「故意≠恋⇒甘い?」「8Good」
トリック:1票物語:4票納得感:3票
クラスの人気者である野出に片思い中の内気な田中。
田中はバレンタインの日、勇気を振り絞って野出に惚れ薬入りの本命チョコを手渡した。
その後暫くは野出に本命チョコを渡せた事を喜んでいた田中。
しかし後日、野出が甘党であった事を知った田中は、野田にバレンタインチョコを渡した事を強く後悔した。
一体なぜだろう?
田中はバレンタインの日、勇気を振り絞って野出に惚れ薬入りの本命チョコを手渡した。
その後暫くは野出に本命チョコを渡せた事を喜んでいた田中。
しかし後日、野出が甘党であった事を知った田中は、野田にバレンタインチョコを渡した事を強く後悔した。
一体なぜだろう?
23年02月23日 00:13
【ウミガメのスープ】 [布袋ナイ]
【ウミガメのスープ】 [布袋ナイ]

2月といえばバレンタイン、惚れ薬の売れ行きが良くなる時期ですね。28日23時半まで…
解説を見る
【簡易解説】
{人気者の野出はバレンタインに惚れ薬入りのチョコレートをいくつも貰っており、しかも甘党な野出はバレンタインに貰ったチョコを一気に食べてしまった為に、惚れ薬の過剰摂取で病院に搬送されてしまったと聞いて、その原因の一端となってしまったかもしれないことに罪悪感を覚えたから。}
【長い解説】
今から遥か未来の話。
化学技術が著しく発展し、かつて魔法やファンタジーと呼ばれたような現象をも人為的に生み出せるようになった、そんな時代のこと。
『人間の感情を操る薬品』について研究している布袋博士が、とある薬の開発に成功した。
その名は{『コイニオチール』}。
これは「特定の人物に対して強い好意を抱くようになる」効果がある薬…所謂{惚れ薬}であった。
使い方は極めて簡単、惚れ薬を盛る相手に、惚れさせたい人物の体の一部と惚れ薬を一緒に摂取させるだけ。
まだ販売されたばかりで人々からは眉唾物だと囁かれながらも、その実確かな効果のある薬である。
…さて、世間はバレンタイン。
惚れ薬が大活躍するであろう時期。
本命チョコ用にと惚れ薬を購入する人は多く…片思い中であった田中も、そのうちの一人であった。
田中の思い人である野出はクラスの人気者で、一方の田中はクラスでもあまり目立たず内気な生徒の一人。
これを渡せば野出と両思いになれるかも、と思えば本命チョコを手渡す勇気が出るかも!と田中は、背中を押して貰うために惚れ薬を購入し…そして、丁寧に丁寧に作ったチョコブラウニーの生地の中に、惚れ薬を投入した。
そしてバレンタイン当日。
放課後、野出を手紙で呼び出した田中は、無事に本命チョコを手渡す事に成功した。
真っ赤な顔でチョコを手渡す田中と、それに釣られて思わず顔を赤くした野出。
甘酸っぱい雰囲気で、2人はまた明日、と別れ…田中は惚れ薬のおかげで本命チョコを渡すことができたと、浮かれた気持ちで帰路に着いた。
さて、その翌日の朝。
早く学校に着いた田中は、そわそわと野出が来るのを待っていた。
けれども、また明日と別れた野出は何故だか登校してこない。
心配する田中をよそに時間は進み、遂に野出が来ないままに朝のSHRが始まった。
そして、物々しい顔で教卓の前に立った担任教師が告げる。
野出が昨日、{薬物の過剰摂取で病院に搬送された}と。
曰く、{野出が受け取ったバレンタインチョコの多くに『コイニオチール』が入って}おり、また{甘党な野出は受け取ったチョコの殆どを昨日一気に食べてしまった}らしい。
結果、急に埋め込まれた複数人に対する強い恋情に、脳に負荷がかかって昏倒。
現在は意識は取り戻しているものの、胃洗浄や点滴による治療が間に合わなければ死んでいたかもしれなかったらしい。
