みんなのGood

良質:6票トリック:2票物語:3票納得感:2票
最近スランプ気味の文芸部員のカメオ。
ある日、魔が差して部活仲間のウミオのアイデア帳を盗み見てしまった。

{(このアイデア、めちゃくちゃ面白いじゃないか…!なんでウミオはこれを小説にしていないんだ?)}

そう思ったカメオは、そのアイデアをもとにした小説を書き上げると、自信満々に部活仲間に発表した。
みんなの反応は上々だったが、特にウミオがその小説を大絶賛したのはなぜ?
24年07月27日 23:38
【ウミガメのスープ】 [ほずみ]



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《簡易解説》
ウミオのアイデア帳に書かれていたのは{カメオがかつてウミオに話したもの}で、ウミオも気に入ったため、カメオのアイデアとしてメモを残していた。
カメオは{忘れていた自分のアイデア}を思い出して自信作として書き上げ、ウミオは前々からこのアイデアが{小説になることを待ち望んでいた}ため、大絶賛をした。

《解説》
(はあ、何にも小説のアイデアが浮かばない…)
部室に来たはいいものの、スランプで苦しんでいたカメオは、一冊のノートを見つけた。
(ん? あれはウミオのアイデア帳か? アイツ最近調子いいしな… ちょっとだけ見てもバレないだろう)

そうして魔が差して、ウミオのアイデア帳をめくり始めると、そこには様々なことが書かれていた。
小説の設定やあらすじ、小説や広告の気になったフレーズ、中には小説や漫画への感想文のようなものまであった。
(やっぱりすごい奴は普段からすごいんだな… それに比べて俺は…)
落ち込みながらめくった次のページに書かれていたのは、ウミオにしてはめずらしいSFもののあらすじのようだった。
どこかウミオらしくないそれは、しかしカメオの心を捕らえて離さない。
(このアイデア、めちゃくちゃ面白いじゃないか…!なんでウミオはこれを小説にしていないんだ?)
浮かんだ疑問も束の間、答えはすぐに分かった。

───○月×日 カメオが話してくれたあらすじ。
カメオらしくて、めちゃくちゃ面白いと思うから早く形にすればいいのにいつまでも出さないから忘れないように書いておく。
俺もいつかこんな話を書いてみたい。


衝撃だった。
まず、これが自分のアイデアだということもそうだし、ウミオが覚えるほど気に入ってくれていたこともそうだし、何よりそれを今の今まで忘れていたことも。
念のため、自分のメモを漁ると確かにその日付より前に同じアイデアを書いていた。
そりゃ自分のアイデアなんだから面白く思って当然だ。
だが、スランプに悩んでいた自分にはチャンスだ。なんせウミオと何も覚えてなかったカメオが「面白い」と思ったのだ。
これを形にしない手はない。

そう決意したカメオは、久々にペンを執った。


数日後。
出来上がった小説を部内の発表会に出すと、みんなからの評判は上々だった。
中でもウミオは「お前やっとこれ書いたんだな! まさか忘れてたか?」なんて言いながら笑っていた。


カメオがウミオのアイデア帳を見てしまったことを謝ったところ、ウミオが他にも忘れているアイデアがないか問い詰めたのは別の話。



──当作は盗作ではなく倒錯の末に生まれました。
(『トウサク』あとがきより)
もしかして「13Good」
トリック:7票納得感:6票
商社勤務の男は、バナナ農園に出張する前に調べないといけない事があったので、スマホで「レモン」を検索した。
一体なぜ?
24年08月25日 19:17
【ウミガメのスープ】 [わかめ]

要知識




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バナナ農園のある国に渡航する前に、感染症の有無を調べて陰性証明書を取得する必要があった。
そのための唾液検査をしようとしたら唾液がなかなか出なかったので、スマホで検索したレモンの画像を見て味を想像した。
良質:9票物語:4票
詠み手:藤堂(文芸部2年)
希う 透明な子に 色付ける 絵筆が君の 声であらんと

詠み手:久坂(文芸部3年)
薄紅に 染まりしさくら この願い 叶えたいから 声にして詠む

問い
文芸部2年藤堂の名前は何か?

