みんなのGood

良質:3票物語:4票納得感:1票
この世に未練がある人間は、幽霊になるという。

「わたし、幽霊になっちゃった」

亡くなったはずの恋人・日向は、樹の元へと現れて言った。

「樹くんとやりたかったことが多すぎたからね」

それを聞いた樹は、日向が満足して消えられるようにと、日向の望みを何でも叶えると決めた。

最近できた遊園地に一緒に行く。
この辺りで一番高い山の山頂から夕陽を見て、2人の写真を撮る。
海の見えるレストランでウミガメのスープを食べる。
……


日向の言ったことを一つひとつ叶えていった樹だったが、その半分も終わらないうちに、日向は消えてしまった。

一体なぜ?


※「この世に未練がある人間は幽霊になる」以外の非現実要素はありません。
23年09月18日 22:31
【ウミガメのスープ】 [輝夜]



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【簡易解説】
日向の本当の未練とは、{日向の死後、家に引きこもるようになってしまった樹}。
見かねた日向は樹の前に現れ、{自分の望みと称して}樹を{外へと連れ出した}。
日向の願いを叶えていく中で、樹が{社会復帰を果たした}ため、日向は満足し、消えた。


【とても長い解説】

「わたし、幽霊になっちゃった」

 昔、樹くんと一緒に暮らしていた部屋。埃の積もったそこに、半透明の足先をつけて着地した。
 樹くんったら、幽霊でも見たような顔しちゃってさ、失礼なんだから。あ、わたし、幽霊だった。
「え、あ、日向……?」
「えー、わたしのこと、忘れちゃったなんて言わないよね?」

 そんなわけない。それは私が一番知ってる。
 部屋はカーテンが締め切られていて薄暗い。床に放ったままにされている通販の段ボールや、はさみはちょっと危なっかしい。ゼリーのゴミは結構汚い。あと流しに積み重なってるカップラーメンのゴミも。わたしが虫嫌いなの、知ってるくせに。

「っまさか! 一瞬だって、忘れたことはっ……」
「うん、忘れないでいてくれたのは嬉しいけどさ、」
 こんなの望んでないよ。
 その言葉は呑み込んで、なんでもないよ、って首を振ると、わたしは宣言する。

「わたし、この世に未練ばっかりなの! 樹くんとしたかったことが多すぎたからね」
「そ、そうか……?」
「そう! だからさ、まず、最近できた遊園地に一緒に行こうよ! わたしが消えられるように、手伝って!」
「けど、俺、」
「なーに、可愛い彼女のお願いひとつ叶えられないの?」

 そう言うと、樹くんは伸び切った前髪の奥で、泣き出しそうな顔で笑った。

「幽霊になっても、日向は日向なんだな」
「当たり前でしょ?」
「そういうやつだったよ。……一週間くれ。絶対連れていく」
「やったー!」
 無邪気に喜んで、洗面所に走っていく樹くんを見送った。


 それから、遊園地に行った。山にも登ったし、水族館にも行った。わたしは食べられないけど、おしゃれなレストランにも連れてってもらったし、一緒に(といってもわたしは見てただけだけど)バンジージャンプも行ってみた。悲鳴をあげる樹くん、見ものだったなあ。
 それだけ遊んでたらもちろん、お金が足りなくなった。樹くんはバイトを始めた。新しい友達ができたらしい。その友達と一緒に、今は仕事を探してるんだって。
 同窓会に行きたいってねだってみた。樹くんはわたしばっかり見ているわけにもいかなくて、昔の友達と話してた。「あいつら、変わってないな」って、呆れたように笑ってた。

 
 それは、ある公園からの、帰り道でのことだった。
 樹くんはばったりあった友達くんと話し込んでて、夕陽が樹くんの髪を照らしていた。
 綺麗に整えられて、つやつやと光っている黒髪。わっと笑った樹くんが、友達くんの肩を勢いよく叩いた。

 もう、わたしはいらないかな。

 そう思った瞬間に、ちょっと体が軽くなった。これは消えるや、と思った。
 
「ごめん待たせた」
「もー、待たせすぎ」
「悪かったって」
「お詫びに、ひとつ願い叶えて!」
「まだ大量に残ってるだろ? 何個あるんだよ」
「まあまあ、一瞬で終わるやつだからさ」
 樹くんの顔を見た。やっぱりかっこよかった。

「あのさ、好きって言われたい」
「後でな」
「だめ!」

 思いの外強い声が出た。わたしの勢いに面食らったような顔をしたけれど、樹くんは、いつものように仕方ないな、という顔をした。
 いつだってわたしの願いを叶えてくれる顔。我が儘で主張ばっかりしてたわたしを許してくれた顔。

