みんなのブックマーク

校外野鳥観察「5ブックマーク」
今ではすっかり親友となった凛さんが転校してきた日に、ズボラめな卯月ちゃんは、美術の授業で使うスケッチブックに[ A ]をかいてから先生に提出した。

[ A ]に鳥を当てはめるとすれば、それは何?
22年02月28日 22:00
【20の扉】 [さなめ。]

ご参加ありがとうございました!




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【FA:】
カッコウ

【簡易解説:】
凛さんと卯月ちゃんは苗字が同じ。珍しい苗字だったので卯月ちゃんは元々スケッチブックに苗字だけ書いていたが、回収・配布を毎授業行う先生が確認するときに紛らわしくなるので、苗字の隣に{(卯)}と記した。

+++++おまけ+++++

(4月12日)
今日は新学期初めての美術の授業。後々の野鳥観察スケッチの為の練習を行うらしい。先生からは、学期中ずっと使う各人のスケッチブックと、班ごとに鳥の模型が配られた。

みんな、先生が木材で作った鳥の模型のデッサンに四苦八苦していたのだが、これは卯月ちゃんにとって本領発揮といったところ。絵の上手さだけなら、誰にも負けない。

評価5も夢ではない描写を済ませ、早々にスケッチブックを提出しようとする。が…

(そういえば、名前を書かなきゃ。)

立ち上がって先生の前に来たところで、卯月ちゃんは思い当たる。先生が一旦回収し、次の授業で各人に配るので、スケッチブックには名前を書いておき配布を簡単にしなくてはならなかった。

後ろの自席に戻って鉛筆を取りに行くのが面倒だった卯月ちゃんは、前の席の友達にペンを借り、スケッチブックの裏側に苗字だけ記しておいた。

{若凪}

否、書き殴った。こんな珍しい苗字が被ったこともないし、パッと見でわかるだろう。うちの学校には「若なんとか」さんすらいない。

こんなズボラな若凪 卯月ちゃんが、そのとき借りたペンをまだ返していないのは想像に易い。

(9月12日)
親の事情で転校してきた凛さんを見て、卯月ちゃんは心底驚いた。

{若凪 凛}

なんと苗字が同じ。すごい偶然!
席も隣になったし、好きなアイドルの話ですぐ意気投合し、10月にはもう親友になった…のはいいとして。

一限の美術でいつものように流麗な作品の下書きを創出した卯月ちゃん。そそくさと先生に提出し、余った時間ではやく三限の数学の課題を終わらせねば…。

そこまで思ってふと気づく。半年前に書き殴った、{若凪}の文字。これでは先生がスケッチブックを配る際に即座の区別がつかない。

半年前に、「同じ苗字がいる人は区別のつくように」と注意喚起していた先生を想起し、苗字の横に{(卯)}と書いておいた。

{若凪(卯)}

「みてみて凛さん!これ、カッコウ!」

その名前の横に描いた簡単なイラストを隣に座る女の子に見せる卯月ちゃん。{括弧卯}でカッコウ。ちょっとしたユーモアである。

「わ!上手!」

転校初日で緊張気味だった凛さんが初めて見せた笑顔は、このときのものだった気がする。

おわり。

【要約:】
(卯)
らてらんど名物「5ブックマーク」
風花さんはテーマパーク「らてらんど」の常連さん。年間パスを持って毎週のように通っているような、園内作品の熱烈なファンなのである。

彼女は来る度に遊ぶアトラクションは変われども、いつも園内限定品の「ウミガメソフト」を購入することだけは欠かさない。抹茶風味のとろけるクリームに、キャラの焼印のあるサクサクのメープルコーン。このために毎週この地を訪れているといっても過言ではないほどのお気に入りな名物品だ。

ところで、そんな彼女の姉・凪さんも、同じく年間パスを持って風花さんと一緒に園内を回り楽しむ熱狂的なファンなのだが、彼女の方はアイス目当てではなく、いつも決まって○○○○○○をするらしい。

伏せ字に入るのが何かわかりますか?

