みんなのGood

地獄でなぜ悪い「3Good」
物語:3票
地獄に落ちた男は「何かの間違いではないか?」と思ったが間違っていたわけではなかったので少し安堵した。

一体どういうことだろうか?
20年02月22日 14:29
【ウミガメのスープ】 [特攻トマト]



解説を見る
「次のものを連れて参れ。」

ここは地獄。閻魔が周りの鬼達に命じると痩せこけた男を引っ張ってきた。

「汝、水之平村の海助は人を殺め、その家財を偸盗した罪により黒縄地獄行きに処す。汝の罪状に誤りはないか?」

「{何かの間違いではないでしょうか?}」

「む、殺しや盗みをしてないと言うのか?お前の嘘はこの浄玻璃の鏡で見抜ける。もし嘘ならばその舌を引っこ抜くぞ?」

「間違っているのはそっちではないです。」
「私は盗みも殺しもやりましたが、{私の名は二十野村の亀次でございます。}」

「なんだと?……む、嘘は付いていないようだな。」

閻魔は浄玻璃の鏡を覗き込み黙り込んでしまった。
男が落ち着かない様子でいると、しばらくして閻魔は閉じた口を再び開いた。

「いや、間違ってはいない。」

「そんなバカな...。」

「正しく言えばお前は{水之平村の海助であり、なおかつ二十野村の亀次でもあるのだ。}」

「………どういうことですか?」

「お前は水之平村で海助として生まれた。しかしお前がまだ幼子の時に{本当の両親はお前が親だと思っている男に殺され、お前はさらわれた。}」
「そして二十野村にて亀次の名前が与えられたのだ。」

「{じゃあ私が殺した奴は...。}」

「ああ、{奴はお前の親なんかではなくただの罪人だ。}」

「………良かった…あんな奴と……血が繋がってるわけじゃ無い……………。」

男は嗚咽を漏らしながら崩れてしまった。

閻魔は{男が親だと思っていた男から虐げられ、酷たらしい仕打ちを受ける}様も鏡の中で見たので押し黙った。殺して全てを奪ってしまおうと考えるのも無理はない。



男がようやく居直ると閻魔はこう言った。


「同情はしてやる。が、ここは地獄での法に則り死者を裁くための場所。罰は軽くはせぬぞ。」

「…はい。」

「しかし、殺さずに逃げるべきだったとも言わぬ。お前の行いは正しいことではないが…悪だとも……言い切れぬ。」

「………。」

「まあ運が良かったと思え。本当に親殺しであるならば{最も重い罪で無間地獄行き}だったのだ。」
「お前は親だと思い込んでいた故に無間地獄行きになる可能性も有ったが、奴は育ての親としての責務を果たさなかった。だからお前は黒縄地獄で済む。」

「………。」

「よし、そいつを黒縄地獄に連れてけ」






鬼A「やっぱ閻魔様の裁きはすげえよな。」

鬼B「……。」

鬼A「あれでこそ地獄を統べる者って感じがするぜ。」

鬼B「………。」

鬼A「…?なんで黙ってるんだ?」

鬼B「いや皮肉なもんだなぁと思って。」

鬼A「なにが?」

鬼B「だって血の繋がりを否定したくなるほど憎んで殺した男とおんなじ地獄に落ちんだぜ?」





簡易回答:男は自分を虐待してた親を殺し地獄へ落ちたが実は本当の親ではないことが自分の名前を呼ばれたときに判明し、非道な人間と血が繋がっていなかったことに少し安堵した。
【ドエムジュン】「3Good」
トリック:3票
痛い事が大嫌いなジュンはタンスの角に足の小指をぶつけたので喜んだ。
一体なぜ?
20年02月29日 01:00
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]

どえらい矛盾問題




解説を見る
地震で自宅が崩壊、瓦礫の下敷きになったジュンはかろうじてうつ伏せの状態から僅かな隙間をはって移動する事だけなら可能な状態だったが、瓦礫の外に出られる方向が全くわからない。
とりあえず頭の方が塞がっていたので後ずさりする様にはうと、足の小指を何かにぶつけた。
なんとか首を回して足元の方を確認すると、それは愛用のタンスだった。

『タンスが足元の方にあるという事は…
家の外に近いのは多分こっちだ!』

ジュンは助かる希望を持ち、残りの体力を振り絞った。
良質:3票
ここは郊外にある路線バス事故の現場、運転手を含め乗員全ての死亡が確認された。
この悲惨な状況を見た一人の男が密かにほほ笑んだ。

なぜでしょうか。
20年02月29日 23:59
【ウミガメのスープ】 [ほしがり]

