「せんぼんさくらん」「7ブックマーク」
女子高生のマコは野球部員のカメオに恋する乙女。
特にカメオの守備する姿をグラウンドの外から見るのがマコの喜びだ。
ある日、マコはカメオが野球部員同士で「今日は{千本}ノックらしいぜ」
と会話しているのを聞いた。
マコはそれを聞き、深いため息をついた。
カメオの守備がたくさん見れるというのに‥
いったいなぜ?
特にカメオの守備する姿をグラウンドの外から見るのがマコの喜びだ。
ある日、マコはカメオが野球部員同士で「今日は{千本}ノックらしいぜ」
と会話しているのを聞いた。
マコはそれを聞き、深いため息をついた。
カメオの守備がたくさん見れるというのに‥
いったいなぜ?
20年07月24日 10:08
【ウミガメのスープ】 [ちくたく]
【ウミガメのスープ】 [ちくたく]
天童魔子さん1000問お祝い問題。BSまで皆様からのお祝いメッセージをご覧になりお待ち下さい!
解説を見る
カメオが不動のショートである、らてらて高校野球部。マコはその野球部のマネージャーである。
二人はこっそり付き合っており、練習後はたまにデートをする仲だった。
マネージャーの仕事はたくさんある。
洗濯物やスケジュールの確認、ポカリを作るもの仕事だし、ウミガメのスープも作らなくてはいけない。
そんな中、マコは他のマネージャーと違って特殊なスキルを持っていた。
マコは「ノックを打つことができる」マネージャーだったのだ。
安定したリズム、かつ絶妙な難易度のノックは、正直なところ監督や部員よりも上手かった。
そのおかげというべきか、ノックは主にマコの仕事だった。
「今日は1000本ノックらしいぜ」
「まじかよー」
その会話を聞いたマコは思った。
マコ「え…1000本ノックですか。…誰が打つと思ってるのです?めっちゃ疲れるのです」
ノック開始。矢のようにノックをカメオ達に浴びせかけるマコ。
(はぁ…はぁ…。疲れた…。頭がバカになるのです…。でもこれが終わったらカメオ君をデートに誘うのです…。そう思ったら頑張れるのです…)
30分後
(あたま…バカ…カメオ…さそう…れる…)
1時間後
(バ…カ…さ…そ…う…る)
狂戦士バーカーサーのようにノックを続けたマコ。命からがらノックを終えた。
マコ「か…カメオ君、お疲れ様…。帰りにタピオカ入りウミガメのスープ飲んで帰らないですか?」
カメオ「ごめん、今日はらてらてで天童魔子さんのBS(バーカサーソウル)があるから帰らなくちゃ。また明日ね!」
というわけで
皆様、21時から(予定)の天童魔子さんのBSに是非ご参加ください!
要約
「マコはノックをする立場だったので、それどころではなかった」
この問題は、天童魔子さんの「1000問出題」お祝い問題でした。
お祝いメッセージをお寄せいただいた皆様、誠にありがとうございました。
二人はこっそり付き合っており、練習後はたまにデートをする仲だった。
マネージャーの仕事はたくさんある。
洗濯物やスケジュールの確認、ポカリを作るもの仕事だし、ウミガメのスープも作らなくてはいけない。
そんな中、マコは他のマネージャーと違って特殊なスキルを持っていた。
マコは「ノックを打つことができる」マネージャーだったのだ。
安定したリズム、かつ絶妙な難易度のノックは、正直なところ監督や部員よりも上手かった。
そのおかげというべきか、ノックは主にマコの仕事だった。
「今日は1000本ノックらしいぜ」
「まじかよー」
その会話を聞いたマコは思った。
マコ「え…1000本ノックですか。…誰が打つと思ってるのです?めっちゃ疲れるのです」
ノック開始。矢のようにノックをカメオ達に浴びせかけるマコ。
(はぁ…はぁ…。疲れた…。頭がバカになるのです…。でもこれが終わったらカメオ君をデートに誘うのです…。そう思ったら頑張れるのです…)
30分後
(あたま…バカ…カメオ…さそう…れる…)
1時間後
(バ…カ…さ…そ…う…る)
狂戦士バーカーサーのようにノックを続けたマコ。命からがらノックを終えた。
マコ「か…カメオ君、お疲れ様…。帰りにタピオカ入りウミガメのスープ飲んで帰らないですか?」
カメオ「ごめん、今日はらてらてで天童魔子さんのBS(バーカサーソウル)があるから帰らなくちゃ。また明日ね!」
というわけで
皆様、21時から(予定)の天童魔子さんのBSに是非ご参加ください!
