みんなのGood

トリック:10票納得感:1票
田中家のとある朝のワンシーン。

ちゃぶ台を挟んで向かい合っているピロシとポタ郎は実の親子の関係ではない。

血の繋がりはないがポタ郎はピロシのことを本当の父親だと思うように努力している。

そしてその日初めてポタ郎はピロシのことをお父さんと呼んだ。

「お、お父さん。ご飯食べてる時くらい新聞読むのやめたら?」

そう言われたピロシは新聞に書いてあることをそのまま朗読し始めた。

一体なぜ?
22年02月10日 16:39
【ウミガメのスープ】 [ダニー]

2/14の23時に締めるのでチョコレートください(´・_・`)




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ドラマ「田中家の風景」のクランクイン。

最初の撮影は田中家のとある朝のワンシーン。

父親役の広島ピロシと息子役の帆立ポタ郎が朝から喧嘩するシーンである。

ポタ郎は役に入り込むため、ピロシのことを本当の父親だと思うように息子役に感情移入している。

一方のピロシはセリフさえ覚えてきてないダメ俳優である。

そしてその日初めてのドラマ内でのセリフ。

「お、お父さん。ご飯食べてる時くらい新聞読むのやめたら?」
昔気質で厳しい父親に緊張しながら注意するシーン。

「まだ新聞読んでるでしょうが!」
ピロシはセリフを覚えてきてないので新聞紙に直接書き込んだカンペを読んで対応した。

それくらいは覚えよう。
むぎのゆりかご「11Good」
良質:3票物語:7票納得感:1票
ミズエは自分で揺らした買い物カゴの中で転がるビールの缶を見ると、
つい手に取っていたビスケットを棚に戻した。一体なぜ?
22年02月26日 20:47
【ウミガメのスープ】 [春雨]



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◆簡易まとめ◆
ベビーカーを揺すって息子をあやす癖で買い物カートを前後に動かしてしまったミズエは
カゴの中で転がるビールの缶を見て「もう息子は亡くなったのだ」と改めて実感し、
いつものように手に取った息子のおやつのビスケットをそっと棚に戻した。


--

『…… xx日xx時xx分頃、xx市xx区の県道でベビーカーを押しながら横断歩道を歩いていたxx歳の主婦が減速しないまま進行してきた乗用車に撥ねられた。この事故でベビーカーに乗っていたx歳の幼児がx時間後に死亡。幼児の母にあたる主婦も軽傷を負った。xx県警xx署の調べによると ……』

--


痛ましい事故から少し経った後、ミズエの怪我は回復したが心の傷は癒えないままだった。迫る軽自動車、信号機、横断歩道、ベビーカー……。あの日のあの瞬間のあの光景が目に焼き付いたまま、毎日眠れぬ夜を過ごすミズエは久しぶりにお酒でも飲もうかと小雨のそぼ降る中、傘もささずにスーパーマーケットへと向かった。
子育てに必死だった日々、ビールを飲む余裕も無かった日々を、全て忘れ去ってしまいたい気持ちで手に取った缶は買い物カゴのすみに大人しくおさまっていた。

(今日の晩御飯は何にしようかな……。簡単に作れるものが良いかな……)

ぼうっと考え事をしながらも、通いなれたスーパーでは歩みを緩めることもなく、いつも通りにお菓子コーナーの一角で、息子のおやつのビスケットを手に取った……。



ころん――



ふと買い物カゴに目を落とすと先ほどのビール缶が前後に揺られていた。その時、無意識に息子をあやすためベビーカーのように買い物カートを前後に揺すっていたことを自覚した。

ああ、これはベビーカーではないのだ、息子はもういないのだ

と無機質な銀色の缶に改めて突きつけられた思いがして、手に取ったおやつをそっと、棚に戻したのだった。

(やっぱり、元気が出るご飯にしよう)


外に出れば、雨はあがっていた。
まだまだ晴れ間は見えないけれど曇ったままでも進んでいこう。
ミズエはそう思った。
刑事たちの夏「11Good」
良質:3票トリック:6票納得感:2票
容疑者・八咫烏亀夫の自供が取れぬまま、取り調べ室は勾留期間の最終日を迎えた。
担当刑事・曼珠沙華海子の顔にも焦りの色が見える…
「…そろそろ楽になりましょうよ。八咫烏さん。ね。…もう一度聞くわ。あなたがやったんでしょ?」
すると亀夫はニヤリと笑い、
「…ああ、そうだよ、刑事さん。俺がやったんだ」
曼珠沙華刑事はフウッと息を吐いた。
とうとう落ちた。
捜査員全員の苦労がこれでやっと報われる…
と安堵したのも束の間、このあと曼珠沙華は亀夫の胸ぐらを掴み「警察ナメんじゃねえぞ!てめぇ!」と怒鳴ることになるのである。

