「しあわせの箱」「1ブックマーク」
カメオの母親は昔、彼がまだ幼いにも関わらず家を出て行った。
そんな母を、カメオはいつか絶対帰ってくると信じて待ち続けていた。
ある日カメオが家に帰ると、なんと母親が家にいるではないか!
その後カメオは死んでしまうのだが、何があったのだろう?
そんな母を、カメオはいつか絶対帰ってくると信じて待ち続けていた。
ある日カメオが家に帰ると、なんと母親が家にいるではないか!
その後カメオは死んでしまうのだが、何があったのだろう?
20年03月10日 11:10
【ウミガメのスープ】 [リンギ]
【ウミガメのスープ】 [リンギ]
個人的チャレンジ問題。進行頑張ります。
解説を見る
簡易解説:病気で入院していた母親が、いつか絶対よくなって帰ってくると信じて待ち続けていたカメオだったが、母親はそのまま病死してしまう。最愛の妻を亡くし狂った父親は遺体を家に持ち帰り、自身とカメオごと家を燃やし、棺桶とした。
お母さんが死んだ。
昔、入院するため大きな病院へ行ったまま、ついに帰ってこなかった。
帰ってくるって、言ってたのに。
カメオは目ににじむ涙を拭いながら学校からの帰り道を歩いていた。
遠い病院だった。
父も忙しくてなかなかお見舞いにも行けず、カメオに至っては母が入院してから一度も会いに行けなかった。
元気になれば、顔なんていつでも見られる。
そう言って慰めてくれたお父さんも、お母さんが亡くなったとき、一緒に死んじゃうんじゃないかってくらいの顔をしていた。
2人して泣いて泣いて、また泣いて。
目を拭う頻度がだんだん多くなる。
こらえきれなくなる。
そんなとき、ようやく家についた。
…お父さんの車がある。
もう帰ってきた?
小学生の自分より早く帰ってくるなんて、とカメオは家の扉を開けた。
目に飛び込んできたのは、花畑。
鼻に飛び込んできたのは、むせ返るくらいの生花の香り。
カメオの目が点になった。
なんだこれ。
足の踏み場もない程に敷き詰められた花を足でかき分け、靴を脱ぎ家に入る。
靴下に露が染みた。
お父さん!と呼ぶ前に、見つけた。
「…お母さん?」
部屋に実に数年ぶりの母の顔。
眠るように安らかな顔の母がいた。
お母さん。
あぁ、そうだ、そうだった。
お母さん、こんな顔だった。
でもどうして?
「おかえり。カメオ」
その疑問は降ってきた声にさえぎられた。
後ろにはお父さんが立っていた。
ただいま、と反射的に返し、ちらりと母を見る。
「あぁ、お母さんだよ。病院から引き取ってきたんだ」
それもそうだが、ほかにも聞きたいことがある。
カメオが口を開く前に、父は話し出す。
「カメオ、お母さんは好きか?」
もちろん。
「そうか。じゃあ、いいな?」
なにが?
「一緒に死のう。お母さんと一緒に」
…。
…え?
カメオが理解するより先に、父親は花に火を放った。
マッチを擦り、紙に移し、花に放る。
カメオには理解しきれない。
「ここは棺桶だ。カメオ」
「故人の棺桶には、花と思い出の品を一緒に入れる。天国にもっていくんだ」
「この家は文字通り『思い出』が詰まってる。お前と、母さんと、父さんの、3人の思い出が詰まってる」
火が燃え広がる。
生花の香りが焦げ臭い香りに塗り替えられる。
帰ってきた時とは別の意味で、むせ返る。
「一人では逝かせないよ。ウミコ」
「俺も、カメオも、一緒だ。」
「君も言ってただろう?また3人で暮らしたいって」
「天国で一緒に暮らそう。3人で」
家は炎に包まれ、全焼した。
その焼け跡から3人の遺体が発見されたという。
お母さんが死んだ。
昔、入院するため大きな病院へ行ったまま、ついに帰ってこなかった。
帰ってくるって、言ってたのに。
カメオは目ににじむ涙を拭いながら学校からの帰り道を歩いていた。
遠い病院だった。
父も忙しくてなかなかお見舞いにも行けず、カメオに至っては母が入院してから一度も会いに行けなかった。
元気になれば、顔なんていつでも見られる。
そう言って慰めてくれたお父さんも、お母さんが亡くなったとき、一緒に死んじゃうんじゃないかってくらいの顔をしていた。
2人して泣いて泣いて、また泣いて。
目を拭う頻度がだんだん多くなる。
こらえきれなくなる。
そんなとき、ようやく家についた。
…お父さんの車がある。
もう帰ってきた?
