みんなのブックマーク

割れないコップ「2ブックマーク」

ノリコはあるコップを気に入っていた。

落として割ってしまい落ち込んでいたが、新しい物をミチからプレゼントしてもらえたのでとても嬉しかった。

とても良い品だったので、ノリコもそれをプレゼントすることにした。

ふたつの箱が部屋にしばらく置かれていたが、プレゼントだと気づくとミチは泣いた。

ノリコはそのコップを使う子たちを、笑顔で見守っていた。



状況を補完してください
19年06月05日 17:44
【ウミガメのスープ】 [いきなり]



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パリーンという音とともに液体と破片が散らばる。


「あっおとしちゃった…」


ミチはしゃがみこんで、小さい手でわたわたと破片を拾う。

母に見つからないよう気をつけながら掃除をしていたが、間に合わず見つかってしまった。


「あらあら、みっちゃん」

「おかあさん…」


洗濯物を取り込んでいたノリコは、抱えていたかごをすぐに置いて近寄る。


「なにか言うことがあったんじゃない?」

「…おとしちゃったの…ごめんなさい…っ」


泣き出してしまった我が子の涙を、ノリコは親指で拭ってやる。


「そんなのいいのよ。危ないからすぐに教えてほしかったのよ。自分ひとりでお片付けは偉いけど、みっちゃんの手が切れてしまうかもしれないでしょう。そのほうが母さんは辛いわ」