いったい何があったのか?
22年06月16日 22:27
【ウミガメのスープ】 [きまぐれ夫人]

吐け!吐くんだじょ〜




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八咫烏亀夫は続けて言ったのだ。
「俺、苗字が八咫烏だろ?だから友達がみんな『ヤッたん』てあだ名で呼ぶん…だ、ぼ、暴力反対、お巡りさ〜ん…お、俺がやりまし、た…ぐえっ」
SCARLET ROT「11Good」
トリック:4票物語:4票納得感:3票
甘い香りを放つ「ラテハーブ」と呼ばれる赤い草は、
今やウミガメ国の一般家庭で見られる、メジャーなハーブの一種である。

そんなラテハーブブームの真っ只中、
カメコはカメオの元を訪れていた。

久しぶりに再会したカメオは、かなり痩せており、
ひと目で病気であることがわかるほどに顔色も悪い。

カメコは彼を元気づけようと「ラテハーブ」の包みを持ってきた。

彼女の記憶が確かなら、
彼は自分と同じく、このハーブが大好きなはずだ。

「…ああ、それはラテハーブ…。」

彼は鼻先に差し出された包みに顔を近づけると、眉をひそめて言葉を続けた。

「いつ嗅いでも嫌な香りだ…果実が腐ったような甘い香り…。
 そうだよ…。俺は昔からずっとラテハーブの香りが大嫌いだったんだ。」

・・・

さて、カメコが『カメオはラテハーブが大好きだ』
と誤解していたのは、一体なぜ?
22年06月29日 22:00
【ウミガメのスープ】 [るょ]



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ウミガメ国では麻薬密売の横行により、
今や一般家庭にまで、麻薬というものが浸透しつつある。

元刑事・カメオといえば、
かつて麻薬を憎み、取り締まりに心血を注いでいた熱血刑事である。

彼が今や、麻薬中毒者に成り果てている…。
真偽を確かめるべく、我々は抜き打ちで彼の家宅捜索に向かう。

捜査にあたったのは、彼の意志を継ぐ後輩の私と、
彼の元相棒・カメコ。

「元相棒を逮捕させるのは心苦しいが、
 お前より優秀な麻薬探知犬がいないんだ。」

・・・

当日。

数人の警察官でカメオ宅を訪れ、彼を抑えている間に、
カメコに麻薬の匂いを探知させる。

その甘い香りを頼りに、
彼の荷物からあっさりと麻薬の包みを見つけ出した彼女は、
私が制止するより早く、急いで包みを彼の元へ咥えて走っていった。

…嬉しそうに、尻尾をブンブンと振り回しながら。

麻薬を見つけてカメオに報告すれば、
彼も嬉しそうに笑い、自分を褒めてくれる。

彼女にとっては、その程度の認識だったのだろう。

・・・

大粒の涙を流しながら、カメオは言った。

「いつ嗅いでも嫌な香りだ…果実が腐ったような甘い香り…。
 そうだよ…。俺は昔からずっとラテハーブの香りが大嫌いだったんだ。」

…それなのに、いつから道を間違えたんだろうな。
そう独白しながら、カメコの頭を撫でるカメオ。


事情を知っている周りの警察官は、
何も言えず、黙ってその光景を見守っていた。



【答え:】
かつて、麻薬探知犬であるカメコのパートナーだったカメオ。

ラテハーブを見つけるといつも彼に褒めてもらえる。
そして、彼もいつも嬉しそうに笑ってくれる。
きっと彼も、自分と同じでラテハーブの香りが好きなのだろう。
彼女はそう思っていたのだった。
(問題文の詳細な状況は長い解説参照)
いたづらないたずら「11Good」
良質:3票物語:8票
「20歳の誕生日おめでとう!!」
そういって娘の誕生日をお祝いする母親を見ながら、15歳の娘はそっと涙を流した。
一体どういう状況だろうか?