小学生の自分より早く帰ってくるなんて、とカメオは家の扉を開けた。
目に飛び込んできたのは、花畑。
鼻に飛び込んできたのは、むせ返るくらいの生花の香り。
カメオの目が点になった。
なんだこれ。
足の踏み場もない程に敷き詰められた花を足でかき分け、靴を脱ぎ家に入る。
靴下に露が染みた。
お父さん!と呼ぶ前に、見つけた。
「…お母さん?」
部屋に実に数年ぶりの母の顔。
眠るように安らかな顔の母がいた。
お母さん。
あぁ、そうだ、そうだった。
お母さん、こんな顔だった。
でもどうして?
「おかえり。カメオ」
その疑問は降ってきた声にさえぎられた。
後ろにはお父さんが立っていた。
ただいま、と反射的に返し、ちらりと母を見る。
「あぁ、お母さんだよ。病院から引き取ってきたんだ」
それもそうだが、ほかにも聞きたいことがある。
カメオが口を開く前に、父は話し出す。
「カメオ、お母さんは好きか?」
もちろん。
「そうか。じゃあ、いいな?」
なにが?
「一緒に死のう。お母さんと一緒に」
…。
…え?
カメオが理解するより先に、父親は花に火を放った。
マッチを擦り、紙に移し、花に放る。
カメオには理解しきれない。
「ここは棺桶だ。カメオ」
「故人の棺桶には、花と思い出の品を一緒に入れる。天国にもっていくんだ」
「この家は文字通り『思い出』が詰まってる。お前と、母さんと、父さんの、3人の思い出が詰まってる」
火が燃え広がる。
生花の香りが焦げ臭い香りに塗り替えられる。
帰ってきた時とは別の意味で、むせ返る。
「一人では逝かせないよ。ウミコ」
「俺も、カメオも、一緒だ。」
「君も言ってただろう?また3人で暮らしたいって」
「天国で一緒に暮らそう。3人で」
家は炎に包まれ、全焼した。
その焼け跡から3人の遺体が発見されたという。
「都会はこんなに明るいのか!!」「1ブックマーク」
故郷に別れを告げて、今日からいよいよ新生活がスタート。そんなウミオは、交わるはずのない{“あるもの”}が交わっているのを発見し、驚愕した。
それもそのはず。ウミオは田舎生まれ田舎育ち。都会に足を踏み入れたのは、今日が人生で初めてなのだ。
ウミオが驚いた{“あるもの”}とは何だったのだろう?
それもそのはず。ウミオは田舎生まれ田舎育ち。都会に足を踏み入れたのは、今日が人生で初めてなのだ。
ウミオが驚いた{“あるもの”}とは何だったのだろう?
20年03月11日 01:20
【20の扉】 [NSGN]
【20の扉】 [NSGN]
解決済みᕦ(ò_óˇ)ᕤ
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スクランブル交差点に遭遇したウミオは、交差点の真ん中で、横断歩道がバッテンを作って交わっているのを発見したのだった。
ウミオはその後、信号が変わったと同時に縦横無尽に歩き出す歩行者を見て、もっとびっくりすることだろう。初めての都会は驚きの連続。
ウミオはその後、信号が変わったと同時に縦横無尽に歩き出す歩行者を見て、もっとびっくりすることだろう。初めての都会は驚きの連続。
「誰のせいか」「1ブックマーク」
向上心の高い会社員カメオ。
カメオは自分自身の出世のために一生懸命会社で働き、上司たちにも認められる結果を出して、同僚たちにも讃えられた。
しかし、そのためにカメオは以前よりも自分の出世の可能性が少なくなったと思ったという。
一体どういうことだろう?
