「【世界田中奇行】田中&ガッバーナの香水が思い出させる」「7Good」
トリック:1票物語:4票納得感:2票
それは一瞬の出来事だった。
ディナーデートの帰り。
田中の運転する車で彼女と同居しているアパートに向かう帰路。
車線をはみ出してきて、こちらに突進してくる黒塗りの車。
避けようと急ハンドルを切ったものの、そのまま正面衝突。
田中は一命を取り留めたものの、杖なしでは暮らせない体になり、そして同乗していた彼女は…
帰らぬ人となった。
その事故の後、彼女の遺品であるスマホに彼女の香水を振りかけた田中。
一体なぜ?
ディナーデートの帰り。
田中の運転する車で彼女と同居しているアパートに向かう帰路。
車線をはみ出してきて、こちらに突進してくる黒塗りの車。
避けようと急ハンドルを切ったものの、そのまま正面衝突。
田中は一命を取り留めたものの、杖なしでは暮らせない体になり、そして同乗していた彼女は…
帰らぬ人となった。
その事故の後、彼女の遺品であるスマホに彼女の香水を振りかけた田中。
一体なぜ?
23年01月31日 22:10
【ウミガメのスープ】 [ダニー]
【ウミガメのスープ】 [ダニー]
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簡易解説
彼女のスマホを狙う者によって、田中は視力を失い、彼女を命を失った。
問題文中の杖とは白杖(視覚障害者が歩行の際に前方の路面を触擦する等に使用する白い杖)のこと。
全盲となった田中は彼女のスマホを守るため、それを引き出しに保管する際に香水をふりかけた。
誰かが持ち出した際、匂いでその事がすぐにわかるように。
「文科省と警察官僚の黒い繋がり、か」
「うん。デカいネタ過ぎてこのまま記事にしても闇に葬られてしまうでしょうね」
「このネタを渡すべき相手を慎重に見極めないとだな…」
「公安に知り合いがいるのだけど、本当にその人を信頼できるか不安なの」
「下手なことをすると真希、お前の命さえ危ういことになるかもしれないぞ。表沙汰にしない、というのも選択肢としてあるんじゃないか?」
「その選択肢はありえない。…これはジャーナリストとしての矜持ではなく、私自身の矜持。こんなこと決して許してはいけない。絶対に」
「そう…か。うん、俺はお前を支持するよ。一緒に今後どう動くべきか考えよう」
「…ふふっ。こんな素敵なレストランでする話じゃないわね」
「そうだな!まずは食べよう!」
私の恋人の真希はジャーナリストである。
3年間追い続けてきたネタを裏付ける証拠を手にした彼女だが、それの取り扱いに困っていた。
なにしろ警察庁トップの首がすげ変わるくらいに大きなスキャンダルだ。
普通に記事にしても揉み消される可能性が高い。
そして彼女の上司である編集長が信頼できない。
保身が一番の男だ。このネタを渡して記事になるかが怪しいものである。
慎重に慎重を期して今後どのようにこのネタを世に出していくか、を決めていかなくてはいけない。
そう話し合っていた矢先。
それは一瞬の出来事であった。
ディナーデートの帰り。
私の運転する車で同居するアパートに向かう帰路。
車線をはみ出してきて、こちらに突進してくる黒塗りの車。
避けようと急ハンドルを切ったものの、そのまま正面衝突。
私の世界は暗転した。
目が覚めた。
いや意識だけが戻った、と形容した方が正確だ。
なにせ目の前がまだ真っ暗なのだから。
私は自身の車のフロントガラスに頭を強打して、一時昏睡していたらしい。
その際に両目に裂傷が入ってしまった。
眼球にとって深刻な怪我で、すぐに治療が施されたものの視力の回復は見込めないとのこと。
そのように説明を受けた後、その医師からもう一つの事実を告げられた。
「同乗者の女性ですが、残念ながら・・・」
私は再度目の前が真っ暗になった。
それから3か月。
外出先から白杖をつきながらなんとか自宅に戻る。
そしてまず私は部屋の香りを確認する。
彼女から預かったスマホ。
これにはスキャンダルを裏付ける動画が保存されている。
しかし全盲の私はそれを確認することができない。
そして家族や友人たちにもこの事実だけは何も伝えていない。
このスマホは本当に信頼できる者に託す必要がある。
全盲でありながら彼女の遺志を継ぎ、スキャンダルの調査をしている私に対して、彼らは必ず妨害をしてくるだろう。
交通事故を偽装して人の命を奪う連中。
