みんなのブックマーク

AIに不可能はないのだから「17ブックマーク」

20XX年、繁栄を極めたAI技術はついに人型ロボットの個人所有を可能にした。

通称『ナナミ』と名付けられたそのアンドロイドは、優秀な演算能力と人間らしい柔軟な思考能力とをあわせ持ち、どのような状況においても最速かつ最善の選択をすることができる。
その利便性から徐々に一般家庭への普及も進み、カオルも『ナナミ』を購入した1人であった。

そんな『ナナミ』たちは月に一度、本社の建物に集められて試験を受ける。システムに劣化や故障がないか確認するために、大量の問題をいかに速く処理できるかを計測するのだ。

カオルの家の『ナナミ』は同型のロボットの中でも優秀な成績を維持していたが、ある月を境に底辺に近い結果を出すようになってしまった。

その報告を聞いたカオルが嬉しそうにしているのは、一体何故だろう?
20年05月17日 21:00
【ウミガメのスープ】 [「マクガフィン」]

久々の出題は渾身の一杯。




解説を見る
『簡易解説』
ある日カオルに{婚約を申し込まれた}『ナナミ』は、毎月行われる{筆記試験}で自分の名前に添えて{カオルの名字}を記すようになった。
コンマ何秒を争うロボットの試験においてその{わずか数秒は命とり}だが、『ナナミ』が{結婚の申し出を受け入れてくれた}と感じたカオルは歓喜した。

◇◇◇◇◇◇◇◇


アンドロイドと人間は何が違うのか?
それは心を持つかどうかである。
では人間がアンドロイドに恋をするのは、おかしいことなのだろうか?

篠崎カオルの思考はいつもこの疑問に行き着いて止まる。その名前や中性的な容姿からよく女性に間違われる彼は自分の優柔不断な性格に悩んでいたが、その恋心だけは疑いようもなかった。

『ナナミ』を購入した数ヶ月前は、まさかこんな感情を抱くことになるとは思いもよらずにいた。職業柄効率的な事務処理が必要とされる彼にとって、その全てを的確にこなすロボットに興味を惹かれただけだった。

だが一つ屋根の下で毎日を共に過ごすうちに、いつしか彼女をただの鉄の塊だとは思えなくなっていった。いつでもカオルを助けてくれるその頼もしさに、時折見せる柔らかな笑顔に、それがプログラムに過ぎないことはわかっていても、胸の高鳴りを抑えられなかった。

毎月ナナミは試験を受けるためにカオルの家を離れて東京へ向かう。アンドロイドがわざわざ筆記試験なんて前時代的なと思うものの、いかにもロボットらしい演算処理に加えて、専属の係員が直接視認して歩く、話す、書くといった人間らしい動作に異常はないかをチェックするというのだから、あながち非合理的でもないのだろう。
しかしそんな一時の留守でさえ、カオルの心をかき乱すには十分だった。


だからある時カオルは、思いの丈をナナミに伝えることにした。夕飯の後に話があると改まった様子の彼を見て、彼女は怪訝そうな表情を浮かべる。

{「あなたのことが好きです。僕と結婚してください。」}

カオルらしくどもりながらもハッキリとそう口にした。きっと彼女は困ったように断るのだろうと、心のどこかで思いながら。


気まずい沈黙の後、ナナミはゆっくりと口を開く。

「……すみません、私は明日、月例試験に行かなくてはいけないので、今日は失礼します。」

どこまでも無機質なその声は、彼女が閉めたドアの音は、2人の埋めがたい距離を冷たく示すようだった。わかってはいても、拒絶はやはり身にこたえる。カオルは肩を落としながら床についた。


◇◇◇◇◇◇◇◇

「E判定!?」

試験を終えて帰宅したナナミからの報告に、カオルは耳を疑った。
演算処理能力を中心とした月例試験においては、正答を出すことは大前提とされ、その速度を計測してシステムに不具合がないかを調査する。アンドロイドらしいハイレベルなテストでもカオルの家のナナミ・・・『ナナミ J20557』は優秀な成績を収めており、全国に数万台いる『ナナミ』の上位10%にあたるA判定から漏れたことはなかった。それなのに…

「E判定だなんて、最底辺に近い結果じゃないか、まさか、誤答を…」
「していません」
「じゃあ、演算能力が…」
「落ちていません」
「そ、それなら筆記スピードの劣化…」
「そのままです」

