みんなのブックマーク

ご注文の品はございません「13ブックマーク」
「ご注文の品はございません」
そこでは注文の品がないのに、人が絶えない。なぜ?
18年06月14日 17:16
【ウミガメのスープ】 [かんたた]

召しませ!




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ここは山奥の依存症を治すための施設、私はその職員。
今日も治療のために人が訪れる。

「酒を、酒をくれ」
「ご注文の品はございません」

「薬を、薬をくれ」
「ご注文の品はございません」

私は今日も注文をお断りする。
といっても、そもそもこんな山奥に患者の欲しいものが有るはずがないが。

彼らが少しでも早く良くなるように。
とてもつらい仕事だけれども、患者の家族は喜んでくれる。

今日もまた患者が来た。
ピッとかシャリーンとか「13ブックマーク」
カメオは普段電子マネーを愛用しているが、とある場所では絶対に電子マネーを使わない。

一体なぜ?
18年06月11日 21:41
【ウミガメのスープ】 [ツォン]



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絶対に電子マネーを使わないのは、行きつけのコンビニだ。

たまたま電子マネーのカードを忘れ現金で払ったことがあった。
そのときの店員さんからお釣りを渡され手が触れてドキッとし、目が合い互いにはにかんで笑いあったことがあったそうだ。

それ以来、少しでも長く彼女の表情を見ていたくて、現金(お釣りあり)で支払うようにしている。

彼女は彼女で、カメオが来るとわざともたついているらしい。

店長曰く、早く付き合えばいいのに、と。

ツォンは<クリスマス>または<お釣り>にまつわる、「はにかんで笑う話」または「努力が実る話」を作ってください
https://shindanmaker.com/522491
空回りのメリーゴーランド「13ブックマーク」
カメ夫とウミ田は大の親友。
この夏は毎日どこかに行こうと計画していた。
しかし遊園地に行った次の日、
カメ夫はウミ田を殺してしまった。
何故か?
18年07月17日 00:36
【ウミガメのスープ】 [吊られる男]

初出題になります。お口に合えば嬉しいのですが。




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7月28日 (土)

以下の文章は、我が友人に捧げる私たちの思い出の記録である。

私とウミ田は唯一無二の親友だった。初めて会ったのは中学生の頃。
人見知りで本を読んでいた私に、君は気兼ねなく話しかけてくれた。
それは私には眩しすぎる笑顔だった。

私と君は馬が合った。高校生になっても、別の大学に行っても、私たちは幾度となく顔を合わせた。
様々なところに行き、笑い合い、夢を語った。
就職をして会う頻度は減った。
私は家庭を持ったが、君は家庭を持たなかった。
「気苦労は嫌いだ。」
そう君はよく言っていた。
会う頻度が減っても、私たちの繋がりが途絶えることはなかった。
時折、文通を続け心を通わせた。

そして私たちは歳をとった。段々と腰も曲がってきた。
そんなことを気にし始めたある日だった。
君から手紙が届いた。
「会いにきて欲しい。相談がある。」
短くそう書かれていた。
ここ数年、いや数十年か、君には会っていない。
わかったと返事をしたため、行く日時を書き込んだ。

決めた日時、君の家に向かうと玄関前で君が出迎えてくれた。
数十年ぶりに会う君の顔は、笑っているようでどこか辛そうだった。
お茶を飲みながら長話をした。思い返せば他愛もない話ばかりだった気がする。
やがて君はこう切り出した。
「伝えなきゃいけない話と、友人としての頼みがある。」と。
最近、物忘れがひどいこと。不安になって病院に行ったこと。
そしてアルツハイマー病と診断されたことを。
私はショックで言葉を失った。
君は続けて、こう言った。
「段々と薄れて行く記憶の中の思い出の場所を見て回りたいんだ。」
君は今までの日々を事細かに日記に記していた。
これを参考にして巡りたいと。
私は承諾した。
自分にできることなら何だってすると言った。
君はこう続けた。
「毎日行く場所を指定しよう。その日の最後に次に行く場所を決める。場所には現地集合をする。
そして、もし俺がその場に来れなかったら君が俺を殺してくれ。」
「大事な友人のことも忘れちまうような奴はもう俺じゃない。そこが俺の死に時さ。
無理強いはしない、ただ一番の友人である君に幕を下ろして欲しい。」
君の顔は必死だった。
その日のうちに頷くことはできなかった。
現実を直視できる覚悟がなかった。
結局、明日会う場所を決めて家を後にしてしまった。
君の日記は、この時私が預かった。
君には日記の続きを書いてくれと頼まれたが、あの時はそんな気持ちにはなれなかった。