{※この問題には二つの解答が存在しますので、両方の解答を当てて下さい。}
それぞれを「Yes/Yes良質」や「Yes 良質!/No関係ありません」などとスラッシュ(/)で分けて解答します。
22年09月18日 21:43
【ウミガメのスープ】 [ベルン]

母親はボケていません




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【簡易解説】
解1 
余命数ヶ月の母親が、こっそりと20歳の誕生日をお祝いするビデオレターを作った。
その様子を見てしまった娘は、母親の死後が近いことを悟ってそっと涙を流した

解2
幼い頃に母親を亡くした娘。
娘は毎年誕生日の時に、母親が生前とっていたビデオレターを流していた。
しかし病気により15歳の娘も余命あとわずかとなってしまった。
もう残された時間は少ないと感じた娘は、母親のビデオレターの残りを見ることにした。


【物語風解説】

ケイコは、夫と、一人娘のショウコと幸せに暮らしていた。

しかしショウコが中学二年生になった頃、ケイコは最近身体が異常にだるいため病院に行ってみると、不治の病にかかっており、余命1年と診断された。
あまりにも突然の余命宣告に実感が湧かないまま帰宅したケイコ。
夫に相談したところ驚き、なぐさめられ、ショウコにはとりあえず余命1年ということは言わないと決めた。
しかし、日に日に自分がもうすぐ死んでしまうということがいかに怖く実感を伴ってくるようになり、ケイコはみるみるうちに元気がなくなり、娘にも心配され始めた。
「お母さん、大丈夫? 病院どうだったの?」
「…うん、大丈夫だよ、 ちょっとお仕事とか頑張りすぎたみたい。でもすぐに良くなるから」
「それ大丈夫じゃないじゃん。 ちゃんと休んで元気になってね」
「うん…」
そういって娘が愛おしくなり、溢れ出る涙を見られないように、ケイコはショウコをぎゅっと抱きしめた。
「やめてよ~ 小学生じゃないんだから!」
「…いいじゃん、たまには」

そんな日々の中、どうも母親が最近元気がなくて涙もろくなっていることをショウコは薄々気付き始めていた。

そして半年が経つ。
自分の死を受け入れ始めてきたケイコは、娘に向けてビデオレターを作ることに。
毎年娘の誕生日が来たらこのメッセージを流してもらうよう、夫に頼んでおいた。
「ショウコちゃん、16歳の誕生日おめでとう! 早いものでもう高校生ですね。


何度も泣きそうになってしまい、何度も撮り直した。
お祝いなんだから、ずっと笑顔のままでいようとしても、どうしても感極まってしまう。
10回ほど撮り直し、やっと16歳の誕生日を祝うことが出来た。

そんな調子である日の深夜、ショウコが寝た後、ケイコは20歳のビデオレターを作製した。
「ショウコちゃん、20歳の誕生日おめでとう! 
成人となったショウコちゃんはきっと綺麗で優しくて、とてもよい子のままでいるとお母さんは確信しています。 
今は大学生ですか?それとももう就職してますか?それとも…
…」
このとき、ショウコはトイレに起きていた。
そこで母親の部屋から声が聞こえるので少し覗いてみたところ、20歳の私を祝うビデオレターを撮っている姿を目撃してしまった。

お母さん…

お母さんがもうすぐ死んでしまうのだと娘の目から涙が流れおちた。
そしてそっと扉を閉め、トイレに行くのも忘れ布団に潜り、一晩中泣き続けた。










…時は流れ、ショウコは大人になり、結婚して娘をもうけた。
どんなことがあっても未来に向かって生きていて欲しい、そう願いを込めて娘にミライと名付けた。
そんな名前の通り、ミライはすくすくと元気に育っていった。

しかしミライが4歳の頃、ショウコもケイコと同じ病気にかかってしまった。遺伝的な要素も強く、いまだに治療法は確立されていない病気で同じく余命1年、とのこと。
母親とほぼ同じ状況に悲しむショウコだが、いつまでもくよくよしてはいられないと、よりいっそう娘や夫といった家族との時間を大切にした。
幸いと言っていいのかは分からないが、ミライもまだ4歳、母親がもうすぐ死んでしまうとは一切思っていない様子で、それはショウコをひどく安心させた。

そして、体が完全に動かなくなる前にと、自らも母親がしてくれた誕生日のビデオレターを作製することに。
「ミライちゃん、6歳の誕生日おめでとう! …」
やはりどうしても泣きそうになってしまう。
普段は元気でいられるふりをできているのに。
それでも笑顔を忘れないように、ミライに向けて何度も撮り直し、20歳までのビデオレターを作り終えた。

そしてショウコは32歳の生涯の幕を閉じた。
ただ、5歳のミライにとってはまだあまり実感が湧かない。
テンゴクという二度と会えないところに行ってしまったらしい。
「おかーさんはどこいっちゃったの?」
「お母さんは、遠くのところへいっちゃったの。だから、きっといつか会えるよ」
「え!そうなの?いつ?」
「…いつかはわからないけど、きっといつか。未来だよ。」
「…ミライ?」
「うん、ミライ。」
「そっか、ミライか。」
5歳にして父親が嘘をついており、自分を安心させるためだと心のどこかで分かっていたのか、ミライはそれ以上は何も聞くことはしなかった。

