みんなのブックマーク

ナンパが死ぬほど起きている地区で誰にも声をかけられないのは、恋人や旦那さんらしき人と一緒にいる女性のみ。
一人で歩いている＝何度もナンパを断っている女性より、一度も声をかけられていない女性の方が成功率が高いと考え、
恋人や旦那さんらしき人と一緒にいる女性に絞って男は声をかけている。

さめとかげは月に降り立った。
月の重力は地球の約1/6。ぴょんぴょん跳ねて遊んでいたら足をくじいてしまった。
でも月のもちつきウサギと一緒に天体望遠鏡でとらえられた写真は、
兎年の2023年、縁起物として宇宙博物館に展示されることになった。
展示と言っても、大きすぎるので床全面が写真にされているのだが。

カメコの右手には綿飴、そして左手にはクルクル回る風車。

カメが使えないので、自力で竜宮城に戻ろうとしているのだ。

玉手箱の白い煙を浴びて、すっかり枯れた老人になってしまった浦島。
孤独と絶望の中、思い出されるのは竜宮城での楽しかった日々。
あわよくばもう一度カメを助けて、あそこへ帰りたい。
ああ、それなのに…
(使えねえ奴だな、まったく。ひっくり返ってないで城まで乗せてけってんだ。なにがスープにして召し上がれだ。こんなジジイが今さら精力増強してどうすんだ。しょうがない、こうなったら自力で行ってやりますよ。待ってろ、乙姫。貴女の太郎が今参る…)

どこかで行われた早押しクイズ大会。
「『あなたはなぜ山に登るのですか？』と聞かれて『そこに山があるから』と答えた登山家の名前は？」
男は問題の途中で回答ボタンを押した。
「マロリー」
「正解！」
男の素早い回答に周囲の人々は大いに感心した。しかし、早押しクイズにもマロリーにも馴染みがない女は
「山に登る理由とマロニーちゃんに何の関係があるんだろう……？」
という思考を巡らせていた。