カメオは自分自身の出世のために一生懸命会社で働き、上司たちにも認められる結果を出して、同僚たちにも讃えられた。
しかし、そのためにカメオは以前よりも自分の出世の可能性が少なくなったと思ったという。
一体どういうことだろう?
18年09月02日 00:24
【ウミガメのスープ】 [甘木]
【ウミガメのスープ】 [甘木]
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カメオ(新入社員時)「年功序列というのは古い!勤続年数や年齢で出世が優先されるなんておかしいではないか!実力のみで出世を決めるべきだ!(そうすればきっと若い自分でも出世の可能性が生まれる!)」
こう考えたカメオは会社に年功序列ではなく実力によって出世を決める成果主義の方針へ変更するようにしつこく会社に働きかけた。
そんなカメオの頑張りもあり、上司たちも認めてついにその希望は叶えられたのだ!……何年も後になって。
カメオ(中年)「……優秀な後輩たちがドンドン出世して俺を追い抜いていく……成果主義になって俺を讃えていた同僚たちも……あぁクソ!成果主義じゃ、俺よりも優秀なヤツがいる限り出世なんて無理だ。若いころはもっと自分は出来る奴だと思っていたんだ……年功序列のままだったら、今頃は俺だってもっと出世できたのになぁ……」
実際にカメオが(そもそも会社が年功序列制度のままであったとしても)出世できるかどうかは疑問である……。
こう考えたカメオは会社に年功序列ではなく実力によって出世を決める成果主義の方針へ変更するようにしつこく会社に働きかけた。
そんなカメオの頑張りもあり、上司たちも認めてついにその希望は叶えられたのだ!……何年も後になって。
カメオ(中年)「……優秀な後輩たちがドンドン出世して俺を追い抜いていく……成果主義になって俺を讃えていた同僚たちも……あぁクソ!成果主義じゃ、俺よりも優秀なヤツがいる限り出世なんて無理だ。若いころはもっと自分は出来る奴だと思っていたんだ……年功序列のままだったら、今頃は俺だってもっと出世できたのになぁ……」
実際にカメオが(そもそも会社が年功序列制度のままであったとしても)出世できるかどうかは疑問である……。
「相応」「1ブックマーク」
年末ツアーでバスに乗って目的地に向かったカメオ・カメミ夫妻。
二人はとても仲のいい夫婦なのだが、バスに乗っている間はほとんど会話もせず、窓から見る景色も真逆の光景を見ている時間が多かったという。
一体なぜだろう?
二人はとても仲のいい夫婦なのだが、バスに乗っている間はほとんど会話もせず、窓から見る景色も真逆の光景を見ている時間が多かったという。
一体なぜだろう?
18年12月27日 19:03
【ウミガメのスープ】 [甘木]
【ウミガメのスープ】 [甘木]
年末企画問題!「相応」には「ふさい」という読みもあるそうです。
解説を見る
カメオはバスドライバー、カメミはバスガイド。年末とはいえ……いや、年末という時期だからこそ、そういった仕事はあるもの。
年末ツアーでお客様を目的地まで乗せていく仕事中なので二人は仕事と関係のない会話はせずに、必要最低限のやりとり。
そして正面を向いているドライバーのカメオに対してバスガイドのカメミはお客様に向かって話をするため、ほとんど進行方向と真逆の後方を向く時間が多かったのである。
年末ツアーでお客様を目的地まで乗せていく仕事中なので二人は仕事と関係のない会話はせずに、必要最低限のやりとり。
そして正面を向いているドライバーのカメオに対してバスガイドのカメミはお客様に向かって話をするため、ほとんど進行方向と真逆の後方を向く時間が多かったのである。
「列車が出発して絶望した話」「1ブックマーク」
列車が駅に到着し、しばらくすると出発した。それを見た人々は絶望した。
さて、何故、人々は絶望したのだろう?
※実話です。
さて、何故、人々は絶望したのだろう?