そんな相手から私はこのスマホを死守しなければならない。
私はスマホを箱の中に入れデスクの引き出しにしまい、そして彼女の香水をふりかけていた。
{もし第三者が部屋に侵入してスマホを持ち出した時、部屋に香水の香りが広がるように。
持ち出しの事実にいち早く気づけるように。}
香水の香りは、しない。
私は再び白い杖を握る。
玄関を開けて黒い世界にこの身を溶かしていく。
彼女が自分の命を賭して守ったものに光を当てるために。
彼女のスマホを狙う者によって、田中は視力を失い、彼女を命を失った。
問題文中の杖とは白杖(視覚障害者が歩行の際に前方の路面を触擦する等に使用する白い杖)のこと。
全盲となった田中は彼女のスマホを守るため、それを引き出しに保管する際に香水をふりかけた。
誰かが持ち出した際、匂いでその事がすぐにわかるように。
「文科省と警察官僚の黒い繋がり、か」
「うん。デカいネタ過ぎてこのまま記事にしても闇に葬られてしまうでしょうね」
「このネタを渡すべき相手を慎重に見極めないとだな…」
「公安に知り合いがいるのだけど、本当にその人を信頼できるか不安なの」
「下手なことをすると真希、お前の命さえ危ういことになるかもしれないぞ。表沙汰にしない、というのも選択肢としてあるんじゃないか?」
「その選択肢はありえない。…これはジャーナリストとしての矜持ではなく、私自身の矜持。こんなこと決して許してはいけない。絶対に」
「そう…か。うん、俺はお前を支持するよ。一緒に今後どう動くべきか考えよう」
「…ふふっ。こんな素敵なレストランでする話じゃないわね」
「そうだな!まずは食べよう!」
私の恋人の真希はジャーナリストである。
3年間追い続けてきたネタを裏付ける証拠を手にした彼女だが、それの取り扱いに困っていた。
なにしろ警察庁トップの首がすげ変わるくらいに大きなスキャンダルだ。
普通に記事にしても揉み消される可能性が高い。
そして彼女の上司である編集長が信頼できない。
保身が一番の男だ。このネタを渡して記事になるかが怪しいものである。
慎重に慎重を期して今後どのようにこのネタを世に出していくか、を決めていかなくてはいけない。
そう話し合っていた矢先。
それは一瞬の出来事であった。
ディナーデートの帰り。
私の運転する車で同居するアパートに向かう帰路。
車線をはみ出してきて、こちらに突進してくる黒塗りの車。
避けようと急ハンドルを切ったものの、そのまま正面衝突。
私の世界は暗転した。
目が覚めた。
いや意識だけが戻った、と形容した方が正確だ。
なにせ目の前がまだ真っ暗なのだから。
私は自身の車のフロントガラスに頭を強打して、一時昏睡していたらしい。
その際に両目に裂傷が入ってしまった。
眼球にとって深刻な怪我で、すぐに治療が施されたものの視力の回復は見込めないとのこと。
そのように説明を受けた後、その医師からもう一つの事実を告げられた。
「同乗者の女性ですが、残念ながら・・・」
私は再度目の前が真っ暗になった。
それから3か月。
外出先から白杖をつきながらなんとか自宅に戻る。
そしてまず私は部屋の香りを確認する。
彼女から預かったスマホ。
これにはスキャンダルを裏付ける動画が保存されている。
しかし全盲の私はそれを確認することができない。
そして家族や友人たちにもこの事実だけは何も伝えていない。
このスマホは本当に信頼できる者に託す必要がある。
全盲でありながら彼女の遺志を継ぎ、スキャンダルの調査をしている私に対して、彼らは必ず妨害をしてくるだろう。
交通事故を偽装して人の命を奪う連中。
そんな相手から私はこのスマホを死守しなければならない。
私はスマホを箱の中に入れデスクの引き出しにしまい、そして彼女の香水をふりかけていた。
{もし第三者が部屋に侵入してスマホを持ち出した時、部屋に香水の香りが広がるように。
持ち出しの事実にいち早く気づけるように。}
香水の香りは、しない。
私は再び白い杖を握る。
玄関を開けて黒い世界にこの身を溶かしていく。
彼女が自分の命を賭して守ったものに光を当てるために。
「もしも一度だけ」「7Good」
トリック:2票物語:3票納得感:2票
度重なる虐待から父親を恨んでいたミサキ。
生まれなければ良かったのに、とさえ思っていた彼女は、
「あるもの」を手に入れたことによって、
これまでとは打って変わって、父親を愛することに決めた。
{自らの死のために。}
「あるもの」に該当する6文字の言葉は何?