「わぁあああああん!!!」

「はいはい聞いてないわねえ。お顔触ったらダメよ、まずはおてて洗いましょうね~」


ノリコはミチを抱き上げ、あやすように揺れながらその場を後にした。



ーーーーーーーーーーーーー





「あれ?お母さん、あのお気に入りのコップはどうしたの?」

「この間ね、落として割ってしまったの」


ふと私が小さい頃の出来事を思い出したのもつかの間、うまく力が入らなくなってしまうほど母が衰弱してきたのだと痛感する。


「え?聞いてない。どうして言ってくれなかったの?私が片付けたのに」

「このくらい自分でできるわ。みっちゃんが怪我したら大変だもの」

「ねえ私もう中学生だよ。そのくらいできるから」


いつまでもあの時と同じ、優しい母。

私のことを気にかけてくれる温かな手は、細かく震えていた。


「そうね…まだ中学生だもの」

「子供扱いしないでよ…」


遠い目をして考え事をする母に見てほしく、むくれるがこちらを見やる様子はない。

綺麗とは程遠い、濁った色のコップで薬を飲む姿を眺めた。










「お母さん見て」

「まあ綺麗。どうしたのこれ」

「割れないコップ」



私は母に似合う新しいコップをプレゼントした。

嬉しそうに笑う母。

母は私がなにをあげたとしても、いつもとても喜んでくれた。



「ガラスみたいなのに、落としても割れないんだよ」

「すごいわねえ…」


私が来ても起き上がることのできない母を、直視することができなかった。

辛そうなのに、幸せそうに、愛おしそうにそれを撫でる指。

そこばかり見つめていたら、いつの間にか視界が揺れる。


「みっちゃん」

「なに?」

「ありがとう。とっても綺麗よ」

「…うん」


鼻をすする音と、母の温かな手のぬくもりを頭に感じながら、私はうつむくことしかできなかった。








小さくなった母を家に迎え、病院から持ち帰った母の私物をぼんやりと眺める。

母の荷物は小さなダンボール箱1つで済んだようだった。

その箱は母の遺影の近くにいつからか置いてあった。

色とりどりの花に囲まれているのに、茶色い箱が紛れているのは似つかわしくないとぼんやり思ったのを覚えている。






花たちも枯れ、いつしか母の遺影の前に飾られているのは1輪の花だけになって、しばらくがたった。

依然、ダンボール箱はぽつんと母の仏壇の近くに置かれている。

父に片付けないのか聞いたが、どこかはぐらかされてしまった。


私はそれを片付けようという気持ちになった。

葬儀のことからなにまですべて父に任せていたのだ。このくらいは、せめて。


ガムテープで貼られた箱をカッターで開ける。

すると、中には丁寧にラッピングされた箱と私宛の手紙が入っていた。

母の私物ではなかった。

私への、贈り物だったのだ。



『みっちゃん

あなたがとても寂しがり屋さんなのはよく知っています。
お父さんに頼んで、これをあなたの気が向く頃に開けてもらうようにしました。

みっちゃんはまだ悲しくて、向き合うことができないかもしれません。
1ヶ月、1年、10年…受け入れるには人それぞれ時間が違います。
これを読む頃は、お葬式の後なのか、みっちゃんが大人になっているのか、わかりません。
でもこれを読んでいるということは、少しは受け入れてくれたのだと思っています。

完全に受け入れるのはとても辛いことです。
お母さんのお母さんが亡くなった時も、とても悲しくて時間がかかりました。
でもその時、お母さんには小さなみっちゃんがそばにいました。
お母さんが泣いていると、きまってみっちゃんも一緒に泣いていましたね。
この小さな命を守ろうと思ったら、自然と涙は止まってしまったのよ。

これから辛いことがたくさんあると思います。
一緒に立ち向かったり、励ましてあげられないことがとても悔しいです。
でも、そんな時はお母さんのことを思い出してください。
がんばれ!って応援している声が聞こえると思うの。

あなたの高校の制服姿、成人式の晴れ着姿、結婚式の白無垢かドレスの姿…
沢山のみっちゃんの成長する姿を、お父さんと一緒にお祝いしたかった。

お母さんのかわりに見守ってくれるように、これを贈ることにしました。
あなたが選んでくれた、割れないコップ。
これなら無くさないし、毎日使うものでしょう?
それにね、みっちゃんがくれたこのデザインすごく気に入ってしまったの。
だから贈ります。未来の家族と大切に使ってね。

色々書き足りないけど、きっとみっちゃんならわかってくれると思うわ。
お父さんと仲良くね。天国から見守っています。

大好きなみっちゃんへ

お母さんより』


ぎっしりと描かれた文字に涙が止まらない。

書いている時に泣いてしまっていたのか、涙が滲んだ後がたくさん乾いて残っている。

母はこんなにも私に気を使ってくれたのに、私は自分のことで精一杯で、母に何もできなかったのではないかと悔やんで仕方がない。

そしてラッピングされた箱を開けると、カードが出てきた。


『お父さんみたいに素敵な男性と出会ってね。』

重なり合うように入ったコップは3つだった。




暑い夏のある日。

笑顔の母の遺影の前に麦茶を供える。

私は娘とお揃いのコップに同じく麦茶を入れて、母との思い出話を聞かせている。


腕時計は退魔のアイテムますか?「2ブックマーク」
【問題】
ウミコはカメオに付き合ってほしいと言われたので、つけていた腕時計を捨ててしまった。なぜ?
19年06月07日 21:44
【ウミガメのスープ】 [しろくろ]

くろしろです。




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【答え】
学園一の美青年であるカメオに、ひそかに想いを寄せていたウミコだったが、ウミコには人には言えない秘密があった。
叶わぬ思い苦しんだ末に付けてしまった、1条の左手首のリストカット痕である。
ウミコは、普段はそれを長袖で隠していたのだが、最近はさすがに暑くなってきたので、付け慣れない腕時計で隠していた。

そんな悶々とした気持ちを抱えつつ日々を過ごしていたウミコだったが、ある時カメオに呼び出され、なんと付き合ってほしいと言われたのである。
思いもかけぬ事に大喜びしたウミコは、カメオと大手を振って歩けるように、そして今までの苦しみと決別するために、傷跡を消す手術を受けることを決意した。

ウミコにはもう、腕時計は必要なくなったのである。

尊無き身はいらない「2ブックマーク」
男は尊き方をお連れする事に命をかけていた

しかし何度めかの旅で尊き方と別れる事を決意した

男は尊き方を尊敬しているし尊き方は男を必要としていたのに何故?