{※}ニュアンスが正しければ、伏せ字の文字数と一致しない回答も正解とします。
22年03月08日 21:00
【20の扉】 [さなめ。]

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【FA:】
{来園客の財布}をする{(掏る)}らしい。

【簡易解説:】
姉妹は共犯のスリ。妹の風花がアイスクリームを意図的に客にぶつけ、誠意を装って汚れを拭いたりなんだりしている間に、姉が相手の隙をついて犯行に及ぶという常習の手口を用いている。

+++++おまけ+++++

「あー!ごめんなさい!すぐに拭きますね!」

混みあった園内を通行中に、持っていた名物品のウミガメソフトを他人にぶつけてしまい、慌ててハンカチを取り出す…{という一連の演技}を行う風花。

あちゃ~、とこちらの「失態」に同情する二人組の女性。現役かどうかは怪しい制服姿に、ここで買ったであろうお揃いのカチューシャ。どうやら幾多の例に漏れず、かなりの浮かれ気分のようだ。

少し離れたところからその人混みを窺う姉の凪は、漸く安堵した。ハイな気持ちから油断し、風花の「誠意」を受容してわざわざ立ち止まる二人。懐もハンドバッグも緩く、標的として最適だ。

刹那、凪からの目配せを受ける風花。可愛い制服に付いてしまった抹茶色のクリームを拭き取りながら、申し訳なさげに女性たちに話をふることで注意を逸らす。すぐ溶けてベトベトになりやすいウミガメソフトは、{標的になすり付けるのにぴったりなので風花のお気に入り商品}である。

「本当にすみませんでした!良かったら、これ、どうぞ!」

礼と共に謝る風花は、バッグからここのキャラストラップを出し、制服姿の女性に渡す。自分の顔よりも記憶に残るものによって、犯行を露見させにくくするものだ。それに、「誠意」の表れにもなる。人によってはこれをあげるのだが、どうせ余るほど持っているものなので、一つくらいは必要経費である。

そそくさとその場を立ち去った風花は、ある程度は人気のない場所まで来ると、セーターを脱ぎTシャツ姿になった。理由は同上で、犯行の露見の防止。

残ったソフトのメープルコーンをかじりながら、姉の到着を待つ。今頃の凪は、{紙幣を抜き取った「抜け殻」の処理}に奮闘しているところだろう。

風花は所在なさげに、近くの売店を見つめる。

そこには、ガラス越しに、らてらんどのキャラクターグッズが、たくさん並んでいる。

ラッテーの桜衣装ver.ぬいぐるみ。
はらこちゃんの春季限定ペナント。
犬のオカブのバレンタイン仕様のタンブラー…。

早く、あれを手に入れたいな。

それはきっと、凪も同じ気持ちのはずだ。

早くグッズを全て揃えて。

部屋に飾って、部屋に飾って。

らてらんどのみんなに、囲まれて。



{空想の郷に暮らすんだ。}

{まだまだ浸っていたいんだ。}



3年も前、姉が解雇されて貯金が尽き、風花に泣きついてきたことが脳裏をよぎる。風花も一心同体で、ひもじく暮らした。苦難の末にやった初めてのスリは、それはそれは拙いものだった。

それからずっと、彼女たちはこうやってらてらんどで他人のお金を盗むことで生計を建てている。風花の仕事の給料は、年間パスやグッズ費用のほんの足しにしかならない。風花だって、スリになる前からもグッズの買いすぎで、いつ破産してもおかしくはなかったのだ。

{もう、罪悪感は一つもない。あるのは、幼少期から大好きな、憧れのらてらんどへの愛情だけ。}

多分それも、イベントの行きすぎで会社に愛想を尽かされた凪と同じ。

我慢できず、姉が来る前にショップへと入店した風花。グッズの「収集」が終わったら、もう一度ラッテーのスカイコースターに乗りに行こう。そう考える彼女が手に持っていたのは、{いつぞやの来園客から盗んだ紙幣}の入った、ラッテー柄の財布だった。

