みんなのブックマーク

我輩は猫なのに「22ブックマーク」
僕は猫のミケ。どこからどう見ても立派な猫なのに、僕を見た人は口々に「犬だ、犬がいる」と言うんだ。
でも僕のご主人は僕を見ると「どう考えたって猫じゃないか」って言ってくれた。そしたらみんなも「猫だ猫だ」って認めてくれた。さすが僕のご主人だニャ。
…でも最初に犬と間違えられたのはニャんでだろう?
19年02月22日 22:38
【ウミガメのスープ】 [靴下]

ギリギリ猫の日間に合った…!




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ミケはご主人と一緒に、図のように寝ていたので「(漢字の)犬だ」と言われた。それを聞いたご主人が起き上がってミケを見たら、大の字がなくなってしまい、誰が見ても普通な猫になってしまった。
織姫の願い事「22ブックマーク」
7月7日に開かれる県立ウミガメ高校の文化祭で、アツヤのクラスは七夕の演劇をやることに。
普段は引っ込み思案なアツヤだが、彦星役に立候補した。

完璧に台詞を覚えて挑んだ本番当日。
スポットライトのあたるステージで織姫役のアンナはひときわ輝いていた。
劇はいよいよクライマックス、織姫と彦星の別れのシーンを迎える。
そこでステージに立つアツヤが口にした「さようなら」の一言が、観客はおろか、目の前のアンナにさえも届かなかったのは
練習期間中、アンナが書いている短冊をアツヤが見てしまったからだという。

一体どういうことだろうか?
19年07月07日 21:00
【ウミガメのスープ】 [「マクガフィン」]

藤井さんと2ヶ月煮込んだ合作スープ、七夕の夜にいかがでしょう?




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「はい、僕やります。」

その瞬間、教室の時間が止まった。
そして不自然な間の後、先程までとは少し違うざわめきが教室中に広がった。
「え、あいつがやるの?俺話したことないんだけど」「おいヒビキ、おまえやらないの?」「いやいいよ、誰もいなかったらやってもいいけどやるって言ってんじゃん」


「えーっと、じゃあ彦星役はアツヤ、織姫役はアンナでいいか?」
しかし先生の問いかけに反対する生徒はおらず、自然と拍手が巻き起こる。

みんなが手を叩く中、少し前の席に座るアンナがこちらを振り返って口を動かす。

『よ、ろ、し、く、ね』

声は聞こえなくともそう言ったのだとわかる。はじめて向けられたその笑顔に、アツヤは思わず目を背けた。

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「ねぇ、せっかくだから教室に笹と短冊、飾らない?」
誰かがそう言い出したのは、アツヤが演劇の練習を始めて1週間ほど経った日のことだった。演劇の宣伝になるのではないか、という話だ。

あの日から毎日、放課後に練習を重ねていたアツヤだが、目線は自然とアンナの方へと向く。
情感のこもった台詞や堂々とした身のこなしはもちろん、休憩中の些細な仕草までもがアツヤの胸の奥をざわめかせていた。

七夕の願い事、かぁ…
もちろん星に託したい願い事はすぐに思いついたが、まさか短冊に書くわけにもいかない。

そんなことを思いながらその『願いの対象』の座る方へと目を向けると、アンナがさらさらと鉛筆を動かしているのが見えた。
いささかの罪悪感を覚えながらもアツヤの目はその手元に吸い寄せられていった。


『ヒビキくんと少しでも一緒にいられますように』


一瞬、アツヤの周りから音が消えた、ように感じた。思考が停止していた。


呆然としているうちに、恥ずかしそうに髪をかきあげたアンナは急いだようにその文字を消し始めた。そして書き換える。

『演劇が成功しますように!』

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その日の練習に臨むアツヤは、全く集中できなかった。覚えたはずの台詞は間違え、小道具を持ち忘れ、登場のタイミングを誤る。
言葉にできない思いが胸の中で渦巻いていた。