要約
「マコはノックをする立場だったので、それどころではなかった」
この問題は、天童魔子さんの「1000問出題」お祝い問題でした。
お祝いメッセージをお寄せいただいた皆様、誠にありがとうございました。
「【らてクエリサイクル5-06】日々是好日」「7ブックマーク」
夏休み、小学生のユウイチは宿題の絵日記をつけていた。
きちんと毎日、その日の出来事を文章と絵で記録する真面目な彼だったが、『今日の天気』の欄だけには必ず間違った天気を記入していた。
彼自身も正しい天気を把握していたにも関わらずそのような行動をとった背景には、実は明確な意図が存在したのだが、その意図とは一体どのようなものだろう?
--------
No.6 「マクガフィン」さんの問題文をお借りしました。
https://late-late.jp/mondai/show/11511
きちんと毎日、その日の出来事を文章と絵で記録する真面目な彼だったが、『今日の天気』の欄だけには必ず間違った天気を記入していた。
彼自身も正しい天気を把握していたにも関わらずそのような行動をとった背景には、実は明確な意図が存在したのだが、その意図とは一体どのようなものだろう?
--------
No.6 「マクガフィン」さんの問題文をお借りしました。
https://late-late.jp/mondai/show/11511
20年07月27日 22:32
【ウミガメのスープ】 [休み鶴]
【ウミガメのスープ】 [休み鶴]
小学生のころに絵日記の宿題が出た記憶がありません。
解説を見る
【簡易解説】
①先生がちゃんと絵日記の天気欄まで確認しているかどうかを調べるため。
②上記①を踏まえて、先生が生徒のことを想ってくれる人であるかどうかを判断し、
両親による虐待について打ち明けても大丈夫かどうかを見極めるため。
【簡易じゃない解説】
ユウイチにとって、夏休みは憂鬱なものだった。
自分を虐待してくる両親の存在を忘れることのできる学校生活から、しばらく遠のくことになるからだ。
この地獄のような日々をなんとか終わりにしたい。
そう思ったユウイチは、担任の先生に相談することにした。
しかし、いきなり先生に相談するのはリスクが伴う。
もし先生が両親に対して虐待の有無を問い詰めるようなタイプの人だとしたら、
その後の両親からの虐待が激化するのは目に見えている。
「先生は、生徒のことを第一に考えてくれる人である――」
その確証が欲しかった。
そこでユウイチは、夏休みの宿題で出された絵日記を活用することにした。
絵日記の絵と本文は、実際の出来事をそのまま記入する。
ただし、天気欄だけをすべてデタラメに記入するのだ。
晴れだった日は曇りに、曇りだった日は晴れに。雨の日も曇りにすることにした。
先生が生徒1人ひとりの絵日記をしっかりと読んでくれる人ならば。
それほどに生徒のことを想ってくれる人なのであれば。
きっと、天気欄のことに気付いてくれるに違いない。
本文をデタラメに書くことも考えたが、両親がチェックした際に不自然さに気付くかもしれない。
その点、天気欄ならばそこまで気にも留めないだろう。
ただ1人。先生だけがこの天気欄の違和感に気付いてくれればいい。
ユウイチは微かな希望を胸に抱きながら、絵日記を描き続けた。
そして9月1日――
「ユウイチ君、きょう提出してもらった絵日記なんだけど・・・。」
