みんなのGood

良質:3票トリック:2票物語:1票

<問題>

長い旅路の末、最強の装備を手に入れたアルカディオ一行は、
魔物のボスが住んでいるという【『魔王城』】へと辿り着いた。

この旅が終わったら、故郷で帰りを待つ母もきっと喜んでくれるに違いない。

しかし彼らは山の頂、闇夜に煌々と輝く魔王城を見るなり、
来た道を折り返して2度と戻ってくることはなかった。

一体なぜ??


⚠️ユーザーに関する要知識問題ではありません。
※画像元:フリー画像サイトPixabayより
21年01月09日 23:09
【ウミガメのスープ】 [弥七]

Special Thanks!!! アルカディオさん^ ^




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<解説>
簡易解答:故郷のお母さんに仕送りをするため、出稼ぎにきたアルカディオ(魔物)。これからボスが住むダンジョン『魔王城』で警備の仕事をするつもりだった。しかし真夜中だというのに全ての窓から明かりがもれているではないか。これはとんでもないブラックだと察した一行は、さっさと来た道を引き返すことにしたのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最近、魔物たちの界隈はある噂で持ちきりだった。


……ある山の頂に建てられた新ダンジョン『魔王城』。
そのボスは特別強くて、そして特別羽振りがいいらしい。


病気のおっかさんのために、しっかり出稼ぎしてお金を集めねば。

あいのけんし、アルカディオは仲間を集めて魔王城を目指すのであった。







<『第666回 魔王城警備隊 採用試験』>
【〜勇者を倒して、素敵な魔界ライフを手に入れよう^ ^〜】







——えー、それでは面接を始めますので履歴書を見せてくだ、さい。
名前:アルカディオ 年齢:ひみつ♡、独身、職業:あいのけんし…。ペラペラ


——あ、あの、面接官さん?
なんかこの部屋すごく臭いんですけど……あと顔色すごい悪いっすね。
もしかしてゾンビとか?初めて見たなぁ。


——ゾンビじゃないです、ただの社畜です。


——へ?社畜??


——最近は城の隣のサウナしか行けてませんので、臭かったらごめんなさい。
あと顔色が悪いのは多分2時間しか寝てないからです。
余計な話は抜きにして、さあ、面接に戻りましょうか。ペラペラ


——はあ…まあいいですけど。


——書類の方は見たところ問題ありません。
人手が足りないのですぐにでも採用ということで。
アルカディオさんにはダンジョン一階の警備をしてもらいます。
何かご質問などございますか?


——あの、城には勇者が周回してるんですよね?
万が一、勇者に倒された場合は労災とかって…ちゃんとおりるんでしょうか??


——あー、よくある質問ですねぇ。
死体を見るまでは死んだことは確定できませんからねぇ、基本労災もおりませんねぇ。
倒される前に上司に報告してください。確認しに行きますから。


——上司、ですか。


——ホウレンソウは大事ですよ。
あ、そうそうダンジョンの中には社員用の寝室を用意してますので。
死んだらベッドにリスポーンですから安心して働いてください。
実質アットホームな職場ってことで(笑)


——全然笑えないんですけど…。


——そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ。
城の中には先輩たちもいますし、わからないことがあったら気軽に聞けばいいですよ。
(ただし一回で覚えてね。)


——え、いまなんて??


——この職場は、週末にストレスチェックもやってますから。
残業時間が週70時間を越えたら、それを持って上司に報告してくださいね。
そしたら労働基準監督署に掛け合ってあげます。
まあ、そんなもの存在しないんだけどねハハ……


——あの、やっぱりここで働くのやめます()





(こいつはやべえ……とんでもねえブラック企業の匂いがプンプンするぜ……)


思えば闇夜に煌く魔王城。
燦然と輝くその姿は、何百の魔物たちの血と汗と残業の結晶に他ならない。

アルカディオ一行は、さっさと来た道を折り返すのだった。


仕送りは…まあ、この装備を売ればなんとかなるだろ。


(おしまい)(この物語は全てフィクションです。)
ガラスの靴は儚くて「6Good」
トリック:1票物語:3票納得感:2票
王子と幸せそうに踊っていたシンデレラは、12時の鐘の音を聞くや否や王宮を飛び出してしまいました。
急いで追いかけた王子でしたが、見付けられたのは階段に残された片方だけのガラスの靴だけでした。

