「Dyary 主導」「7ブックマーク」
革命派の東国ハイオンと守旧派の西国ウェルー。両国は冷戦と熱戦の狭間にあった。
そんな中で、東国の総帥が病気により危篤となる。死は一刻を争う状態で、精神的支柱を失いつつある東国は次第にまとまりを欠きつつあった。
こうした状況を目の当たりにしていた東国の幹部サグリ。サグリは東国の劣勢を憂い、起死回生の一手として、国に伝わる最終手段をついに用いることを決めた。
『Dyary』という日記帳状の道具で、これに日付・名前・状況を正確に記すことで表紙の紋様が点滅し、記した通りに任意の相手一人を自然な死に追いやることができる。ただし大きな制約として全体の回数制限があり、歴史の中で様々な人々に使われたために、今となってはあと一回しか使えない。
東国の総帥が危篤という今しか使用のタイミングはないだろうという結論に至り、サグリは西国の総帥の名前を綴った。
{2023.7.8 ダズ・ライン 病死}
さて、サグリがDyaryへの書き込みに際して、通常のペンではなく{極太の油性ペン}を用いた目的はなんだろうか?
{※}元ネタとして想起しうるあのノートについては、私がよく知らないくらいですので知識は不要です。
{※}当然ですが、回答に際して私の前問については閲覧不要です。
そんな中で、東国の総帥が病気により危篤となる。死は一刻を争う状態で、精神的支柱を失いつつある東国は次第にまとまりを欠きつつあった。
こうした状況を目の当たりにしていた東国の幹部サグリ。サグリは東国の劣勢を憂い、起死回生の一手として、国に伝わる最終手段をついに用いることを決めた。
『Dyary』という日記帳状の道具で、これに日付・名前・状況を正確に記すことで表紙の紋様が点滅し、記した通りに任意の相手一人を自然な死に追いやることができる。ただし大きな制約として全体の回数制限があり、歴史の中で様々な人々に使われたために、今となってはあと一回しか使えない。
東国の総帥が危篤という今しか使用のタイミングはないだろうという結論に至り、サグリは西国の総帥の名前を綴った。
{2023.7.8 ダズ・ライン 病死}
さて、サグリがDyaryへの書き込みに際して、通常のペンではなく{極太の油性ペン}を用いた目的はなんだろうか?
{※}元ネタとして想起しうるあのノートについては、私がよく知らないくらいですので知識は不要です。
{※}当然ですが、回答に際して私の前問については閲覧不要です。
23年07月09日 00:11
【ウミガメのスープ】 [さなめ。]
【ウミガメのスープ】 [さなめ。]
解説を見る
【要約:】
国に伝わる最終兵器Dyaryは、ひと一人を葬るほどの強大な魔力を持つゆえ、{通常の日記帳より遥かに大きい。}そんなDyaryに{正確に認証されうる}順当な書き込みをするのに、極太のペンは打倒な太さである。
それだけでなく、国の規定によって、Dyaryに書き込みをする際は{周囲に観測者を置き、その者らにも書き込み内容がリアルタイムで目測できるように}しなければならないと定められていた。これは幹部による{裏切りを阻止}するためであるが、その規定に忠実に従うべく、サグリは極太のペンを使って書き込みを明瞭にした。
(FAここまで。詳細は解説へ託す。)
【解説:】
「今こそ、今でしか使う場面がないはずです。」
会議卓を囲む大勢の幹部に対し、力の限り説得するサグリ。その卓のうち一際大きなスペースを占める総帥の席には、今は誰も座っていない。
東国ハイオンと西国ウェルー。壮絶な戦闘状態である二つの国の関係は、まさに今揺らごうとしていた。東国の総帥ドイ・バレン師が危篤に陥ったのである。西国がその権力を恣にするという時勢に真っ先に反旗を翻し、革命を掲げ、カリスマとしか言いようのない主導力で東国全体をその機運に統一させた、この闘いの立役者。
彼が、{父が}この革命から文字通り離脱すれば、我々はどうなってしまうのだろうか、サグリは考えた。家屋が主柱を失うように、羊たちが群れの長を失うように、我らの進む先に迷いが生じてしまいはしないか。
事実、すでに東国はまとまりを欠きつつあった。革命を中断し穏便に降伏しようと宣う者。自分を次期総帥にすべきだと独りよがりな者。さらに国民も、こうした軍の体制に疑問を持ち始めている。
そうした東国の劣勢を救うため。それだけではなく、ドイ総帥がまもなく亡くなるその前に、彼が生涯をかけて追求し続けた我らが自由を実現するため。サグリが幹部として抱く全ての決意のためには、Dyaryの使用が絶対であると固く主張した。
「Dyaryは今やあとたった一度しか使えないんだぞ。たとえひと一人を殺める危険な兵器だとしても、ここでその歴史に終止符を打つべきなのか?」
「だからこそ、今Dyaryを使うのです。悪魔の兵器の最後の一回、という重大な局面を使用に至らしめるには、我々のみならず国民の合意が不可欠でしょう。総帥の命が永くない今、{再び国民に、我ら自身に問おうというのです。この革命の、本当の意義を!}」
サグリは声高らかに訴えた。Dyaryは、440年もの歴史を持つこの国の誕生の前から伝わっている兵器であり、その強大な力から法による制限が厳しく為されていた。それにも関わらず今や使用制限に達しそうであるという事実は、歴史が表す人類の愚かさであろう。
