燃えるような赤

生い茂る木々は緑色に、大海原は青色に、太陽は燃えるような赤色に、月は青白く光り、空に浮かぶ雲は白色に見えたので、
男は一度限りの挑戦が成功したと思った。
しかし、世界地図を見て男は絶望した。
一体何故だろうか。
[ノエル]

【ウミガメ】23年11月12日 21:26
No.1[わかめ]11月12日 21:3811月12日 22:07

男は木々、大海原、太陽、月、雲の実物を肉眼で見ていますか?

YES!

No.2[きはる]11月12日 21:4511月12日 22:07

男の挑戦は、視力または色覚異常の回復ですか?

NO!! 男の視力は良く、色覚異常も”ありませんでした”! [良い質問]

No.3[油獣]11月12日 22:1011月12日 22:14

地図の色塗りをしたけど、正しい世界地図を見たら間違っていましたか

NO! 色塗りは関係ありません!

No.4[油獣]11月12日 22:1411月12日 22:14

テレビで、「燃えるような赤色の隕石」が地球に落下しようとしているとの報道がなされていて、画面に映った世界地図で落下予想地点が示されていますか

NO!

No.5[わかめ]11月12日 22:1711月12日 22:34

(2)では、今は色覚異常があるのですか?

YES!! *ミスリード注意! [良い質問]

No.6[きはる]11月12日 22:2111月12日 22:34

現代東京で成り立ちますか?

NO!! [良い質問]

No.7[油獣]11月12日 22:2511月12日 22:34

太陽を見ているのは、午前9時で成り立ちますか

YES!

No.8[油獣]11月12日 22:3711月12日 22:38

場所は大気圏外ですか

NO!

No.9[わかめ]11月12日 22:3811月12日 22:38

非現実的な要素がありますか?

YES!! 非現実要素があります! [良い質問]

No.10[きはる]11月12日 22:4111月12日 22:43

不死身か長寿族になってしまい、起きた時には世界地図が変わっていましたか?

NO!! むしろ世界地図は「変わっていなかった」のです! [良い質問]

No.11[きはる]11月12日 22:4411月12日 22:46

ではコールドスリープ等で未来に起きたつもりが、失敗して現代に起きてしまいましたか? [編集済]

NO! 発想は近づいています!

No.12[油獣]11月12日 22:4611月12日 22:47

(7)(9)この世界では、午前9時に太陽が赤く見えることは普通ですか

NO!! 男のいる世界で太陽が赤色をしているのはおかしいのです!! [良い質問]

No.13[油獣]11月12日 22:5011月12日 22:52

月を見ているのは、午前9時で成り立ちますか

YES! 時間は関係ありません。(12)に関連して月が青白く見えているのもおかしいのです

No.14[tosh]11月12日 22:5111月12日 22:54

男は転生しましたか?

YES!!!! 異世界転移をしようとしたのですが失敗しました!詳しくは解説で! [正解]

参加者一覧 4人(クリックすると質問が絞れます)

全員
わかめ(3良:2)
きはる(4良:3)
油獣(6良:1)
tosh(1正:1)
簡易解説
男にとっては通常では考えられない配色をした世界を目にして異世界転移が成功したと思った。
しかし、さてどこを旅しようかと地図を広げると、そこには男がいる世界とまったく同じ地理が描かれていた。
男は、異世界転移は成功などしておらず、むしろ男の目のほうがおかしくなったことに気づき、絶望した。



男のいる世界では木は毒々しい紫色をしているし、月は朽ち果てたような黒色をしている。
それがこの世界での日常、何の違和感もなく人々は生活している。

男は考古学者であった。
幼い頃から探求心が強く、数々の古代遺跡を調査しては貴重な史料や文献を研究していた。
あるとき、男は太古の時代に存在していたといわれる伝説の翼竜"アールズ"の文献を手にした。
文献にはエスト紀前期の文字でこう記されていた。
「その体躯は世界を覆うほどであり、翼神の竜"アールズ"がひとたびはばたけば
不死者のみ目にすることを許される世界を股にかけるのだ」

