みんなのブックマーク

一度だけタイムスリップすることができる道具を手に入れた男。
その際、万馬券が分かったので、タイムスリップした際にその万馬券を買い、大金持ちになれるから。

ついに、奇跡的にできた一人分の薬。数年以内の再現はまず不可能だろう。
すぐに、余命一か月と診断されていた一人息子、カメキチに薬を飲ませた。
不老不死といえども、病気は治らない。これからも入院は必要だ。
未払いが溜まっていて病院を追い出される寸前であった。
家も車も売り払ったカメオに残っているのは、もはや生命保険ぐらいだ。
眠っていたカメキチのベッド脇にそっと封筒を置いて、カメオは静かに立ち去った。

普段から夫の家族から冷遇されていると感じていたカメコ。

そして使用人、カメオを殺した犯人だと名指しされる。
「私はしてない！」
と、反論を試みたものの、鞄の中から出てきた毒や、カメオの死体の横に落ちていたカメコのピアスなどから、カメコ以外に犯行はできないと言われた。
カメコからすると捏造にもほどがある話なのだが。
さらに、
「ふーん、やっぱりあなただったのね。」
「普段からカメオを憎んでいたものね。」
「最低。」
などと家族の反応が皆非常に冷たかった。
唯一信頼していた夫も同様に、虫を見るような目線を送りつけてきた。

きっと私はこの家族に貶められたのだ。

ここで無理に逆らうより、牢屋の中にいた方がまだマシかもしれない、とカメコは罪を認めることにした。

有名になり、老眼鏡が盗まれる事件が発生したから

密室に閉じ込められ、何とか脱出できないかと室内を探し回ったカメコ。
あと一歩、この棚の後ろに隠れていたドアを破壊さえすれば脱出できるはず…

とここで今まで見えていなかったドアの隙間から、植物が生えていることに気付いた。
その実がとても赤くて美味しそうだったため、ここまで何も口に出来ていなかったカメコは迷わずそれを食べてしまった。

｛その赤い実には猛毒があるとは知らずに｝。

猛烈な腹痛に襲われ、密室からの脱出どころではなくなった。


もっと本を読んでいてその実に毒があることを知っていればこんなことにはならなかったのだが。