ユウイチに希望が見えた。
①先生がちゃんと絵日記の天気欄まで確認しているかどうかを調べるため。
②上記①を踏まえて、先生が生徒のことを想ってくれる人であるかどうかを判断し、
両親による虐待について打ち明けても大丈夫かどうかを見極めるため。
【簡易じゃない解説】
ユウイチにとって、夏休みは憂鬱なものだった。
自分を虐待してくる両親の存在を忘れることのできる学校生活から、しばらく遠のくことになるからだ。
この地獄のような日々をなんとか終わりにしたい。
そう思ったユウイチは、担任の先生に相談することにした。
しかし、いきなり先生に相談するのはリスクが伴う。
もし先生が両親に対して虐待の有無を問い詰めるようなタイプの人だとしたら、
その後の両親からの虐待が激化するのは目に見えている。
「先生は、生徒のことを第一に考えてくれる人である――」
その確証が欲しかった。
そこでユウイチは、夏休みの宿題で出された絵日記を活用することにした。
絵日記の絵と本文は、実際の出来事をそのまま記入する。
ただし、天気欄だけをすべてデタラメに記入するのだ。
晴れだった日は曇りに、曇りだった日は晴れに。雨の日も曇りにすることにした。
先生が生徒1人ひとりの絵日記をしっかりと読んでくれる人ならば。
それほどに生徒のことを想ってくれる人なのであれば。
きっと、天気欄のことに気付いてくれるに違いない。
本文をデタラメに書くことも考えたが、両親がチェックした際に不自然さに気付くかもしれない。
その点、天気欄ならばそこまで気にも留めないだろう。
ただ1人。先生だけがこの天気欄の違和感に気付いてくれればいい。
ユウイチは微かな希望を胸に抱きながら、絵日記を描き続けた。
そして9月1日――
「ユウイチ君、きょう提出してもらった絵日記なんだけど・・・。」
ユウイチに希望が見えた。
「BS ワンダーランドはこの世界じゃないってこと知ってるから」「7ブックマーク」
ラテラテ地方は、自然の豊かな地域である。
珍しい植物、虫、動物の宝庫である。猫や虎も生息するが、中でもヤスミヅルはこの地域でしか生息が確認されない珍獣だ。
動物学者のモコタロウは、珍獣・ヤスミヅルの研究者である。
ある日、ラテラテ地方で生まれ育ったというミノスケと話をすることになったモコタロウ。
モコタロウ「ラテラテ地方ほど恵まれた地域はないですよ!豊かな自然に珍しい生き物…この楽園は大事にしないといけませんね!」
するとミノスケは、モコタロウを睨みつけると、その場から去ってしまった。
いったいなぜ?
珍しい植物、虫、動物の宝庫である。猫や虎も生息するが、中でもヤスミヅルはこの地域でしか生息が確認されない珍獣だ。
動物学者のモコタロウは、珍獣・ヤスミヅルの研究者である。
ある日、ラテラテ地方で生まれ育ったというミノスケと話をすることになったモコタロウ。
モコタロウ「ラテラテ地方ほど恵まれた地域はないですよ!豊かな自然に珍しい生き物…この楽園は大事にしないといけませんね!」
するとミノスケは、モコタロウを睨みつけると、その場から去ってしまった。
いったいなぜ?
20年08月01日 22:01
【ウミガメのスープ】 [ちくたく]
【ウミガメのスープ】 [ちくたく]
200問目を迎えられたのは皆様のおかげです!中でも休み鶴さんともこたろさんに大きな感謝!