しかし、そんな愚かな争いが現に起こっている時分にそのような悠長なことは言っていられない。今こそDyaryを用いて、{国全体の革命への意志を再び統一させようというのだ。}
——————
そして、サグリの提言や病床のドイ総帥の後押し、それに国民投票の大きな総意によって、Dyaryが最後の役目を果たすことが決まった。
記す名前は、議論の余地もなく西国の総帥ダズ・ラインである。西国の独裁者である彼を滞りなく葬ることができれば、体制が緻密な西国の集団といえども一時は混乱に陥るはずである。余談であるが、メディア発達の不十分な周辺地域において西国等には、「東国で悪名高い日記型の兵器は、何年も前に使用回数制限が上限に達した」という間違った言説が流布されている。
{ 最終兵器Dyaryの使用に際して国を挙げて激動の議論を交わし、意志のまとまりが強固になった今の東国}であれば、その一時の混乱に乗じて十分な優勢を築き上げることが可能だ。
過去何年も封印されていた巨大な金庫の扉がゆっくりと開かれ、サグリら幹部が少しづつ入場する。一瞬、常時に備え付けられている警報がけたたましく鳴り響いたが、エンジニアの遠隔操作で停止された。
中に収まっていたDyaryは、サグリたちの入場を待っていたかのように妖しくその紋様を顕現させる。軽く見上げるほど大きな日記帳の、表紙の紋様の下に刻まれた「1」の文字。{これが今日、0になる。}サグリは、Dyary開帳役の幹部が{二人がかりで}ゆっくりとページを開いていく様子を見守った。
計8人全員の幹部の立ち合い、そして金庫内のカメラの監視の下で、サグリを含む三人の幹部は持っていた極太の油性ペンの蓋を開いた。三人はそのまま、天井から垂れ下がったワイヤーを自身の体にくくりつけ、遠隔操作で吊り上げられる。
ページの中央部分まで上がったところで、ワイヤーは止まり三人は宙吊りになる。そして、とうとうDyaryへの書き込みが始まった。
まずは一人が、日付を。そしてもう一人が、死の状況を。最後にサグリが、間に西国の総帥の名前を。
サグリは震える手で、この世で最も憎い人物の名前を荒々しく堂々と記した。幹部の監視の下、とうとうDyaryに書き込みを行うというのだから緊張も尤もであるが、監視などという大層な探りを入れられずとも、父の教えに忠実なサグリが東国への裏切りを起こすなど、天地においてあり得ない事象だった。
{2023.7.8 ダズ・ライン 病死}
サグリら三人はやがて書き込みを完了する。通常の大きさの日記帳に行うよりも明らかに時間を要して行った書き込みだが、監視員が地上遠くからその字を眺めると、案外小さく収まっており辛うじて読める程度だ。
そして先の開帳役の二人がゆっくりとページを閉じると、表紙の紋様が点滅したのが確認できた。その様子がしっかりをカメラにも収まっているのを見て、サグリはついに安堵の嘆息を漏らす。
ついに私は、西国の牙城を崩すきっかけを自らの主張によって作ってしまったんだ。そのことにただならぬ思いがあったのはもちろんだが、サグリには全く別の達成感もあった。
{Dyaryの役目を、この手で終わらせたことである。}
革命の執行とはいえ、一般に考えれば日記帳への書き込みによって西国の総帥を自然死に追いやるというのは卑劣は行為といえる。実際、13の使用制限があったとされるDyaryの使用のうち、ほとんどは不当な犯罪に用いられたものと記録されている。このような悪魔の兵器をいつまでも携えていては、ハイオンという国は革命を遂行して自由を訴えることなど到底できない。サグリはしかし、特異に非道な独裁者を打ち砕く、という比較的合理的な理由を以て、その使用制限に至ったのである。使用へ賛成の票を投じた隊員や国民の中にも、{あるだけで国の威信を乱すこの悪魔の日記帳を一刻も早く滅ぼしてほしい}一心だった者は多いだろう。
畢竟、悪魔の兵器を用いた自分が悪烈なことには変わりないが、だからこそサグリには改めて強大な決意が宿った。
この日記帳を使用した全責任を取るためにも、父の生きるうちに革命を遂行せねばならない。
かつて私が生まれる前に存在していたような、統一された自由の国を再建し、全ての民にそれを見せなければならない。
『この瞬間は、歴史を通して国中で悪魔の兵器と呼ばれたDyaryが、一人の人間に強大な決意という希望の光を与えた、最初で最後の瞬間であった。』
迷いのない瞳を湛えるサグリ。他の幹部らと共に、暗黒の金庫から厳粛に出てくる彼女が、この時も着ていた軍服の胸元には、東国のエンブレムが強く光輝いていた。
{『日記帳型兵器の使用及び執行法 第12条1項
:日記帳型兵器に書き込みを行う者及びそれに立ち会う者は、前条に示した特別会議によって選任された者でなければならない。
同2項
:日記帳型兵器への書き込みは、その時点及び後世の者への視認性確保のため、また当該兵器自体への正常な認証のため、別紙の規定に則った筆記具を用いて行う。
同3項
:日記帳型兵器への書き込みを行う際は、その書き込みを三人に分担した上で三人以上の監視の下で行う。』
(12条起草意図:
