みんなのGood

良質:3票トリック:4票物語:1票納得感:2票
海亀大学に通う大学生のカメオ。
彼は1年生にして既に何回も講義をサボり、レポートも出さず、たまに出席した講義ではふざけてばかりいるダメ学生である。

ある日のこと。
講義中に明らかに手元のパソコンばかり見ていたカメオに対し、担当の海原教授は

「さっきこのスライドでは何と説明していたか?」

と質問した。
当然不真面目なカメオはモゴモゴとするばかりでマトモに答えられず、呆れた海原教授にこってりと絞られてしまった。

しかし翌週、{講義中に堂々と後ろの席の方を向いて話していたカメオを、海原教授は大層誉めた}のだという。

一体なぜ?
22年08月25日 22:09
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]

若干要知識かもしれない。




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【{簡易解説}】
手元のパソコンばかり見てちゃんと発表出来なかったカメオが、練習して前を向いて堂々と発表出来るようになったから。


◆◆◆◆◆
「…で、このような環境問題はゴニョゴニョ…これらのプロセスのスムージングが…モニャモニャ」

今日は海原教授が担当する「環境マネジメント概論」の講義。内容は毎週ごとに事前に配布された環境問題についての資料を読み、その内容と対策についてパワーポイントにまとめ、自分なりに発表するというものである。

今はカメオの発表の番。自分のパソコンをプロジェクターに繋いで、パワーポイントを映しながら発表しているその最中である。

しかしそこはダメ学生のカメオ。1週間前に配布された資料なのに当然の如く殆ど読み込んでいない上に、パワーポイントは前日に適当に仕上げたもの。当然発表練習なんてしていないものだから、手元のパソコンばかりでちっとも前を見ず、発表の声量もボソボソと聞き取り辛い。

あまりにもひどい発表だったが何とかやり終え、海原教授からの質問&講評の時間となった。

「あのね、まず声が小さくてよくわかんなかったんだけど、スライド6。ここの図の説明、なんて言ってたの?」

「アッ…スーッそうすね…えっとここは環境保全に関する…えっと…開発とその推移について…あの~」

必死に返そうとするカメオであるが、圧倒的準備不足が祟りモゴモゴと答えにならない。
そんなカメオの様子に痺れを切らした海原教授。

「君ね、1週間も時間があったんだから、もう少しやりようはあったよね?」

「…ハイ」

「そもそもさ、発表中はせめて聞いている人に向けて話そうよ。パソコンに喋ってんじゃないでしょ?」

「…ハイ」

この後もこってり絞られたカメオであったが、海原教授の温情で「来週以降の発表で改善が見られるようならある程度評価する」との救済措置を貰った。

とはいえダメ学生カメオのことである。「まあいきなり真面目にやってくることは無いだろう」と誰しもが思っていた。
…ただ一人、海原教授を除いて。


───翌週。
先週と同様にカメオの発表の番になったのだが、そこで他の学生達は驚くべきものを目にした。

【カメオが、真面目に】(当社比)【発表しているっ!】

どうやら海原教授にこってり絞られたのがよほど効いたらしい。
確かにやや粗は目立つが、スライドはそれなりに準備をして作ってきたことが伺える。
そして何より、手元のパソコンばっかり見ず、{ちゃんと聞こえるように前(=後ろの席の方向)を向いて堂々と発表している}ではないか!


「…これで発表を終わります。」

パチパチパチパチ…

発表が終わり、海原教授がゆっくりと口を開いた。

「カメオ君。」

「…は、はい。」

【「{……やればできるじゃないか。}」】

「!」


かくして、カメオは単位を無事に取得することが出来た。


──カメオのキャンパスライフは、まだ始まったばかりである。
良質:3票トリック:2票納得感:5票
ひょんなことからクラスのマドンナ離小島さんと二人暮らしをすることになった田中。

ある日、野球部の練習が終わって汗だくのまま帰宅した田中が、まずシャワーを浴びようと脱衣所の扉を開けると・・・

「きゃあっ!」

なんと着替え中の離小島さんと出くわしてしまう。

「ご、ごめん!入ってたんだ…」

慌てて謝った田中は、玄関に戻ると持ち帰ってきたバットを構えて野良猫に近づいていった。

一体なぜ?
22年08月31日 23:34
【ウミガメのスープ】 [「マクガフィン」]