解説を見る
ラテラテ地方は自然の豊かな地域である。
50年前は今ほど珍しい動植物の宝庫だったわけではない。
50年前は人で賑わい、ごくありふれた地域であった。
ミノスケは10歳のころまではそんな地域で育ったごく普通の少年だった。
しかし、ミノスケが11歳の時に内戦が起こった。
戦争はほどなく終わったが、国は二つに分断されてしまった。
ラテラテ地方は軍事衝突を避けるための非武装地帯として設定され、そこに住んでいたものは他地域への移住を余儀なくされた。
非武装地帯は人が住まないことで、皮肉にも動物にとっては楽園となってしまった。
そんな歴史をよく知らないモコタロウは
「ラテラテ地方ほど恵まれた地域はないですよ!豊かな自然に珍しい生き物…この楽園は大事にしないといけませんね!」
と発言してしまった。
故郷を追われた過去を持つミノスケに対して、あまりに配慮のない発言をしてしまったモコタロウ。
戦争が原因でできた楽園…それはミノスケにとっては帰れない故郷なのである。
ミノスケは怒りと共に寂しくもなり席を立ったのだった。
50年前は今ほど珍しい動植物の宝庫だったわけではない。
50年前は人で賑わい、ごくありふれた地域であった。
ミノスケは10歳のころまではそんな地域で育ったごく普通の少年だった。
しかし、ミノスケが11歳の時に内戦が起こった。
戦争はほどなく終わったが、国は二つに分断されてしまった。
ラテラテ地方は軍事衝突を避けるための非武装地帯として設定され、そこに住んでいたものは他地域への移住を余儀なくされた。
非武装地帯は人が住まないことで、皮肉にも動物にとっては楽園となってしまった。
そんな歴史をよく知らないモコタロウは
「ラテラテ地方ほど恵まれた地域はないですよ!豊かな自然に珍しい生き物…この楽園は大事にしないといけませんね!」
と発言してしまった。
故郷を追われた過去を持つミノスケに対して、あまりに配慮のない発言をしてしまったモコタロウ。
戦争が原因でできた楽園…それはミノスケにとっては帰れない故郷なのである。
ミノスケは怒りと共に寂しくもなり席を立ったのだった。
「袖スリ合うも多少の円」「7ブックマーク」
自身の経営している焼き鳥屋の出店費用として、銀行からの多額の借金を抱えるヨシコには、ある秘密があった。
店員の一人で、元スリ師のヘイジロウという男が、店の入り口での客引き中に時折、他人のポケットから私物を抜き取っては、後でこっそり彼女に渡してくれるのだ。
彼の腕前は本物で、警察沙汰になる心配はなかったし、むしろ彼の行いがなければ、ギリギリの返済計画の中で、毎月滞りなく借金を返せてはいなかっただろう。
ところが最近、ヘイジロウはこの行為をパッタリとしなくなったらしい。
かと言って、彼の身の上に何か変化があったわけでもなく、ヨシコの店で普通に働き続けていた。
一方、依然としてヨシコには多くの借金が残っており、彼女の唯一の収入源である店の売り上げも、大きく伸びることは期待できなかったという。
そんな中彼女は、店の売り上げが減ってしまう事を、以前ほど心配しなくてよくなったのだと嬉しそうに語っていた。
一体なぜだろうか?
店員の一人で、元スリ師のヘイジロウという男が、店の入り口での客引き中に時折、他人のポケットから私物を抜き取っては、後でこっそり彼女に渡してくれるのだ。
彼の腕前は本物で、警察沙汰になる心配はなかったし、むしろ彼の行いがなければ、ギリギリの返済計画の中で、毎月滞りなく借金を返せてはいなかっただろう。
ところが最近、ヘイジロウはこの行為をパッタリとしなくなったらしい。
かと言って、彼の身の上に何か変化があったわけでもなく、ヨシコの店で普通に働き続けていた。
一方、依然としてヨシコには多くの借金が残っており、彼女の唯一の収入源である店の売り上げも、大きく伸びることは期待できなかったという。
そんな中彼女は、店の売り上げが減ってしまう事を、以前ほど心配しなくてよくなったのだと嬉しそうに語っていた。
一体なぜだろうか?
20年08月03日 22:02
【ウミガメのスープ】 [元灯台暮らし]
【ウミガメのスープ】 [元灯台暮らし]
SPをちはるさんとマクガフィンさんにお願いしました。ありがとうございました!
解説を見る
【簡易解説】
ヘイジロウは時々やってくる強盗に対して、犯行を未然に防ぐために凶器を抜き取っては、後でヨシコへと渡していた。
しかし最近は、街の治安も良くなり強盗らしい人物が店に入ってくることがなくなったので、ヨシコは安心して店を切り盛りすることができるようになった。
【〜とある店員の思い出話〜】
俺がムショを出てから、もう15年になるかな。
捕まったのを機に、裏の稼業からはもう足を洗おうと思ってな。
知り合いの焼き鳥屋で雇ってもらってさ、気の良い常連客達とくだらない話で盛り上がって、まあ、楽しくやってるよ。
昔はこの辺も治安が良いほうじゃないからさ、たまにあったんだよ、招かれざる客ってのが。
俺も結構いろんな経験してきたからな、何かやらかそうとしてる人間ってのは、なんとなくわかるんだよ。ポケットなんかかばって歩いてりゃ確実だな。
たとえばそうだな…あれは12年も前か。
見るからに怪しい若い兄ちゃんが、店に入ろうとするもんだからさ。
俺は偶然ぶつかったフリして、ポケットのナイフを抜き取ってさ、代わりに割引券を入れといてやったんだよ。
そしたら兄ちゃんは気づかずそのまま歩き出してさ、レジの前で立ち止まってポケットに手を突っ込んだまま動かなくなったわけよ。
そんで、突然ハッとした顔でこっち見るもんだからさ、その顔が面白いのなんのって、そんで満面の笑顔で返してやったら、俯いて一目散に出て行っちまったよ。
まあ、一人の若者が道を踏み外さずに済んだって話だ。
ん、ナイフ?
