みんなのGood

良質:3票トリック:2票物語:4票
昔々、楠木リットという娘が両親と暮らしていました。

家の裏には大きな蜜柑畑があって、その世話をするのが彼女の日課です。

ある晩のこと。

家に帰るなり、玄関で足についた土を落としている姿を母親が見つけると、

「{もう二度と、この家に帰ってこないで。}」

と彼女に向かって言いました。

一体なぜでしょう??
20年01月25日 23:29
【ウミガメのスープ】 [弥七]

劇団ココナッツ🌴




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<解説>
簡易解答:母親と娘は父親の暴力(虐待)に耐えながら生活し、少女は一人蜜柑を売って生計を立てていた。ある晩予想以上の売上で、自分のポケットや帽子に入りきらないほどの大金を『{長靴}』に入れ運んできた娘を見て、母親は今こそ彼女を逃すべきだと悟ったのであった。

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私は何度も考えた。

この見えない檻の中から、愛する娘を救い出す方法はないものか、と。

病弱な私と、大酒家で暴力的な父を両親に持ちながらも、リットはたった一人で家庭を支えてくれた。蜜柑畑に通っては水と肥料を与え、収穫した果実は市場に売りに出して毎日の生活費を得ていた。

私はベットの上で、毎日ひび割れた窓ガラス越しにそれを眺めることしかできなかった。

井戸と畑の間を水桶を持っていったりきたり。仕事の合間には樹の根元に腰掛け、小さい頃に買い与えたギターを手に練習をする彼女の姿があった。


リット(Beautiful city… beautiful city…)


幼い娘には、たくさんの可能性が眠っているというのに。

いつか音楽家になりたいと言っていたが、彼女には全く違う将来が待ち受けているかもしれないし、その願い通りになるのかもしれない。

あの人のように、誰かを傷つける大人になるのかもしれないし、他人に愛や幸せを与える人間になるかもしれない。

しかしどれだけ彼女の明日を夢見ようがここは檻の中。全ては砂上の楼閣、なんとも脆い、叶わぬ夢に他ならなかった。

その原因が私自身にもあるかと思うと、なおさら私は耐えられずにいた。





あの晩。

家に帰ってきた娘の姿を見て、私はとうとうその答えを見つけた。いや、彼女自身がそれを運んできた。

迎えに行くと玄関に立つリットの足は土と泥にまみれていた。靴を履いていなかったのだ。彼女は手に持っていた長靴を差し出して、私に向かい笑いかける。その中には蜜柑を売って手に入れた大量のお札や硬貨が詰め込まれていた。

リット「持ちきれなかったから。見て、全部売れたんだよ。これであたたかいスープでも作ろう、そしたら病気も治るかもね。」

声をかけながら小さな背中を抱きしめ、理解した。彼女は私の考えている以上に、優しく、たくましく育ったのだろう。そして決めた。


ーーーあの人は家にいない。チャンスは今しかないのだ。


お金の入った長靴と宝物のギターを渡し、家の外へ連れ出した。

私があの時喋ったことは、もう思い出したくもない。ただ滔々と、感情を捨て、苦しい言葉を吐いた。あの小さな目がどんどん丸くなるのを見て、胸が張り裂けそうだった。


港に見える、あの船に乗って、どこまでも逃げなさい。

そして、

「{もう二度と、この家に帰ってこないで。}」


私は彼女の後ろ姿を最後まで見送ることもできず、その場に泣き崩れた。





外輪船は汽笛をあげ、飛沫を立てながら波止場を後にする。

甲板にうずくまる少女の袖から、かさこそと一匹の蟻が這い出てきた。彼女はそれを手に乗せてしげしげと見つめた。服の中に隠れ、きっとここまで一緒についてきたのだろう。

もう二度と、元の棲家へ帰ることもない。

「…私と、おんなじだね。」
「…もし、お嬢さん。」

はっと顔を上げると、向かいの老人がリットに向かって話しかける。

「ずいぶん年季の入ったギターだこと。旅のお供に一曲、聞かせてもらえんかね?」

少女の前に、一枚の硬貨が転がった。揺れる足場で、ころころと行ったり来たりしながら危なっかしくも目の前へとやってきた。彼女はそれを掴まなければなるまいと思った。そして少しでも前に進まなければ、生きなければ。からんと硬貨をギターの中に入れると、徐に弦に手をかけた。


リット(Beautiful city… beautiful city…)


