【正解を創りだすウミガメ】投票会場【第32回】

メイン投票：
②『（二重の意味で）』（きの子さん）に１票

⑥『有明の月』（輝夜さん）に１票

⑦『カンパニア』（OUTISさん）に１票


最難関要素：⑦ペンキ塗りたてのベンチに座ります。
私が脱法要素回収してしまったこちらで。

匠：②⑥⑦
エモンガ：①②③⑤⑥⑦
スッキリ：①②③⑤⑦

以下感想
①『末路Ⅱ』(OUTISさん)
シンプルで悲劇的な結末。本当にウミガメのスープ問題の解説として成り立ちそうな説得力があります。文字数444字も、つまりは、そういうことですよね。

②『(二重の意味で)』(きの子さん)
つかれたのダブルミーニングから展開する話が匠です。ドタバタコメディで登場人物が魅力的です。主人公らも結局良い奴やん。

③『まっさらに生まれ変わります。』(クラブさん)
夢は希望にもなり得るが、人を蝕む呪いにもなり得る。身につまされちゃいます。最後に希望が残るラストが好きです。

④『悪役』(イトラさん)
拙作。⑤と⑨の要素でヒールレスラーを思いついて書き始めました。限界超えて狂気に飲まれちゃう人間を書いてみようと頑張りました。

⑤『案外、悪くない』(ハシバミさん)
冒頭、状況が見えない中で「動くな」なんていわれて、きゃー私どうなっちゃうのー!?なんてときめいたりしました。いやストレス発散法独特！

⑥『有明の月』(輝夜さん)
えもえも青春小説。こんな青春が送りたかった。。。主人公のこういう悩みは思春期にありがちで共感できるし、その悩みがヒロインの言葉によって救われる。読み物としてとても面白かったです。

⑦『カンパニア』(OUTISさん)
まずは20要素回収をやってのけたことに拍手。また、疲れた主人公が田舎暮らしによって再生していく物語自体もとても面白かったです。問題文の疲れたので、から、綺麗にし始めた、の時間的距離が遠いことが、ウミガメ問題的解釈として良いです。

◆投票◆-----------------------------------

①『末路Ⅱ』(OUTISさん)に１票

④『悪役』(イトラさん)に１票

⑥『有明の月』(輝夜さん)に１票

最難関要素：⑤カラーコンタクトをつけます。

匠：①②④⑤⑦
エモンガ：②④⑥
スッキリ：①⑤


◆感想（ネタバレあり）◆--------------------------------

①『末路Ⅱ』(OUTISさん)
文字数で語るという発想…！
解説としても模範解答的で、非常に納得度が高かったです。
更に素晴らしいのは、要素がすべて問題の良質として機能していることです。
①や⑧などは、流れで実際に聞かれそうですらあります。

②『(二重の意味で)』(きの子さん)
何この面白そうなドラマ。
他の家族と鉢合わせて一悶着ある回とか、体の乗っ取り未遂が起きる回とか、なぜか降りて来なくてアドリブで誤魔化す回とかあるんだろうなぁ。
解説としては、「疲れた」に二重の意味を持たせることによって疑似的にクルーが増えています。
問題文では残念ながら漢字表記ですが、もし出題したならタイトルでヒントは十分でしょう。
とことで、続きはいつ放送ですか？

③『まっさらに生まれ変わります。』(クラブ)
拙作です。
特殊ルールに便乗して、タイトルを過去要素から拝借しました。（27回の要素です。要素だけでエモいですね。）
解答は中盤で完了しており、その後の要素回収は蛇足気味なのが反省点です。
なんとなく10個は使いたかった(´・ω・`)

④『悪役』(イトラさん)
ベンチ（人名）。
お遊び的な回収で笑えるのも、それだけ他の回収が自然になされていることの証明だと思います。
また、「仕事中」に疲れたのが重要なこと、綺麗にするのがどこか一部でなく「周囲」であることなど、少ないクルーへの対応が丁寧になされている解答だと感じました。

⑤『案外、悪くない』(ハシバミさん)
とても読みやすい作品でした。
会話と心情描写の軽妙な繰り返しでテンポが良く、最後まですらすらと読めました。
少しづつ情報が明かされていくつくりで、まるで推理小説のような楽しさがあります。
そして明かされる衝撃の真実。

⑥『有明の月』(輝夜さん)
「仕事」を「学級委員としての仕事」とすることで、男のイメージは社会人から学生へとがらりと変わります。お見事。
それだけに、「机上を片付けて連絡先を見るため」は学生以外でも成り立ちそうなのが惜しいです。
……こんな勢いにまかせた恋愛は若いうちしか出来ないって？
それもそうだな、一票。

⑦『カンパニア』(OUTISさん)
要素を活用して、主人公のパーソナリティが巧みに描き出されています。
「カラコン＝色眼鏡＝グラサン」というオシャレな回収が特に好きです。
また、全体的にコメディ色が強く、新たな一歩を踏み出すラストは希望を感じさせます。
投稿が「最初」と「最後」、要素回収が「最低限」と「全て」など、あらゆる面で一作目とは対照的な作品になっているのがお見事です。


◆全体感想◆---------------------------------------

お疲れ様でした～。

今大会の特徴として、問題文には一見謎が無いのが難しかったです。
というのも、問いかけとしては「何故？」であり、「仕事中に疲れた」が「周りを綺麗にし始めた」になぜ繋がったかが問われています。
しかし、この二つはまったく脈絡がないという程でもないので、ただ理由を付けるだけなら容易です。（例えば、周りを片付けて仮眠したかったとか）
奇行やムジュンといったわかりやすい謎が無いので、解説でひっくり返すためにも、問題文の解釈が重要な回だったと言えるでしょうか。

