「【要知識】道端の鏡」「3Good」
トリック:2票納得感:1票
上図について、
①?と{?}には互いに逆の意味のものが入ります。
②穴埋めによりある固有名詞が完成します。
その上で、その固有名詞が厚紙などではなく、{ある食べ物}に書かれているとすると、その食べ物とは何か?
{※}ハテナを埋めていただいたときと、ある食べ物を当てていただいたとき、それぞれに正解を差し上げます。
①?と{?}には互いに逆の意味のものが入ります。
②穴埋めによりある固有名詞が完成します。
その上で、その固有名詞が厚紙などではなく、{ある食べ物}に書かれているとすると、その食べ物とは何か?
{※}ハテナを埋めていただいたときと、ある食べ物を当てていただいたとき、それぞれに正解を差し上げます。
23年07月12日 00:00
【20の扉】 [さなめ。]
【20の扉】 [さなめ。]
ご参加ありがとうございました。
解説を見る
?=○、{?}=×、だとすると、上図のようになる。
要するに穴埋めは出題者の名前であるのだが、ここで今日が私のらてらて登録日(いわゆる誕生日!)であることを踏まえていただくと、ある食べ物というのがバースデーケーキに乗せる{チョコレート}のネームプレートであると予想できる。
…カタカナなのも、「め」とかチョコペンで書くのが難しかったからとか?
要するに穴埋めは出題者の名前であるのだが、ここで今日が私のらてらて登録日(いわゆる誕生日!)であることを踏まえていただくと、ある食べ物というのがバースデーケーキに乗せる{チョコレート}のネームプレートであると予想できる。
…カタカナなのも、「め」とかチョコペンで書くのが難しかったからとか?
「【らてクエ21リサイクル】求められたからやっている」「3Good」
物語:1票納得感:2票
「シンディをさがせ!」は、
ラテラル社が出版している絵本である。
様々な場所から「シンディ」と呼ばれる少女を探すもので
精巧な作りが子供や大人にも人気なシリーズなのだが、
その中でも、7冊目に発行された
「シンディをさがせ! ⑦おやしき編」が、
同シリーズの他の本と比べて数十倍近い売上を叩き出しているのは何故だろうか?
ごがつあめ涼花さんの問題文です
https://late-late.jp/mondai/show/18335
ラテラル社が出版している絵本である。
様々な場所から「シンディ」と呼ばれる少女を探すもので
精巧な作りが子供や大人にも人気なシリーズなのだが、
その中でも、7冊目に発行された
「シンディをさがせ! ⑦おやしき編」が、
同シリーズの他の本と比べて数十倍近い売上を叩き出しているのは何故だろうか?
ごがつあめ涼花さんの問題文です
https://late-late.jp/mondai/show/18335
23年07月19日 19:51
【ウミガメのスープ】 [ベルン]
【ウミガメのスープ】 [ベルン]
解説を見る
「シンディをさがせ! ⑦おやしき編」
これの舞台となった大富豪達の家。
自分の家が舞台になったからと喜んで大富豪達は一万部ずつくらい買ったから。
これの舞台となった大富豪達の家。
自分の家が舞台になったからと喜んで大富豪達は一万部ずつくらい買ったから。
「【らてクエ21】不屈の薬」「3Good」
物語:1票納得感:2票
幼い頃から不老不死を夢見ているカメオは、長年の研究の末、ついに不老不死の薬を開発することができた。
するとカメオは自殺した。
一体何故?
https://late-late.jp/mondai/show/18335
ベルンさんの問題文です。
するとカメオは自殺した。
一体何故?
