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女子大生のマリアは、ダーリンと話している。
「ダーリン、私さっきウォーキング・デッドみたいな化け物に襲われそうになったの。すごく怖かったわ」
「それは大変だったね、マリア。でも無事のようでよかったよ。ダーリンの方は今日オバタリアンみたいな化け物に襲われそうになったよ。この町に何か恐ろしいことが起きているようだ」

マリアは、同じ避難施設にいた年配の女性に、こっそり尋ねた。
「オバタリアンみたいな化け物が出たって言われたんですけど、オバタリアンって何の事ですか」
返答を聞いて、マリアは絶望した。
なぜか。
25年04月30日 12:06
【ウミガメのスープ】 [油獣]



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世界中で、正体不明のウイルス感染によって人間がゾンビ化し、他の人間を襲う事例が頻発。
それは今日ついに、マリア達の住む町にも起きた。

ダーリンと待ち合わせをしていたところでゾンビに襲われかけたマリアは、
ゾンビ対策部隊に救い出され、マリアは避難施設に連れて来られた。
施設での検査・入浴が終わり、一段落付いたところで、マリアはダーリンに電話をした。
「ダーリン、私さっきウォーキング・デッドみたいな化け物に襲われそうになったの。すごく怖かったわ」
「それは大変だったね、マリア。でも無事のようでよかったよ。ダーリンの方は今日オバタリアンみたいな化け物に襲われそうになったよ。この町に何か恐ろしいことが起きているようだ」

マリアは、ダーリンの話に出てきたオバタリアンの意味が分からず、
電話が終わった後、避難施設にいた年配の女性にこっそり尋ねた。
「オバタリアンみたいな化け物が出たって言われたんですけど、オバタリアンって何の事ですか」
「ワテラのような厚かましい中年女性の事よ」
女性の返答を聞いて、オバタリアンとは厚かましい中年女性の事だと初めて理解したマリア。


マリアの出会った「ウォーキング・デッドみたいな化け物」は、男性型のゾンビ。
避難施設で受けた説明によれば、世界各地に出現しているゾンビは男性ばかりであり、女性のゾンビは1体も確認されていないようだった。

ゾンビを見て、「オバタリアンみたい」という感想になるだろうか。
ダーリンを襲った「オバタリアンみたいな化け物」とは、ゾンビではなく、人間の中年女性だったのではないか。

ダーリン自身が、既にゾンビになってしまっていて、人間から攻撃を受けたのではないかと推察し、マリアは絶望した。
青春ヒットクリップ「1ブックマーク」
♪幾千の出会いの中で コロネ掴み取れたとよ~

夕方には売り切れていることの多い、行きつけの店のコロネを、
その日は運良く購入することができ、ゴキゲンで歌い踊りながら帰宅した田中が
玄関で靴を脱ごうした時。
父親の部屋から、田中が中学時代好きだったバンドのヒット曲が聞こえてきたため、
ゴキゲンだった田中の気分はフラットに戻った。

どういうことか。
25年05月01日 15:56
【ウミガメのスープ】 [油獣]



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父親がいつも見ているテレビのニュース番組が 始まる時間に帰宅した田中。
すると、テレビでニュースを流しているはずの父親の部屋から、
田中が中学時代好きだったバンドの、当時ヒットした代表曲が聞こえてきた。

ニュース番組の冒頭で、ニュース番組らしからぬ音楽、
それも、久しく聞いていない昔のヒット曲が流れている理由が 他になさ過ぎたため、
「あのバンドのメンバーの誰かが、死んだんだ…」と
田中は察し、ゴキゲンだった気分はフラットに戻った