それからは様々なところに出向いた。
日記を読み返すのだけではダメかと尋ねたら、
「1人で読むと他人事みたいに思えちゃってダメなんだ。」と言った。
私たちは日記の新しい方から足を運ぶことにした。
私の娘を彼に披露した動物園。初めてドライブして行った観光地。愚痴を言い合った居酒屋など。
計算ができなくなったり、引っ込み思案になったり、病の影響は君を躊躇なく蝕んだ。
私の名前すら忘れることもあった。
しかし、君は欠かさず集合場所に来た。決して君は泣き言一つ吐かなかった。
君は終始楽しそうに笑っていた。


そこは中学の時に、君に連れられて来させられた地元の遊園地だ。
古臭いコーヒーカップやメリーゴーランドしかない場所だが、
「来たことないなら行こう。」と君が強引に誘ったんだ。
君は約束の時間には現れなかった。
約束の時間を過ぎても私は辛抱強く待った。
日が落ちても限界まで待ち続けた。
とうとう君は現れなかった。
私はこの一夏の体験を思い返していた。
この思い出巡りは、私に君との友情を思い出させてくれたんだ。

この時間が、私に決心を与えてくれた。

次の日、彼の家に出向いた。チャイムを鳴らし彼が出てくる。
「お名前は?」と笑う姿はどこか昔の面影を感じた。


以上がこれまでの私の記録だ。
この君の日記は君と一緒に埋めようと思う。
もし見つかってしまったらその時はその時さ。
今までありがとう。

我が親愛なる友へ。


【要約解説】
ウミ田はアルツハイマーにかかり、記憶が薄れていっている。
そこで毎日カメ夫とウミ田は思い出の場所を巡り、
もし来なかったら殺してくれと、ウミ田はカメオに頼んでいた。
カメ夫は遊園地に行ったが、ウミ田は来れなかった為、
次の日カメ夫はウミ田を、泣く泣く殺すのであった。
手を繋ぐ「13ブックマーク」
【手を繋ぐ】
山小屋の床に広がる真っ赤な血。

そんな一目で異常事態だと分かる状況が目の前に広がる中で、“カメミ”が“恋人であるカメタ”の手を握った理由が“怯えていたから”でないとすれば……一体どんな理由だろうか?
18年06月03日 08:14
【ウミガメのスープ】 [オリオン]

タイトルはそういう意味です(*◉▽◉*) SPツォンさんむぎさん。




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大好き。

カメタ、だぁいすき。
世界で一番、好き。好き好き。愛してる。
でもカメタは優しくてすごくモテるから、他の女の子と話したり腕を組んで並んで歩いたり、私のことをいつもないがしろにするの。
ダメだよカメタ。もっと私の傍にいてよ。何処にも行かないで。カメタがそのうち《私の手の届かない遠いところ》に行っちゃいそうな気がして、私気が狂いそうなくらい不安なの。

だからね?
手を繋いじゃったの。
ーー……《カメタ》の手を《頑丈な手錠》で、山小屋の中の《頑丈な金属の棒》に。

ハイキングに行こうなんて騙して連れてきてごめんね。
でももっと早くこうすればよかった。私以外の女の子と外で自由に遊びまわってるカメタよりも、鎖に繋がれて、私が手ずからご飯を食べさせてあげないと満足に生きられないカメタの方が、鳥かごの中にいる小鳥さんみたいに惨めで可愛いよ!

…………だけど、ねぇカメタ。
ここまでしておいたのに一体何処に行っちゃったの?
酷いよ。私が買い出しに行ってる間にいなくなるなんて。
薪割り用の斧を使ったのかな。手錠が絶対外れないようにって気をつけてたけどまさか腕の方を切るなんて……。

置き去りにされたカメタの手を握ってみると《まだ温かい……》。

嗚呼よかった。
《まだそんなに遠くには行ってないみたい》
次は切れないように、首を繋いでおかなくちゃ。
ふふふ。ワンちゃんみたいで、きっと可愛いわ。
不吉な小雨「13ブックマーク」
高校受験を間近に控えたフミエが一人で自宅に向かっている途中。
予期せぬ雨が降り始めるやいなや、会ったことのない他人の志望校合格を心配し始めたのはなぜだろう?
18年11月11日 13:31
【ウミガメのスープ】 [オリオン]

SPサンクス:さるぼぼさん




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その日フミエは学業成就で有名な神社に初詣に訪れていた。フミエと同じく合格祈願の神頼み目的でやって来る受験生が多いのだろう。境内は凄まじい人混みで、賽銭箱付近では投げつけられた小銭がいくつも飛び交っていた。
そしてその帰り道でのことだ。
不意に小雨が降ってきた。
雨具の用意をしていなかったフミエはひとまず着てきたコートのフードを被ったのだが、その時。

……チャリン

と、フードの中から何かが転がり落ちてきた。
足元に転がったそれは、誰かの願いを託されて投げられたのであろう『一枚の五円玉』だったのだ。