1項
:1680年代に起きたベルゲート市街連続殺人事件に基づく。(中略)独断や無許可で当該兵器を用いることは、何人も、また国の最高司令部であっても固く禁止されるべきである。
2項
:当該兵器の始めのあたりのページにある書き込みは極めて薄い字で為されており、その使用について詳細が今も不明である。また我が国が起こる以前に、極端に小さな字で書いた書き込みが当該兵器に誤認識され暴走した歴史が確認されている。当該兵器の明瞭かつ慎重な使用という同1条の観念に即し、記載の視認性は必要不可欠である。*一定起草者の反対意見・補足意見あり。
3項
:前2項に同様、当該兵器の慎重な使用及び政体への反旗の目的での使用を防止するためには、(中略)故意または過失により、特別会議での合意と異なる事項が書き込み段階で書かれることがないような監視を置くのが妥当である。)}
(終わり。)
【簡易解説:】
そもそもDyaryは通常の日記帳より規格外に大きい上、書き込み内容は周囲にもわかりやすくなければならないので、正確な認証や周囲への配慮のため視認性の高い極太のペンを使うのは妥当で必然だった。
国に伝わる最終兵器Dyaryは、ひと一人を葬るほどの強大な魔力を持つゆえ、{通常の日記帳より遥かに大きい。}そんなDyaryに{正確に認証されうる}順当な書き込みをするのに、極太のペンは打倒な太さである。
それだけでなく、国の規定によって、Dyaryに書き込みをする際は{周囲に観測者を置き、その者らにも書き込み内容がリアルタイムで目測できるように}しなければならないと定められていた。これは幹部による{裏切りを阻止}するためであるが、その規定に忠実に従うべく、サグリは極太のペンを使って書き込みを明瞭にした。
(FAここまで。詳細は解説へ託す。)
【解説:】
「今こそ、今でしか使う場面がないはずです。」
会議卓を囲む大勢の幹部に対し、力の限り説得するサグリ。その卓のうち一際大きなスペースを占める総帥の席には、今は誰も座っていない。
東国ハイオンと西国ウェルー。壮絶な戦闘状態である二つの国の関係は、まさに今揺らごうとしていた。東国の総帥ドイ・バレン師が危篤に陥ったのである。西国がその権力を恣にするという時勢に真っ先に反旗を翻し、革命を掲げ、カリスマとしか言いようのない主導力で東国全体をその機運に統一させた、この闘いの立役者。
彼が、{父が}この革命から文字通り離脱すれば、我々はどうなってしまうのだろうか、サグリは考えた。家屋が主柱を失うように、羊たちが群れの長を失うように、我らの進む先に迷いが生じてしまいはしないか。
事実、すでに東国はまとまりを欠きつつあった。革命を中断し穏便に降伏しようと宣う者。自分を次期総帥にすべきだと独りよがりな者。さらに国民も、こうした軍の体制に疑問を持ち始めている。
そうした東国の劣勢を救うため。それだけではなく、ドイ総帥がまもなく亡くなるその前に、彼が生涯をかけて追求し続けた我らが自由を実現するため。サグリが幹部として抱く全ての決意のためには、Dyaryの使用が絶対であると固く主張した。
「Dyaryは今やあとたった一度しか使えないんだぞ。たとえひと一人を殺める危険な兵器だとしても、ここでその歴史に終止符を打つべきなのか?」
「だからこそ、今Dyaryを使うのです。悪魔の兵器の最後の一回、という重大な局面を使用に至らしめるには、我々のみならず国民の合意が不可欠でしょう。総帥の命が永くない今、{再び国民に、我ら自身に問おうというのです。この革命の、本当の意義を!}」
サグリは声高らかに訴えた。Dyaryは、440年もの歴史を持つこの国の誕生の前から伝わっている兵器であり、その強大な力から法による制限が厳しく為されていた。それにも関わらず今や使用制限に達しそうであるという事実は、歴史が表す人類の愚かさであろう。
しかし、そんな愚かな争いが現に起こっている時分にそのような悠長なことは言っていられない。今こそDyaryを用いて、{国全体の革命への意志を再び統一させようというのだ。}
——————
そして、サグリの提言や病床のドイ総帥の後押し、それに国民投票の大きな総意によって、Dyaryが最後の役目を果たすことが決まった。
記す名前は、議論の余地もなく西国の総帥ダズ・ラインである。西国の独裁者である彼を滞りなく葬ることができれば、体制が緻密な西国の集団といえども一時は混乱に陥るはずである。余談であるが、メディア発達の不十分な周辺地域において西国等には、「東国で悪名高い日記型の兵器は、何年も前に使用回数制限が上限に達した」という間違った言説が流布されている。
{ 最終兵器Dyaryの使用に際して国を挙げて激動の議論を交わし、意志のまとまりが強固になった今の東国}であれば、その一時の混乱に乗じて十分な優勢を築き上げることが可能だ。
過去何年も封印されていた巨大な金庫の扉がゆっくりと開かれ、サグリら幹部が少しづつ入場する。一瞬、常時に備え付けられている警報がけたたましく鳴り響いたが、エンジニアの遠隔操作で停止された。
