みんなのGood

光の奇跡「5Good」
良質:3票トリック:2票
3年間甲子園でプレーすることを夢見たセイヤだったが、ついに甲子園の土の上でプレーすることなく高校生活を終えた。
しかし、甲子園の歴代ハイライトでは必ずと言っていいほどセイヤが画面に写るという。

どういうことだろうか?
20年05月18日 09:15
【ウミガメのスープ】 [ちくたく]

延長戦ご参加ありがとうございました




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セイヤは甲子園出場高の控え選手だった。打つのもだめ、走るのも遅い。しかし唯一えげつないくらいの肩の強さを持っていた。

甲子園大会決勝戦、最終回から外野の守備に入ったセイヤ。外野の芝の上で甲子園初のプレーが始まる。
一点差のリードで、ワンアウト三塁。犠牲フライで延長の場面が訪れた。

セイヤの頭上にフライが飛んでくるが、難しいキャッチになった。これは犠牲フライ確実だと誰もが思った。

しかし、その時セイヤから放たれたボールは、まるでレーザーのようにキャッチャーに送られ、ランナーはタッチアウト
試合終了。セイヤは甲子園での劇的な優勝を果たした

プレー中に甲子園の土を踏まなかったセイヤだが、外野の芝の上で歴史的な活躍をしたのだ。
伝説のレーザービーム
「光の奇跡」として永遠に語り継がれるプレーとなった
800年後の君へ「5Good」
納得感:5票
とある夜。

とある大企業の社員の一人がこっそりと残業をしたせいで
この会社は今から800年後の未来を祝うことになった。

一体何があった?


※Cindyで出題済みの問題。知っている方は尻の穴を塞いでください。なんとなく。
20年05月24日 23:18
【ウミガメのスープ】 [ダニー]



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しまってしまった「5Good」
トリック:5票
私はその日、スーパーで食材を大量買いして帰宅した。
たまには自炊でもしようと急に思い立ち、こうして買いだめしているわけだ。

ところが、我が家の冷蔵庫は独身用の小さいサイズ。
この大量の食材。うまく詰め込まねば、扉を閉めることすらできないだろう。

まず、冷蔵庫の扉を開けてすぐ、ケーキ類が目に入る。
私は甘いものが好きなので、気がついた時に補充しているのだ。
これらを右端に寄せ、空いたスペースの奥に肉類を入れる。

次に野菜類。重い順に野菜室に入れる。
ネギなどの長モノの扱いに難儀したが、半分に切って入れることにした。

そして、魚介類を手前の空いたスペースに入れる。
腐りやすいので、早めに手を付けられるように手前に。

最後に、ドアポケットに飲み物類と卵を入れてフィニッシュ。
一見無理そうでも、上手くやればちゃんと入る。まるでパズルのようだ。

パタン。

私は冷蔵庫の扉がちゃんと閉まったことを確認すると、
すぐさまもう一度、冷蔵庫の扉を開けた。

さて、何のため?
20年05月31日 00:03
【ウミガメのスープ】 [るょ]

新・深夜の小ネタ集8




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我が家の冷蔵庫は小さい。
この大量の食材。うまく詰め込まねば、扉を閉めることすらできないだろう。

私は帰宅中ずっと、この食料たちをうまく詰め込むやり方をシミュレートしていた。

ケーキをどかして、肉を入れる…。野菜を入れる…。魚介…。卵…。

よし、これならうまく詰め込めそうだ。
まるでパズルのようだな、ははっ。

家に帰ってきた私は、シミュレートの結果が正しいことを証明すべく、
意気揚々と冷蔵庫の扉に触れた。

【その時。】


『{パタン}』


聞き慣れた音。
冷蔵庫の扉が『ちゃんと』閉まった音が聞こえた。

顔面蒼白。いつからだろうか。
{冷蔵庫の扉はずっと、半開きのままだったのだ。}

全く気づかなかった…{ケーキは無事か}…?