最後に担任は、「惚れ薬を入れた生徒は、軽い気持ちだったかもしれないが…軽い気持ちで行った事で人生が狂ってしまう事もある。それに、例え今回のようにはならなかったとしても、摂取させられた人に取って望まない効果が出る代物なら、それは毒と変わらない。君達がやったことは、悪意が無かったとしても、れっきとした犯罪だ。」と、沈んだ顔で締めくくった。
SHRの時間、それを聞いた田中は、野出に勇気を出して、惚れ薬を入れたバレンタインチョコを渡した事を…自分に甘い考えで惚れ薬を仕込んだチョコレートを渡した事を後悔した。
こんなことなら、バレンタインチョコなんて渡さなければ良かった。自分がもしも惚れ薬入りのチョコを渡していなかったら…{野出が倒れたりもしなかったかもしれない}のに、と。
事実はわからないし、実際に野出が田中のチョコレートを食べたかもわからない。
しかし、どちらにしたって、後悔は先に立たないし、事実はもう書き変わらない。
田中が野出に惚れ薬入りのバレンタインチョコを渡した事実も、野出が惚れ薬の過剰摂取で倒れた事実も。
だから例えばこの先に、野出が手作りのお菓子を食べられなくなったのだとしても、田中が野出に謝罪に行き、それが受け入れられたのだとしても、同様の事例が相次いだ結果、惚れ薬を作った布袋博士が訴えられたのだとしても。
それらは全て、後悔の先の余談なのである。
{人気者の野出はバレンタインに惚れ薬入りのチョコレートをいくつも貰っており、しかも甘党な野出はバレンタインに貰ったチョコを一気に食べてしまった為に、惚れ薬の過剰摂取で病院に搬送されてしまったと聞いて、その原因の一端となってしまったかもしれないことに罪悪感を覚えたから。}
【長い解説】
今から遥か未来の話。
化学技術が著しく発展し、かつて魔法やファンタジーと呼ばれたような現象をも人為的に生み出せるようになった、そんな時代のこと。
『人間の感情を操る薬品』について研究している布袋博士が、とある薬の開発に成功した。
その名は{『コイニオチール』}。
これは「特定の人物に対して強い好意を抱くようになる」効果がある薬…所謂{惚れ薬}であった。
使い方は極めて簡単、惚れ薬を盛る相手に、惚れさせたい人物の体の一部と惚れ薬を一緒に摂取させるだけ。
まだ販売されたばかりで人々からは眉唾物だと囁かれながらも、その実確かな効果のある薬である。
…さて、世間はバレンタイン。
惚れ薬が大活躍するであろう時期。
本命チョコ用にと惚れ薬を購入する人は多く…片思い中であった田中も、そのうちの一人であった。
田中の思い人である野出はクラスの人気者で、一方の田中はクラスでもあまり目立たず内気な生徒の一人。
これを渡せば野出と両思いになれるかも、と思えば本命チョコを手渡す勇気が出るかも!と田中は、背中を押して貰うために惚れ薬を購入し…そして、丁寧に丁寧に作ったチョコブラウニーの生地の中に、惚れ薬を投入した。
そしてバレンタイン当日。
放課後、野出を手紙で呼び出した田中は、無事に本命チョコを手渡す事に成功した。
真っ赤な顔でチョコを手渡す田中と、それに釣られて思わず顔を赤くした野出。
甘酸っぱい雰囲気で、2人はまた明日、と別れ…田中は惚れ薬のおかげで本命チョコを渡すことができたと、浮かれた気持ちで帰路に着いた。
さて、その翌日の朝。
早く学校に着いた田中は、そわそわと野出が来るのを待っていた。
けれども、また明日と別れた野出は何故だか登校してこない。
心配する田中をよそに時間は進み、遂に野出が来ないままに朝のSHRが始まった。
そして、物々しい顔で教卓の前に立った担任教師が告げる。
野出が昨日、{薬物の過剰摂取で病院に搬送された}と。
曰く、{野出が受け取ったバレンタインチョコの多くに『コイニオチール』が入って}おり、また{甘党な野出は受け取ったチョコの殆どを昨日一気に食べてしまった}らしい。