https://late-late.jp/mondai/show/18335
ベルンさんの問題文です。
23年07月22日 20:42
【ウミガメのスープ】 [さなめ。]
【ウミガメのスープ】 [さなめ。]
解説を見る
要約:研究員のカメオは、崇拝する人物(Aとする)へ捧げる不老不死の薬を作成していたが、敵にその研究が露見しそうになっていたことを知った。完成した不老不死の薬をAに託し自分は自殺することで、{不老不死の薬は作成が失敗し、カメオ自身がその性能テストの過程で事故死した}のだと推察させ、敵の油断を誘った。
【解説:】
目の前の毒薬を見つめるカメオ。他の人には一目にわからないかもしれないが、誰よりも薬のことを研究してきたカメオであれば、この配分で毒薬ができることはよく理解している。
自らの研究成果を逆利用して作った毒薬を、カメオは少し残して飲み干した。
幼い頃からずっとずっと、不老不死を実現させるのが夢だった。体が弱く勝負には負けてばかり。そんな自分でも不老不死の薬があったら、アニメのヒーローみたいに誰にも倒せない不屈の人間になれると思ったから。熱心に勉強するカメオを、馬鹿げていると言ってみんなはもっとバカにした。
研究がうまくいけば、もうそんな奴らにも負けることはない。そう思っていたが、それも違った。薬の完成までの過程でできた滋養強壮の薬は、研究仲間に成果を奪われた。自分一人が強くても、みんなによって倒されてしまうのだとカメオは思い知った。
そんなとき、あの人は自分を救ってくれた。人に追われる立場だったあの人は、カメオに理解を示し、自分の研究を肯定してくれた。
カメオは確信した。この人なら、自分を認めない人々を倒してくれる。誰にも倒されない不屈の人間になれる。この人を介してなら、自分は、自分が夢見た「本当の不老不死」になれるのだと。
あの人の支援のもとで、カメオは研究を続けた。そしてついに不老不死の薬を完成させたが、カメオは満足しなかった。これを自分が飲んでも、完全な不老不死にはなれない。自分はいつか、あの人の考えに賛同しない人々に、悪い奴だと言われ捕えられ、彼らに屈して精神は朽ち果てるだろう。カメオは弱い自分に絶望していた。同時に、不老不死の薬を作るという一つの夢を叶えた今、これ以上苦しみながら生きる意味はないとも思った。
だからせめて、あの人に不老不死になってもらう。あの人に完成した不老不死の薬を託し、配合のメモは燃やして捨てた。あの人が不老不死になったことが人々にばれなければ、彼らはいつものようにあの人を銃で捕えようとする。あの人がこれから不老不死の肉体になることを、人々に知られてはならないのだ。
この研究室が直に特定されつつある状況で、自分が自殺すれば、不老不死の計画は失敗に終わったと見なされ、人々は油断する。
その時になって、自分の夢を叶えてくれれば、とカメオは思った。
そこであの人がみんなを支配して、誰にも負けない不屈の『不老不死』になれば、自分の夢はそれで十分だ。毒薬に削がれる意識の中、カメオはそう思案した。
——————
翌日、世界的な犯罪組織が管理する研究所が見つかり、研究員の遺体が発見された。
出てきたノートには、でたらめな配合表と、不老不死の文字。男は自分が不老不死の薬を完成させたのだと思い込み、毒薬と共にその薬を飲んで事故死したのだと推察した。
無敵の肉体を手に入れたと勘違いし、間抜けにも自分を実験台にして毒薬を飲んだ。毒への耐性は当然なく、自分の飲んだ毒薬であっけなく死んだ。馬鹿げた顛末を辿っただろう研究員を、みんなバカにして笑った。
簡易解説:
不老不死の薬が完成したとバレないようにしたい。研究室で毒薬を飲んで自殺し、{傍目には、本当は不老不死の薬は完成しなかったのに、完成を思いこんで、その効果を試すために毒薬も飲んだために事故死したと勘違い}させようとした。
【解説:】
目の前の毒薬を見つめるカメオ。他の人には一目にわからないかもしれないが、誰よりも薬のことを研究してきたカメオであれば、この配分で毒薬ができることはよく理解している。
自らの研究成果を逆利用して作った毒薬を、カメオは少し残して飲み干した。
幼い頃からずっとずっと、不老不死を実現させるのが夢だった。体が弱く勝負には負けてばかり。そんな自分でも不老不死の薬があったら、アニメのヒーローみたいに誰にも倒せない不屈の人間になれると思ったから。熱心に勉強するカメオを、馬鹿げていると言ってみんなはもっとバカにした。
研究がうまくいけば、もうそんな奴らにも負けることはない。そう思っていたが、それも違った。薬の完成までの過程でできた滋養強壮の薬は、研究仲間に成果を奪われた。自分一人が強くても、みんなによって倒されてしまうのだとカメオは思い知った。