※希(こいねが)う・・・強く願い望むという意味
※質問制限なし!
※ほずみさんにSPをしていただきました!あらためてありがとうございます(。-_-。)
24年10月08日 22:04
【20の扉】 [ダニー]

おかぷしました




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同じ文芸部の久坂先輩と付き合うことになってから3ヶ月。

藤堂桜子には少し不満がありました。

1ヶ月前に彼からの呼称が「藤堂」から「さくら」にステップアップし、喜び浮かれていましたが、この「さくら」という呼び名は親や友達みんなに使われています。
逆に本名である「桜子」は誰にも呼ばれていません。

「先輩に桜子って呼んでもらいたい!」

そう決意した桜子はその想いを短歌に込めたのでした。

{希う 透明な子に 色付ける 絵筆が君の 声であらんと}

私の「子」は透明で誰にも気づいてもらえない。それでもいい、あなた一人に気づいてもらえるなら。あなたの声で呼んでもらえるなら。

短歌を手紙にしたため、先輩に渡した桜子。

先輩はそれを一読し、筆を持って少し悩んだ後、何も書かずにその筆を置き、そして桜子への返歌を声に出して詠みました。

{薄紅に 染まりしさくら この願い 叶えたいから 声にして詠む}

恥じらいながら自分の気持ちを伝えてくれた。その願いを叶えたいからこの短歌は紙にしたためず、声に出して詠むよ。

二句と三句を繋げると「さくらこ」になる先輩からの返歌。
それを聞いた桜子は薄紅から唐紅に変わったそうです。
春一番と食いしん坊「12Good」
良質:3票トリック:2票物語:7票
春一番が吹いたので、カメオの母は(そういえば、カメオは食いしん坊だったわね)と思った。

カメオの好物が麩菓子であるとき、母がその思考をする直前にしていた行動は何だろう?
22年09月22日 23:40
【ウミガメのスープ】 [ひゅー]



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答え:カメオへの黙祷

今日はカメオの命日。
春一番だなんて天気予報で言っていたけど、私の心は晴れなかった。

強い風の中、お墓を掃除して、大好きだった麩菓子をお供えする。
手を合わせて、じっと拝む。
……………………………………………………………………………………
目を開けると、お供えした麩菓子がなくなっていた。
そういえば、カメオは食いしん坊だったわね。
もう食べちゃったのかしら。

本当は風で飛ばされたって分かってる。
でも、カメオがいたような気がして、ほんの少し嬉しかった。
良質:3票トリック:5票物語:1票納得感:3票
古から森に住む怪物『ドドロ』。
その巨躯と風貌から、人間たちに恐れられている。

見た目に反して無邪気な彼は、
日頃から人間と仲良くしたいと思っていた。
しかし…

「ヴヴ…ニンゲン…モロスギル……!」

ドドロは悩んでいた。
スキンシップをとろうとしただけで、簡単に死んでしまう人間の脆さに…!

「ヴヴ…ドウスレバ…キズツケズニスム…?」

試行錯誤の末、どうにか人間を傷つけない力加減を身につけたドドロだったが、
彼は人間たちに、以前よりも更に恐れられるようになったという。


一体何故?
22年10月31日 21:47
【ウミガメのスープ】 [るょ]

新・深夜の小ネタ集21




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「ヴヴ…レンシュウ… コレデ レンシュウスル…!!」

死んでしまった(と思っている)人間の体を使い、
力加減の練習をするドドロ。
彼にとっては、命なき死体は人間の形をした肉にすぎないのだ。


何度も何度も失敗したが、
やがて、彼は人間を傷つけない力加減を会得した。

・・・
いっぽうその頃。
人里では、以前よりもドドロに対する恐れが強まっていた。

「あの化け物、最近{『死んだフリ』}が通じなくなったらしいぞ…」

「ああ、取って食うわけでもないのに、
 仲間がズタズタに弄ばれて殺されちまうのを俺は見たんだ!」


答え:
生き残った人々が、
死んだフリをした人間をなぶり殺しにした(ように見える)のを目撃したため。