冷蔵庫の中身を案じた私は、すぐに扉を開けて確認することにした。


答え:
冷蔵庫がずっと半開きだったようなので、中のケーキが傷んでないか確認するため。
または、中が温くなっていないか確認するため。
物語:4票納得感:1票
少年はちょっとした怪我や体調不良でも学校の保健室に行くのだが、その際保健室の先生とほとんど話さないのは、「保健室の先生が嫌いだから」というだけではない。
では、他の理由とはなんだろう?
18年08月13日 21:16
【ウミガメのスープ】 [とかげ]

スープ病




解説を見る
「先生、早見君が怪我しました」
いつもより高い声で隣にいる長井が言うと、多田はいつも通り柔らかく笑って聞き飽きたセリフを口にする。
「また連れてこられちゃったのか。早見君、今日はどこ?」
「腕です、左の。教室で掃除してて。早見君が机を運んでるとき、ふざけた男子がホウキ振り回して。ホウキがささくれてたみたいで、ほら、腕に切り傷ができちゃったんです」
聞かれた俺ではなく、長井がスラスラと説明する。これも毎度のことだ。
「どれ、見せてごらん」
「……大した傷じゃないからいいですよ」
「多田先生にちゃんと見てもらわなきゃダメだよ。血も出てたし。早見君、いつもそうやって我慢するから」
君づけで呼ばれるのが気持ち悪い。長井は小学生の頃からの幼なじみで、ずっと俺のことを呼び捨てしている。
多田は俺の左腕を眺め、袖についた血にちらりと目をやると、またあの笑顔を浮かべた。
「ああ、ちょっと範囲が広いから、血も多かったかもしれないね。もう出血は止まっているし、深くないから大丈夫だよ。念のため消毒はしておこうか」
「お願いします。できれば怪我したってことがわかるように、大きな絆創膏ももらえますか? 怪我させた人に、ちゃんと反省してもらわなきゃ」
長井は口をとがらせて怒っている風を装うが、本当に怒っていたら、この程度では済まない。それはもう般若のごとく恐ろしいのだ。俺は何度も見たことがある。
「そうだね、もし目に入ったりしていたら、大変なことになっていたしね。ちょっと大袈裟だけど、ガーゼにしようか」
「いや、そんなにしなくても――」
「そうしてください! ね、早見君。佐々木君、ヘラヘラ笑って全然悪びれてなかったじゃん。マズイことしたってわからせた方がいいんだよ」
佐々木は中学に入ってから知り合った奴だが、やはり長井は普段呼び捨てしている。
多田は慣れた手つきで俺の腕にガーゼをあて、医療テープで綺麗に止めていく。長井はその様子をまばたきもせずにじっと眺めている。ただでさえ多田に触られるのが嫌なのに、もう痛くもない傷にこの処置は、なんとも居心地が悪い。
「さすが多田先生、本当に器用ですね!」
「ありがとう」
また、笑う。多田は自分の笑顔の効果を絶対わかっている。
「おっと、そろそろ掃除の時間が終わるね。教室に帰って、その佐々木君とやらに説教してやってね」
「はい、先生、ありがとうございました! ……ほら、早見君!」
「……ありがとうございました」
今すぐガーゼを引き剥がしてやりたいくらいなのだが、大人しく従う方が早く退場できそうだ。仕方なく小声で礼を言う。
「長井さんは本当にしっかりしているね」
最後にとびっきりの笑顔と褒め言葉。本当ははしゃぎ出したいくらい嬉しいのだろうけれど、それをなんとか抑えて、お上品な笑みを浮かべつつ、お辞儀をする長井。苛立つ気持ちを、保健室のドアを粗っぽく閉めるだけで、我慢した。