八月




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親の出張やら家の工事やらが重なって、なんだかんだで田中の家で二人暮らしをすることになった田中と離小島さん。

野球部の練習が終わって帰宅した田中は、玄関の靴を見て離小島さんがすでに家にいることを知る。

そのとき、離小島さんが使っている部屋の方から、がさごそと物音が聞こえてきた。

それを聞いた田中は、離小島さんは部屋にいるんだな、と考えて確認もせずに脱衣所の扉を開けてしまう。

すぐさま飛んでくる悲鳴、風呂桶、アヒルの人形、カーブ、スライダー、チェンジアップ。
打ち返そうにもバットは玄関に置いてきてしまった…

慌てて謝った田中は、では今も聞こえ続けているあの物音はなんだと訝しがる。

はっ!さては泥棒!?
それとも離小島さんのストーカー!?

想像の真偽を確かめるべく、田中は護身用のバットを握りしめて離小島さんの部屋に近づいていった。


・・・実はこの物音、離小島さんが暑いからと開けっぱなしにしていた部屋の窓から入ってきてしまった野良猫が立てた音なのだが、田中はそんなこと知るよしもない。
大惨事世界大戦「10Good」
良質:6票物語:1票納得感:3票
第三次世界大戦が起こった結果、人類の大半が大きな窓のある家に住むようになったのはなぜ?
22年09月02日 22:14
【ウミガメのスープ】 [ベルン]

BSの一案だった問題です。 デバッグ:うつまさん含む他界隈の人 ありがとうございました




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外から、中に住んでいる人々の様子を観察しやすくするため


人類の大半が滅亡し、その一方で新種の知的生命体「わにゃん」が人類の作ったインフラなどを基に生活し始めた。
そして人類はわにゃんにより絶滅危惧種に指定され、人間保護センターや動物園で住まわされることになった(人間達にストレスをなるべく与えないよう、窓を大きく作る以外は人間の住む家を模して作られた)。
隠恋慕「10Good」
物語:7票納得感:3票
先日事故で両親を亡くしたカメオは、気を紛らわすために一人で登山に向かったのだが、その山で起きた雪崩に巻き込まれてしまう。

カメオから登山に行く旨を聞いていた幼馴染のカメコは、雪崩発生のニュースを観て血相を変えた。
カメオに密かな恋心を抱く彼女は、ただひたすら彼の無事を祈るしかなかった。

次の日、自力で電波の届くところまで下山したカメオから無事を知らせる電話があったことを聞いたカメコは、深く深く安堵した。
しかしその一方で、「倒れていたカメオを救助隊が助け出していたらなお良かったかもしれない」とも考えた。

一体なぜそんな風に思ったのだろう?
22年09月19日 21:02
【ウミガメのスープ】 [「マクガフィン」]



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『解説』

下山したカメオが真っ先に電話をした恋敵のウミコから彼の無事を聞いたカメコ。
カメオ本人ではなく救助隊からの連絡であれば、彼が誰よりも無事を伝えたい相手、声を聞きたい相手がウミコであることを確信せずに済んだから。




『ストーリー』

物心ついた時から彼はお隣さんで、当たり前に遊んで、当たり前に笑い合って、当たり前に大好きだった。

みんなと一緒に遊んでいても、目に留まるのはいつも彼。おにごっこなら真っ先に追いかけ、かくれんぼなら真っ先に探した。

もう忘れちゃっただろうけど、結婚の約束だって何度もしたんだ。

小学生になって、中学生になっても私たちはずっと一緒。直接言葉にはしなくなったけど、私の気持ちは変わらなかった。



2人の関係が変わり始めたのは、きっとあの子が現れたから。

「隣町の中学校から転校してきました」
顔を上げてそう言ったあの子は、少しだけ背が低くて、少しだけうっかりしていて、そしてとってもかわいかった。

なぜかはわからないけれど、やたら私と気が合って、気づいたら彼と遊ぶたびにあの子も誘うようになっていた。

彼と私は毎日会って、予定が合えばあの子も来て。3人でキャンプに行って、2人で遊園地に行って、3人で同じ高校に行って。
そんな距離感だったから、大好きな彼と2人きりにもなれたし、仲良しなあの子とも楽しく笑い合えていた。

でもちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、もしかしたら彼はあの子が好きなのかなぁって、そんな風にも思ってた。

あの子といる時は口数が増える気がする。
あの子と遊ぶ日は少しおしゃれな気がする。
あの子が帰る時は後ろ姿を長く見つめてる気がする。

全部「気がする」でしかないけれど、彼の両親の次くらいにずっと近くで見ていた人の「気がする」なんだ。



だからあの子だけ遠くの大学に行くって聞いて、正直少し安心した。

「あの子が好きなの?」って訊かなくても、
「あなたが好きなの。」って言わなくても、
今まで通り誰よりも仲が良い幼馴染のままでいられそうだったから。

私と彼はそれぞれ別の大学に行って、別の会社に就職した。
さすがに毎日会うことはできなくなったけれど、地元から離れたわけでもないから、たまの休みに遊んだり、どうでもいいことで電話したり。

半年に一度しか帰ってこないあの子のことなんて、そのうち忘れてしまうんじゃないか。
そう思えるくらいに平穏で、素敵で、幸せな日々だった。



彼の両親が亡くなった。

その訃報はあまりに突然で、家族ぐるみでの付き合いだった私にとっても受け入れがたい現実だったけれど、それ以上に彼の憔悴した姿は見ていられなかった。

またいつもの太陽のような笑顔を見せてほしい。
心からそう思った私は、葬儀も終わり、身の回りの整理も落ち着いてから彼に何か気分転換をしないかと持ちかけた。

いつしか登山が趣味になっていた彼は、じゃあちょっと行ってくるわ、と努めて明るくしたような口調で告げ、大荷物と共に一人で山へと向かった。


その晩だった。

彼は何日くらいで帰ってくるのかしらと考えながら何気なく流していたニュースから、今朝耳にしたばかりの山の名前が聞こえてきた。

・・・・山で大規模な雪崩が発生しました。今日もたくさんの登山客がおり、雪崩に巻き込まれた可能性が高いとのことです。その影響で近隣に住む住民の・・・・


さっ、と一気に体温が下がった気がした。
間違いなく彼が今日登っている山だった。

慌てて彼に電話をする。繋がらない。
かなり深く高い山だから、電波が届かなくてもおかしくはない。しかし彼が1日目の夜までに目指すと言っていた山小屋は、ぎりぎり連絡がついたはずだ。やはり彼も巻き込まれたのだろうか。いや電波塔が壊れただけかもしれない。

焦る気持ちを抑えられず、警察に電話した。彼の親戚に電話した。あの子にも、電話した。

彼の両親が亡くなった時もあの子に連絡はしたけれど、どうしても外せない仕事があるとかで葬儀に来られず、電話で彼にお悔やみと元気づける言葉をかけることしかできなかったらしい。
登山に行くことも「気分転換してくる」程度にしか聞いていなかったようで、おっとりした彼女には珍しく、取り乱していた。

また何かわかったら連絡するね、と言って電話を切った私は、ただひたすらに彼の無事を祈るしかなく、そのまま一睡もできずに朝を迎えた。


ニュースでは救助隊による捜索が開始され、すでに何人も救助されたことが報じられていたが、その中に彼の名前は見当たらない。
巻き込まれずに済んでいたとしたら、これだけ騒ぎになっているのに誰にも連絡しないのも変だ。

最悪の想像が脳裏にちらついたまま、夕方を迎えた。

もう一度警察に連絡しようか。
そう思って携帯を手に取ったその時、着信音が響き渡った。

彼からだ!

そう期待しながら画面を見て、それがあの子からの電話であることに気づく。

彼女も我慢できずに連絡してきたのかな、そんな風に考えながらもしもし、と応えると、途端にあの子の大声が聞こえた。


「無事だった!無事だったよ!!」


え、と一瞬思考が停止した。
どういうことなのっ!と、勢いごんで尋ねると、彼女は荒い息を吐きながら、彼から電話があって…と今しがた起きたことを語ってくれた。

あの子の話によれば、彼は雪崩に巻き込まれて滑落しそうになったものの、大きな怪我もなく荷物も無事だったらしい。
しかし予定の道からは大きく外れ、電波も繋がらないところで一晩野宿するしかなくなった。
そして今日、道を探して右往左往しながらも、なんとか自力で下山し、彼女に連絡したようだ。
ひとまず病院に行くから、みんなには彼女から伝えてほしいと、そう言っていたらしい。