ああ、もちろん後でちゃんと返したよ。
とある気のいい常連客にな。
ヘイジロウは時々やってくる強盗に対して、犯行を未然に防ぐために凶器を抜き取っては、後でヨシコへと渡していた。
しかし最近は、街の治安も良くなり強盗らしい人物が店に入ってくることがなくなったので、ヨシコは安心して店を切り盛りすることができるようになった。
【〜とある店員の思い出話〜】
俺がムショを出てから、もう15年になるかな。
捕まったのを機に、裏の稼業からはもう足を洗おうと思ってな。
知り合いの焼き鳥屋で雇ってもらってさ、気の良い常連客達とくだらない話で盛り上がって、まあ、楽しくやってるよ。
昔はこの辺も治安が良いほうじゃないからさ、たまにあったんだよ、招かれざる客ってのが。
俺も結構いろんな経験してきたからな、何かやらかそうとしてる人間ってのは、なんとなくわかるんだよ。ポケットなんかかばって歩いてりゃ確実だな。
たとえばそうだな…あれは12年も前か。
見るからに怪しい若い兄ちゃんが、店に入ろうとするもんだからさ。
俺は偶然ぶつかったフリして、ポケットのナイフを抜き取ってさ、代わりに割引券を入れといてやったんだよ。
そしたら兄ちゃんは気づかずそのまま歩き出してさ、レジの前で立ち止まってポケットに手を突っ込んだまま動かなくなったわけよ。
そんで、突然ハッとした顔でこっち見るもんだからさ、その顔が面白いのなんのって、そんで満面の笑顔で返してやったら、俯いて一目散に出て行っちまったよ。
まあ、一人の若者が道を踏み外さずに済んだって話だ。
ん、ナイフ?
ああ、もちろん後でちゃんと返したよ。
とある気のいい常連客にな。
「眠れる美女は何処から来たのか?」「7ブックマーク」
【ヤマノメグミアゲハ】
チョウ目アゲハチョウ科に分類されるチョウの1種。
2012年に発見された新しい種で、幼虫から羽化した後、成虫の状態ですぐに長い休眠につき、約8〜12年休眠したままで過ごす。
そして休眠明けは何事もなかったようにその美しい羽を広げて空へと羽ばたいていく。
その長期間の休眠の理由は未だ解明されておらず、別名スリーピングビューティーバタフライとも呼ばれている。
さてこの蝶の和名の由来はなにか?
チョウ目アゲハチョウ科に分類されるチョウの1種。
2012年に発見された新しい種で、幼虫から羽化した後、成虫の状態ですぐに長い休眠につき、約8〜12年休眠したままで過ごす。
そして休眠明けは何事もなかったようにその美しい羽を広げて空へと羽ばたいていく。
その長期間の休眠の理由は未だ解明されておらず、別名スリーピングビューティーバタフライとも呼ばれている。
さてこの蝶の和名の由来はなにか?
