「別れの挨拶」「1ブックマーク」
8月19日、昼下がり。
私の経営する喫茶店の扉に付いたベルが鳴る。
私が知るよりもずっとやせ細ったカメオ先生が来店した。
カメオ「おう、ウミオ! 今日も来たぞ! 元気そうでなにより!」
ウミオ「……えぇ。カメオ先生もお元気そうで」
カメオ「あぁ! 病室のベッドで寝ていてもつまらんからな!」
ウミオ「また無理して……。主治医さんに怒られても知りませんよ?」
カメオ「いいんだよ、あんなとこに居ても暗くなるだけだ。ここなら煙草も吸えるしな! 愛煙家にはありがたい!」
ウミオ「……身体、良くないんでしょう? あんまり無理しすぎるのも……」
カメオ「医者みたいに辛気臭いことを言うな! 俺はこんなに、ゴ、ゴホッゴホッ……!」
ウミオ「先生!? ……もう、言わんこっちゃない。煙草は控えないと」
カメオ「……いいじゃないか。手術前に吸わせてくれ。最後になるかもしれんだろ」
ウミオ「……しゅ、じゅつですか?」
カメオ「あぁ、明後日な。肺を少し、するらしい。……そんな不安そうな顔をするな。きっと大丈夫だ。煙草が吸える身体のままなことを祈っててくれ」
ウミオ「……は、い」
カメオ「……ほら! 辛気臭い話はやめだ! 珈琲を入れてくれ! 今日は少し長めに話そう!」
ウミオ「そう、ですね」
そこから、私はカメオ先生と高校時代の思い出を語り合った。
そして、別れの挨拶をして喫茶店を後にしてから、それまで毎日の様に来ていたカメオ先生は暫く来なくなった。
あんなことを言ったのだ、私も多少は覚悟していた。
だが、辛いことは辛かった。
その辛さも、月が変わってから訪れたカメオ先生の顔を見たら吹き飛んでしまった。
……まぁ、酷く驚いてしまったのだが。
Q.
何故ウミオは、カメオが再び来店したことに酷く驚いてしまったのだろう?
また、その要因となったカメオが言った「あんなこと」とは?
私の経営する喫茶店の扉に付いたベルが鳴る。
私が知るよりもずっとやせ細ったカメオ先生が来店した。
カメオ「おう、ウミオ! 今日も来たぞ! 元気そうでなにより!」
ウミオ「……えぇ。カメオ先生もお元気そうで」
カメオ「あぁ! 病室のベッドで寝ていてもつまらんからな!」
ウミオ「また無理して……。主治医さんに怒られても知りませんよ?」
カメオ「いいんだよ、あんなとこに居ても暗くなるだけだ。ここなら煙草も吸えるしな! 愛煙家にはありがたい!」
ウミオ「……身体、良くないんでしょう? あんまり無理しすぎるのも……」
カメオ「医者みたいに辛気臭いことを言うな! 俺はこんなに、ゴ、ゴホッゴホッ……!」
ウミオ「先生!? ……もう、言わんこっちゃない。煙草は控えないと」
カメオ「……いいじゃないか。手術前に吸わせてくれ。最後になるかもしれんだろ」
ウミオ「……しゅ、じゅつですか?」
カメオ「あぁ、明後日な。肺を少し、するらしい。……そんな不安そうな顔をするな。きっと大丈夫だ。煙草が吸える身体のままなことを祈っててくれ」
ウミオ「……は、い」
カメオ「……ほら! 辛気臭い話はやめだ! 珈琲を入れてくれ! 今日は少し長めに話そう!」
ウミオ「そう、ですね」
そこから、私はカメオ先生と高校時代の思い出を語り合った。
そして、別れの挨拶をして喫茶店を後にしてから、それまで毎日の様に来ていたカメオ先生は暫く来なくなった。
あんなことを言ったのだ、私も多少は覚悟していた。
だが、辛いことは辛かった。
その辛さも、月が変わってから訪れたカメオ先生の顔を見たら吹き飛んでしまった。
……まぁ、酷く驚いてしまったのだが。
Q.
何故ウミオは、カメオが再び来店したことに酷く驚いてしまったのだろう?
また、その要因となったカメオが言った「あんなこと」とは?
26年07月11日 19:48
【ウミガメのスープ】 [竹]
【ウミガメのスープ】 [竹]
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9月5日、昼下がり。
私が営む喫茶店の扉に付いたベルが鳴る。
カメオ「おう! 手術成功したぞ、ウミオ! 俺はまだまだ煙草も吸えるらしい!」
ウミオ「……か、カメオ先生。無事だったんですか」
カメオ「なんだぁ? 俺はまだまだ元気だぞ? 肺の調子も戻ってきたからな!」
ウミオ「……てっきり、長くないのかと。この前のお帰りの際、『またいつかな』なんて意味深なこと言ったから……」
カメオ「はぁ? だから言っただろう? 『また五日(いつか)な』って」
……本当に、この人は。
相変わらず言葉足らずというかなんというか。
A.
「あんなこと」とは、カメオが別れの挨拶に言った「またいつかな」のこと。
カメオは「また五日(次の月の五日にまた来る)な」のつもりで言っており、それが実現可能なくらいにはまだまだ元気だった。
しかし、ウミオは「またいつかな」をはぐらかした、会えるか分からないけど言っておくといった感じの表現と思ってしまい、会う目処が立てられないほどに体調や病状が悪いと早とちりしてしまった。
カメオともう会えないかもしれないと覚悟をしていたウミオは、月が変わった五日に平気な顔でカメオが訪れたことに酷く驚いてしまったのだった。
私が営む喫茶店の扉に付いたベルが鳴る。
カメオ「おう! 手術成功したぞ、ウミオ! 俺はまだまだ煙草も吸えるらしい!」
ウミオ「……か、カメオ先生。無事だったんですか」
カメオ「なんだぁ? 俺はまだまだ元気だぞ? 肺の調子も戻ってきたからな!」
ウミオ「……てっきり、長くないのかと。この前のお帰りの際、『またいつかな』なんて意味深なこと言ったから……」
カメオ「はぁ? だから言っただろう? 『また五日(いつか)な』って」
……本当に、この人は。
相変わらず言葉足らずというかなんというか。
A.
「あんなこと」とは、カメオが別れの挨拶に言った「またいつかな」のこと。
カメオは「また五日(次の月の五日にまた来る)な」のつもりで言っており、それが実現可能なくらいにはまだまだ元気だった。
しかし、ウミオは「またいつかな」をはぐらかした、会えるか分からないけど言っておくといった感じの表現と思ってしまい、会う目処が立てられないほどに体調や病状が悪いと早とちりしてしまった。
カメオともう会えないかもしれないと覚悟をしていたウミオは、月が変わった五日に平気な顔でカメオが訪れたことに酷く驚いてしまったのだった。