ひとり、またひとりと彼女の周りに人だかりができた。彼女は演奏を続けながら、もはや遠く離れてしまった故郷の方角を振り返った。

今、朝日が登ろうとしている。

線香花火の火球のように、その輪郭がじくじくと腫れぼったいのは、瞳に溜まった涙のせいだろうか。朝焼けが森を焦がしてゆく。彼女は遠い山の頂上でひときわ輝く光から、目を離すことができなかった。間違えるはずもない、あれは…蜜柑の樹だ。

彼女の育てた蜜柑畑が、太陽と溶け合ってひとつの色に染まっていた。


リット(Beautiful city… beautiful city… さよならさ。)


景色が、その色が、彼女の心にどう映ったのか。

例えるにも、それは筆舌に尽くし難く。

ただ{マンダリンの空}の下、美しい{オレンジの楼上}は、彼女の行く先をまっすぐに照らしているのだった。

(おしまい)(この物語は全てフィクションです。)

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『劇団ココナッツ🌴』
・老人役(弥七)
・楠木リット役(きっとくりすさん)
・母親役(みづさん)
ふたりにSpecial Thanks!!!
☆参考:『琥珀色の街、上海蟹の朝』(くるり)
良質:3票トリック:2票納得感:4票
ある日のおやつの時間、クッキーを食べていた食いしん坊の姉妹は、お皿に残ったクッキーが10枚を切ったのに気付きました。
「ねえ、クッキー残り少なくなってきたね」
姉が言い、妹が頷きます。
「うん。あたし残り全部食べたい」
食い意地の張った妹の言葉に、今度は姉が頷きます。
「私だって全部食べたいよ。……だからさ、ゲームで決めない? 勝った方が、お皿に残ったクッキーを総取りできるの」
「うん、いいよ!」
「ゲームは……こんなのどう? おはじきとか鉛筆とか、1つ2つって数えられるものを8つ用意して、テーブルに並べる。そして、それを先攻後攻、交互に取っていき、最後の1つを取った方の勝ち」
「ふむふむ」
「ただし、駒を取っていい数は1ターンに1つから3つまで。1つも取らなかったり、4つ取ったりするのはダメ」
「じゃあ、あたし先攻! 先攻がいい!」
先攻を望む妹に、姉はほくそ笑みました。このゲームは、最初に先攻がいくつ駒を取ろうと、後攻が残り4つになるよう取りさえすれば、絶対に後攻が勝てるからです。

ところが、ゲームが始まった直後、姉の笑みは崩壊しました。一体なぜ?
18年07月05日 21:40
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]

ニム




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「いいよ。じゃあ私は後攻でゲーム成立ね」
「早速ゲームを始めよう。駒は……あ、これでいいよね?」
姉の言葉を受けた妹は、皿に手を伸ばし、9枚残っていたクッキーのうち8つを、テーブルに並べました。唖然とする姉をよそに、妹は
「まず私のターン。1、2、3つ取るよ」
とテーブルの上のクッキーを3つ取り、口に入れてしまいます。
「えっ、ちょっと待ってよ……!」
戸惑う姉に、妹はクッキーを咀嚼しながら言います。
「だってお姉ちゃん言ってたじゃない。“勝った方が、お皿に残ったクッキーを総取り”って。私が今食べた分はテーブルに載ってたゲームの駒だよ」
屁理屈だと思いつつも、必勝法のあるゲームで妹を嵌めようとした手前、姉は何も言えません。仕方なく自分も最大数の3つクッキーを取ろうとしたときに、姉は気づきます。
自分がどのように取ったとしても、あと3つしかクッキーを食べられないことに。
必勝法を守って1つだけ取った場合、恐らく妹は最大数の3つを取るので、自分は最後の1つを取り、お皿のクッキー1枚を手に入れられるでしょう。食べられるクッキーの合計は、ゲーム中に取った2つと合わせて3枚です。
必勝法を無視して3つ取った場合、妹は残りの2つとお皿のクッキー1枚を手に入れます。この場合も、食べられるクッキーの合計は3枚です。
必勝法も最大数も無視して2つ取った場合は、一番悲惨です。残りの3つもお皿のクッキー1枚も妹に取られ、姉は2枚しか食べられません。
「ううーーっ……」
姉は唸ったまま、クッキーに手を伸ばすことができませんでした。
マタタビ運転禁止「9Good」
トリック:2票納得感:7票
とある辺境に知る人と知る変身屋というお店があった。
そこは12時間限定で魔法使いがお客様を要望通りの姿に変身させてくれるという夢のようなお店であった。
そこではシンデレラのようにお姫様になる人がいれば、ある人は耳をロバに変え、ある人は全身を猫に変えてもらったとか…

