みんなのGood

聖女の祈り「1Good」
物語:1票
彼女は願った。
この村の平穏を。この村の平和を。
この7年の間、ずっと願っていた。

しかし、一人の少女が死にそうになった時、彼女は服を脱いで
平和を祈るのをやめてしまった。


一体どうしてだろうか?
20年12月11日 23:35
【ウミガメのスープ】 [ドラノール12]



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少し昔のはなしである。
この村には、ある因習があった。

それは『数え年で7年に1度、7歳以下の穢れなき少女を神の生贄に捧げよ』というものだった。
具体的には、7年に一度、7歳以下の少女を神が住むと信じられている崖の下に落とすのだ。
死体すら上がらない。村の大人たちは皆、神様のもとへ言ったというのみだった。

{そしてその生贄を怠ったり、対象でないものを生贄に捧げた場合、}
{神の怒りに触れ、村はひどい大災害に見舞われるという。}

さて、ある生贄の年。
今回は、カメコという丁度7つの少女が選ばれた。
彼女にとって不幸なのは、丁度その前の年に両親が病で死んでしまったことだろう。

後ろ楯がなくなってしまった、7つの少女。彼女を生贄とするのに、反対する者などいなかった。
いや、一人いた。
カメコの双子の兄である、カメオだ。
カメコと同じ7つではあるが、非常にしっかりとした男子であった。

されど所詮は子供。
彼の抗議の言葉に、耳を貸す者などいなかった。

もはや村の中でカメコが生贄となるのは決定事項だ。
そう察したカメオは、密かにある作戦を立てることにした。

双子の幼い子供というだけあって、カメコとカメオはよく似ていた。

そこでカメオは生贄の前の日にカメコを食事に薬を混ぜて眠らせたあとに、
カメコの格好をして、カメコとしてみんなの前に現れたのだ。

みんなは彼をカメコと思い、そのまま崖に突き落として生贄としてしまった。

本物のカメコが目を覚ました時には、もう全てが終わっていた。
カメオが密かにカメコに残した手紙には、
今回の計画のこと、しばらくはカメオとして過ごし、成長して、もし隠しきれなくなったら他の村へとなんとか逃げること、
どうか幸せに生きて欲しいことなどが書かれてあった。


カメコは手紙を握りしめて泣き、そして呪った。
勝手に決めた兄の愚かしさを。
何も知らなかった自身の愚かしさを。
そして、未だこんな神に盲信して縋っている村の人々を。

神なんていない。
私の兄を連れていってしまうような神なんていらない。

そう思ったカメコは、やがて一つの考えに行き着いた。
そして、この考えがこの村への、そしてこの神への最高の復讐になると確信した。

しかし、もし本当に神が伝承の通りの力を持っていたとしたら即座に破綻する計画だ。

いいさーー。
カメコは思った。これは私と神との戦いだ。

そうして、その日からカメコはカメオとして生活を始めた。
カメオが残した男物の服を着て、カメオの在りし日の姿を思い出して真似たら、
村の誰も、彼がカメオだと信じて疑わなかった。

そして、カメコは日々願った。
この村の平和を。
この村の平穏が、何事もなく続くことを。

おそらく、この村の誰よりもカメコは村の平和を祈っていただろう。

ただし、それはこの神にではない。

祈る対象も見つからぬまま、カメコはただ村の平穏を祈った。

そしてカメオが生贄になって7年。村は確かに平穏だった。
飢饉も災害もなにもない。実に穏やかな日々だった。

みんながカメオと思って、カメコにいう。

「カメコちゃんはよくやってくれた。神様はしっかりと役割を果たしてくださった。
ああ、ありがたや、ありがたや」

「妹が、村の平穏に役立てたのならば、妹も神様のもとで喜んでいることでしょう。」

「ええ、ええ、そうでしょうねえ。助かったあ」

カメコは穏やかにいう裏で、憎悪の炎に狂っていた。

我慢だ。あと少し、あと少し我慢だ。


「それでねえ」
村人が続けた。

「今年の生贄を、手伝ってもらいたいんだあ」

「ーーええ、もちろん。お手伝いします」

カメコは内心、ついにこの日が来たかと心の中でほくそ笑んだ。


そして生贄の日。

今回の生贄の少女を落とそうという中で。
カメコがその前に立ちはだかった。

「なんのつもりだあ、カメオ」

「もうやめましょう、こんなこと」

そういうと、村の長老がいう。
「何をいうか。村はこれまで、少女の生贄によってその平穏を保ったのだ。生贄の儀式をしくじるとな、村には大きな災いが降りかかる。
この7年間の平穏だって、君の妹のカメコちゃんががんばって生贄になってくれたからこそ、保たれていたんじゃ。君は妹の努力を無に帰すつもりか?」


「7年の、平穏ねえ・・・」

そこまで来て、カメコはもう笑いが止まらなかった。
けらけらと笑みがこぼれ出る。

その異様な光景に、長老を始め、村の人々は少々うろたえた。

そしてカメコはがばっと自身の服を脱ぎ、そして胸に巻いてあるさらしを外した。

村の人々は、驚愕の顔を浮かべたまま、その場で凍りついたように動かなくなった。

「カメコはあたしだ! あの時、兄のカメオがあたしの身代わりに生贄になったんだ! 男のカメオがな! {生贄の儀式を失敗した場合はどうなるんだって? 大災害どころか、村は平穏だったぞ、神様! あっははははは!!}」

誰も、何も言わない。
ただカメコが、勝ち誇ったかのように叫んだ。

【「神は死んだ! 兄が殺したんだ! ざまあみろ!!!」】

少女はもう、村の平和は願わない。



聖女の祈りはもう、終わったのだーー。



悪役の矜持「1Good」
納得感:1票
男は人気者が嫌いなために、今日もまた負けてしまったのだった。

どういう事だろうか?
20年12月12日 22:27
【ウミガメのスープ】 [みーく1202]