翌日。ガラスの靴を持ち、王子は家臣たちと共に市街に来ました。
広場に皆を集めると、「このガラスの靴が履ける者こそが昨夜の美しい娘であり、私はその娘と結婚する」と王子様は言いました。

町中の娘が順番に片足を差し出し、家臣がその足にガラスの靴を履かせようとしますが、履ける者は現れません。
そんな中、一人の娘がムキになって自ら無理矢理に履こうとした結果、{ガラスの靴は砕け散ってしまいました。}


不測の事態に慌てる家臣たちでしたが、王子はハッと閃きます。
広場の傍にある靴屋から、{年頃の娘では見るからに履けない子供用の靴を片方だけ用意}させると、王子は昨夜の娘探しを再開させました。


【はて、王子はどうやってシンデレラを見付け出すつもりなのでしょうか?】
21年03月12日 22:00
【ウミガメのスープ】 [異邦人]



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【{バリーン!!}】

「いったーい!! なんなのよもう!」

ガラスの靴を割って怪我をした欲深い娘の足から流れる{血}を見て、王子はハッと閃きます。

【(そうだ。昨夜の娘は片足が裸足の状態で家に帰ったのだ。それならば、{足裏を怪我している筈だ!})】

王子は広場の傍にある靴屋から子供用の靴を片方だけ用意させると、家臣に耳打ちします。

「以降はこの小さな靴で先ほどまでと同様に試すのだ。だが、{見るのは靴を履けるかどうかではない。足裏に怪我をしているかどうかを見るのだ}」

そして、多くの娘たちが苦労知らずの足裏を見せた後のこと。

片足を庇うようにひょこひょこと歩み出るとボロボロの靴を脱ぎ、小石を幾つも踏んでできた傷痕から今もなお{血}が滲む足裏を見せる娘が現れました。
家臣は王子に目配せし、娘のもう片方の靴も脱がしますが、そちらの足裏には傷痕も血痕も見当たりません。
間違いありません。この娘こそ、ガラスの靴を落として片足だけ裸足で帰った美しき娘、シンデレラです。


シンデレラの前で王子は膝を付き、血痕の付いた痛ましい足を自らのハンカチでそっと包むと、昨夜と同じ輝きを湛える瞳を見つめてこう言いました。

「私の妃になってくれませんか?」

「――はいっ、よろこんで!」


足を怪我しているシンデレラを優しく王子が抱き上げると、広場に祝福の声が響きました。



{『けっこん』}が一人の娘を幸せにするお話、これにて閉幕でございます。
トリック:3票物語:3票
毎日うがいをするのが田中のルーティン。

そんな田中の家が火事に見舞われた。

その火事以降、田中はコップの中身を半分だけ口に含み、残り半分はコップに残したままうがいを終えるようになった。

一体なぜ?

ちなみに昔彼女がいた時もたまにこのやり方をしていたらしいよ。


※SP:霜ばしらさん、るょさん。この場を借りてあらためて言わせてください。サンキュー。
21年04月21日 23:03
【ウミガメのスープ】 [ダニー]



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【簡易解説】
火事で同棲していた彼女を失った田中。
田中のアパートの洗面所に自分用と彼女用の歯ブラシが一本ずつ入ったコップが置いてあるのだが、彼女が亡くなっても彼女の歯ブラシをどうしても処分できなかった。
田中はコップの中の自分用の歯ブラシ(コップの中身の半分)を取り出して歯磨き。
コップには彼女が使用していた歯ブラシが入ったままなので、水道から手酌で水を掬ってうがい。
彼女が存命の時も歯磨きのタイミングが合わない日は同じシチュエーションとなる。

そして以下は長い解説


「あひはあははやひはらはひひいえへふへ(明日朝はやいから先に家でるね)」
「ほーはい、ほひはひはほへはひへほふ(りょーかい、ゴミ出しは俺がしておく)」
「あいあほー(ありがとー)」
「はいほっふ(はいコップ)」
「ガラガラガラガラ… ふースッキリ。はいコップ」
「ガラガラガラガラ…ペッ。 ふーさっぱり」

