みんなのGood

帰宅ラッシュの満員電車。
足が不自由なのか、必死に杖をつきながら弱った老人が電車に乗ってきた。
満員の座席の前に立つ老人。
そのとき、心優しき一人の青年が席を譲ろうと立ち上がった。
「どうぞ、お席にお座りください」
「これはこれは。ありがとう」
そう言って老人は座席に座った。

しばらくしてその老人と同じ駅で降りたカメオは杖を振り回し元気そうに子どもたちとはしゃぐ光景を目の当たりにした。
老人の杖は席を譲ってもらうためのフェイクだったのだ。
その様子をみたカメオはあまりの図々しさに激しい憤りを感じたのだった。

「テルヒコくん。今年もお隣の空き地の『す、好き』……じゃなかった、ススキが綺麗よ〜」
「ええええエミさん!? も、もうっ、いい加減、そそそそそそろそろ、そのネタでからかうのやめてくだひゃいよ！」


◾️答え◾️
『ススキ』（す、好き！）

A.カメオは息をきらして卵を買いに行ったのですが、リクオ君はとっくにしびれをきらしていたのです。

わたしはね、百人一首の大会で
優勝したの見事にね。

聞こえたの、「す」という文字がわたしには。
｛一字決まりのひらがな｝なのよ。

上の句で「す」が聞こえたら「ゆめ」になる。
わたしはそれを知っていたのよ。

【す】みのえの きしによるなみ よるさえや
【ゆめ】のかよひち ひとめよくらむ
――藤原敏行朝臣

歩行者専用の標識を誘拐された犯行現場のしるしと見立てることで、
車が飛び出してくる心配のないところをゴールに選んだのです。