中に収まっていたDyaryは、サグリたちの入場を待っていたかのように妖しくその紋様を顕現させる。軽く見上げるほど大きな日記帳の、表紙の紋様の下に刻まれた「1」の文字。{これが今日、0になる。}サグリは、Dyary開帳役の幹部が{二人がかりで}ゆっくりとページを開いていく様子を見守った。
計8人全員の幹部の立ち合い、そして金庫内のカメラの監視の下で、サグリを含む三人の幹部は持っていた極太の油性ペンの蓋を開いた。三人はそのまま、天井から垂れ下がったワイヤーを自身の体にくくりつけ、遠隔操作で吊り上げられる。
ページの中央部分まで上がったところで、ワイヤーは止まり三人は宙吊りになる。そして、とうとうDyaryへの書き込みが始まった。
まずは一人が、日付を。そしてもう一人が、死の状況を。最後にサグリが、間に西国の総帥の名前を。
サグリは震える手で、この世で最も憎い人物の名前を荒々しく堂々と記した。幹部の監視の下、とうとうDyaryに書き込みを行うというのだから緊張も尤もであるが、監視などという大層な探りを入れられずとも、父の教えに忠実なサグリが東国への裏切りを起こすなど、天地においてあり得ない事象だった。
{2023.7.8 ダズ・ライン 病死}
サグリら三人はやがて書き込みを完了する。通常の大きさの日記帳に行うよりも明らかに時間を要して行った書き込みだが、監視員が地上遠くからその字を眺めると、案外小さく収まっており辛うじて読める程度だ。
そして先の開帳役の二人がゆっくりとページを閉じると、表紙の紋様が点滅したのが確認できた。その様子がしっかりをカメラにも収まっているのを見て、サグリはついに安堵の嘆息を漏らす。
ついに私は、西国の牙城を崩すきっかけを自らの主張によって作ってしまったんだ。そのことにただならぬ思いがあったのはもちろんだが、サグリには全く別の達成感もあった。
{Dyaryの役目を、この手で終わらせたことである。}
革命の執行とはいえ、一般に考えれば日記帳への書き込みによって西国の総帥を自然死に追いやるというのは卑劣は行為といえる。実際、13の使用制限があったとされるDyaryの使用のうち、ほとんどは不当な犯罪に用いられたものと記録されている。このような悪魔の兵器をいつまでも携えていては、ハイオンという国は革命を遂行して自由を訴えることなど到底できない。サグリはしかし、特異に非道な独裁者を打ち砕く、という比較的合理的な理由を以て、その使用制限に至ったのである。使用へ賛成の票を投じた隊員や国民の中にも、{あるだけで国の威信を乱すこの悪魔の日記帳を一刻も早く滅ぼしてほしい}一心だった者は多いだろう。
畢竟、悪魔の兵器を用いた自分が悪烈なことには変わりないが、だからこそサグリには改めて強大な決意が宿った。
この日記帳を使用した全責任を取るためにも、父の生きるうちに革命を遂行せねばならない。
かつて私が生まれる前に存在していたような、統一された自由の国を再建し、全ての民にそれを見せなければならない。
『この瞬間は、歴史を通して国中で悪魔の兵器と呼ばれたDyaryが、一人の人間に強大な決意という希望の光を与えた、最初で最後の瞬間であった。』
迷いのない瞳を湛えるサグリ。他の幹部らと共に、暗黒の金庫から厳粛に出てくる彼女が、この時も着ていた軍服の胸元には、東国のエンブレムが強く光輝いていた。
{『日記帳型兵器の使用及び執行法 第12条1項
:日記帳型兵器に書き込みを行う者及びそれに立ち会う者は、前条に示した特別会議によって選任された者でなければならない。
同2項
:日記帳型兵器への書き込みは、その時点及び後世の者への視認性確保のため、また当該兵器自体への正常な認証のため、別紙の規定に則った筆記具を用いて行う。
同3項
:日記帳型兵器への書き込みを行う際は、その書き込みを三人に分担した上で三人以上の監視の下で行う。』
(12条起草意図:
1項
:1680年代に起きたベルゲート市街連続殺人事件に基づく。(中略)独断や無許可で当該兵器を用いることは、何人も、また国の最高司令部であっても固く禁止されるべきである。
2項
:当該兵器の始めのあたりのページにある書き込みは極めて薄い字で為されており、その使用について詳細が今も不明である。また我が国が起こる以前に、極端に小さな字で書いた書き込みが当該兵器に誤認識され暴走した歴史が確認されている。当該兵器の明瞭かつ慎重な使用という同1条の観念に即し、記載の視認性は必要不可欠である。*一定起草者の反対意見・補足意見あり。
3項
:前2項に同様、当該兵器の慎重な使用及び政体への反旗の目的での使用を防止するためには、(中略)故意または過失により、特別会議での合意と異なる事項が書き込み段階で書かれることがないような監視を置くのが妥当である。)}
(終わり。)
【簡易解説:】
そもそもDyaryは通常の日記帳より規格外に大きい上、書き込み内容は周囲にもわかりやすくなければならないので、正確な認証や周囲への配慮のため視認性の高い極太のペンを使うのは妥当で必然だった。
「【要知識】道端の鏡」「7ブックマーク」
上図について、
①?と{?}には互いに逆の意味のものが入ります。
②穴埋めによりある固有名詞が完成します。
その上で、その固有名詞が厚紙などではなく、{ある食べ物}に書かれているとすると、その食べ物とは何か?