初出題です、よろしくお願いします。




解説を見る
男はバスの乗客だった。そしてバスの運転手は綺麗な女性だった。
そのバスが途中で強盗に乗り込まれてしまい、乗客たちの金品を奪われてしまった。更に酷いことに、運転手の美貌を貪った強盗は、彼女を運転席から引きずって、道ばたの草木の蔭で無理矢理犯してしまった。
それに立ち向かったのはただ男一人で、強盗に足を刺されて大けがを負ってしまった。その他の乗客たちは終始何もしなかった。それどころか、心身共にぼろぼろになった運転手がバスに戻ったのを見て、彼女のせいで遅延になったとブツブツ文句を言い始める輩すらいた。
そこで傷を負った男もバスに戻ったところ、運転手に全く表情なく下車を命じられた。そしてバスが再び動き出した。
男は仕方なく人気のない郊外でヒッチハイクを試みたところ、パトカーに乗せてもらった。そのパトカーが向かったのは正にある「事故」の現場。警察によれば、バスは大幅にスピード超過したまま山道から外れ、地面との衝撃によって爆発し解体した。
それが怒りと絶望の底に陥った運転手による乗客たちへの復讐だと悟った男は、思わず冷笑した。
(ある短編映画が元ネタで、もしかしたらどこかで見かけた方もいるかもしれません。)
いちに、いちに「3Good」
トリック:2票納得感:1票
運動会のためにクラス一丸となって練習した三十人三十一脚。何度転んでも立ち上がって練習に励んだ。

私たちが得たものは一体何?
20年03月03日 00:01
【20の扉】 [びーんず]



解説を見る
一体感
誇らしく言い立てる「3Good」
納得感:3票
とある偉大な大魔法使いが、
「念じた時、この世に存在するどんな物でも攻撃して破壊できる【矛】を生み出す魔法」と、「念じた時、この世に存在するどんな物の攻撃方法でも破壊されない【盾】を生み出す魔法」という二つの強力な魔法を作った。
ここで当然のように多くの人々が疑問に思ったのは、魔法で生み出した【矛】で、魔法で生み出した【盾】を攻撃したらどうなるのか?ということ。

試してみると、
(A)【矛】が【盾】を完全に破壊したパターン
(B)【矛】を【盾】が完全に防いだパターン
……の二通りの状況が発生することがわかった。
この結果について、人々は【矛】でも破壊できないことがあり、【盾】でも破壊されることがあるため、どちらも魔法として完璧ではないのではないか?と怪しんだ。

これに対し、偉大なる大魔法使いは「私の【矛】【盾】の魔法は文面通りの効果を完璧に反映しており、AとBどちらのパターンでも矛盾はしていない」と断言した。

一体どういう理屈だろう?
19年02月24日 20:52
【ウミガメのスープ】 [甘木]

「ほこ」らしくいい「たて」る




解説を見る
結論から言えば、【矛】と【盾】の勝敗結果は『後から念じて魔法で生み出した方が勝つ』ことになる。

「念じた時、この世に存在するどんな物でも攻撃して破壊できる【矛】を生み出す魔法」
「念じた時、この世に存在するどんな物の攻撃方法でも破壊されない【盾】を生み出す魔法」
この二つの魔法で重要なのは『念じた時、この世に存在する』という箇所。

大前提として、【矛】と【盾】は魔法によって生み出す前は当然ながら『この世に存在しない』状態である。
仮に、前者の魔法によって先に【矛】を生み出そうとした場合。その時点で「(念じて、魔法によって生み出した時点で)この世に存在するどんな物でも攻撃して破壊できる【矛】」が生まれる。これは魔法によってその【矛】を生み出した時点で、文面通り『(念じて、魔法によって生み出した時点で)この世に存在していない物』は攻撃して破壊できるとは限らないのである。
その後、【盾】を生み出した場合。「(念じて、魔法によって生み出した時点で)この世に存在するどんな物の攻撃でも破壊されない【盾】」が生まれる。
そして【矛】はすでに魔法によって生み出され、『この世に存在している物』であるために、【盾】の「この世に存在するどんな物の攻撃方法でも破壊されない」の条件に含まれる。
そのため、【矛】<【盾】の力関係が自然と発生するため、問題文の(B)パターンが発生。
そして、当然ながら【矛】と【盾】を生み出す順番を入れ替えれば(A)パターンが発生する。
(ほんの一秒でも、それどころかコンマ数秒でも二つの【矛】と【盾】が生まれた順番が結果を左右する)

【矛】の破壊できる物の定義と、【盾】の破壊されない攻撃方法という定義が、文面通り『念じた時』の状況で反映されるため、勝敗が生まれても矛盾はしない。
要は、『この世に存在する物』の定義が後出しによって上書きされるため、矛盾なく(A)や(B)の状況が発生するのだ。


【簡易解説っぽいの】
「くらえ!必殺パンチ!」
「はい、ざんねーん!『なんでもまもるバリヤー』でーす!今作った!」
「じゃあ、おれは『なんでもまもるバリヤーも壊せるパンチ』でーす!今作った!」
「あ、くそ!じゃあ、こっちは『なんでもまもるバリヤーも壊せるパンチからもまもれるバリヤー』だい!今作った!」
「やったな!よし、おれだって……!」
(以下延々と続く)