20年08月07日 22:43
【ウミガメのスープ】 [ダニー]
【ウミガメのスープ】 [ダニー]
コツコツと回答します。9/10(木)0:00まで。
解説を見る
【要約解説】
新種であるこの蝶を発見した学者が「長期間にわたり原因不明で昏睡状態に陥っている想い人の山野恵がこの蝶のように目覚めること」を願って命名した。
昆虫学者の田中には幼い頃から大好きな女性がいた。
近所に住む8歳年上のお姉さん。
早くに両親を亡くし、祖父母に育てられていた田中にいつも優しく接してくれた人。
女性としては珍しく昆虫が好きな人で、よく田中を虫捕りに連れて行ったのだが、これが田中の昆虫学者を目指すきっかけだった。
田中は幼いながらも彼女に淡い恋心を実らせていた。
・・・
月日は流れ…
それは田中が高校3年生の時。
彼女の結婚が決まった。
彼氏がいるということは聞いていたのだが、実際にその男を見た訳ではないし、どこか現実味がない事として受け止めていた。
しかし結婚という言葉を彼女から聞いて、田中は自分でも驚くほどショックを受けた。
絞り出すように「おめでとう」と彼女に告げた後の記憶が曖昧だ。
気づけば田中は彼女と昔よく虫捕りに行っていた山の中腹で、木に寄りかかってぼーっとしていた。
もうすぐ日が暮れる。
しかし田中の足は動かない。動きたくない。
結局田中はそこで一晩を明かしたのだった。
翌朝、気怠い身体を起こし帰宅した田中に祖母が慌てて駆け寄ってきた。
「あ、あ、あんた、1日どこにいたの!?」
「・・・ごめん、ちょっと友達のと…」
「めぐちゃんが!めぐちゃんが…交通事故に!」
「・・・え?」
彼女は家から1kmほど離れた場所で、農作業用の軽トラックに撥ねられた。
なぜそんなところに、と皆が不思議に思った。
彼女が轢かれた場所はコンビニや家屋がある場所ではない。
田んぼに囲まれ街灯も一切ない、山へ向かう為だけの真っ暗な道だったからだ。
田中は一刻も早く彼女が運ばれた病院に行かなくてはと思いながらも、なかなか病院に向かうことができなかった。
田中は怖かったのだ。
彼女を囲む全ての人に、彼女の婚約者に、そして彼女自身に。
自分が責められると思うと田中の足は凍りつき、その場から動けなくなってしまった。
そしてようやく病院に行くことができたのは事故から3日後。
病院内は肌寒いくらい温度だったが田中は脂汗を浮かべながら彼女の病室に入った。
そこには知らない男が彼女のベッドに頭を載せて突っ伏していた。
田中が近づくと男は体を起こし、その憔悴しきった顔で田中を見た。
「君が… 田中君、だね?」
「・・・」
「恵からよく話は聞いているよ。さあ恵の側に来てやってくれ」
「・・・」
「恵、田中君が来てくれたぞ。ちょっと起きてみないか?」
「・・・」
「・・・昏睡状態らしい。手術は無事に終わって一命を取り止めることはできたんだが、意識は回復しなかった。原因は、わからないんだってさ」
「・・・」
「おい!恵!起きてくれよ!田中君、来てくれたぞ!恵、め、ぐみ、起きてくれよ…」
「・・・」
「・・・」
「・・・んなさい」
「・・・え?」
「ごめんなさい」
「ど、どうしたんだ?田中君」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
田中はその場で泣き崩れた。
一番泣き顔を見せたくない相手の前で。
一番心配させたくない人の前で。
田中は声が枯れるまで泣き続けた。
・・・
それから10年の歳月が経った。
田中が准教授として勤める大学の研究室に歓喜の声が上がっている。
「やはり、これは新種、だな」
様々な文献を調べて、目の前にいるこのアゲハ蝶は新種で間違いないと結論付けた田中。
「これから忙しくなるな」
田中はこのアゲハ蝶を新種として学会誌に発表する為に論文の作成に取り掛かった。
・・・
四国の離島で発見したこのアゲハ蝶は非常に興味深い特徴を持っていた。
幼虫から羽化した後、成虫の状態ですぐに長い休眠につき、約8〜12年休眠したままで過ごすのだ。
夏眠や冬眠など一時的な休眠をとる蝶はいるものの、このような長期間休眠する種は蝶以外でも類をみない。