歯磨きを終えた2人はうがいをし終えたコップに歯ブラシを片付けた。

お揃いの歯ブラシ。ブルーとピンクの色違い。

それ以外に同棲している彼女とお揃いで使っているものはない。

だから田中は洗面所でこの歯ブラシが2本入ったコップを見るたび、いつも照れくさいような誇らしいような複雑な感情が湧いてくる。

彼女と付き合っている象徴。大袈裟にいうとそんな感じかもしれない。

生活リズムがほぼ一緒なので歯磨きのタイミングもいつも一緒だが、今朝は彼女がいない。
朝一に営業ミーティングがあるらしい彼女は早々に出て行ってしまったのだ。

彼女より1時間遅くのそのそと起きだした田中は1人洗面所に向かう。
コップから歯ブラシを取り出して口に含んだ。
彼女がいないとテキトーに歯を磨く。テキトーに磨いても怒られないからだ。
うがいするにもコップには彼女の歯ブラシが入ったままなので、水道から水を直接手酌ですくってうがいをする。
これも彼女が見ていたら怒りそうだな、と思って田中はニヤリとした。


その夜。

田中と彼女の住むアパートが火事になった。
発火元はアパート一階部分を店舗としている田中行きつけの中華料理店。
客が残していったタバコが完全に消えていないうちにゴミの中に捨ててしまい、それが夜中になって燃えだしたのだった。

偶然にもその時間田中は友人宅にいた。

友人に別れを告げ帰宅している最中、何度も消防車が田中の横を通り過ぎていく。
不安を覚えた田中は走ってアパートに向かった。



{アパートは消防車と野次馬と煙に囲まれていた。}




重度の一酸化酸素中毒。

それが彼女の死因。

火は田中たちの部屋にまで燃え広がる前に消し止められたが、大量の煙が部屋に押し込んできたらしい。

火傷も外傷もなかったことから、彼女は就寝中で苦しまずに亡くなったと考えられた。

そのことが絶望の淵に落とされた田中の唯一の救いだった。



それから一年後。

洗面所に置かれた歯ブラシが2本入ったコップ。

その中の半分を取り出して口に含む。

いつものようにテキトーに歯を磨く。

コップに残ったもう一本はそのままで。

一年経っても田中は彼女の歯ブラシを捨てられずにいた。


「あへははいひへんはあ…(あれから一年かあ…)」

「そう、もう一年も経つの。いい加減捨てたら? 私の歯ブラシ」

「うん、ひひはひはひほはふへほへはふほひ(うん、君がいないのは受け止めたつもり)」

「これじゃうがいの時にコップが使えないじゃない。って、こら!手で水を掬わない!」

「ガラガラ…ペッ。…でも今までここにあって当たり前だったものが消えてしまうっていうのが、なんだかとても怖いんだ」

「…ただの歯ブラシよ?」

「うん、だけど僕にとってはやっぱり特別なんだよ」


歯磨きを終えた田中はコップに歯ブラシを戻す。

やっぱりコップ使わずにうがいをしたら怒られたな、そう考えて田中はニヤリとした。

洗面所の窓を開ける。月のわずかな光が田中を照らす。

そして独りつぶやいた。

「明日、捨てようかな。歯ブラシ」
良質:3票納得感:3票
イケメンとの初デートを1週間後に控えているムツミ。
色々と期待しているムツミは、超絶すけべな穴空きのパンティを履いてデートに挑もうとしていた。

そんなムツミのすけべなパンティが盗まれた。

パンティだけでなく、大人のおもちゃ、エロ本なども盗んだ中年男・アナイ。
翌日、アナイはムツミの自宅から遠く離れた場所で逮捕された。

盗まれた瞬間を目撃していたムツミだが、アナイに対して怖いという感情は起こったものの、「変態」「気持ち悪い」という感情は特に起こらなかったという。

アナイに心を盗まれた訳でないのならば、いったいなぜ?
21年05月07日 18:06
【ウミガメのスープ】 [モカ・ドゴス]

むっつりムツミ




解説を見る
アナイは先週に飲酒運転で事故を起こし、逃走中の身である。

一方、超絶すけべなパンティを店頭で買う勇気のない、むっつりすけべのムツミ。
通販でパンティを注文し、後は届くのを待つだけだ。

窓から外を見ていると、宅配便の車が停まり、ドライバーが出てきた。
その瞬間だった。

逃亡中で車を奪う機会を伺ってたアナイ。
車を奪い、そのまま走り去ってしまったのだ。

荷物の中にはムツミが注文したパンティ以外にも、どこかの誰かがこっそり注文したエログッズなどもあった。

幸いなことに怪我人は出ず、アナイは犯行現場から離れた場所で逮捕された。

ムツミ「物騒な世の中だわ…。怖い怖い。」

ともあれ、超絶すけべな穴空きパンティは無事に届いた。
これで準備は万端だ。

超絶すけべなパンティは見せることになったのか?
見せたらイケメンどんな反応だったのか?