※実話です。
20年03月15日 16:36
【ウミガメのスープ】 [KOO]
【ウミガメのスープ】 [KOO]
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解答としては「特急列車が駅に停車したが、それは信号待ちのための客が乗り降りできない停車で、本来時刻表上では『通過』となるはずだった。しかし、時刻表が間違っていて、客が乗り降りするための停車と書かれていた。特急列車が駅に停車すると思い込んだ地元住民は大喜びしたが、特急列車がお客を乗せずに去っていったのを見て絶望した」という感じでOKです。
時は1961年10月1日、日本国有鉄道北陸本線(現:えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン)能生駅。
この日のダイヤ改正で、新しく特急「白鳥」がこの駅に停車することとなった。
今まで普通列車しか停車しなかった小駅に特急が停車するとあって、近隣住民は大変喜び(※今で言うと、新幹線が開業したのと近い感覚かもしれません)、停車する特急を迎えるための一大イベントが駅前で開催されていた。
しかし、実はこの停車について少し話の行き違いがあった。
国鉄本社は本来、この駅は列車のすれ違いのための停車(※当時、能生駅の前後の区間は単線。つまり、上下の線路が分離されておらず、列車のすれ違いのためにはそのための設備が必要でした)であり、能生駅では乗客の乗り降りを行わないつもりだった。
このため、能生駅は時刻表では通過する扱いとなっていたのだが、能生駅を管轄する支局がそれを通常の停車と勘違いして、駅の時刻表には特急が能生駅に停車すると載せてしまったのである。
かくして、特急「白鳥」は列車のすれ違いのために能生駅に停車し、地元の人々の盛大な出迎えを受けた後、当初の予定通り、ドアを開けることもなく走り去っていき、後には特急停車がぬか喜びに終わった人々の絶望だけが残ったのである。
ちなみに、当時は列車のドアは乗客が手動で勝手に開け閉めするのが当たり前であり、そのため、駅に停車するのであればいかなる理由があっても乗客の乗り降りが伴う停車であるとみなすのが常識だったが、特急「白鳥」は車掌のドア扱いにより自動でドアが開け閉めされる車両だった。話の行き違いにはこのような原因もある。
能生駅はその後、特急列車の増発に伴い実際に特急停車駅に選定されたこともあったが、特急利用客の少なさから停車駅から外され、現在は北陸新幹線開業によって特急列車がすべて廃止されたため、能生駅を経由する特急列車そのものが存在しなくなっている。
時は1961年10月1日、日本国有鉄道北陸本線(現:えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン)能生駅。
この日のダイヤ改正で、新しく特急「白鳥」がこの駅に停車することとなった。
今まで普通列車しか停車しなかった小駅に特急が停車するとあって、近隣住民は大変喜び(※今で言うと、新幹線が開業したのと近い感覚かもしれません)、停車する特急を迎えるための一大イベントが駅前で開催されていた。
しかし、実はこの停車について少し話の行き違いがあった。
国鉄本社は本来、この駅は列車のすれ違いのための停車(※当時、能生駅の前後の区間は単線。つまり、上下の線路が分離されておらず、列車のすれ違いのためにはそのための設備が必要でした)であり、能生駅では乗客の乗り降りを行わないつもりだった。
このため、能生駅は時刻表では通過する扱いとなっていたのだが、能生駅を管轄する支局がそれを通常の停車と勘違いして、駅の時刻表には特急が能生駅に停車すると載せてしまったのである。
かくして、特急「白鳥」は列車のすれ違いのために能生駅に停車し、地元の人々の盛大な出迎えを受けた後、当初の予定通り、ドアを開けることもなく走り去っていき、後には特急停車がぬか喜びに終わった人々の絶望だけが残ったのである。
ちなみに、当時は列車のドアは乗客が手動で勝手に開け閉めするのが当たり前であり、そのため、駅に停車するのであればいかなる理由があっても乗客の乗り降りが伴う停車であるとみなすのが常識だったが、特急「白鳥」は車掌のドア扱いにより自動でドアが開け閉めされる車両だった。話の行き違いにはこのような原因もある。
能生駅はその後、特急列車の増発に伴い実際に特急停車駅に選定されたこともあったが、特急利用客の少なさから停車駅から外され、現在は北陸新幹線開業によって特急列車がすべて廃止されたため、能生駅を経由する特急列車そのものが存在しなくなっている。