みんなのブックマーク

怪談クエストウォーク「3ブックマーク」
怖い話を聞いたために、本来歩かなくていい道を歩いて帰宅している男。

何があった?
22年06月13日 21:47
【ウミガメのスープ】 [ron]



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怖い話を聞くのが好きな男は、タクシー運転手から怖い話を聞き出していたのだが、自宅に着いたタイミングで話が終わらなかった。
もう少しで終わるということなので、話が終わるところまで乗ることにして、そこからは歩いて帰った。
ささやかなオーダーミス「3ブックマーク」
ここは海にほど近いレストラン『蒼の海』。
美咲はシェフの笹井に、家族全員に同じメニューを出すように頼んだ。

しかし、テーブルに並んだ料理のうち、一人分だけ他の皆とは少し違う料理が出されている。

結局その一人分の料理は一切手がつけられないままに下げられていくのだった。


このことを知った美咲はシェフの笹井に心から感謝するのだが――
では、美咲が家族全員に同じメニューを出すように頼んだ理由とは?
22年06月29日 01:20
【ウミガメのスープ】 [藤井]



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【解答】
結婚式の披露宴の料理について、シェフの笹井に相談していた美咲。
当初は、高齢の祖母の料理を柔らかく食べやすいものにして欲しいと頼んでいたのだが、その数ヶ月に祖母は他界。
花嫁姿を見せることは叶わなくなってしまったが、祖母への思いから、当日祖母の席を設けて同じように料理も出してもらうことに。
しかし実際に食べてもらうことは出来ないので、「柔らかく食べやすいもの」である必要はないと思い、皆と同じメニューを出してもらうように頼んだのだ。



【解説】
「あの……私の祖母、歯が弱くて固いものが食べにくいんです。祖母のお料理だけ、細かく刻んだりペースト状にして頂くことは可能でしょうか?」
「はい、もちろん出来ますよ」

美咲の遠慮がちな問いかけに、シェフの笹井は快く頷いた。
ここは海にほど近いレストラン『蒼の海』。同じ敷地内には緑豊かなガーデンと小さなチャペルを設けている。
年明けに結婚を控えている美咲は、婚約者の大輝と式場見学に来ている。ひと通り会場を見て回ったあと、披露宴の料理について相談をしている最中だ。

「ご高齢の方がご来場される事は多いですから、専用のメニューも御座いますよ。通常メニューと同じ食材を使いつつ、調理法を工夫して柔らかく食べやすくしております」

笹井の差し出すパンフレットを覗き込む美咲と大輝の表情はぱぁっと明るくなった。
「これならおばあちゃんも喜んでくれるね!」
華やかな料理の写真に、二人は式への期待を膨らませた。


しかし数ヶ月後、美咲の祖母は老衰によりこの世を去ることとなってしまった。
花嫁姿を見せることが叶わぬままに訪れた突然の別れ。深い悲しみに、美咲は泣き崩れた。
大輝は悲痛な表情で、美咲の小さな肩を支えることしかできなかった。



「――当日は、祖母の席を作りたいんです。お料理も出していただけますか?皆と同じメニューを……皆と同じように」

年が明けて結婚式を数週間後に迎えたある日、美咲と大輝はふたたび式場に来ていた。レストランのシェフ笹井と最終打ち合わせをする。

「かしこまりました。おばあさまもきっと喜ばれますよ」

祖母の死を知った笹井は、美咲の気持ちに寄り添うように、静かに優しく頷いた。



そして迎えた式当日。
純白のウエディングドレスに身を包んではにかむ美咲を愛おしげに見つめる大輝。
二人はたくさんの笑顔と拍手に囲まれて幸せそうに微笑んだ。
挙式を終え、チャペルから披露宴会場のレストランへと移動する。ほどなくして、それぞれのテーブルへ料理が運ばれ始めた。
美咲の家族が座るテーブルには空席がひとつ。祖母の名前が書いた札が立てられている。椅子には、額に収められた祖母の写真が立て掛けられていた。
そこに置かれた料理を見て、隣の席に座っていた美咲の母・洋子はハッとした。

「あなた、見て。これ……」

洋子に肩をつつかれ、父・隆平も目を見開く。
祖母の席に置かれた華やかで美しいその料理は、皆の目の前に置かれたものとは少し違う。なめらかな魚介のペースト、細かく刻まれ綺麗に盛られた肉、くたくたに茹でられた色鮮やかな温野菜……ひと目見て、それは祖母のために作られたものだとわかった。

祖母の席を作ることについて、美咲は両親にも相談していた。祖母がそこに座ることは叶わないが、同じように料理を出してもらいたいと。
しかし、柔らかく食べやすくしてもらう必要はなくなった。実際に祖母が食べるわけではないのだから、皆と同じように通常メニューを出してもらおう、と。誰もがその意見に納得していた。


手をつけられないままに下げられていく料理。そのひと皿ひと皿に、想いがこもっていた。

「……レストラン側の心遣いだなぁ、きっと」

ぽつりと呟く隆平。洋子は静かに天を仰いだ。



新婦席に座っていた美咲はそのことを知らない。
披露宴の終盤、各テーブルを回っていた際に母の洋子からそのことを聞いた。
美咲は心底感激し、シェフの笹井を呼んで礼を述べた。