結果、急に埋め込まれた複数人に対する強い恋情に、脳に負荷がかかって昏倒。
現在は意識は取り戻しているものの、胃洗浄や点滴による治療が間に合わなければ死んでいたかもしれなかったらしい。
最後に担任は、「惚れ薬を入れた生徒は、軽い気持ちだったかもしれないが…軽い気持ちで行った事で人生が狂ってしまう事もある。それに、例え今回のようにはならなかったとしても、摂取させられた人に取って望まない効果が出る代物なら、それは毒と変わらない。君達がやったことは、悪意が無かったとしても、れっきとした犯罪だ。」と、沈んだ顔で締めくくった。
SHRの時間、それを聞いた田中は、野出に勇気を出して、惚れ薬を入れたバレンタインチョコを渡した事を…自分に甘い考えで惚れ薬を仕込んだチョコレートを渡した事を後悔した。
こんなことなら、バレンタインチョコなんて渡さなければ良かった。自分がもしも惚れ薬入りのチョコを渡していなかったら…{野出が倒れたりもしなかったかもしれない}のに、と。
事実はわからないし、実際に野出が田中のチョコレートを食べたかもわからない。
しかし、どちらにしたって、後悔は先に立たないし、事実はもう書き変わらない。
田中が野出に惚れ薬入りのバレンタインチョコを渡した事実も、野出が惚れ薬の過剰摂取で倒れた事実も。
だから例えばこの先に、野出が手作りのお菓子を食べられなくなったのだとしても、田中が野出に謝罪に行き、それが受け入れられたのだとしても、同様の事例が相次いだ結果、惚れ薬を作った布袋博士が訴えられたのだとしても。
それらは全て、後悔の先の余談なのである。
「チップと言ってもポテチではない」「8Good」
トリック:3票納得感:5票
闇の調合師から一週間分の薬を受け取ったアザゼルは一週間分の薬代より多い代金を支払った
チップではないとしたら何故?
【参加テーマ・好きなポテチの味は?】
チップではないとしたら何故?
【参加テーマ・好きなポテチの味は?】
23年02月27日 23:08
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
解説を見る
アザゼル『いつものを頼む』
そう言ってアザゼルは無色のガラス瓶の蓋を開けてカウンターに置いた
調合師はテキパキと薬を調合するとサラサラと混ぜながら瓶に入れた
しかしアザゼルは受け取ろうとしない
まあ、いつもの事だ。調合師は一回分の薬を匙ですくうと自ら飲んでみせた
つまり毒見だ。アザゼルも闇に身を置く存在。他者を信用したりはしないのだ
しばらくしてアザゼルは一週間と一回分の薬の代金を置くと瓶に蓋をし懐にいれた
アザゼル『また来る。お前の腕は信用している』
アザゼルは店を出ていった。その背中にすら一切の隙を見せなかった
アザゼル『さーて!今日から一週間たっぷり楽しむぞ〜♪』
アザゼルは夜の歓楽街へと消えて行った
そう言ってアザゼルは無色のガラス瓶の蓋を開けてカウンターに置いた
調合師はテキパキと薬を調合するとサラサラと混ぜながら瓶に入れた
しかしアザゼルは受け取ろうとしない
まあ、いつもの事だ。調合師は一回分の薬を匙ですくうと自ら飲んでみせた
つまり毒見だ。アザゼルも闇に身を置く存在。他者を信用したりはしないのだ
しばらくしてアザゼルは一週間と一回分の薬の代金を置くと瓶に蓋をし懐にいれた
アザゼル『また来る。お前の腕は信用している』
アザゼルは店を出ていった。その背中にすら一切の隙を見せなかった
アザゼル『さーて!今日から一週間たっぷり楽しむぞ〜♪』
アザゼルは夜の歓楽街へと消えて行った
「一ページ一傷害罪」「8Good」
トリック:3票納得感:5票
本のページをめくるたび手を上げる男。
一体何故?