【最後テーマ・尊き方と言えば?】
19年05月31日 12:35
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]



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聖徳太子が亡くなって数百年。国は荒れていた

理由は明白である。真の【戒律】を得た僧侶が居らず自称坊主だらけだからだ

【戒律】をさずけてくれる僧侶を求め二人の男が唐の都へと旅立った

根気強く懇願した所とても徳の高い尊い僧侶が来日を約束してくれた

しかし日本への旅は生易しくは無かった

尊い方は唐の国にとっても宝。そんな彼が国外に流出する事を決して許さなかったのだ

幾度も密航を企てその度に捕まり唐へと連れ戻された

尊き方を連れに行った二人の内一人は病死した。残った一人は思う。一刻も早く尊き方を日本へとお連れしなければ。寿命は有限なのに彼には日本でやる事が沢山あるからだ 

なぜ何度も捕まるか。それはこの国では目立つ風体である日本人である自分が同行しているからだ。尊き方をお連れするのが自分の使命。しかし今や自分自身がその旅の邪魔になっている

男は尊き方と別れる決断をし日本で会おうと涙を流して別れたのだった


さて、尊き方は日本へ来れるのか?男とまた会えるのか?

それは民明書房刊【鑑真和上偉人伝】をお読み下さい
怒れるジョン「2ブックマーク」
カメコ先生がマルをつけ忘れた。そのことがジョンを怒らせた。しかし、カメコ先生には今回テストの採点ミスは無かったという。一体どういうことだろうか。
19年06月08日 19:43
【ウミガメのスープ】 [ジョン]

小さい事が気になってしまうのが私の悪い癖(相棒感)




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カメコ先生は留学生のジョンに手紙を書いた。しかし、慣れない英語で何度も文を考え書いては消して書いては消してを繰り返した結果文頭の挨拶であるHELLO, John!(こんにちは、ジョン)が、HELL,John!(ジョン、くそやろう!)になってしまった。それを見たジョンは何事かと思い怒った
三顧の冷麺「2ブックマーク」
男は近くにあるという幻の冷麺が売っている店の場所を訪ねた。
一度目聞いても教えてくれず、二度聞いても教えてくれない。
三度目聞いたところようやく教えてくれたのだが、その場所は和菓子屋だった。

その話を友達にしたところ、
「それはお前が悪い」
と言われた。何故だろう?
19年06月08日 19:11
【ウミガメのスープ】 [時野洋輔]

闇解除しました




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このあたりで、ネットで評判の幻の中華冷麺がある店があるという話を思い出し、カメオは携帯に向かって言った。

「オッケーグー〇ル、このあたりの幻で冷麺が売っているお店教えて」
「すみません、よくわかりません」
「オッケーグー〇ル、このあたりの幻で冷麺が売っているお店教えて」
「すみません、よくわかりません」

 んー、幻の冷麺だったらわからないのかな?
 なら、もう少し広く検索してみるかとカメオは質問を変えた。

「オッケーグー〇ル、このあたりの中華料理屋を教えて」
「こちらが見つかりました」

 その話を友達にした。

「ほら、俺の携帯電話おかしいんだよ。中華料理屋って検索してるのに、ずんだ餅屋が出てくるんだよ」
「ほら、おれの贅沢電気が御菓子INだよ? ずんだ餅屋って贅沢してるのにずんだ餅屋が出てくるんだよ?」
「そんなこといってねぇし!」
「ホットケーキくってねぇし? わからんけどわかった。お前の活舌が悪いからだよ」

ちなみに、友達が使ったところ、一発で幻の冷麺の店が見つかりました。
(中華料理屋とずんだ餅屋、全然似てませんよね? でも、実際に友達がグー〇ルアシスタントさんに間違えられたそうです)

答え:あまりの活舌の悪さに、音声認識システムが正しく作動しなかったから。