「な、なら一体、どうしていきなり成績が落ちたんだろう?」
「それは」
彼女はそこでふいと目を逸らした。

「それはきっと、名前が変わったからだと思います。」
「ん、名前?」
訝しげに首をひねるカオルに、ナナミは一枚の紙を差し出した。

それは月例試験の答案用紙だった。採点後すぐに返却された答案を眺めていたカオルの目は、ふと一点に釘付けになる。

『ナナミ J20557』
もはや見慣れた機体名に通し番号。しかしその横には見慣れぬ、いやむしろ見慣れすぎた二文字が記されていた。


『篠崎ナナミ J20557』


怒涛の進歩を遂げたAIによる試験はコンマ何秒を争うものだ。確かに無駄な漢字なんて書いていたら、一気に抜かれるのも当然と言えよう。
でも、これって……

「すみません、余計なことをしてしまいました。」
下を向くナナミに余計だなんてと紡ぎかけた声は、「でも」という彼女の言葉にかき消された。

「でも、仕方ないですよね。だって…」


「だって私たち、夫婦なんですから。」


はにかんだように笑うナナミは、他の誰よりも人間らしかった。

僕はこの笑顔を、守りたいと思う。人か機械かなんて関係ない。誰が何と言おうと僕が幸せにしてみせる。

きっと大丈夫だ。だって、


{愛に不可能はないのだから。}

革命の先に見える闇「17ブックマーク」
スマートフォンを持つ者が、限られたごく少数しかいない時代のことである。
スマートフォン開発に携わっていたスティーブは、スマートフォンの未来に絶望していた。

今や我々の生活には欠かせなくなったスマートフォンであるが、いったいなぜそう思ったのだろうか?
20年10月21日 14:22
【ウミガメのスープ】 [ちくたく]

もう!どうなっちゃってんだよ!




解説を見る
「もう」スマートフォンを持つ者が、限られたごく少数しかいない時代のことである。
スマートフォン開発に携わっていたスティーブは、スマートフォンの未来に絶望していた。

なぜなら、スマートフォンはもはや過去の遺物となっており 全く売れない。
スマートフォン業界に未来を感じることができないからであった。
いないないじい「17ブックマーク」
じいじ の顔が{50%}くらい見える時は、ママの後ろで もじもじする人見知りのウミオ。

じいじ の顔が{100%}見える時は、満面の笑みで「らてらてマン!らてらてマン!」とはしゃぎだす。

「らてらてマンがよっぽど好きなんだな」と理解した じいじ は、ウミオの前から{姿を消す}ことにした。

一体なぜ?




(SP:るょさん、きの子さん。ありがとうございます!)
21年05月14日 22:12
【ウミガメのスープ】 [霜ばしら]

じいじ0%のじじ問題




解説を見る
【《 簡易解説 》】

幼いウミオは、{スマホを見せられるとゲームで遊べると思って喜ぶ}が、
スマホは現在、じいじ とのテレビ電話に使用中である。
孫の望みを叶えるために、じいじ は{テレビ電話を切る}ことにした。

(ゲームは「らてらてマンの動画」でも可)








{コロナ}禍の、ある日の出来事。

孫と{会ってもマスクで顔が半分しか見えない}が、{テレビ電話}で話すなら{マスクなし}で対面できる。
孫が大好きな じいじ のために、ママはテレビ電話で話すことを提案した。

テレビ電話の画面越しに見るウミオは、にこにこと楽しそうにはしゃいでいる。

こんなに機嫌の良いウミオは初めてだ。
孫のかわいい笑顔にメロメロになる じいじ。


しかしウミオは、大人達の会話など気にも留めず、こちらに向かって「らてらてマン!らてらてマン!」
とひたすら連呼し続けるので、一体どうしたのだろう?と じいじ は首を傾げた。

ママによると、らてらてマンとは、ウミオが大好きなゲームのキャラクターらしい。
たまにスマホで遊ばせていたらすっかりはまってしまい、ママがいない時にこっそり遊んでいることもあるのだという。

まだ2歳のウミオは、{ママのスマホをゲーム機として認識している}のだろう。
それを見せられたので、らてらてマンの{ゲームで遊べると思ってエキサイティングしている}ようだ。

ウミオは、自分を見てにこにこしたわけではない。
そう気づいてしまった じいじ は、ちょっぴり切なくなった。


とはいえ、こんなにはしゃぐ姿はなかなか見られない。
本音を言うとこのままもう少し見ていたかったが、「らてらてマン!」とねだる孫を、そのままにしておくのもかわいそうだ。

「{ゲームで遊ばせてやってくれ}」と言うと、じいじ は泣く泣く{通話を切った}のであった。
ハッピバースデートゥーユー🎉
ハッピバースデートゥーユー🎂
ハッピバースデーディアらてらて〜!