「アツヤくん、大丈夫?体調良くない?」
そう声をかけてくれたアンナの顔を、アツヤは直視することができなかった。

大丈夫じゃない、と答えたかった。
『ヒビキのことが好きなの?』そう尋ねたかった。
けれどそんなことをしたってアンナは困るだけだろう。アンナのためを思うなら…



『誰もいなかったらやってもいいけど』

『ヒビキくんと少しでも一緒にいられますように』


顔を上げると、アンナの心配そうな顔がそこにあった。彼女には笑っていてほしい、心からそう思ったアツヤは、意を決して口を開く。

「あの、ごめん…僕ちょっと喉が…」

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7月7日、文化祭当日。

「いよいよだね、緊張してる?」
ほがらかに話しかけるアンナは、とても緊張しているようには見えない。

「う、うん。ちょっとね。大勢の人に見られるのなんて慣れてないから。」
この日のための衣装を身につけながらアツヤは答える。
初めて見たときは、これは目立つなぁと思ったものだ。

そんなことを考えながらも、アツヤは舞台に上がった。


そして幕が上がる。

ふと顔を上げると、およそ1000の顔がこちらを見ている。緊張で胸が高鳴り始めた。
そんな中、ナレーションが流れる。

「昔々、あるところに、牛飼いの彦星が住んでいました。」

ここで彦星が歩き回りながら台詞を言うんだ。
段取りは完璧に頭に入っていた。
しかし、アツヤは動けなかった。

否、動かなかった。


夜空にかかる天の川という役どころを演じきるために。



舞台袖からヒビキが現れる。牛飼いの衣装を身につけて。

完璧な動作で、台詞で、演技をこなす彦星に笑いかける織姫の頬は赤く染まっていて、それは緊張のせいにも演技にも見えなかった。

これでよかったんだ。
目の前で逢瀬を重ねる2人を見ながらアツヤは思う。

「君を愛しているよ」

本当はアツヤが言うはずだった言葉だ。そして、言えなかった言葉だ。

「必ず君を幸せにする」

アツヤは口には出さなかったが、ある意味では実践した言葉だ。


そして近づくクライマックス。
アツヤの両側へと隔てられた2人は、悲しい別れを嘆く。

「あぁ彦星様、行ってしまわれるのですか。」
そう問いかけるアンナは本当に悲しそうで、アツヤの胸はちくりと痛む。
次にヒビキが言う台詞を、一週間限りの彦星は覚えていた。

「織姫、また笑い合える日を楽しみにしているよ。」

僕にはもう、『また笑い合える日』なんてない。この舞台を下りたらもう、話すこともないだろう。
でもそれでいいんだ、きっとヒビキと一緒にいることが、彼女にとっての幸せだから。

彦星とは違う本当の別れを感じたアツヤの口は、思わず次の台詞を紡ぎだす。


『さようなら』


二つの口から出たその言葉。
演じられた片方は、アンナに届き、観客に届く。
けれど心からの片方は、天の川の呟きは、受け取る相手もいないまま、舞台裏へと消えていった。



『簡易解説』
片思いの相手、アンナと主役を演じるために彦星役に立候補したアツヤ。
しかし短冊を見てアンナの気持ちに気づいたアツヤは彦星役を降りて天の川の役となり、目の前で演じるアンナとヒビキを見ていた。劇のラスト、ヒビキがアンナに別れを告げる場面で誰にも聞こえないように重ねて呟いた。
それらしい「22ブックマーク」
カメオは行きつけだった喫茶店のドアが壊れかけていることに気づかなかったため、いつもは飲まない紅茶を注文した。
一体なぜ?
20年01月15日 22:58
【ウミガメのスープ】 [甘木]



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カメオ老人は数十年ぶりに昔住んでいたウミガメ町へふらりとやってきた。

カメオ老人(懐かしいのう……あそこの喫茶店は妻だったカメコとよく二人で行ったもんじゃ……ワシはいつもコーヒーを頼んで、カメコはいつも紅茶を頼んでいたなぁ……そのカメコの命日に立ち寄ったのも何かの縁か……どれ、久しぶりに……)
【カランコロン】
カメオ老人(コーヒーでも一杯飲むとするかな……)
【カランコロン】
カメオ老人(……ん!?)