「好きだよ。……ほら、これで良いか?」

 心が満たされた瞬間、またふっと体が軽くなった。

「うん。……ありがと」

 また散らかしちゃだめだよ。
 ちゃんとバイト行くんだよ。仕事探すんだよ。
 わたしのことなんて忘れて、ちゃんと幸せになってね。

 ……でも、たまには、年に1回くらいは、あんなやつもいたなって、思い出してくれたら嬉しいな。

 樹くんの顔を見た。その時ちょうど、夕日が沈んだ。


 そしてわたしは、この世界から消えた。
トリック:2票物語:1票納得感:5票
梨別小学校の運動会で行われる借り物競争では
通例として、何も書かれていない紙がお題箱の中に入っている。

「何も持ってこなくていいよ。」という意味でないならば、どうして?

https://late-late.jp/mondai/show/18653
23年10月28日 21:34
【ウミガメのスープ】 [ノエル]



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お題箱の中に入っていたのは図のような
5×5の正方形に3か所の1×1の正方形の穴が開いた紙であった。
(穴が開いている箇所は図の黒く塗られた部分)
小学生たちは最初は何も書かれておらず、
ただ穴が開いているだけの1枚の紙に困惑していたが、
やがてお題箱の横に同じような正方形の5×5のマス目が引かれた紙を見つける。
そこにはランダムなカタカナが一文字ずつ書かれていた。

小学生たちは穴の開いた紙を上に重ね合わせてみる。
そうすると、3か所の穴が開いている部分で3文字のことばが浮かび上がってきた。

しかし、ある小学生は再び困惑する。
重ね合わせて出てきたカタカナ3文字は「パンダ」。
パンダなんてものもってこれるはずもない。

...そう。重ね合わせる向きによって借りてくるものの難易度が変わるのである。
その仕組みに気づいた小学生たちは穴の開いた紙の向きを変えて、「ホウキ」という文字を導いた。
ホウキならすぐそこの掃除置き場にある。

これは、試行錯誤して重ね合わせて向きを変え、現実的に持ってこれる文字列にするという
思考力や判断力を養う側面もあったのだ。

なにせ、ここ梨別小学校は将来を有望視されたエリートな小学生が通っている。
運動会といえども、常にこういった力を育成するという方針がこの小学校の通例となっているのである。

小学生たちは、見事この謎を解き明かし、運動会優勝へ向けて走るのであった。
スープのお味「8Good」
物語:3票納得感:5票
カメオが授業中にクラスメイトの野山君に聞きたくなった、食事に関する質問は何だろう?
23年10月30日 20:41
【20の扉】 [のまるす]



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【ウーサーギー美味しいーかー のーやーまー】

音楽の授業以降、ずっとこのフレーズが頭の中をぐるぐる回っている。
しかし結局カメオは聞けなかった。キャラに合わないのだ。シャイなのだ。
ならせめて、今晩のスープの一皿にでもなれば…とカメオは思うのだった。


故郷(ふるさと)
詩 高野辰之
曲 岡野貞一
口が聞けない「8Good」
物語:6票納得感:2票
愛しの真理子に対し、愛の告白をした大智。
その告白に対する真理子の返事は「ごめん、{よく聞こえなかった}」というものだったのだが、その理由を知った大智はしばらく時間を置いてから今度は自信をもって、なおも静かな声で同じ告白を繰り返した。

一体何故?
23年12月12日 22:53
【ウミガメのスープ】 [松神]



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A.真理子は自分の心臓の音がうるさくて大智の告白がよく聞こえなかったため、心臓が落ち着くまで待つ必要があったから。


大智「き、聞こえなかった?(これは、嫌だって意味か?)」

真理子「あっ、違うの!そういう意味じゃなくて、えっと……ごめんね、ちょっと心臓の音がうるさくて……落ち着くまで待っててくれる?」

大智「えっ……あ、おう!も、もちろん!」

それから5分程経過して……

大智「そ、そろそろ良いか?」

真理子「う、うん!」

大智「じゃあ、行くぞ……!」
良質:3票物語:1票納得感:4票
無職でお金がないカメオは、同じ服や靴を何年も着回している。

そんな彼が履いているスニーカーは、当時は不人気もいいところでわずか数足しか売れなかった代物である。

しかし、今になって愛好家たちの間で人気が急上昇し、一転してレア物と化したスニーカーであった。

カメオはそのことを知ると、スニーカーを売るでも履き続けるでもなく捨ててしまった。

一体なぜだろうか?
24年01月05日 22:44
【ウミガメのスープ】 [ぺてー]



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【A.】 カメオは強盗殺人で警察に追われており、スニーカーが重要な証拠となることに気づいたため。


無職でお金がないカメオは【空き巣の常習犯】であり、ついには強盗殺人にも手を染めた極悪人である。

警察は未だに犯人を特定できていないものの、犯行現場に残された足跡から、{犯人が履いているスニーカーが話題沸騰中のレア物であることが明らかとなった}。

しかし、どこかからこの情報が漏洩すると、マスコミによりスニーカーの情報が報道されてしまい、カメオにもそのことが知れ渡ってしまった。

カメオは{自分のスニーカーが重要な証拠となることに気づき}、スニーカーを捨てたのであった。