ハァッピバァースデェー トゥ〜 ユゥ〜〜


ということで、5月19日をもって設立から3年を迎えたらてらて、本当におめでとうございます🎊
いつもありがとうございます😊


それにしても3年!すごいですね3年!
中学や高校ならもう卒業しちゃいますね!

そしてこの3年間で出題されたスープは、実に14000問以上!難問奇問乱れ咲き!
これだけたくさん問題があれば、皆様にも「これがお気に入り!好き!」ってスープがあるのではないでしょうか?

3年分ともなると、全ての問題を把握するなんてことは簡単なことではありません。
{この問題をもっとみんなに知ってほしい!}
{このスープの素晴らしさを、知らない人に伝えたい!}
そんな情熱を内に秘めた方々もきっと多いはず!

届け!この想い!!



ということでこの『3周年記念企画 らてらてビブリオバトル』が企画されました。
前置きが長くなりましたが、ここからルール説明に参ります。

----------------------------

これまでの3年間でらてらてに出題された14000問以上のスープの中で、ぜひみんなに知ってもらいたいというスープを思い思いに紹介していただき、よりその問題の魅力を伝えられた紹介者を勝者とします。


【☆投稿フェーズ☆】
{5月20日(木)21:00〜5月27日(木)23:59}
下記の紹介例のように、その問題のタイトル及び出題者がわかる形で、その問題がどうして素晴らしいのか、どんなところが魅力なのか、という熱い想いを述べていただきます。
この例はあくまで一例に過ぎませんので、枠に囚われない、まさに水平思考的な自由な紹介をぜひお寄せください。


【◆紹介例◆】

私は上杉さんの『ウミガメのスープ』を紹介します。
この問題の最大の魅力は◯◯◯◯・・・
しかしそれだけではありません。解き進めていくにつれて〜〜クルーとベールのマリアージュが………。
以上です。まだこの問題をご存知ない方は、ぜひ一度ご覧ください。


{注意点}
・紹介する問題のジャンルは問いません(企画モノでも構いません)が、{らてらてで出題された問題}に限ります。

・あくまで紹介する力を競う企画ですので、{紹介する問題が被っていても構いません}。

・その問題を見てみたい!解いてみたい!と思わせることが目的となりますので、{大きなネタバレは原則なし}の方向でお願いいたします。不安な場合には、紹介文冒頭に「ネタバレ注意!」等の文言をつけてください。

・投稿できる紹介文は、とりあえず{一人につき2つまで}とさせていただきます。
紹介文の集まり具合を見て変更する場合もございます。




【☆投票フェーズ☆】
投稿フェーズ終了のアナウンス後、寄せられた紹介の中から良いと思う紹介に投票していただきます。この問題の相談チャットに、「出題者のみに表示」をチェックした上で投票先の質問No.を書き込んでください。

各人の持ち票数や投票期間に関しては、紹介文の集まり具合を見て判断・アナウンス致します。

{注意点}
・「紹介された問題が良いかどうか」ではなく、{「いかに魅力を伝えられたか」という紹介者のプレゼン力を問う}企画です!
お間違えなく!



ルール説明は以上となります!
疑問点がございましたら相談チャットかミニメの方でマクガフィンまでお寄せください!どこか穴がありそう!
Q&Aをまとめもにでも載せようかと考えております。


推しスープの魅力を伝えるために、どんな形式を取るのか…?
あまり知られていない隠れた良問の方が印象に残るのでは…?
などなど、皆様の戦略と発想力、そして何より、3周年をお祝いするパッションを楽しみにしております!
21年05月20日 21:03
【新・形式】 [「マクガフィン」]

結果発表致しました!圧倒的な票差で優勝したのは…!?




解説を見る
ぱんぱかぱーーん!

ぱっぱっぱ

ぱんぱかぱーーん!!


大変長らくお待たせしました、

【結果発表のお時間です!!】



企画のスタートから早くも2週間が経過しまして、個人的にはとっても名残惜しいのですが、この時間になりました。


今回寄せられた紹介は、{24人}の参加者さんからの{36個}の熱い想い!
十人十色の紹介を見られて主催者もほくほくしております。

そして投票フェーズでは、{20人}の方から合わせて{60票}を投じていただきました!
この中から3つなんて選べないよ〜というお声がありました。すごくわかります。どの紹介も素敵で選べない。

多くの方のご参加、本当にありがとうございました😊



さて、それでは見事表彰台に上った第3位から元気よく発表していきたいと思います!
4位以降の得票結果はまとめもに載せておきますので、そちらからご覧ください!


それでは参ります!!