一体何故?
23年03月27日 23:13
【ウミガメのスープ】 [ベルン]
【ウミガメのスープ】 [ベルン]

金曜日22時ごろまで予定
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電車内、つり革を持って立っている男。
つり革を離してページをめくり、また再びつり革を持つために手を上げる。
つり革を離してページをめくり、また再びつり革を持つために手を上げる。
「涙は別のやつで拭きたい」「8Good」
トリック:4票納得感:4票
我が家で長年、床掃除用の雑巾として使われてきた手拭い。
それを使ってテーブルを拭く母を見て、私は感極まって泣いた。
一体なぜ?
それを使ってテーブルを拭く母を見て、私は感極まって泣いた。
一体なぜ?
23年05月31日 20:51
【ウミガメのスープ】 [るょ]
【ウミガメのスープ】 [るょ]
解説を見る
その手拭いは昔、テーブルを拭く用の布巾として使っていた。
使っているうちに見た目が汚らしくなったため、一時は捨てようかとも思ったのだが、
それなりに愛着もあったため、そのまま床掃除用の雑巾へと役割をチェンジさせたのだ。
そして今、我が家では、その手拭いを使って母がテーブルを拭いている。
…やったぞ!! ついに実験に成功した!!
私は見事タイムマシンを完成させ、過去に戻ることができたのだ!!
頬を伝う涙を、後に『それ』の後釜を務める別の手拭いで拭った。
使っているうちに見た目が汚らしくなったため、一時は捨てようかとも思ったのだが、
それなりに愛着もあったため、そのまま床掃除用の雑巾へと役割をチェンジさせたのだ。
そして今、我が家では、その手拭いを使って母がテーブルを拭いている。
…やったぞ!! ついに実験に成功した!!
私は見事タイムマシンを完成させ、過去に戻ることができたのだ!!
頬を伝う涙を、後に『それ』の後釜を務める別の手拭いで拭った。
「壁に耳あり」「8Good」
良質:3票トリック:3票納得感:2票
配管工のカメオは築40年以上経過した寂れた一軒家に住んでいる。
自宅兼作業場の一軒家は築年数相応に劣化しており、壁のところどころがひび割れ大きな亀裂の入っている箇所もあった。
ある日、隣家のカメコから騒音が聞こえてくると注意を受けたカメオは、壁を修理して厚くすることにした。
防音機能を向上させたおかげでカメコの家に騒音が漏れることはなくなった。
しかし、相変わらずカメコが文句を言い続けるので、カメオは軽度の寝不足に陥ってしまった。
カメオの家から騒音が漏れることはなくなったのに、どうしてカメコは文句を言い続けたのだろう?
自宅兼作業場の一軒家は築年数相応に劣化しており、壁のところどころがひび割れ大きな亀裂の入っている箇所もあった。
ある日、隣家のカメコから騒音が聞こえてくると注意を受けたカメオは、壁を修理して厚くすることにした。
防音機能を向上させたおかげでカメコの家に騒音が漏れることはなくなった。
しかし、相変わらずカメコが文句を言い続けるので、カメオは軽度の寝不足に陥ってしまった。
カメオの家から騒音が漏れることはなくなったのに、どうしてカメコは文句を言い続けたのだろう?