ある時、その店の常連客であるカメコは猫の日という事で猫耳を注文した。
注文通り頭の上に2つの猫耳を生やし御満悦なカメコは行きに乗って来た車を置いてタクシーを呼んだという。
一体何故?
*ただし聴力は関係しないものとする。
20年02月22日 20:20
【ウミガメのスープ】 [ゲクラ]

久々出題!2020年猫の日!一応2/24〆切にします。




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恋人へのサプライズに変身屋に訪ねたカメコ、

「念のため身長に影響するのはNO、目関係も怖いのでなし、手と足も無理…」

今日は1人で来たので帰りの運転に支障の出ないよう慎重に考えていた。

「今日は猫の日なので猫耳はいかがでしょう?」

魔法使いからの助言により猫耳を選択したカメコ。

コンタクトをつけれないカメコがメガネという運転必須の装飾品を思い出したのは変身後のことだった。

「次回割引にいたしましょう」という言葉で機嫌をよくしたカメコは後日、車を取りに来たついでにと別の姿に変身して、またタクシーを呼ぶ羽目になったのだとか…

答え
耳が頭についてメガネがかけられ無かったから。
トリック:2票物語:7票
「ねえねえ、一昨日の晩ごはん覚えてる?」
娘にそう問いかけられた男は、一昨日の晩ごはんを思い出せなかったので、娘がもうじき死ぬことを悟った。
かろうじて昨日の晩ごはんがハンバーグであったことを思い出した男が「一昨日の夜はハンバーグだったよ」と返事をしたのは、娘のためを思っての行動なのだが、
一体どういうことだろう?

「マクガフィン」さんの問題なのです
20年03月18日 22:07
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]



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男はその昔、歴代の天才発明家夫婦が作り出したAI型ロボットなのです。


今はその夫婦の娘のお世話を見るのが私の長年のお仕事でした。

(私に未だに名前はない。その前に天才夫婦は事故でなくなってしまったから)




「ねえねえ、一昨日の晩ごはん覚えてる?」


娘にそう問いかけられたとき、【娘が】一昨日の晩ごはんを思い出せないほど記憶障害が進行していたので、娘がもうじき死ぬことを悟った。


人間は機械と違い、年老いて記憶が劣化してしまうほど寿命が近くなる。


データにあることだ。


機械の身体では時間の流れは人間のように感じられは出来ないが
そうか娘はもう高齢な訳か・・・・


機械の私は娘に出来ることは無いかと脳内のメーターをフル回転させて
「一昨日の夜はハンバーグだったよ」と返事をした。
(余分な情報は破棄されてしまうため、いちいち記憶など付けていなかったので本当に大変でした)



すると娘は目尻に柔らかい皴を浮かべ

{嘘つき}っとつぶやいた。



娘は昨日の記憶はちゃんと残っていたらしい。


ロボットなのに人間みたいな嘘を憑くのね
流石私のお父さんとお母さんの最高傑作だわ、傑作だわ

娘は子供のように楽しげに笑っている。


どうやらロボットとしての初めての嘘(ジョーク)はお気に召してくれたようだ。


良かった・・・
また笑顔になってくれて







あれ?変だな?


液晶画面がぼやけて上手く見えないや・・・・



(´;ω;`)
傲慢なカメオ「9Good」
トリック:7票納得感:2票
あるとき、カメオは上司に上から目線であることを注意されたので、本屋に行って分厚い辞書を買った。しかし、それ以降カメオがその辞書を読むことは全くなかった。
これはいったいどういうこと?

20年04月24日 21:44
【ウミガメのスープ】 [ぎんがけい]

3人正解で締め切り。ところで、外出できない生活が続きますが、皆さん元気でお過ごしですか?




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カメオは上司とのwebミーティングの際に、PCの位置を低くセットしすぎたため、
上司はカメオが上から目線で発言しているように感じたため、カメオに注意した。
その注意を受けたカメオはPCの位置を高くするため、PCの下に辞書を置いた。
置くためだけに辞書を買ったのだから、その辞書を読まないのは当然であろう。