そんなとき、あの人は自分を救ってくれた。人に追われる立場だったあの人は、カメオに理解を示し、自分の研究を肯定してくれた。
カメオは確信した。この人なら、自分を認めない人々を倒してくれる。誰にも倒されない不屈の人間になれる。この人を介してなら、自分は、自分が夢見た「本当の不老不死」になれるのだと。
あの人の支援のもとで、カメオは研究を続けた。そしてついに不老不死の薬を完成させたが、カメオは満足しなかった。これを自分が飲んでも、完全な不老不死にはなれない。自分はいつか、あの人の考えに賛同しない人々に、悪い奴だと言われ捕えられ、彼らに屈して精神は朽ち果てるだろう。カメオは弱い自分に絶望していた。同時に、不老不死の薬を作るという一つの夢を叶えた今、これ以上苦しみながら生きる意味はないとも思った。
だからせめて、あの人に不老不死になってもらう。あの人に完成した不老不死の薬を託し、配合のメモは燃やして捨てた。あの人が不老不死になったことが人々にばれなければ、彼らはいつものようにあの人を銃で捕えようとする。あの人がこれから不老不死の肉体になることを、人々に知られてはならないのだ。
この研究室が直に特定されつつある状況で、自分が自殺すれば、不老不死の計画は失敗に終わったと見なされ、人々は油断する。
その時になって、自分の夢を叶えてくれれば、とカメオは思った。
そこであの人がみんなを支配して、誰にも負けない不屈の『不老不死』になれば、自分の夢はそれで十分だ。毒薬に削がれる意識の中、カメオはそう思案した。
——————
翌日、世界的な犯罪組織が管理する研究所が見つかり、研究員の遺体が発見された。
出てきたノートには、でたらめな配合表と、不老不死の文字。男は自分が不老不死の薬を完成させたのだと思い込み、毒薬と共にその薬を飲んで事故死したのだと推察した。
無敵の肉体を手に入れたと勘違いし、間抜けにも自分を実験台にして毒薬を飲んだ。毒への耐性は当然なく、自分の飲んだ毒薬であっけなく死んだ。馬鹿げた顛末を辿っただろう研究員を、みんなバカにして笑った。
簡易解説:
不老不死の薬が完成したとバレないようにしたい。研究室で毒薬を飲んで自殺し、{傍目には、本当は不老不死の薬は完成しなかったのに、完成を思いこんで、その効果を試すために毒薬も飲んだために事故死したと勘違い}させようとした。
「ハローエコーチェンバー」「3Good」
納得感:3票
カメオはカメコに挨拶をした。
カメコはカメオに挨拶を返した。
カメオはちょっとだけ恥ずかしくなった。
何故?
カメコはカメオに挨拶を返した。
カメオはちょっとだけ恥ずかしくなった。
何故?
23年07月24日 20:59
【ウミガメのスープ】 [ノラクラ]
【ウミガメのスープ】 [ノラクラ]
解説を見る
カメコ「おはよう!」
カメオ「…おはよう」
カメコ「あっ、おはよう!」
カメオはカメコの挨拶に返事の挨拶をした。
しかし返事が返ってきたということは最初の挨拶はカメオに向けたものではなかったのだと気づいたのだった。
カメオ「…おはよう」
カメコ「あっ、おはよう!」
カメオはカメコの挨拶に返事の挨拶をした。
しかし返事が返ってきたということは最初の挨拶はカメオに向けたものではなかったのだと気づいたのだった。
「トリップリップ」「3Good」
物語:2票納得感:1票
曰く、『人と入れ替わることができる口紅』というのは、使用者が自身の唇に付着させた上で任意の相手とキスをすると、その相手と身体を入れ替えられるというもの。
そんな口紅を売る怪しげな路頭商人である私の元に、冥沙という女性がやってきた。
どうしても、と懇願する彼女を前に、渋々私はその口紅を売りつけた。
去り際の彼女にターゲットを尋ねた私は、峰子という名前を聞いた。誰からも愛される天真爛漫な性格が近所で有名だったその名前に聞き覚えがあった私は、彼女を引き留めなかった。
ここで渋々私が売りつけた口紅を使うことを彼女がためらったのは、{峰子につけられていた口紅があまりにも赤々として輝いていた}からだという。
そのことでなぜ、彼女はためらったのだと思う?
そんな口紅を売る怪しげな路頭商人である私の元に、冥沙という女性がやってきた。
どうしても、と懇願する彼女を前に、渋々私はその口紅を売りつけた。
去り際の彼女にターゲットを尋ねた私は、峰子という名前を聞いた。誰からも愛される天真爛漫な性格が近所で有名だったその名前に聞き覚えがあった私は、彼女を引き留めなかった。
ここで渋々私が売りつけた口紅を使うことを彼女がためらったのは、{峰子につけられていた口紅があまりにも赤々として輝いていた}からだという。
そのことでなぜ、彼女はためらったのだと思う?