「笹井さん、本当にありがとうございます。本当に……お忙しい中でこんな心遣いを……祖母も美味しく食べてくれたことと思います」
「こちらこそ、お料理を作らせていただけて幸せです。間違いなくおばあさまはあの席にいらっしゃいますから……ぜひじっくりと、花嫁姿を見せてあげてくださいね」
「はい……!」



カメラマンの声を合図に、祖母の写真を胸に抱いて大輝と頬を寄せ合う美咲。
そんな二人……いや、三人を、笹井は遠くから幸せそうに見つめた。
検見すとりー「3ブックマーク」
「化学総ざらい!」は、理苑さんの通う塾の講師達が作成した問題集である。

単元ごとに、テーマ1,2,3…と分類がされ、各分野の復習ができる。また、巻末には解説付きのわかりやすい解答が載っている。

理苑さんはテスト前にこの問題集を解いていて、テーマ1が終わった後に丸つけをしたのだが、その後なぜかテーマ2を解き切りテーマ3の途中まで解いたところで一旦止め、丸つけに取り掛かった。

キリよくテーマごとに丸つけすればいいのに…なんで?
22年06月30日 00:21
【ウミガメのスープ】 [みさこ]



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「化学総ざらい」は中小塾の自主制作問題集だから、作りが甘い。

そんなこの問題集は、解説がページ分けせずに詰め込まれている。例えば解説ページ1,2ページの見開きがあるとすると、テーマ1の解答が1ページ全体と2ページの途中まであり、その第2ページに間髪を容れずテーマ2の解答も載っているのである。

テーマ1の丸つけの際これを目撃した理苑さんは、今度は先のテーマの答えのネタバレをされないよう、テーマ3も途中まで解いてしまったということ。
晴読雨読「3ブックマーク」
小説家の「印不井」氏は、カメオの大好きな作家である。
印不井氏の小説を隅々までじっくり読むのが最近の日課らしい。

そんな、印不井氏の小説を読むのが大好きなカメオ。
今は、印不井氏の新しい小説をゆっくり読み込んでいる最中だ。

数分後、{まだ小説を読み終わった訳でも無いのにカメオがゲームをし始めたのは何故?}
カメオの中の優先順位は 新しい小説>ゲーム であるとする。
22年07月05日 22:19
【ウミガメのスープ】 [いんふぃ]

参加ありがとうございましたー良ければ見てって下さい




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カメオは今、{電子書籍版の}印不井氏の新しい小説を{読み込んでいる}最中だ。
しかし、いつまでたっても読み込みが終わらないので、暇つぶしにゲームをすることにした。
嘘泣き「3ブックマーク」
卒業式、家族で記念撮影をするサトル。
そんな彼を見て、キョウコが母に「目薬ある?」と尋ねたのはなぜだろう?

 
22年07月07日 21:02
【ウミガメのスープ】 [藤井]



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【解答】
サトルの目にゴミが入ったと思ったから。


【簡易解説】
昔、泣いているのをごまかすために「目にゴミが入った」と言って妹の前で目薬をさしたサトル。

時は流れ、卒業式。
普段忙しくて学校行事に来れない母が卒業式に出席してくれたことが嬉しくて、サトルは感極まっていた。
そんな兄を見てキョウコは「また目にゴミが入ったのかも」と勘違いし、目薬をさせば治ると思ったのだ。



【本解説】
もう今更、嘆くことなんてない。
学校行事にお母さんが来られないのは百も承知している。
それが僕達のためだってことも。

サトルは学校で配られた授業参観のプリントを、部屋のゴミ箱にやや乱暴に捨てた。


小学2年生くらいまでは、ちゃんとプリントをお母さんに見せていた。
参観に来てほしいこともちゃんと伝えていた。
そのたびにお母さんは申し訳なさそうに、ごめんね、お仕事で行けないのって謝り続けた。
一人で僕たち兄妹を育ててくれるお母さんは、朝から夕方まで休みなく働いている。
3年生になった頃には、何となく(もうわがままを言っちゃいけないんだ)ということを察した。
寂しい、寂しい、寂しい……。
授業参観も運動会も生活発表会も、そのたびに配られるプリントを僕は黙って部屋のゴミ箱に捨てた。


「おにーたん、どったの?」


3年生最後の授業参観のプリントを捨てた日のこと。
6歳下の妹キョウコの声で、ふと我に還る。
気づかぬうちに、乾いた頬を涙が伝っていた。

「あ……キョウコ。ちょっと目にゴミが入ったんだ。目薬、目薬……」


あわてて引き出しを開け、そこにあった目薬をさす。


「ごみ?いたい?めぐすり、なおる?」

「治る治る、もう大丈夫」

ゴシゴシと乱暴に目をこすって、ぼくはキョウコの頭を撫でた。




時は流れ、僕は小学校卒業の日を迎えた。
この日、保護者席にはお母さんとキョウコの姿があった。
いろんな感情が渦巻く僕の目は真っ赤で、ごまかすようにゴシゴシと何度もこすった。


「さぁ、撮りますよー」

カメラを構える教頭先生の前で、お母さんとキョウコと並ぶ僕。お母さんの手がそっと僕の肩を抱き、また感情が溢れそうになる。
パシャリというシャッター音に続き、キョウコの心配そうな声が飛んできた。


「おにーちゃん、目にごみ入ったの?」

「えっ?あぁ……まぁ……」

「いたい?ねぇママ、めぐすりある?」

「キョウコ、大丈夫だよ。大丈夫……っ」


どこまでも純粋な妹の優しさに、僕はついに涙をこらえることができなくなった。