ふらふらと売店に吸い寄せられ、虚ろな目を妖しく輝かせる風花の後ろで、係員がこんなアナウンスを響かせた。



【{らてらんど名物の、スリに要注意!}】



おわり。

【要約:】
姉妹はスリ常習犯。
伏せ字は「来園客の財布」。
アイスをわざとぶつけて気を惹き油断させる手口を使う。
とあるAの話「5ブックマーク」
「お願いです。いわば、今設定されているのをAにちょいっと変えるだけのことじゃん?俺もカラオケとか行きたいし。」
「アンタももう中学生だしねぇ。」

Aに入る一文字は?
22年03月22日 21:50
【20の扉】 [さなめ。]

ご参加ありがとうございました~




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【FA:】
Aに入るのは「ひ」

【解説:】
「俺」は母親に、お小遣いの値上げ交渉をしていた。

現在設定されているのは月1000円。しかし、これでは遊び盛りの中学生には物足りない。せめて月{5000円}くらい欲しい…。

それを「俺」は、さも単純なことであるかのように、「今(お小遣いとして)設定されている{の}を{ひ}に」変えるだけ、と表現した。

つまり、月額を1000円から5000円に変えるのだから、{野口}が{樋口}になる、ということで…。

{※}2022年現在、1000円札の肖像は野口英世、5000円札の肖像は樋口一葉です。
ためになったね~。

【要約:】
お小遣いを{野}口から{樋}口へ。
無意識に食べてしまうもの「5ブックマーク」
水田が亡くなった時、川西は側にいなかった。
それでも、川西にはわかった。
水田は、いつもの癖で口に◯を入れようとしたに違いない。

◯とは何?
22年03月18日 17:54
【20の扉】 [アカダミマンナッツ]



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{<π>}
魔女の最期「5ブックマーク」
若くして不治の病にかかり、魔力が衰えて寝たきりとなった魔女。
死の間際、今までの短いながらも幸福な人生を思い返した彼女は、自分の記憶を消す魔法を使うことにした。
その際に彼女が死を看取る男性に遺した最期の言葉とは、一体どのような内容だったのだろうか?
22年04月03日 21:04
【ウミガメのスープ】 [ひゅー]

SP:「マクガフィン」さん




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答え
「私のことなんて忘れて、はやくいい人を見つけてね。」

簡易解説
魔女には、不治の病で寝たきりとなっても、つきっきりで看病してくれる恋人がいた。
せめて、自分が死んだ後は、私のことを気にせず彼らしく生きてほしい。
そう思った魔女は、死ぬ直前に彼氏から自分の記憶を消す魔法を使うことにした。

解説
天才魔法少女と言われたのは昔の話。

私が不治の病にかかったと知らされたとき、どうせ魔法で治せると思っていた。
だけど、魔法があるこの世界でも治らないから不治の病なんだ。

私が自分の病気を治せないと分かったとき、チヤホヤしてくれた大人たちは離れていった。
そんなときでもそばにいてくれたのは、幼馴染で恋人のトオルだった。

魔力が衰えて凡人になっても、一緒にいてくれた。
病気で寝たきりになっても、つきっきりで看病してくれた。

ある日、病状が急激に悪化した。
トオルは医者や魔法使いを呼んで、色々と手を尽くしてくれた。
でも、もうじき死んでしまうだろうと、私には分かった。

意識が落ちる直前、トオルとの思い出が走馬灯のように駆け巡る。
告白してくれたこと。
一緒にデートしたこと。
きっと病気は治ると励ましてくれたこと。
つきっきりで看病してくれたこと。

トオルはずっと一緒にいてくれたんだ。
だから、せめて死んだ後は私のことを気にせず、彼らしく生きてほしい。

トオルの手を握って言った。
「私のことなんて忘れて、はやくいい人を見つけてね。」
残った魔力を振り絞り、トオルから私の記憶を消した。

私の閉じたまぶたは、二度と開かれることはなかった。