23年07月26日 23:10
【ウミガメのスープ】 [みさこ]
【ウミガメのスープ】 [みさこ]
解説を見る
【要約】
問題文冒頭で私の元に現れた冥沙は、冥沙と身体を入れ替えられた峰子の精神を持つ。{問題文以前に、冥沙と峰子は入れ替わっていた。}
峰子は元の身体に戻るため、私から口紅を手に入れたが、冥沙が手にした峰子の身体には、口紅が赤々と塗られていた。
すっかり冥沙によって使いならされた峰子の身体に{今更戻ったところで、元の自分の生活が再び手に入るのか}、自ら化粧もしたこともなかった峰子は、元の自分の身体に戻ることをためらった。
【解説】
やっと見つけた、という大声。その声の方を振り向くと、見覚えのある顔が目に入った。
彼女は確か、冥沙という女性。世界を恨むような怒りに満ちた表情を見つけ、{半年前に}口紅を授けてやった女性だ。
そんな彼女が、私を探していたという。何の用かと思えば、『人と入れ替わることができる口紅』を売って欲しいと抜かした。
彼女の要求を、私は突っぱねる。一度口紅を授けた者に、再びそれを売りつけるような真似はしない。それでは面白みに全く欠けるし、彼女を信頼した私がバカだったことになる。
しかし彼女は、どうしても、と食い下がる。鈍感な私でも、ここで漸く判然とした。半年前に見た彼女の顔は、厚化粧に陰険な憎悪を浮かべたものだった。今の彼女は、それを全く裏返した表情をしている。
やはり、私の信頼した彼女は、しっかりとあの口紅を半年前に使用していたのだろう。今この身体にいるのは、冥沙ではない。{半年前に彼女に口付けをされた、どこかの不運な人間}だ。
それでも基本、私の信条に変わりはないのだが、彼女の、いや、本当に『彼女』と呼べる存在かすら分からないが、彼女の気迫に押され、渋々件の口紅を売りつけることにした。これはこれで興味深いことであるから、見逃してやることにする。
興味本位でターゲットを、去り際の彼女に聞いた。彼女は迷いのない表情で素直に、菊池 峰子という名前を明かした。
誰からも愛される天真爛漫な性格が{かつて}近所で有名だったその名前には、聞き覚えがあった。確か峰子は、ついこの間高校に進学したばかりだったはず。{半年前に性格が一変し}、遊びに呆け親とも仲違いを起こした、今や凶暴な反抗期の少女。その変貌ぶりは近所でも有名だ。その真意に、私には判然と合点がいった。
目の前に冥沙という女性。{この女性こそ、誰からも愛される、天真爛漫な菊池 峰子}なのだろう。
起こりうる残酷な未来に笑みを浮かべて期待しつつ、私は彼女を引き留めず見送った。
——————
その後私は、幸運なことにその残酷な未来に立ち会った。
人気のない路地裏。袋小路には、紫煙を奔放に撒き散らす男女集団の姿がある。それを遠くから絶望の表情で見つめる女性こそ、私が先日会った『冥沙』、いや峰子その人だった。
彼女が半年間をどう過ごし、自分の身体の行方をどう追跡したのかは知れないが、元の身体に戻ることへの強い決意だけで動いていたことだけは確かだろう。
そんな峰子が、ずっと渇望した自分の身体を目の前に、絶望している。
私はこんな風説を耳にした。豹変する前の菊池 峰子は、まっすぐ真面目に生きてきた可憐な少女であり、自分で化粧もしたことがない子だという。
そんな彼女が、自分の唇に赤々と塗られた口紅の厚化粧を目の前にしている。高校生には不恰好な厚化粧は、もはや『冥沙』の精神によって散々にその身体が使いならされていることの決定的な証左に映る。
半年の年月で、無責任にも変貌してしまった『自分』の境遇を前に、峰子はその『人と入れ替わることができる口紅』を使用することを深くためらったのだ。
冥沙によって突然奪われたであろう自分の身体を必死に求めた半年間。それを、身体を元に戻すだけで結実させることはできるのか。目の前で男女混じりにはしたない光景を体現する自分の身体に、{今更戻ったところで、自分が取り戻したかった『自分』は戻ってくるのか。}
「それでも、私は…。」