ほっ、と、本当にそう声に出そうなくらい、安堵した。

彼が無事だった。
その事実だけでその場にへたりこみそうなくらい、心からの安堵だった。
よかったよぉ…そう涙声をあげるあの子に、本当にね、と応えて電話を切ってから、頬を伝う涙をそっとぬぐった。

大好きな、誰よりも大切な彼。
彼が生きていてくれるだけで、こんなにも嬉しい。彼が当たり前に幸せなら、他にはもう何もいらない。


いらない、けど・・・


けど、やっぱり私じゃないんだね。


胸のつかえが一気にとれて、その分私の心のやわな部分が顔を出す。

昔から隣にいて、ずっと隣にいて、今も一番近くにいる。
それでも君が選ぶのは、私じゃなくて遠くのあの子。

辛いことがあって、気を紛らわそうとして、それでもまた大変な目に遭った。

そんなとき君が真っ先に声を聞きたいと思うのは、安心させたいと思うのは、どうしようもなくあの子なんだね。


あぁ、どうせなら、と思う。
どうせなら、彼が倒れていればよかったのに。
気を失っている彼を救助隊が見つけて搬送すれば、きっと彼の親戚に連絡が行くのでしょう。
ご両親が亡くなった時に、私の親の連絡先も登録した気もするし。

少なくとも、彼があの子に電話して、あの子が私に電話して、私がこんな気持ちになる、なんてことにはならなかったでしょう。

彼にとっての一番は、あの子かもしれないわって、恐れているだけで済んだのに。負けを認めずに済んだのに。

彼の無事だけを素直に喜べない、こんな自分が嫌いだ。


フローリングの床に頬をつけると、本棚と壁の隙間がやけに暗く見えた。

君は私の気持ちに気づいているのかな。
あの子は君の気持ちに気づいているのかな。
あの子は一体君のこと、どう思っているのかな。

ねえ、私の方がずっと前から好きだったんだよ。

たぶん君が思っているより、ずっと前から。


君との関係を壊したくなくて、あの子が気になってる君を困らせたくなくて。

ずっとずっと、この恋心は隠してたんだ。


ねえ、もしこの想いを打ち明けたら、君はどんな顔をするのかな。困ったように笑うのかな。
本音の自分はまだ、どこかに隠れてた方がいいのかな。

手に入らないとわかっても、君に会いたくてたまらない。伝えたくてたまらない。

ねえ、ずっとしてきた我慢は、もうやめてもいいかい。



ねえ、





もういいかい。




良質:3票トリック:4票物語:1票納得感:2票
カメオは、ウエイトレスとして働くカメミに懸想している。

カメオは時々、仕事終わりに彼女の働くレストランに立ち寄っている。

ある日、いつものようにレストランに入ったところ、カメミとぶつかりかけてしまった。

カメミはすぐに「申し訳ありません」とお辞儀をして下がった。

それを見たため、カメオはこの店に通う頻度が上がった。何故?
23年02月28日 01:21
【ウミガメのスープ】 [こはいち]



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あ、あの人今日もいる。

カメオは、毎日同じファミレスの前を通って通勤している。

そこで帰る際によく見かける女の子に、気が付けば恋をしていた。

その子はよくファミレスを利用しているようで、彼女が出てくるところを何度も見かけた。

カメオがすぐに帰ると、ちょうど彼女がレストランから出てくるところに出くわすのだ。

彼女に少しでも近づきたくて、すれ違うためだけにレストランに立ち寄ったこともある。

まろい肌、ふわり香る柔軟剤の匂い。たった一瞬のことを、1日中思い返していたこともある。

今日も、レストランに行こう。そう思って自動ドアをくぐると、出てくるところの彼女とぶつかりそうになってしまった。

彼女はアッ、という顔をして、「申し訳ありません」と頭を下げた。

それを見て、彼女はここの店員だったのだな、と察した。

次の日、昼休憩にレストランに行くと、ウエイトレス姿の彼女がいた。

客だと思っていたので、夕方の時間帯にしかいないものだと思っていた。

しかし、【昼も働く店員だということが分かったので、カメオは、昼ご飯をカメミのいるレストランでとるようになったのだ。】