田中はこのアゲハ蝶と、ある女性を重ね合わせていた。
あれから10年もの間、眠り続けている女性。
月に一度は電車で1時間揺られて彼女に会いに行っている。
彼女の婚約者だった男は3年前に別の女性と結婚してしまったが、田中はたった10年では断ち切れない想いをずっと持ち続けていた。
「三つ子の魂百まで…とはちょっと違うか」
田中は電車の中で苦笑しながら独りごちた。
そして田中は今も彼女のもとへ向かっている。
彼女に新種発表が成功したことを伝える為に。
病室に行く途中に花屋へ立ち寄り、花束を作ってもらった。
それを胸に抱えて彼女の病室を訪ねる。
【303号室 山野恵】
10年前から変わらない部屋。
10年前と変わらない顔で眠る彼女。
田中は彼女のベッドの側に座り、こっそりとポケットからあのアゲハ蝶を取り出した。
このアゲハ蝶は樹のうろや隙間に隠れ休眠に入る。
そして一度休眠に入ると刺激を与えても起きることはない。
田中は休眠中のアゲハ蝶をお土産にこっそりと持ってきていたのだった。
「この前話したアゲハ蝶、無事に新種発表が終わったよ」
「学名はPapilio yamanomegumii 2012、和名はヤマノメグミアゲハ」
「ごめんね、勝手に名前使っちゃった」
「このアゲハ蝶は遅くても12年経てば長い眠りから目覚める。【そう必ず目覚めるんだ。】今日持ってきたのは休眠に入って何年経ったかわからないから、いつ目覚めるかはわからないけど」
「この蝶がなんでこんなに長い眠りにつくかはまだわかってないんだ。でも絶対に、絶対にその理由を見つけてみせる。僕の学者人生全てをかけてね!」
そして田中は慣れた手つきで花瓶に花を入れ、水を注いだ。
そしてこっそりと花の中に忍び込ませた。ヤマノメグミアゲハを。
・・・
田中の去った静かな病室。
時計の秒針の音だけが部屋に響いている。
その音に呼応するように小刻みに動く小さな影。
ヤマノメグミアゲハが10年の眠りから目覚め、その美しい羽を広げた。
そして月明かりに照らされながら部屋の中をヒラヒラと舞うのだった。
「・・・綺麗」
新種であるこの蝶を発見した学者が「長期間にわたり原因不明で昏睡状態に陥っている想い人の山野恵がこの蝶のように目覚めること」を願って命名した。
昆虫学者の田中には幼い頃から大好きな女性がいた。
近所に住む8歳年上のお姉さん。
早くに両親を亡くし、祖父母に育てられていた田中にいつも優しく接してくれた人。
女性としては珍しく昆虫が好きな人で、よく田中を虫捕りに連れて行ったのだが、これが田中の昆虫学者を目指すきっかけだった。
田中は幼いながらも彼女に淡い恋心を実らせていた。
・・・
月日は流れ…
それは田中が高校3年生の時。
彼女の結婚が決まった。
彼氏がいるということは聞いていたのだが、実際にその男を見た訳ではないし、どこか現実味がない事として受け止めていた。
しかし結婚という言葉を彼女から聞いて、田中は自分でも驚くほどショックを受けた。
絞り出すように「おめでとう」と彼女に告げた後の記憶が曖昧だ。
気づけば田中は彼女と昔よく虫捕りに行っていた山の中腹で、木に寄りかかってぼーっとしていた。
もうすぐ日が暮れる。
しかし田中の足は動かない。動きたくない。
結局田中はそこで一晩を明かしたのだった。
翌朝、気怠い身体を起こし帰宅した田中に祖母が慌てて駆け寄ってきた。
「あ、あ、あんた、1日どこにいたの!?」
「・・・ごめん、ちょっと友達のと…」
「めぐちゃんが!めぐちゃんが…交通事故に!」
「・・・え?」
彼女は家から1kmほど離れた場所で、農作業用の軽トラックに撥ねられた。
なぜそんなところに、と皆が不思議に思った。
彼女が轢かれた場所はコンビニや家屋がある場所ではない。
田んぼに囲まれ街灯も一切ない、山へ向かう為だけの真っ暗な道だったからだ。
田中は一刻も早く彼女が運ばれた病院に行かなくてはと思いながらも、なかなか病院に向かうことができなかった。
田中は怖かったのだ。
彼女を囲む全ての人に、彼女の婚約者に、そして彼女自身に。