小さくも確かに呟かれた声を聞いて、私は不満を感じながらもその場を立ち去った。
問題文冒頭で私の元に現れた冥沙は、冥沙と身体を入れ替えられた峰子の精神を持つ。{問題文以前に、冥沙と峰子は入れ替わっていた。}
峰子は元の身体に戻るため、私から口紅を手に入れたが、冥沙が手にした峰子の身体には、口紅が赤々と塗られていた。
すっかり冥沙によって使いならされた峰子の身体に{今更戻ったところで、元の自分の生活が再び手に入るのか}、自ら化粧もしたこともなかった峰子は、元の自分の身体に戻ることをためらった。
【解説】
やっと見つけた、という大声。その声の方を振り向くと、見覚えのある顔が目に入った。
彼女は確か、冥沙という女性。世界を恨むような怒りに満ちた表情を見つけ、{半年前に}口紅を授けてやった女性だ。
そんな彼女が、私を探していたという。何の用かと思えば、『人と入れ替わることができる口紅』を売って欲しいと抜かした。
彼女の要求を、私は突っぱねる。一度口紅を授けた者に、再びそれを売りつけるような真似はしない。それでは面白みに全く欠けるし、彼女を信頼した私がバカだったことになる。
しかし彼女は、どうしても、と食い下がる。鈍感な私でも、ここで漸く判然とした。半年前に見た彼女の顔は、厚化粧に陰険な憎悪を浮かべたものだった。今の彼女は、それを全く裏返した表情をしている。
やはり、私の信頼した彼女は、しっかりとあの口紅を半年前に使用していたのだろう。今この身体にいるのは、冥沙ではない。{半年前に彼女に口付けをされた、どこかの不運な人間}だ。
それでも基本、私の信条に変わりはないのだが、彼女の、いや、本当に『彼女』と呼べる存在かすら分からないが、彼女の気迫に押され、渋々件の口紅を売りつけることにした。これはこれで興味深いことであるから、見逃してやることにする。
興味本位でターゲットを、去り際の彼女に聞いた。彼女は迷いのない表情で素直に、菊池 峰子という名前を明かした。
誰からも愛される天真爛漫な性格が{かつて}近所で有名だったその名前には、聞き覚えがあった。確か峰子は、ついこの間高校に進学したばかりだったはず。{半年前に性格が一変し}、遊びに呆け親とも仲違いを起こした、今や凶暴な反抗期の少女。その変貌ぶりは近所でも有名だ。その真意に、私には判然と合点がいった。
目の前に冥沙という女性。{この女性こそ、誰からも愛される、天真爛漫な菊池 峰子}なのだろう。
起こりうる残酷な未来に笑みを浮かべて期待しつつ、私は彼女を引き留めず見送った。
——————
その後私は、幸運なことにその残酷な未来に立ち会った。
人気のない路地裏。袋小路には、紫煙を奔放に撒き散らす男女集団の姿がある。それを遠くから絶望の表情で見つめる女性こそ、私が先日会った『冥沙』、いや峰子その人だった。
彼女が半年間をどう過ごし、自分の身体の行方をどう追跡したのかは知れないが、元の身体に戻ることへの強い決意だけで動いていたことだけは確かだろう。
そんな峰子が、ずっと渇望した自分の身体を目の前に、絶望している。
私はこんな風説を耳にした。豹変する前の菊池 峰子は、まっすぐ真面目に生きてきた可憐な少女であり、自分で化粧もしたことがない子だという。
そんな彼女が、自分の唇に赤々と塗られた口紅の厚化粧を目の前にしている。高校生には不恰好な厚化粧は、もはや『冥沙』の精神によって散々にその身体が使いならされていることの決定的な証左に映る。
半年の年月で、無責任にも変貌してしまった『自分』の境遇を前に、峰子はその『人と入れ替わることができる口紅』を使用することを深くためらったのだ。
冥沙によって突然奪われたであろう自分の身体を必死に求めた半年間。それを、身体を元に戻すだけで結実させることはできるのか。目の前で男女混じりにはしたない光景を体現する自分の身体に、{今更戻ったところで、自分が取り戻したかった『自分』は戻ってくるのか。}
「それでも、私は…。」
小さくも確かに呟かれた声を聞いて、私は不満を感じながらもその場を立ち去った。