つづく…ことはありません。

簡易解説
配達の車ごと盗まれた瞬間を見たから
夏は涼風、童に夕立「6Good」
トリック:2票物語:1票納得感:3票
今夏、子供達に大人気のアニメ『スズシゲ!冷涼マン!』。

主人公の冷涼マンは悪の組織と戦う正義のヒーローであり、この羅寺町ではその名を知らぬ子供はいないほどの人気である。

さて、そんな冷涼マンが羅寺町にあるウミガメデパートの屋上にて、初めての{ヒーローショー}をすることになった。


ヒーローショー当日。
大人気の冷涼マンのヒーローショーともなれば観客席は親子連れでいっぱいである。
ショーは進み、地球温暖化の促進を企む悪の手先「熱帯魔王」を、冷涼マンお得意の必殺技にて華麗にやっつけるお約束の流れになる。

冷涼マンの必殺技は、ショーとは思えないような{迫力}と{臨場感}があったらしい。
当然その時は観客席の子供達も湧いていたのだが……。






子供達「{冷涼マン凄いカッコ悪かった~!!}」


ショーが終わった後、子供達は口を揃えてそう言っていたという。

<一体、なぜ?>
21年05月16日 23:06
【ウミガメのスープ】 [だだだだ3号機]



解説を見る
子供達の見守る中、冷涼マンと熱帯魔王の戦いが始まった。

とはいえ相手はかの悪名高い熱帯魔王。
さすがの冷涼マンとも言えど苦戦を強いられた。


司会のお姉さん
「みんな~!冷涼マンを応援して~!!!」

「頑張れ冷涼マーン!!!」
「負けるなー!!!」

そんな子供達の声援により、冷涼マンは立ち上がる。
そう、子供達に大人気のヒーローは、絶対に負けることなどあってはならない!

冷涼マン
「行くぞ熱帯魔王ッ!!これが私の究極奥義!!」

熱帯魔王
「なんだと!一体こいつのどこにこんな力が……!?」

冷涼マン
「アルティメットメチャツヨストーム!!!!」

{解説しよう!}
冷涼マンの代名詞とも呼べる必殺技「アルティメットメチャツヨストーム」。
これは冷涼マンが格好いいポーズを決めるとどこからともなく強風が吹いてきて、なんやかんやで悪を滅ぼすという無敵の技なのだ!!!

そんな格好いい必殺技が今まさしく発動されようとしていた。期待高まる子供達………


<そのときだった。>
<冷涼マンの叫びに呼応するように、本当に強風が吹いてきたのだ。>

ヒーローショーが行われたのはウミガメデパートの屋上。{ただでさえ風の強い屋外、加えて屋上ともなればその風の強さはリアルアルティメットメチャツヨストームである。まさに原作再現!}

それでも、人が飛ぶような風ではない。
仮に着ぐるみを来ていたとしても、ショーの内容に支障をきたすようなことはないはずだった。

予期せぬアクシデントであったが、むしろショーの演出に更なる{迫力}と{臨場感}を持たせるものであった。
子供達どころか親御さん達までもが冷涼マンの活躍に胸を躍らせていた。



しかし、当の冷涼マンだけは違った。
{彼は風を操り、地球温暖化の促進を企む悪と戦うヒーロー。そのモチーフは………}

<{うちわ}>であった。
特に冷涼マンの顔はうちわを模したシルエットをしており、文字通り顔が広い。
そう、{顔が広い!(物理)}

{盛大に風に煽られた冷涼マンは決め台詞と共にバランスを崩し……ものの見事にずっこけた}のであった。自らの必殺技で自滅である。哀れ。



子供達
「……冷涼マン?」


これ以降、冷涼マンのヒーローショーは屋内で行われるようになったのは、また別のお話。





{簡易解説}
うちわをモチーフにしているためシルエットが広かった冷涼マンは、必殺技のタイミングで強風に煽られこけてしまった。