みんなのブックマーク

ヘビースモーカーのヨウスイは、しばしば物を失くす男だった。
そのためタバコに関するものは安物で揃えており、いつ失くしてもいいようにしていた。
しかし、ある時ヨウスイは1年前にライターを落としたことを後悔することになった。

いままで後悔するようなことはなかったのだが…

いったいなぜ?
20年05月26日 21:59
【ウミガメのスープ】 [ちくたく]

100問おめでとう!と祝われつつも101問を出してみる。




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ヨウスイは雑誌「コーヒー・ルンバ」の編集長であり、同時に人事を担当する者でもあった。

1年前のこと、ある文章の書き手…つまりライターの面接をしたのだが気にくわないので落としたのだ。

そして現在…そのライターは直木賞と芥川賞をW受賞するという快挙を達成し、ノーベル文学賞にもノミネートされるほどになったのだ。

あの時、面接で落とすんじゃなかったよ…。採用してればよかった…。
ヨウスイのコウカイはとてつもなく大きかった
迷惑客とタクシー「4ブックマーク」
私はすっかり深夜の酔っ払いになっていた。千鳥足の勢いが余って道路に飛び出したところに走ってきたのは、私がこのあと乗ることになるタクシーだった。急停車したタクシーを捕まえた私は、そのまま「乗せてくれ」の一点張りだ。タクシーは回送表示だったが、こうなってしまうと諦めて私を乗せるしかなかった。

「まったく、この前もうるさい奴がいて後ろに移動してもらったっていうのに、また同じような迷惑客かい。」
「いいじゃないか、助手席にいたって。お詫びに何か買ってあげるさ。今欲しいもの、何でも言ってみな。」
「それじゃあ、今着ているこのスーツをどうにかしたいものだ。」
「そのスーツ、もうダボダボじゃねえか。新しいのを忘れず調達しておくさ!ハハハ!」
「俺とどこかで再会するつもりか?残念だがこっちにそんな余裕はないよ。」
のべつ幕なしまくし立てられるのに痺れを切らしたのだろう、彼は私をいい加減なところに降ろし、再びタクシーを走らせて夜の闇に消えてしまった。私がその夜の行動を自省したのは、日も昇りきった後だった。次の日、昨晩の無礼を詫びようとタクシー会社に問い合わせたのだった。

後日私は、ピカピカで新品のスーツを購入した。私の乗っていたタクシー、その運転手にすぐにでも渡してあげたかった。運転手は本当にスーツが欲しいのかと言われると私の思い過ごしのようにも感じるが、それでも構わなかった。

あの夜私の隣でハンドルを握った彼は、それっきり私の前に姿を見せていない。出来るならそのまま、金輪際私の前には現れないで欲しいものだ。{折角スーツも用意したのに、私がそう思うのはなぜだろうか?}
20年05月30日 18:13
【ウミガメのスープ】 [NSGN]

着想から1ヶ月以上煮込みました。SPをして下さった方々に大いなる感謝を。




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俺は会社をクビになってすっかり落ちぶれていた。溜まりに溜まった苛立ちが爆発して首を絞めてしまったのは、ひょんな理由から口喧嘩を始めたタクシー運転手だった。彼に少し黙って欲しかっただけで、殺すつもりはなかったのだ。

俺は彼の服装を奪って運転手になりきり、死体はトランクに乗せて、タクシーごと人目のつかない場所に遺棄しようと企んだ。その真っ最中に、運悪くあの酔っ払いに遭遇してしまったのだ。元々客をお断りするための回送表示だったが、こうなってしまうと諦めてこいつを乗せるしかなかった。

「まったく、この前もうるさい奴がいて後ろに移動してもらったっていうのに、また同じような迷惑客かい。」
その"うるさい奴"が今も後ろにいるとは、酔っ払いは知る由もなかろう。
「いいじゃないか、助手席にいたって。お詫びに何か買ってあげるさ。今欲しいもの、何でも言ってみな。」
「それじゃあ、今着ているこのスーツをどうにかしたいものだ。」
実際、このスーツは俺のサイズに合っていなかったので着づらい。
「そのスーツ、もうダボダボじゃねえか。新しいのを忘れず調達しておくさ!ハハハ!」
「...俺とどこかで再会するつもりか?残念だがこっちにそんな余裕はないよ。」
もし会うとしても、それは俺が手錠をかけられた後だ。

今日が初仕事のタクシー運転手に土地勘なんてものはなかったので、こいつはいい加減な場所に降ろしてしまった。ようやく邪魔が消えたので、死体処理を済ませてさっさとずらかろうと、森の中へタクシーを走らせた。明日か明後日位にあの酔っ払いが真実を知って、恐怖に震えた姿を想像すると、とてもおかしかった。

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「回送中に酔っ払いを乗せた?そんな話ここの従業員からは聞いておりませんよ。」
「え、どういうことですか...?」
電話での会話で私は、昨晩の運転手は偽物であり、本物の運転手は現在消息を絶っていることを知った。そしてその運転手は、間もなく亡くなっている状態で発見された。