「もう、早見、態度悪すぎ! 先生に失礼でしょうが!」
ふくらはぎに容赦ない蹴りが入る。保健室から出た途端、これだ。そのまま教室へ向かう廊下をずんずん進む。長井の後ろについていく形で、俺も歩き出す。
「言ってるだろ? 多田は嫌いなんだって。あんまり話したくないんだよ」
「あんなに素敵な先生が嫌いなんて! 先生がカッコいいから、僻んでるんじゃないの?」
「……合わないだけだっての」
確かに多田をカッコいいと言う女子はたくさんいる。今年の四月に赴任してきたときは、保健室の養護教諭が若い男ということで、抵抗を感じる女子(と、ガッカリする男子)も少なくなかったはずだが、半年も経たずに生徒からも保護者からも好かれる人気教師になった。あいつを嫌う俺はかなりの少数派だろう。
「俺の態度が嫌なら、自分で仮病使えばいいだろう」
「嫌よ、多田先生に対して嘘つきたくないの」
「多田の前で猫かぶってるのは嘘に入らないのか? ……痛っ!」
今度はすねを蹴られた。
「じゃあもう直接話しかければいいじゃん。保健室に遊びにきました、先生とおしゃべりしたいんですって」
一瞬、その状況を想像したのか、長井はピタリと止まる。パッと振り返った彼女の顔は、真っ赤に染まっていた。
「そ……そんなの無理、無理! それができたら苦労はしないわよ!」
俺が怪我したり具合が悪そうにしたりすると、長井が嫌がる俺を保健室に引っ張っていく……と見せかけて、実は俺も共犯なのだ。俺は必ず、大丈夫だから保健室には行かない、と言う。長井が行った方がいいと説得する。結果、俺ひとりだとちゃんと保健室に行かないので、長井が付き添う形になる。保健室に行く口実ができるわけだ。
「付き合わされて、嫌いな奴の手当てを受ける俺の身にもなれよ」
「悪いってば! でもこんなの頼めるの、長井しかいないんだもん!」
「じゃあ、俺があいつとあんまりしゃべらないのも多目に見ろよ。それに、その方がお前、たくさん話せていいだろう?」
「……あ、確かに、ね」
今まで気づいていなかったのか、こいつ。当然、嫌いだから話したくないというのもあるが、同時に長井にとってもそれがよかろうと思ってやっていたのに。
「早見、ありがとう」
保健室で見せたよそゆきの笑みではなく、気にしている八重歯を遠慮なくのぞかせた笑顔。
たまにこいつは、いやに素直になる。調子が狂う。
「……わかればいい。ほら、もう少し急ぐぞ」
教室まではあと少しだ。早足になる俺に歩調を合わせて、長井も小走りになる。
「かわりにさ、早見に好きな人ができたらいくらでも協力するから。ね、遠慮せず頼んでよね」
お礼のつもりなのだろうが、突然そんなことを言ってくるものだから、ぎょっとする。
「……お前に手伝ってもらうことなんてない」
「なにそれ、役に立たないって意味?」
にらみをきかせて、肩にグーパンチをあてる素振り。
多田の前で見せる澄ました顔より、そうやって目まぐるしく変わる表情の方が良いと思うのだが、それは教えてやらない。
「役に立たないことはないだろうが、お前に誰が好きか教えなきゃならねぇじゃん」
「いいじゃないの、幼なじみの仲なんだからさ。あれ? もしかしてもういるの? ねぇねぇ、ちょっと打ち明けてみなさいよ、ほらほら」
まったく、この女は。

最後の質問を無視して、あと数メートルの距離を走った。後ろで長井が逃げたな、などと叫んでいる。そりゃあ逃げるに決まっている。

好きな奴を打ち明けろだって? 簡単に言ってくれる。

それができたら、こんな苦労はしていない。

END

【要約解説】
少年が片思い中の少女は、保健室の先生に夢中で、少年の怪我や体調不良を口実に保健室へ一緒に来る。恋敵である先生のことはもちろん嫌いなのだが、自分が黙っていた方が少女が先生とたくさん話せるので、少女のためにほとんど喋らないようにしているのだ。
伝書鳩かよっ!「5Good」
納得感:5票
ヒロシはある会社にメールを送ったところ、そのメールは1週間以上遅れて返ってきた。それが理由でヒロシはその会社に入りたいと思ったという。どういうことだろう。
20年06月02日 22:05
【ウミガメのスープ】 [ぎんがけい]

軽めの闇スープ 先着5名




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ヒロシはある会社にゴールデンウィーク前にメールを送ったところ、そのメールはゴールデンウィーク明けに返ってきた。ヒロシはこの会社はゴールデンウィークにちゃんと休ませてもらえるようなホワイトな会社だと思い、入りたいと思った。ゴールデンウィークにあたる部分は年末年始やお盆、その他長期の有給休暇など長期休暇に当てはまれば正解としています。

自分の体験談に少し基づいています。私の本名はヒロシではありませんが。