{※}ハテナを埋めていただいたときと、ある食べ物を当てていただいたとき、それぞれに正解を差し上げます。
①?と{?}には互いに逆の意味のものが入ります。
②穴埋めによりある固有名詞が完成します。
その上で、その固有名詞が厚紙などではなく、{ある食べ物}に書かれているとすると、その食べ物とは何か?
{※}ハテナを埋めていただいたときと、ある食べ物を当てていただいたとき、それぞれに正解を差し上げます。
23年07月12日 00:00
【20の扉】 [さなめ。]
【20の扉】 [さなめ。]
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ご参加ありがとうございました。
解説を見る
?=○、{?}=×、だとすると、上図のようになる。
要するに穴埋めは出題者の名前であるのだが、ここで今日が私のらてらて登録日(いわゆる誕生日!)であることを踏まえていただくと、ある食べ物というのがバースデーケーキに乗せる{チョコレート}のネームプレートであると予想できる。
…カタカナなのも、「め」とかチョコペンで書くのが難しかったからとか?
要するに穴埋めは出題者の名前であるのだが、ここで今日が私のらてらて登録日(いわゆる誕生日!)であることを踏まえていただくと、ある食べ物というのがバースデーケーキに乗せる{チョコレート}のネームプレートであると予想できる。
…カタカナなのも、「め」とかチョコペンで書くのが難しかったからとか?
「高速道路」「7ブックマーク」
ソウの部屋から漏れ聞こえてくるのは、人気ゲーム『Tリープ』の有名曲。
うるさいなあと隣の部屋から文句を言いにいこうと思った、姉のリン。
そこで、先日、母が自分と同じようにソウに文句をいいに言っていたことを思い出すと、ソウが何をやっているか予想がついた。
『Tリープ』は、森に潜む様々な妖怪を見つけ退治していくというコンセプトのゲームなのだが、ではソウはどんな妖怪を探していたのか?
うるさいなあと隣の部屋から文句を言いにいこうと思った、姉のリン。
そこで、先日、母が自分と同じようにソウに文句をいいに言っていたことを思い出すと、ソウが何をやっているか予想がついた。
『Tリープ』は、森に潜む様々な妖怪を見つけ退治していくというコンセプトのゲームなのだが、ではソウはどんな妖怪を探していたのか?