あの夜、タクシーに乗っていた私のすぐ後ろで、本当の運転手が殺されてトランクに閉じ込められていたなんて。そんなことをこれっぽっちも知らないまま、酒の回った頭で人殺しを相手に騒ぎ立てていたことに、自責の念が込み上げてきた。

あの夜、私の隣にいた偽の運転手に対して言い放った、新しいスーツを用意するという約束。私は、彼が着ていたものと同じサイズの立派なスーツを購入した。もちろん、スーツの本当の持ち主である運転手のためにだ。

出来ることなら、私は生きているあなたと会いたかった。タクシーを走らせるあなたの隣に座って、世間話でもして盛り上がりたかった。しかし、過ぎた時間はもう巻き戻せない。失った人は二度と戻っては来ない。だからせめて、奪われたスーツを運転手に返してあげ、それを冥土の土産として天国まで送り届けてあげることにした。今の私にできる償いは、これが精一杯だった。

事件の犯人は無事に逮捕された。タクシーに乗った晩の出来事は私にとってトラウマとなり、時々それが夢にまで現れる。人の命を奪った上、私の隣で"運転手ごっこ"をしていた彼とは、当然二度と会いたくないものだ。

【《簡易解説》】
ハンドルを握っていたのは偽物の運転手であり、彼に殺された本物の運転手はトランクの中にいた。自分が事件の渦中にいたことを後になって知った「私」は、タクシーに乗った晩のことがトラウマとなったため、偽物の運転手=事件の犯人と再び会うことを拒んだ。
死んで花実が咲くものか「4ブックマーク」
悩んだ末に女は自殺を試みた。そして、そのせいで人ひとりの命を奪ってしまった。
一命を取り留めた彼女はその事実を聞かされたのだが、しかし、さほど自責の念を感じてはいない。

いったい何があったのだろうか?
20年06月02日 04:44
【ウミガメのスープ】 [三太郎]

頑張ります!よろしくお願いいたします!




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女は夫の浮気に悩みぬいた末、マンションの窓から飛び降りた。その下敷きになって死んだのは夫。

「自業自得よ…」
こまんどⅡ「4ブックマーク」
ここはとあるRPGの世界

メグスリ王国の王に認められた勇者は、早速に命令を受けた
王「怪盗サンテに盗まれた、ロートのしるしを取り返してほしい」

勇者はサンテのアジトを見つけ、ついに対決の時を迎えた

古いRPGなのでコマンドは4文字(かな、カナどちらでも)でしか入力できません
なんとかしてサンテからロートのしるしを取り戻してください

※じゅもん、まほうは出題者がわかる範囲で対応しますFF5とかドラクエ5くらいまでならなんとか
※最終的にはちょっとした工夫が必要になります
※今回は入力文字数は増えません
20年06月06日 00:49
【20の扉】 [ちくたく]

勇者とんぬら。ガチ解決もいいですが、反応を楽しむためにネタ質問歓迎です




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怪盗サンテは非常に素早い相手だった

サンテに対抗するには、こちらも早く動くしかない!

勇者はダッシュしてサンテに食いつく
しかしそれだけではロートのしるしを奪えない…

奪取(だっしゅ)も同時にしないといけない


「だっしゅ」「ダッシュ」
この二つを組み合わせたコマンド入力で
ダッシュして奪取することができたのだった

例「ダッしゅ」「だっシュ」など
ディスタンスなひとびと「4ブックマーク」
クラスいち、控えめでオドオドしたカメオくん。

風邪をひいているわけでも無いのに、
彼は何故かずっとマスクを付けて過ごしています。

う~~~ん…一体なんのためでしょう?
誰かお分かりになりますか?
20年06月08日 21:56
【亀夫君問題】 [るょ]



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はるか遠く。地球のアメリカという国から留学に来たカメオくん。
彼はずっと、マスクで口元を隠して生活しています。

地球には『{さべつ}』なる習慣があるそうですね?
それを聞いて合点がいきました。

我々ウミガメ星人の口元には、大き目の『牙』が生えています。
彼はきっと、{牙が生えていない自分はいじめられるのでは?}
と心配したのでしょう。


なんというか、文化の隔たり(ディスタンス)を感じますね。
肌や髪の色だとか、牙だとか、生まれた星がどこだとか…。

地球で何があったかは知りませんが、この星でならそんなことを気にする必要はありません。
見た目など些細な違いに過ぎないということに、地球人は気づくべきなのです。



【答え:】
口元に大きな牙を持つウミガメ人の星に留学に来たカメオ。
彼は地球で、内容は伏すがある差別を受けていた。
ウミガメ星でもまた、牙を持っていない人が差別されることを恐れて、
極力、マスクで口を隠して日常生活を送っているのだった。



【※補足※】
ウミガメ星には『人を見た目で差別する』という文化が無いため、
「私」はカメオの身体的特徴(牙がないこと含む)に関して、
『変だ』と認識していません。

そのため「彼の口元は変ですか?」などの主観を伴う質問に関しては、
基本的に『変わったところはない。彼は普通です。』のように答えます。