生まれなければ良かったのに、とさえ思っていた彼女は、
「あるもの」を手に入れたことによって、
これまでとは打って変わって、父親を愛することに決めた。
{自らの死のために。}
「あるもの」に該当する6文字の言葉は何?
23年02月27日 21:36
【20の扉】 [ごがつあめ涼花]
【20の扉】 [ごがつあめ涼花]
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<A.タイムマシン>
両親に叩かれ育てられた。
生まれなければよかったな、と私は思う。
もしも一度だけ、願いが叶うなら。
私を生まれなかったことにしたい。自分の存在ごと無かったことにしてしまいたい。
そんな非現実的な願いは突然叶うことになる。
『お嬢さん、やり直してみたいと思ったことはないかい?』
路地裏で私に話しかけた老婆は、懐から小さな腕輪を出すと、私に手渡した。
『これはタイムマシンみたいなものでね、一度だけ、好きな時代に行く事が――――』
躊躇わず、25年前にリープする。
父は軽薄な男だった。
素性も分からない私でも、軽く誘惑しただけで落ちた。
キスをした途端、未来が変わり、私は消える。
さよなら私、パパとママ――――
『……やれやれ、これでようやく私も消えられる』
両親に叩かれ育てられた。
生まれなければよかったな、と私は思う。
もしも一度だけ、願いが叶うなら。
私を生まれなかったことにしたい。自分の存在ごと無かったことにしてしまいたい。
そんな非現実的な願いは突然叶うことになる。
『お嬢さん、やり直してみたいと思ったことはないかい?』
路地裏で私に話しかけた老婆は、懐から小さな腕輪を出すと、私に手渡した。
『これはタイムマシンみたいなものでね、一度だけ、好きな時代に行く事が――――』
躊躇わず、25年前にリープする。
父は軽薄な男だった。
素性も分からない私でも、軽く誘惑しただけで落ちた。
キスをした途端、未来が変わり、私は消える。
さよなら私、パパとママ――――
『……やれやれ、これでようやく私も消えられる』
「ケーキが無ければ甘いパンを食べればいいじゃない」「7Good」
良質:6票納得感:1票
「あること」をしなかった日に食べたパンが甘かったので、男は大発見をした。
あることとは何?
あることとは何?
23年03月23日 17:55
【20の扉】 [貧困太郎]
【20の扉】 [貧困太郎]

実話(逸話?)ベースです。参加いただきありがとうございました!
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答え:手洗い
世界初の人工甘味料「サッカリン」は、コールタールの実験をしていた研究者が、実験後に手を洗わずにパンを食べた結果、手についていた化学物質がパンに移って甘くなっていることを発見したことが切っ掛けで生まれた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%B3
世界初の人工甘味料「サッカリン」は、コールタールの実験をしていた研究者が、実験後に手を洗わずにパンを食べた結果、手についていた化学物質がパンに移って甘くなっていることを発見したことが切っ掛けで生まれた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%B3
「ラトゥン ラン」「7Good」
トリック:1票物語:3票納得感:3票
ユウスケがアオイに告白した時、アオイが言った言葉
ユウスケがアオイを殺害した時、アオイに言った言葉
共通する6文字は何か
ユウスケがアオイを殺害した時、アオイに言った言葉
共通する6文字は何か
23年04月20日 20:22
【20の扉】 [るぐら]
【20の扉】 [るぐら]
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キミガワルイ
「平気っ?」「7Good」
良質:3票トリック:4票
ある日、妻と息子の二人が宝物の定義の話をしているときに私はふとあることに思い至った。
そのあることとは……{貫太}と{美代子}、そして{私}の三人の中に{二十年前に公太郎を死に追いやった人物}がいるのではないかということだ。
件の三人の中に犯人がいるのか、いるとしたらどの人物が犯人なのか……どうすれば私はそれを確かめることが出来るだろうか?