23年08月24日 22:30
【20の扉】 [みさこ]
【20の扉】 [みさこ]
解説を見る
ヤマタノオロチ
ソウの部屋からは、有名曲を{口笛で吹く}音が漏れ聞こえていた。
ゲームしながら口笛を吹くソウに対し、母は『夜に口笛を吹くと蛇が出る』という迷信を用いてソウを叱りつけた。
それを文面通りに受け取ったソウは、口笛を吹いてプレーしていれば、レア妖怪のヤマタノオロチが見つかるかもしれない!と思って、大きな音で口笛を吹き続けているのである。
ソウの部屋からは、有名曲を{口笛で吹く}音が漏れ聞こえていた。
ゲームしながら口笛を吹くソウに対し、母は『夜に口笛を吹くと蛇が出る』という迷信を用いてソウを叱りつけた。
それを文面通りに受け取ったソウは、口笛を吹いてプレーしていれば、レア妖怪のヤマタノオロチが見つかるかもしれない!と思って、大きな音で口笛を吹き続けているのである。
「『ヒルダ姫様の●●●●生活』」「7ブックマーク」
サンシャイン王国のヒルダ姫様は その高貴な身分ゆえ
外で自由に遊ぶことも 同年代の気を許せる友達を作ることもできずに
長年悩んでいましたが
あるとき そんな悩みを解決してくれる 秘密の友達ができました
下町育ちの ヨルダです
大きなお城に興味津々のヨルダが 城壁に空いたひび割れから
城内に忍び込んできたことをきっかけに 二人は偶然知り合いました
二人はすぐに意気投合し
ヨルダから城壁の抜け道のことを教えてもらったヒルダ姫様は
ときどき大人たちには秘密で 昼の町に遊びに行き
夜になると ばれないように城に帰るという生活を
繰り返すようになりました
今日もこっそりとヨルダの家に遊びに来ていたヒルダ姫様
そこへ 執事のアーサーが大慌てでやって来ます
アーサーは ヒルダ姫様とヨルダが秘密の友達だということを
唯一知っている 協力者なのです
「大変ですヒルダ姫様! 大事件です!」
アーサーから事件のあらましを聞いたヒルダ姫様は
ヨルダのために
「事件が無事に解決するまでは城には帰らずに
ヨルダの家に泊めてもらおう」と決めました
さて この問題にふさわしいタイトルを付けた場合
『ヒルダ姫様の●●●●生活』の●●●●部分に入るべき
漢字4文字は 一体何でしょうか?
外で自由に遊ぶことも 同年代の気を許せる友達を作ることもできずに
長年悩んでいましたが
あるとき そんな悩みを解決してくれる 秘密の友達ができました
下町育ちの ヨルダです
大きなお城に興味津々のヨルダが 城壁に空いたひび割れから
城内に忍び込んできたことをきっかけに 二人は偶然知り合いました
二人はすぐに意気投合し
ヨルダから城壁の抜け道のことを教えてもらったヒルダ姫様は
ときどき大人たちには秘密で 昼の町に遊びに行き
夜になると ばれないように城に帰るという生活を
繰り返すようになりました
今日もこっそりとヨルダの家に遊びに来ていたヒルダ姫様
そこへ 執事のアーサーが大慌てでやって来ます
アーサーは ヒルダ姫様とヨルダが秘密の友達だということを
唯一知っている 協力者なのです
「大変ですヒルダ姫様! 大事件です!」
アーサーから事件のあらましを聞いたヒルダ姫様は
ヨルダのために
「事件が無事に解決するまでは城には帰らずに
ヨルダの家に泊めてもらおう」と決めました
さて この問題にふさわしいタイトルを付けた場合
『ヒルダ姫様の●●●●生活』の●●●●部分に入るべき
漢字4文字は 一体何でしょうか?
23年09月16日 16:28
【20の扉】 [オリオン]
【20の扉】 [オリオン]
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16日・17日・18日の3日間出題。 18日の夜23:59に質問を締め切って解説を出す予定です。
解説を見る
『ヒルダ姫様の【昼夜逆転】生活』
『簡易解説』
ヒルダ(昼)とヨルダ(夜)は普段から入れ替わって
ヒルダはヨルダのふりをして町で遊び
その間ヨルダがヒルダのふりをして遊んでいた
ある日
ヒルダ姫を狙った誘拐犯にヨルダが誘拐されてしまい
ヒルダ姫は 人質の間違いに気づかれないようにするために
しばらくヨルダをふりをしたまた生活することを決めたのだった
******************************
サンシャイン王国のヒルダ姫様は その高貴な身分ゆえ
外で自由に遊ぶことも 同年代の気を許せる友達を作ることもできずに
長年悩んでいましたが
あるとき そんな悩みを解決してくれる 秘密の友達ができました
下町育ちの ヨルダです
大きなお城に興味津々のヨルダが 城壁に空いたひび割れから
城内に忍び込んできたことをきっかけに 二人は偶然知り合いました
{お互いの顔を見て ヒルダ姫様もヨルダも大変驚きました}
{なんと二人は その場に鏡でもあるかのように 瓜二つだったのです!}
二人はすぐに意気投合しました
{「世界には似ている人が三人はいるって書庫の本で読んだことがありますけど}
{ こんなにもそっくりな人がいるなんて……」}
{「アタシもびっくりだよ! 顔は同じでも そんな風にきれいなおべべを着れば}
{ ちゃーんとお姫様らしく見えるものなんだな! なんか見てて面白いや」}