23年06月21日 22:17
【ウミガメのスープ】 [虹色レインボー]
【ウミガメのスープ】 [虹色レインボー]
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カメオはカメコを殺して自宅の壁に死体を埋めた。
それ以降、夜になると殺された恨みからカメコの幽霊が出るようになり、カメオに呪詛を呟くようになったから。
<細かいお話>
配管工のカメオは真面目に仕事をこなす一方で、人間を解体するという趣味を持っていた。
自宅でもある作業場では、夜な夜な攫ってきた人間を分解し、自分の趣味を満喫していた。
ペンチ、鋸、ハンマーなどなど、選定された道具の数々は仕事でも趣味でも欠かすことの出来ない存在で、工具に付着した人間の血や脂は古い厨房の油汚れなんかよりも簡単に落とすことが出来た。
ある日、カメオは隣人であるカメコから注意を受けた。
「夜になるとお宅から物音が聞こえてくるときがあるんだけど、どうにかしてくれない」
カメオは夜に作業場で仕事をしたことがない。
間違いなく、趣味で発生した音だった。
「すみません。すぐに何とかします」
カメオはカメコの言葉にとても動揺した。
なぜなら彼は、自分の趣味が他人の迷惑になっていると思っていなかったからだ。
作業場の壁は所々ひび割れていて、大きな亀裂の入っている箇所もあった。
早急に何とかしなければ。
しかし、作業場にあるセメントの量は少なく、壁全体を補装するには十分に量が足りていなかった。
どうにかして今あるセメントだけで修理しなくては。
「あ、そうだ」
カメオは閃いた。
カメコを殺して処刑されたキリストの様に壁に磔れば、人間一人分のセメントを減らせるのではないか。
早速カメオは実行することにした。
カメコをハンマーで撲殺し、作業場の大きな亀裂を塞ぐようにカメコの死体を磔た。
そして、その周囲をセメントで覆い、カメコの死体がちょうど隠れるくらい壁を平らにならした。
壁のひび割れはすべて消え、亀裂もカメコが隠してくれた。
そのカメコもセメントが覆ってくれている。
「これでよし」
カメオは自分の作業に満足した。
ただ一つだけ、カメオには誤算があった。
それは、殺したカメコが毎晩枕元に立ち、自分に文句を言うようになったことだ。
カメオはカメコの声に顔をしかめながら時計を確認する。
予定していた就寝時間はとっくに過ぎていた。
「ああ、五月蠅いなあ。こんなことなら他の死体と同じように、殺したとき口を潰しておくんだった」
それ以降、夜になると殺された恨みからカメコの幽霊が出るようになり、カメオに呪詛を呟くようになったから。
<細かいお話>
配管工のカメオは真面目に仕事をこなす一方で、人間を解体するという趣味を持っていた。
自宅でもある作業場では、夜な夜な攫ってきた人間を分解し、自分の趣味を満喫していた。
ペンチ、鋸、ハンマーなどなど、選定された道具の数々は仕事でも趣味でも欠かすことの出来ない存在で、工具に付着した人間の血や脂は古い厨房の油汚れなんかよりも簡単に落とすことが出来た。
ある日、カメオは隣人であるカメコから注意を受けた。
「夜になるとお宅から物音が聞こえてくるときがあるんだけど、どうにかしてくれない」
カメオは夜に作業場で仕事をしたことがない。
間違いなく、趣味で発生した音だった。
「すみません。すぐに何とかします」
カメオはカメコの言葉にとても動揺した。
なぜなら彼は、自分の趣味が他人の迷惑になっていると思っていなかったからだ。
作業場の壁は所々ひび割れていて、大きな亀裂の入っている箇所もあった。
早急に何とかしなければ。
しかし、作業場にあるセメントの量は少なく、壁全体を補装するには十分に量が足りていなかった。
どうにかして今あるセメントだけで修理しなくては。
「あ、そうだ」
カメオは閃いた。
カメコを殺して処刑されたキリストの様に壁に磔れば、人間一人分のセメントを減らせるのではないか。
早速カメオは実行することにした。
カメコをハンマーで撲殺し、作業場の大きな亀裂を塞ぐようにカメコの死体を磔た。
そして、その周囲をセメントで覆い、カメコの死体がちょうど隠れるくらい壁を平らにならした。
壁のひび割れはすべて消え、亀裂もカメコが隠してくれた。
そのカメコもセメントが覆ってくれている。
「これでよし」
カメオは自分の作業に満足した。
ただ一つだけ、カメオには誤算があった。
それは、殺したカメコが毎晩枕元に立ち、自分に文句を言うようになったことだ。
カメオはカメコの声に顔をしかめながら時計を確認する。
予定していた就寝時間はとっくに過ぎていた。
「ああ、五月蠅いなあ。こんなことなら他の死体と同じように、殺したとき口を潰しておくんだった」