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男の趣味は競馬。

ちゃちな当たりはいらねぇ!とばかりに
人気馬は買わず、大穴狙いばかりの一点勝負。
当然そんな馬券が簡単に当たるはずもなく、
今日も負けて家に帰るのであった。

(競艇や競輪等のオッズ差がある賭け事も正解)
ゴミを産む機械「1Good」
納得感:1票
男はある製品を開発・製造している会社で働いている。
その製品とは、ゴミを産み出す機械だという。

男は研究を重ね、さらに多くのゴミを産み出す機械の開発に成功した。
人々はその機械を求め、会社の売上は向上したという。

いったいどういう事だろうか?
20年12月13日 15:38
【ウミガメのスープ】 [みーく1202]



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男はシュレッダーを開発製造している会社の社員。
男は今までの製品よりも、より細かく書類を裁断することができるシュレッダーを開発した。

機密書類をより安全に破棄する事ができるシュレッダーの需要は高く、会社の売上は向上したのだった。
カメオとライオン「1Good」
納得感:1票
カメオの視線の先にはライオンの群れがいた。その群れはだんだんカメオに近づいてきた!カメオはそれを見て泣き出したが恐ろしくて泣いてるわけではなかった。何故だ?
20年12月16日 17:45
【ウミガメのスープ】 [66号線]



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カメオが見たのは獅子座流星群だった。流星群が地上へと降ってくるのを観測できたカメオは感動で涙した。
ウミガメ協奏曲「1Good」
物語:1票
ウミコのピアノ演奏があまりにも素晴らしかったので、カメコは謝らなければならないと思った。

いったい、どうしてだろう?
20年12月17日 22:43
【ウミガメのスープ】 [ぷらすちっく]

ストーリー性重視。解説はわりと長めです。




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**解説短め**

カメコは子ども向けピアノ教室の先生で、ウミコは生徒。どんどんピアノを上達するウミコに対して、手の怪我の後遺症を隠しているカメコは、これ以上難易度の高いピアノ曲を教えることができなくて申し訳ないと思ったのだった。



**解説長め**

毎夜、私は海外の大舞台でピアノ演奏をする夢を見る――。



カメコは音大随一の優秀なピアニストだった。国内の大きなコンテストにたびたび出場し、栄誉あるタイトルをいくつも獲得した。期待を寄せる講師陣や学部の仲間たち、応援してくれる家族に背中を押され、プロとして世界に羽ばたこうとしていた。

しかし、その夢は火事によって潰えた。音楽棟から上がった火の手はしだいに大きくなり、建物全体を包む規模の火事となった。ちょうどそのときピアノを弾いていた私は、命からがら逃げ出したものの、手に大きな火傷を負った。治療とリハビリに励み、日常生活に支障のない程度には動かせるようになったが、以前のレベルでピアノを弾こうとすると手が動かせず、思うように演奏できなくなっていた。火事の記憶がトラウマとなったことも要因にあるようだ。

プロの道を断念した私は、町で子ども向けのピアノ教室を開いた。
最近はピアノを習わせる親も少ないかと思われたが、それなりに生徒が集まった。初心者ばかりで、どんぐりの背比べだったが、後遺症を抱える私にはありがたかった。
その教室に、これまでの誰よりもピアノに優れた生徒が入ってきた。ウミコとの出会いだった。

彼女は素直な性格で、打てば響いた。人一倍、熱心に練習した。私が褒めるたびに喜び、その都度めきめきとピアノの腕を上げた。小学生にして、もしコンクールに出場すれば優勝も夢じゃないと思えるほどの実力を持っていた。彼女にはピアノの才能があると確信していた。
けれど、期待しすぎてはいけない。期待された側は、その期待が大きい分だけ挫折したときの苦悩も大きくなるということを私はよく知っている。好きだから熱中している。それだけでいい。楽しそうにピアノを弾く彼女を見ていると、私はまるで昔の自分を見ているかのような感覚がして懐かしい気分になった。

ある日、ウミコはウミガメ協奏曲に挑戦したいと申し出た。この教室では取り扱わない難易度の曲だ。私は迷った。
「ウミガメ協奏曲はちょっと難しいんじゃないかなあ」
「私、この曲が好きだから弾けるようになりたいんです。カメコ先生に教えてほしいんです」
言い出すと譲らない強情さも、自分の幼い頃に似ていた。
彼女の熱意に負けた体で練習を始めた。
実際のところ、まったく教えられない曲ではなかった。彼女にとっても難しい曲ではないことは、普段の努力と才能を目の当たりにしてきた私にも察しがついていた。
案の定、わずか数日で彼女は曲を習得した。
「じゃあ、通しで弾いてみよっか」
「はい」
彼女の繊細な指先で奏でられる音色は、穏やかに凪ぐ大海のようであり、激しく燃える太陽のようでもあった。感嘆の声すら出ないほど私の心は強く揺さぶられた。
そして、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

せっかくここで芽が出たんだから、本当はもっといろんなことを教えてあげたかった。あなたが成長して、大きく羽ばたいていくところを見届けたかった。だけど、私が教えられるのはこの曲で最後になる。これ以上高難度の曲の指導は私の手では難しい。もっとピアノの技術を磨けるところで自分らしく頑張ってほしい。
私が教えてあげられなくて、ごめんね。



毎夜、私は海外の大舞台でピアノ演奏をする夢を見る。でも、今日のこの舞台は夢のようで夢ではない。
弾き終えた私は、鳴りやまない拍手を全身で受けた。
「ピアノを弾く楽しさを教えてくれたカメコ先生、本当にありがとう」