{「……ねぇヨルダ あなた お城に興味があって忍び込んできたのよね?}
{ お城での生活や 今私が着てるみたいなドレスにも興味はあるかしら?」}
{そこから先はトントン拍子に話が進みました}
{外で自由に遊びまわりたいと ずっとずっと望んでいたヒルダ姫様と}
{お城での生活にも 綺麗なドレスにも ちゃっかり興味があったヨルダ}
{二人の利害が一致したのです}
ヨルダから城壁の抜け道のことを教えてもらったヒルダ姫様は
ときどき大人たちには秘密で 昼の町に遊びに行き
夜になると ばれないように城に帰るという生活を
繰り返すようになりました
{そして ヒルダ姫様が町に遊びに行っている間は}
{城の大人たちの目をごまかすために}
{きらびやかなドレスでめかしこんだヨルダが}
{ヒルダ姫様の身代わりとして 城での生活を楽しむようになったのです}
今日もこっそりとヨルダの家に遊びに来ていたヒルダ姫様
そこへ 執事のアーサーが大慌てでやって来ます
アーサーは ヒルダ姫様とヨルダが秘密の友達だということを
唯一知っている 協力者なのです
「大変ですヒルダ姫様! 大事件です!」
{つい先程これが届けられて……城は大騒ぎです……}
{そう言ってアーサーが震える指で差し出してきたのは}
{一枚の脅迫状でした}
{『ヒルダ姫は預かった』}
{『返してほしくば 身代金を1億シャイン用意しろ』}
{さっと青ざめたヒルダ姫様は 思わずアーサーと顔を見合わせます}
{それは 世界でたった二人 ヒルダ姫様とアーサーだけが}
{正しい意味で読み取ることができる脅迫状でした}
{城のみんなも 誘拐犯でさえも}
{文面のとおり ヒルダ姫様が誘拐されたと思っています}
{しかし事実は違うのです}
{「……ヨルダは?」}
{「ここの脅迫状が届いてからすぐに 心当たりの場所はあらかた探したのですが}
{ ……みっみみつかりませんでした」}
{「そう……じゃあやっぱり そういうことなのね?」}
{――ヨルダが誘拐された}
{――――よりによって 自分の身代わりとなる形で}
{ヒルダ姫様の胸は ヨルの身を案じる気持ちで張り裂けそうになりました}
{そして 一刻も早く城へ戻って皆を安心させるように諭すアーサーに対し}
{ヒルダ姫様は}
{『もし今 自分が城に戻り無事を知らせたら}
{ 人質の間違いに気が付いた犯人が}
{ ヨルダに危害を加える可能性があること』}
{『ヨルダが無事に帰ってくる可能性を少しでも上げるためには}
{ このまま城の皆に さらわれたのはヒルダ姫だと思わせておいて}
{ 全力で救助にあたらせた方がよいこと』}
{『そのためには 自分の無事がばれないように}
{ しばらくはこのまま ヨルダのふりをしていた方がよいこと』を告げて}
「事件が無事に解決するまでは城には帰らずに
ヨルダの家に泊めてもらおう」と決めたのでした
『簡易解説』
ヒルダ(昼)とヨルダ(夜)は普段から入れ替わって
ヒルダはヨルダのふりをして町で遊び
その間ヨルダがヒルダのふりをして遊んでいた
ある日
ヒルダ姫を狙った誘拐犯にヨルダが誘拐されてしまい
ヒルダ姫は 人質の間違いに気づかれないようにするために
しばらくヨルダをふりをしたまた生活することを決めたのだった
******************************
サンシャイン王国のヒルダ姫様は その高貴な身分ゆえ
外で自由に遊ぶことも 同年代の気を許せる友達を作ることもできずに
長年悩んでいましたが
あるとき そんな悩みを解決してくれる 秘密の友達ができました
下町育ちの ヨルダです
大きなお城に興味津々のヨルダが 城壁に空いたひび割れから
城内に忍び込んできたことをきっかけに 二人は偶然知り合いました
{お互いの顔を見て ヒルダ姫様もヨルダも大変驚きました}
{なんと二人は その場に鏡でもあるかのように 瓜二つだったのです!}
二人はすぐに意気投合しました
{「世界には似ている人が三人はいるって書庫の本で読んだことがありますけど}
{ こんなにもそっくりな人がいるなんて……」}
{「アタシもびっくりだよ! 顔は同じでも そんな風にきれいなおべべを着れば}
{ ちゃーんとお姫様らしく見えるものなんだな! なんか見てて面白いや」}
{「……ねぇヨルダ あなた お城に興味があって忍び込んできたのよね?}
{ お城での生活や 今私が着てるみたいなドレスにも興味はあるかしら?」}
{そこから先はトントン拍子に話が進みました}
{外で自由に遊びまわりたいと ずっとずっと望んでいたヒルダ姫様と}
{お城での生活にも 綺麗なドレスにも ちゃっかり興味があったヨルダ}
{二人の利害が一致したのです}
ヨルダから城壁の抜け道のことを教えてもらったヒルダ姫様は
ときどき大人たちには秘密で 昼の町に遊びに行き
夜になると ばれないように城に帰るという生活を
繰り返すようになりました
{そして ヒルダ姫様が町に遊びに行っている間は}
{城の大人たちの目をごまかすために}
{きらびやかなドレスでめかしこんだヨルダが}
{ヒルダ姫様の身代わりとして 城での生活を楽しむようになったのです}
今日もこっそりとヨルダの家に遊びに来ていたヒルダ姫様