そのあることとは……{貫太}と{美代子}、そして{私}の三人の中に{二十年前に公太郎を死に追いやった人物}がいるのではないかということだ。
件の三人の中に犯人がいるのか、いるとしたらどの人物が犯人なのか……どうすれば私はそれを確かめることが出来るだろうか?
23年05月23日 21:45
【ウミガメのスープ】 [松神]
【ウミガメのスープ】 [松神]
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A.タイムカプセルを3人で掘り出しに行き、誰のタイムカプセルにハムスターの公太郎の死骸が入っているか確認する。
その日私は息子と妻がTVを見ながら談笑しているのを聞きながら冷め始めていた朝食をかじっていた。
「タイムカプセルってなにー?」
「うーんと、自分にとって大事な物……宝物とかを入れて埋めるとね、未来の自分が開けてくれるんだよ」
そんな他愛のない会話を聞きながら思いを馳せる。タイムカプセルとは随分懐かしい響きだ。かつて自分もタイムカプセルを埋めた記憶は確かに残っている……とはいえ、何を入れたかは完全に忘れてしまったが。
「宝物ってなに?」
「えーと、とにかく大事なもの。お人形さんのりかちゃんとか……」
一拍置いてから息子が手を叩く。聡明な我が息子のことだ、完璧に理解したに違いないと思いながら私はコーヒーを口に運ぶ。
「わかった!タロちゃん!」
「えっ!?」
口に運んだコーヒーをばちゃりと吹き零しながら私はむせた。タロちゃん、というのは我が家で買っている犬のことだ。タイムカプセルに入れると言われて大型犬の名前を出すとは……と苦笑しつつ零したコーヒーを拭き取りながら、私はふとある出来事を思い出す。
その出来事は、昔祖父が飼っていたハムスター……公太郎の失踪事件だ。その時はよくある出来事だと祖父は笑い飛ばしていたが、公太郎は一向に見つかることはなく私はそのことを頭の中から消していたが……。
そう、その時期は正に私たちがタイムカプセルを埋めた時期と合致していたのだ。だから、もしそうであるのなら公太郎はきっとタイムカプセルの中で足りない酸素に喘ぎながら苦しみ続けて……。
青ざめながら私は急いで親族と連絡を取り、例の三人でタイムカプセルを掘り出しに行くことにした。犯した過ちはもうどうしようもないが、せめて公太郎を供養することだけでもしよう。
その日私は息子と妻がTVを見ながら談笑しているのを聞きながら冷め始めていた朝食をかじっていた。
「タイムカプセルってなにー?」
「うーんと、自分にとって大事な物……宝物とかを入れて埋めるとね、未来の自分が開けてくれるんだよ」
そんな他愛のない会話を聞きながら思いを馳せる。タイムカプセルとは随分懐かしい響きだ。かつて自分もタイムカプセルを埋めた記憶は確かに残っている……とはいえ、何を入れたかは完全に忘れてしまったが。
「宝物ってなに?」
「えーと、とにかく大事なもの。お人形さんのりかちゃんとか……」
一拍置いてから息子が手を叩く。聡明な我が息子のことだ、完璧に理解したに違いないと思いながら私はコーヒーを口に運ぶ。
「わかった!タロちゃん!」
「えっ!?」
口に運んだコーヒーをばちゃりと吹き零しながら私はむせた。タロちゃん、というのは我が家で買っている犬のことだ。タイムカプセルに入れると言われて大型犬の名前を出すとは……と苦笑しつつ零したコーヒーを拭き取りながら、私はふとある出来事を思い出す。
その出来事は、昔祖父が飼っていたハムスター……公太郎の失踪事件だ。その時はよくある出来事だと祖父は笑い飛ばしていたが、公太郎は一向に見つかることはなく私はそのことを頭の中から消していたが……。
そう、その時期は正に私たちがタイムカプセルを埋めた時期と合致していたのだ。だから、もしそうであるのなら公太郎はきっとタイムカプセルの中で足りない酸素に喘ぎながら苦しみ続けて……。
青ざめながら私は急いで親族と連絡を取り、例の三人でタイムカプセルを掘り出しに行くことにした。犯した過ちはもうどうしようもないが、せめて公太郎を供養することだけでもしよう。