そうして母親がいなくなった悲しみを乗り越え、元気に大きくなっていったミライ。
ショウコの遺伝子を継いだのか、とても優しくて美人に育っていった。

が、ミライが中学二年生になった頃。
ミライも母親のショウコ、そして祖母のケイコと同じ病気にかかってしまった。
医師から告げられた余命1年という言葉を受け、中学校にも行かずずっと部屋にこもって泣いた。
そして三日三晩泣き続けたあと、部屋から出てきたミライはこう父親に告げた。
「私、残りの1年、精一杯楽しんで生きるから。」
反抗期まっただ中の娘からそのような言葉をかけられ、驚く父親。
「…あ、あぁ。」
「だから、この1年は色々なやりたいことをさしてね」
「もちろん! お前の好きなように楽しんでやれよ。 お前の人生はお前のものだ。」
「言われなくても分かってます~」
すっかり元気になったように見える娘が、いやに大人びて見えて、枯れたと思っていた涙が再び溢れそうになった。
「…じゃあとりあえず明日はお父さん仕事休むし、行きたがってた海にでも行くか!」
「うん、たまにはドライブもいいね。」

そうして1年近くが経ち、精一杯楽しみ尽くして迎えた15歳の誕生日。
病室のベッドで毎年恒例、母親のビデオレターを見ているミライ。
『ミライちゃん、15歳の誕生日おめでとう!
ついに中学三年生ですね。
高校はどこに行くか決まったかな?
受験勉強してるかな…?
いや、きっとミライちゃんのことだから誰にも言われなくとも勉強頑張っていると思います、だから受験勉強もほどほどに残りの中学生活を楽しむんだ!
ふふふ、そんなこと言われなくても楽しんでいるでしょう。
中学ではどんなことがあったのかな、お母さんいつもミライちゃんのこと見てるけど、それでも教えてくれると嬉しいな。
これから悲しいこと、辛いこともあるかもしれないけど、ミライちゃんならきっと上手く乗り越えていけると信じています。
どうぞ、これからもお元気で、また来年会いましょう。
改めて15歳のお誕生日おめでとう!』

残りの中学生活どころか人生が終わりそうになっているのに、何て母親は暢気なことをいっているんだろう。
高校なんて行けるはずがない。
ましてや受験勉強なんてしていないよ。

でも、こんな母親の動画が心に深く刺さる。
今までは毎年聴けると思っていた母親のビデオレター、今年で最後になってしまう。

…だから、ミライは父に頼んだ。
「もうすぐ私も死んじゃうから、残りのビデオレター、毎日一つずつ見せて」
「…でも…」
「ううん、もう覚悟は出来てるって言ったじゃない。あと長くて数週間で私の命は終わるの」
「そんな終わる終わるって言わない!」
「…ごめん、でもやっぱりお母さんの姿を少しでも見ておきたいの。」
「…分かった。明日から一緒に見ような。」
「ありがとう」



五日後。
毎日恒例となってきたお母さんのビデオレター鑑賞。
あれからますます元気がなくなり、体もほとんど動かなくなってしまった。
それでも、ビデオレターの時間になると目を輝かせ、ぎこちなく笑顔を見せている。
「じゃあ、いくよ。 これでお父さんが持っている最後のビデオレターだよ。」
「…うん、」

『ミライちゃん、20歳の誕生日おめでとう!
遂に成人!
早いね~~
きっととっても優しい美人さんになっているでしょう。
今頃は大学生かな?
それとももう働いているかな?
ミライちゃんが輝かしい生活を送っていると信じていますし、天国からお母さんも見ています。

二十歳ということで、これでビデオレターは最後です。
なので、ちょっとだけ昔話をさせてね。

小さかった頃のミライちゃんはとてもよい子で物分かりがよくて、人の気持ちをよく分かって行動できていたの。
これは大人になったミライちゃんにも言えることだけど、本当に優しい子なのだな、と感じています。
だから、ミライちゃんなら大丈夫だろうけど、これからもずっとその優しさを忘れずに生きて欲しいです。

さて、これから色々なことがあると思うけど、いつのまにかミライちゃんは立派な大人です。
ミライ、という名前の通り、精一杯、これからの未来を、人生を楽しんで下さい。

そしてミライちゃんが人生を終えて、いつかお母さんのところに来たときにはいっっぱいミライちゃんのお話を聞かせて欲しいな。楽しかったこと、嬉しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと、なんでもいいです。
…恋の話なんかも聞きたいな。

ミライちゃんを産むことが出来て、ここまで大きく育ってくれて、お母さんは本当に幸せです。

本当にありがとう。』