そこへ 執事のアーサーが大慌てでやって来ます
アーサーは ヒルダ姫様とヨルダが秘密の友達だということを
唯一知っている 協力者なのです
「大変ですヒルダ姫様! 大事件です!」
{つい先程これが届けられて……城は大騒ぎです……}
{そう言ってアーサーが震える指で差し出してきたのは}
{一枚の脅迫状でした}
{『ヒルダ姫は預かった』}
{『返してほしくば 身代金を1億シャイン用意しろ』}
{さっと青ざめたヒルダ姫様は 思わずアーサーと顔を見合わせます}
{それは 世界でたった二人 ヒルダ姫様とアーサーだけが}
{正しい意味で読み取ることができる脅迫状でした}
{城のみんなも 誘拐犯でさえも}
{文面のとおり ヒルダ姫様が誘拐されたと思っています}
{しかし事実は違うのです}
{「……ヨルダは?」}
{「ここの脅迫状が届いてからすぐに 心当たりの場所はあらかた探したのですが}
{ ……みっみみつかりませんでした」}
{「そう……じゃあやっぱり そういうことなのね?」}
{――ヨルダが誘拐された}
{――――よりによって 自分の身代わりとなる形で}
{ヒルダ姫様の胸は ヨルの身を案じる気持ちで張り裂けそうになりました}
{そして 一刻も早く城へ戻って皆を安心させるように諭すアーサーに対し}
{ヒルダ姫様は}
{『もし今 自分が城に戻り無事を知らせたら}
{ 人質の間違いに気が付いた犯人が}
{ ヨルダに危害を加える可能性があること』}
{『ヨルダが無事に帰ってくる可能性を少しでも上げるためには}
{ このまま城の皆に さらわれたのはヒルダ姫だと思わせておいて}
{ 全力で救助にあたらせた方がよいこと』}
{『そのためには 自分の無事がばれないように}
{ しばらくはこのまま ヨルダのふりをしていた方がよいこと』を告げて}
「事件が無事に解決するまでは城には帰らずに
ヨルダの家に泊めてもらおう」と決めたのでした
「物申死体」「7ブックマーク」
死んだカメオの遺したダイイングメッセージ……指の下の「3」という文字を見てウミオは4人の容疑者、「三井三太」「松神」「竜宮亀夫」「北畠康」のうち北畠が犯人だと推理した。
ウミオの推理過程はどのようなものだったのだろうか?
ウミオの推理過程はどのようなものだったのだろうか?
23年09月30日 23:03
【ウミガメのスープ】 [松神]
【ウミガメのスープ】 [松神]
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要アイテムかもしれません
解説を見る
お手元のキーボードをご覧いただきたい。無い?では検索していただきたい。
そこにアルファベットと数字が並んでいるのが見えるだろうか?
そして、それらのキーの並びを見てもらいたい。
3 4
W E
S
このように並んでいるキーがあるのが見えるだろうか?何?キーボードだとちょっとずれている?黙っていなさい。
さて、これらの並びを見たうえで気になることはないだろうか?そう。この3をNに変えればいとも簡単にこれは東西南北の4方位を示すものに早変わりするだろう。4はあれさ、方位を示す横にあるあれ……私はその名前を知らんがね。
これらの知識は前提だ。被害者のカメオはキーボードに目を移してもらおう。3の上に重なるように指が置かれている……というよりは3を隠すように指を置いている。念のため奥さんの協力の下パソコンのデータを確認したが、3が入力された痕跡も見当たらない。
ということはカメオはその知識を持ったうえでこのように3を指で”隠した”のだと思う。
つまり、カメオが示したかったのは3ではなくこれをNとして考えろという意味に違いない。
なので犯人として考えられるのは方角の内一つが名前に入っているかつ、指で示している通りN……つまり北が名前に入っている北畠康がダイイングメッセージで示された人間としか思えないだろう。
つまり、そういうことさ。
そこにアルファベットと数字が並んでいるのが見えるだろうか?
そして、それらのキーの並びを見てもらいたい。
3 4
W E
S
このように並んでいるキーがあるのが見えるだろうか?何?キーボードだとちょっとずれている?黙っていなさい。
さて、これらの並びを見たうえで気になることはないだろうか?そう。この3をNに変えればいとも簡単にこれは東西南北の4方位を示すものに早変わりするだろう。4はあれさ、方位を示す横にあるあれ……私はその名前を知らんがね。
これらの知識は前提だ。被害者のカメオはキーボードに目を移してもらおう。3の上に重なるように指が置かれている……というよりは3を隠すように指を置いている。念のため奥さんの協力の下パソコンのデータを確認したが、3が入力された痕跡も見当たらない。
ということはカメオはその知識を持ったうえでこのように3を指で”隠した”のだと思う。
つまり、カメオが示したかったのは3ではなくこれをNとして考えろという意味に違いない。
なので犯人として考えられるのは方角の内一つが名前に入っているかつ、指で示している通りN……つまり北が名前に入っている北畠康がダイイングメッセージで示された人間としか思えないだろう。
つまり、そういうことさ。