った。
「ごめん待たせた」
「もー、待たせすぎ」
「悪かったって」
「お詫びに、ひとつ願い叶えて!」
「まだ大量に残ってるだろ? 何個あるんだよ」
「まあまあ、一瞬で終わるやつだからさ」
樹くんの顔を見た。やっぱりかっこよかった。
「あのさ、好きって言われたい」
「後でな」
「だめ!」
思いの外強い声が出た。わたしの勢いに面食らったような顔をしたけれど、樹くんは、いつものように仕方ないな、という顔をした。
いつだってわたしの願いを叶えてくれる顔。我が儘で主張ばっかりしてたわたしを許してくれた顔。
「好きだよ。……ほら、これで良いか?」
心が満たされた瞬間、またふっと体が軽くなった。
「うん。……ありがと」
また散らかしちゃだめだよ。
ちゃんとバイト行くんだよ。仕事探すんだよ。
わたしのことなんて忘れて、ちゃんと幸せになってね。
……でも、たまには、年に1回くらいは、あんなやつもいたなって、思い出してくれたら嬉しいな。
樹くんの顔を見た。その時ちょうど、夕日が沈んだ。
そしてわたしは、この世界から消えた。
「【らてクエ23】 借りてきたパンダ」「8Good」
トリック:2票物語:1票納得感:5票
梨別小学校の運動会で行われる借り物競争では
通例として、何も書かれていない紙がお題箱の中に入っている。
「何も持ってこなくていいよ。」という意味でないならば、どうして?
https://late-late.jp/mondai/show/18653
通例として、何も書かれていない紙がお題箱の中に入っている。
「何も持ってこなくていいよ。」という意味でないならば、どうして?
https://late-late.jp/mondai/show/18653
23年10月28日 21:34
【ウミガメのスープ】 [ノエル]
【ウミガメのスープ】 [ノエル]
解説を見る
お題箱の中に入っていたのは図のような
5×5の正方形に3か所の1×1の正方形の穴が開いた紙であった。
(穴が開いている箇所は図の黒く塗られた部分)
小学生たちは最初は何も書かれておらず、
ただ穴が開いているだけの1枚の紙に困惑していたが、
やがてお題箱の横に同じような正方形の5×5のマス目が引かれた紙を見つける。
そこにはランダムなカタカナが一文字ずつ書かれていた。
小学生たちは穴の開いた紙を上に重ね合わせてみる。
そうすると、3か所の穴が開いている部分で3文字のことばが浮かび上がってきた。
しかし、ある小学生は再び困惑する。
重ね合わせて出てきたカタカナ3文字は「パンダ」。
パンダなんてものもってこれるはずもない。
...そう。重ね合わせる向きによって借りてくるものの難易度が変わるのである。
その仕組みに気づいた小学生たちは穴の開いた紙の向きを変えて、「ホウキ」という文字を導いた。
ホウキならすぐそこの掃除置き場にある。
これは、試行錯誤して重ね合わせて向きを変え、現実的に持ってこれる文字列にするという
思考力や判断力を養う側面もあったのだ。
なにせ、ここ梨別小学校は将来を有望視されたエリートな小学生が通っている。
運動会といえども、常にこういった力を育成するという方針がこの小学校の通例となっているのである。
小学生たちは、見事この謎を解き明かし、運動会優勝へ向けて走るのであった。
5×5の正方形に3か所の1×1の正方形の穴が開いた紙であった。
(穴が開いている箇所は図の黒く塗られた部分)
小学生たちは最初は何も書かれておらず、
ただ穴が開いているだけの1枚の紙に困惑していたが、
やがてお題箱の横に同じような正方形の5×5のマス目が引かれた紙を見つける。
そこにはランダムなカタカナが一文字ずつ書かれていた。
小学生たちは穴の開いた紙を上に重ね合わせてみる。
そうすると、3か所の穴が開いている部分で3文字のことばが浮かび上がってきた。
しかし、ある小学生は再び困惑する。
重ね合わせて出てきたカタカナ3文字は「パンダ」。
パンダなんてものもってこれるはずもない。
...そう。重ね合わせる向きによって借りてくるものの難易度が変わるのである。
その仕組みに気づいた小学生たちは穴の開いた紙の向きを変えて、「ホウキ」という文字を導いた。
ホウキならすぐそこの掃除置き場にある。
これは、試行錯誤して重ね合わせて向きを変え、現実的に持ってこれる文字列にするという
思考力や判断力を養う側面もあったのだ。
なにせ、ここ梨別小学校は将来を有望視されたエリートな小学生が通っている。
運動会といえども、常にこういった力を育成するという方針がこの小学校の通例となっているのである。
小学生たちは、見事この謎を解き明かし、運動会優勝へ向けて走るのであった。