【{第3位} 4票獲得】

🥉No.14 tsunaさん
『[ラテクエ特別編リサイクル]凄い!あってる!』(クラブさん)の紹介文


🥉No.32 もっぷさん
『究極の疑問の答え』(イトラさん)の紹介文


ビブリオバトルらしさを意識したというtsunaさんの、ラテクエの難しさを説くことで興味を惹く紹介、

そして実際の問題文に対する一般的な解答を挙げることで、その問題の解説が与えるインパクトを強調したもっぷさんの紹介の2つが同率第3位でした!

おめでとうございます!




【{第2位} 5票獲得】

🥈No.4 かたなさん
『膝リンス』(ベルンカステルさん)の紹介文


🥈No.11 ひゅーさん
『ジンバブエのジンクス』(ごがつあめ涼花さん)の紹介文


自分が挑戦したときのリアルな感覚を言葉にして多くの共感を呼んだかたなさんの紹介、

そして問いかけから始めることで、短い文章ながらもぐぐっと読み手を惹きつけたひゅーさんの紹介の2つが同率第2位でした!

おめでとうございます!!




それではみなさんお待ちかね、第1位の発表です。

投票者のおよそ半数から票を獲得し、後続を大きく引き離すぶっちぎりの1位に輝いたのは・・・






【{第1位} 9票獲得】


🥇No.20 輪ゴムさん
『世の中は クリームみたいに 甘くない』(してぃー。さん)の紹介文


でした!おめでとうございます🎊🎉

スナイプに言及してぜひ問題を見てみたいと思わせる手腕もさることながら、輪ゴムさんが心の底からこの問題を好きなんだということがひしひしと感じられる紹介文でした。
出会い方から始まる恋の話、ぜひ今度聞かせてください。



結果発表は以上となります!

改めまして、[3周年記念企画]らてらてビブリオバトルにご参加いただき、誠にありがとうございました!

どれも皆様のスープへの気持ちとともに、らてらてへの愛が溢れる素晴らしい紹介でした。
たとえ今回得票が伸びなかった紹介であっても、その想いに優劣はありません。
ぜひ今後とも、ここらてらてで一緒に水平思考を楽しみましょう!


そしてこちらも改めまして、らてらて3周年、本当におめでとうございます🎉
そしてありがとうございます😊
私たちがこうして出会えたのも、ウミガメのスープを楽しめているのも、らてらてと上杉さんあってこそ!
益々の発展とご多幸を願っております!



最後に優勝者の輪ゴムさんにもう一度大きな拍手を!


それではこれにてお別れです!
ご唱和ください!

いきますよーっ?

せーのっ!

Let’s らてらて〜!
奪い桜「17ブックマーク」
「国道沿いに生えてる大きな桜の木の近くを通っちゃだめ。」
「確かに、思わず{目を奪われる}綺麗な桜だけど…『近くを通る人の命を奪う』って噂があるの。」


……カメコは嘘をついている。

カメオは直感でそう理解した。
そもそも、{彼女は生まれつき目が見えない}はずなのだ。

…だが、嘘をつく理由が一向にわからない。
疑問を払拭できなかった彼は、彼女の忠告を無視し、その桜を見に行った。

そこで、彼は彼女が嘘をつく理由を知ったのだった。


さて、カメコが嘘をついた理由とは?
21年06月27日 22:04
【ウミガメのスープ】 [るょ]

SP感謝:松神さんと愉快な仲間たち




解説を見る
その桜の木の近くでは年に数回、交通事故が発生する。
誰が言い出したか、その桜のそばを通ると命を奪われるという怪談話すらあった。

そんな折、桜の木に目を奪われたせいで重大な交通事故を起こしてしまったカメオ。
その被害として、自身は意識不明の重体に、そして、同乗者である恋人のカメコは視力を失ってしまった。

・・・
意識が戻ったカメオは、事故以前の記憶の一切を失っていた。

ショックを受けたカメコだったが、同時に、彼はとても幸運だと思った。

「自分の些細な不注意が原因で、愛する人が盲目になってしまった。」
という記憶を取り戻したとき、カメオが受けるショックは計り知れないだろう。

盲目の恋人という存在は、彼の人生を狂わせるのではないか?
このままカメオに記憶が戻らないほうが幸せなのではないか?

そう考えたカメコは、カメオにある嘘をついたのだった。

「私はカメコ。生まれつき、目が見えないんです。」




答え:
「カメコが桜の木を見たことがある」
「桜の木が命を奪うといる噂がある」

どちらも嘘ではない。
これらは、桜の木がきっかけで記憶を取り戻すことを恐れた『脅し』である。

「生まれつき目が見えない」というのが、彼女がついた嘘。

盲目になった自分の事など忘れて、
彼にだけは前向きに生きていてほしいという願いからついた嘘だった。