ベールはかかっている（「男」や「仕事」などの正体が不明）ので、各クルーの掘り下げが肝要だったかと思います。
「仕事中」である事を重要視したり、お化粧で「綺麗に」してあげたり、学級委員としての「仕事」だったりと、色んな解釈があって面白かったです。 [編集済]

メイン
①『末路Ⅱ』(OUTISさん)すっきりまとまっています
③『まっさらに生まれ変わります。』(クラブさん)情熱が枯れて寂しい
④『悪役』(イトラさん)自らの衰えを突きつけられて悲しい
に一票ずつ投票します。

最難関要素
⑦ペンキ塗りたてのベンチに座ります。

⑤と悩みましたがこちらに一票を。 [編集済]

メイン投票
最優秀作品：③⑤⑦
最難関要素：⑦

サブ投票
エモンガ：②
匠：⑦
スッキリ：③

上記に1票ずつお願いいたします。


以下感想です。
メイン投票
③『まっさらに生まれ変わります。』(クラブさん)
「疲れを感じる」から、「周りを綺麗にする」までの流れが極めて自然だと感じました。風桶のように段階を踏んだり、長い状況説明を要したりすることなく、スッキリと解説が頭に入ってきます。スッキリ票も投じます。
そして、要素回収の仕方もとても好きです。特に「呪いが解けます」です。要素を比喩として用いるのは、比喩である以上自由が効きすぎて要素の回収としては残念に思ってしまうことも多いのですが、この回収には感嘆しました。心情描写として、表現として美しく、要素を回収しています。個人的に大好きな回収でした。

⑤『案外、悪くない』(ハシバミさん)
「綺麗にする」に、「片付ける」以外の意味があったとは！意表を突かれました。無意識のうちに「片付ける」だと判断して創りだしていたので、本当に脱帽です。まさに水平思考、無意識下の判断の裏をかかれました。その衝撃が大きすぎたため、メイン票を投じます。
ストーリーの作り方もお見事です。最初は、登場人物たちが何をやっているのか全く分からない状態で、なかなかに不穏な会話が続きます。続きが気になって仕方がなくなり、創りだすとして読むのをやめてまずは一気に読んでしまいました。とても惹きつけられる構成に感動しました。

⑦『カンパニア』(OUTISさん)
最初に読んだ時から1票入れようと決めていました。
問題文回収ももちろん自然で素晴らしいのですが、特に要素回収に感動しました。20個全て回収し切っている時点で信じられませんが、その一つ一つの回収の仕方が見事すぎます。まずはカラーコンタクトです。色眼鏡。本当に驚きました。まさかこんな回収方法があったとは思いもよりませんでした。「色眼鏡」という言葉自体もOUTISさんの創りだされたストーリーとも合致していて、自然すぎる回収です。たらいにも感動です。なかなかに登場させにくいアイテムが、田舎になった瞬間に自然に登場させることができ、繰り返しになりますがストーリーとも絡んでくるところ、脱帽です。
見事な要素回収にメイン票を投じます。

⑦ペンキ塗りたてのベンチに座ります
ペンキ塗りたてのベンチに注意書きがない、もしくは注意書きに気づかないシチュエーションを創りだせませんでした。難しかったです。


サブ投票
エモンガ
②『(二重の意味で)』(きの子さん)
大好きです。……すみません唐突すぎました。こういったストーリー、とても好きなのです。
最初は詐欺師だと描写されている相方が、本当に「憑かれ」て、美津さんの力になっていく流れが本当に素敵です。普段は詐欺師なのにも関わらず、結局依頼人と一緒に掃除をしてしまったり、他の詐欺師を追い払ってしまったり……。短編小説にありそうな、ちょっと捻ったユーモアと言いますか、ひねくれたかっこよさと言いますか……うまく言葉にできないのですが、そんな雰囲気がとても好きなのです。所々、くすりと笑わせられる部分もあって、1番物語に惹きつけられる作品でした。

匠
⑦『カンパニア』(OUTISさん)
感想はメイン投票の項に記載。

スッキリ
③『まっさらに生まれ変わります。』(クラブさん)
感想はメイン投票の項に記載。

問題文
ｼﾁﾃﾝﾊﾞｯﾄｰさんの仰る、「近すぎず遠すぎず、絶妙な距離感」を地で行く問題文だと感じました。繋げられそうで繋げられない感覚が楽しかったです。考えていてとても楽しい問題文でした。ですが、全体的に要素の癖が強すぎて結局創りだすのには苦労しました……。




久しぶりの創りだすでしたが、文字数制限があったこともあり短文が主流になっていて少し驚きました。よりウミガメらしさが重視される感じでしょうか。精進します。

そして最後に、素晴らしいご作品を投稿してくださったシェフの皆様、主催してくださったｼﾁﾃﾝﾊﾞｯﾄｰさん、本当にありがとうございました。 [編集済]

メイン投票：
②『（二重の意味で）』（きの子さん）に１票
某掲示板の「おつかれさまでした。」を彷彿とさせる疲れる→憑かれるのダブルミーニングにはクスリと笑わせてもらったヨ。

③『まっさらに生まれ変わります』（クラブさん）に１票
幸せの魔法が強迫観念の呪いとなって蝕む。ファンタジーな字面の数々とは対照的に現実でもよくありがちなこの呪いは本当に厄介だよネ…

⑥『有明の月』（輝夜さん）に１票
百人一首というテーマは扱うのが難しいながら、過去多くの名作を生みだしてもいるテーマだよネ。それを綺麗にまとめあげたこの作品は、その例に漏れず素晴らしい作品だと感じたヨ。

最難関要素：⑤カラーコンタクトをつけます。
そもそもカラーコンタクトは愚かコンタクトレンズすら触ったことの無い人間だから、どう料理しようか悩まされたヨ。