自分が責められると思うと田中の足は凍りつき、その場から動けなくなってしまった。
そしてようやく病院に行くことができたのは事故から3日後。
病院内は肌寒いくらい温度だったが田中は脂汗を浮かべながら彼女の病室に入った。
そこには知らない男が彼女のベッドに頭を載せて突っ伏していた。
田中が近づくと男は体を起こし、その憔悴しきった顔で田中を見た。
「君が… 田中君、だね?」
「・・・」
「恵からよく話は聞いているよ。さあ恵の側に来てやってくれ」
「・・・」
「恵、田中君が来てくれたぞ。ちょっと起きてみないか?」
「・・・」
「・・・昏睡状態らしい。手術は無事に終わって一命を取り止めることはできたんだが、意識は回復しなかった。原因は、わからないんだってさ」
「・・・」
「おい!恵!起きてくれよ!田中君、来てくれたぞ!恵、め、ぐみ、起きてくれよ…」
「・・・」
「・・・」
「・・・んなさい」
「・・・え?」
「ごめんなさい」
「ど、どうしたんだ?田中君」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
田中はその場で泣き崩れた。
一番泣き顔を見せたくない相手の前で。
一番心配させたくない人の前で。
田中は声が枯れるまで泣き続けた。
・・・
それから10年の歳月が経った。
田中が准教授として勤める大学の研究室に歓喜の声が上がっている。
「やはり、これは新種、だな」
様々な文献を調べて、目の前にいるこのアゲハ蝶は新種で間違いないと結論付けた田中。
「これから忙しくなるな」
田中はこのアゲハ蝶を新種として学会誌に発表する為に論文の作成に取り掛かった。
・・・
四国の離島で発見したこのアゲハ蝶は非常に興味深い特徴を持っていた。
幼虫から羽化した後、成虫の状態ですぐに長い休眠につき、約8〜12年休眠したままで過ごすのだ。
夏眠や冬眠など一時的な休眠をとる蝶はいるものの、このような長期間休眠する種は蝶以外でも類をみない。
田中はこのアゲハ蝶と、ある女性を重ね合わせていた。
あれから10年もの間、眠り続けている女性。
月に一度は電車で1時間揺られて彼女に会いに行っている。
彼女の婚約者だった男は3年前に別の女性と結婚してしまったが、田中はたった10年では断ち切れない想いをずっと持ち続けていた。
「三つ子の魂百まで…とはちょっと違うか」
田中は電車の中で苦笑しながら独りごちた。
そして田中は今も彼女のもとへ向かっている。
彼女に新種発表が成功したことを伝える為に。
病室に行く途中に花屋へ立ち寄り、花束を作ってもらった。
それを胸に抱えて彼女の病室を訪ねる。
【303号室 山野恵】
10年前から変わらない部屋。
10年前と変わらない顔で眠る彼女。
田中は彼女のベッドの側に座り、こっそりとポケットからあのアゲハ蝶を取り出した。
このアゲハ蝶は樹のうろや隙間に隠れ休眠に入る。
そして一度休眠に入ると刺激を与えても起きることはない。
田中は休眠中のアゲハ蝶をお土産にこっそりと持ってきていたのだった。
「この前話したアゲハ蝶、無事に新種発表が終わったよ」
「学名はPapilio yamanomegumii 2012、和名はヤマノメグミアゲハ」
「ごめんね、勝手に名前使っちゃった」
「このアゲハ蝶は遅くても12年経てば長い眠りから目覚める。【そう必ず目覚めるんだ。】今日持ってきたのは休眠に入って何年経ったかわからないから、いつ目覚めるかはわからないけど」
「この蝶がなんでこんなに長い眠りにつくかはまだわかってないんだ。でも絶対に、絶対にその理由を見つけてみせる。僕の学者人生全てをかけてね!」
そして田中は慣れた手つきで花瓶に花を入れ、水を注いだ。
そしてこっそりと花の中に忍び込ませた。ヤマノメグミアゲハを。
・・・
田中の去った静かな病室。
時計の秒針の音だけが部屋に響いている。
その音に呼応するように小刻みに動く小さな影。
ヤマノメグミアゲハが10年の眠りから目覚め、その美しい羽を広げた。
そして月明かりに照らされながら部屋の中をヒラヒラと舞うのだった。
「・・・綺麗」