カメオ老人はたった今入ってきたドアのすぐ前で立ち止まった。
自分が入ってドアを閉めた直後にドアが開き、そして閉まったのだ。まるで{自分のすぐ後にもう一人誰かが入ってきたかのように}。
しかし、振り向いた自分の後ろには誰もいない。
まるで自分の後に透明人間か……{幽霊}が入ってきたかのような状況だ。

カメオ老人(もしや……カメコか?)

席に座ったカメオ老人はコーヒーと紅茶を注文した。
コーヒーは自分用、紅茶は妻のカメコ用に。
カメオは喫茶店でゆっくりとコーヒーを飲んだ。テーブルの向かいに置いた、カメコのために頼んだ紅茶には一切手を付けないまま。

カメオ老人(ふっ、またここで二人で飲むことになるとはのう……)








店員「店長~!このドアまた壊れかけてますよー!まーたちょっとした風で勝手に開いたり閉まったりしちゃってます~」
店長「ありゃりゃ、またかー!」

カメオ老人(……ヽ(・ω・)/ズコー!!!)

こうしてカメオ老人はゲートボール仲間にできる笑い話を一つ作り、意気揚々と家へと帰るのだった。

~簡易解説~
自分が喫茶店に入った直後、故障中のためちょっとした風により動いたドアを見て、亡くなった妻のカメコが自分の後をついてきたのだと思い込んだカメオ老人。
妻のカメコが好んで飲んでいた紅茶も一緒に注文することにしたのだ。
硬貨の効果は幸か不幸か「22ブックマーク」
あらゆる不幸から身を守ると言われる幸運のコインを肌身離さず持っていた男。
ところが、そのコインの効果もなく男は不幸にも事故で亡くなってしまう。
亡くなった男の妻は「このコインさえなければ夫が生きていた可能性があったのに……」と悲しんだという。
もちろんコインは事故を防いではくれなかったが、事故はコインが原因であったわけではなく、コインを過信して無茶をしたために死んだというわけでもない。
では一体どうしてそう考えたのだろう?
20年06月14日 18:36
【ウミガメのスープ】 [甘木]



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男は行方不明者として長い期間探されていた。
男の妻は無事を願い、無事に生きている可能性を信じ続けていた。
ある日、大きな事故によって亡くなったために外見では身元が特定できない遺体が発見されたという情報が入ってきた。
その遺体の身元を判断する唯一の所持品が、そのコインであった。

妻「この刻印がずれた独特の記念コイン……間違いありません……これは夫が肌身離さず持っていたコインです……」

妻はそう告げると、その場で崩れ落ちた。

妻(あぁ、もしもこのコインがこの場に無ければ、この遺体が夫だと断言できずにまだ{夫が生きているという可能性を残したまま}、夫の生還を心の支えにして生きていけたのに……)

【簡易解説】
身元不明の遺体が男(夫)のコインを持っていたことでその遺体が夫であると確定してしまい、生きている可能性が0になったため妻は悲しんだのだった。
理不尽な解雇宣告「21ブックマーク」
 真摯な対応をしたせいで、彼は職を失った。
 しかし、彼の対応が間違っていたわけではない。
 では、何故彼は職を失わざるを得なかったのだろうか?
18年05月27日 15:48
【ウミガメのスープ】 [至告]



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「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
 客からの問いに、シェフである彼は真摯に答えた。
「はい……ウミガメのスープに間違いございません」
 客は帰宅後、自殺した。

 その客の死体が見つかると、大きな事件となった。
 警察の捜査により、最後に客が訪れたレストランでウミガメのスープを飲んでいたことが判明。その時会話をしたコックがたちまち罪に問われた。
「違います! 私はただ、お客様の問いに答えただけなんです!」
 結局証拠不十分により不起訴となるのだが、この事件がきっかけで彼はレストランを辞めざるを得なくなった。
 他の場所に就職しようにも、マスコミの大々的な報道で顔や名前が知れ渡ったせいで断られる。
「あの客は、なんで死んだんだろうな……」
 無職となった彼が真実を知るのは「ウミガメのスープ」という物語に出会う時なのだが、それはまた別のお話。

(水平思考といえばおなじみ「ウミガメのスープ」を元に作成。客とコックの会話はラテシン版「ウミガメのスープ」より引用)