男はこの文献を読んで以来、翼竜"アールズ"の研究に没頭するようになった。
「不死者のみ目にすることを許される世界」がどのようなものであるのか、男は多いに惹かれた。
研究の結果、"アールズ"の化石が今世紀まで現存しているとのうわさを聞きつけた。
そんなとき、男のもとを"プロヴィンス商会"と名乗る露天商が訪れた。

"プロヴィンス商会"はこう男に言ってのけた。
「我々はお前の求めるものを知っている。それを我々は『アールズ山の溶岩』と呼んでいる」
その怪しい話に、胡乱げな男だったが、「アールズ山の溶岩」をじっくり観察すると
確かにその文様や大きさなどの特徴が文献の記述と一致していた。
アールズ山とは、"アールズ"がその昔根城にしていたと言われている山のことで、
現在まで残存する"アールズ"を追い求めるものなら誰しもが知る古代遺跡である。

「これに触れたものは"アールズ"の力を授かることができる。
ただし、そこは不死者のみが足を踏み入れることが許された世界だ。
後戻りはできない。お前は不死となり一生その世界で暮らすことを強いられる」
”プロヴィンス商会”は少々試すかのような口調でそう言った。

男は孤高の考古学者だ。
この世界に未練などないし、失うものもなにもない。
それよりも"アールズ"が股にかけたというその不死者の異世界に行く知的好奇心のほうが勝った。

男は「アールズ山の溶岩」に触れ、強く念じた。
そうすると、浮遊感につつまれ、目の前が真っ暗になる。
次に目を開けたとき、その光景に男は度肝を抜かれた。
一見見覚えのあるものばかりであったが、
生い茂る木々は緑色に、大海原は青色に、太陽は燃えるような赤色に、
月は青白く光り、空に浮かぶ雲は白色に見えたのだ。
木は紫色でもないし、月が黒色でもない。
ここが不死者の世界か、と男は感慨深くつぶやいた。

さっそく男は近くを探索してみることとした。
しかし、街並みや風景はどれも見覚えのあるものばかり。
唯一違う点はその色のみである。

すれ違う人々も衣服の色は奇抜そのものであったが、
どうも不死者のようにはみえない。
そんな男の様子を人々は奇妙に見つめていた。

男は不思議に思ったが、街を歩くとふと地図が目に入った。
その地図をよく見てみると、男の元いた世界とまったく同じ地理がそこには描かれていた。
自分は異世界転移などしていないのではないか、そんな疑問がわいてきた。

商店街に足を運ぶと、そこは活気があり人々で賑わっていたが、
対照的に男の心は冷え切っていた。
商品名はどれも聞き覚えのあるものばかり。
しかし、その色がどれも男の知っているものとは異なっていた。

通常白色のはずのマルメラの実が男には赤色に見えた。
おそるおそる男は店主に尋ねた。
「これはマルメラの実ですか?」
「ん?どうしたんだい、そんな当たり前のことを。そう書いてあるじゃないか」
店主はこう答えた。

男はその瞬間に悟った。
異世界転移は成功しておらず、ただ目に入る色が滅茶苦茶になってしまっているのだ。
「アールズ山の溶岩」に不死者の世界へ行く効果などなかった。
しかし、男は"プロヴィンス商会"の露天商のことばを思い出していた。
「お前は不死となり一生その世界で暮らすことを強いられる」
実際に不死になっているのか、試す勇気は出なかった。
しかし、そこに嘘はないと直感的に男は思った。

これから男は緑色の木々に囲まれ、空に浮かぶ白色の雲を見上げながら、
赤色のマルメラの実を食べて暮らしていかなければならない。
それも一生この状態が続くのだ。
その事実に男は絶望した。

いつか、この気持ちの悪い配色に慣れる日は来るのだろうか。
そう思いながら、男は無理やり赤色のマルメラの実を口にねじ込んだ。
23年11月12日 21:26 [ノエル]
相談チャットです。この問題に関する事を書き込みましょう。
わかめ
出題ありがとうございました[23年11月12日 23:09]
きはる[100問正解]
出題ありがとうございました!すげぇ、専門用語が多い…![23年11月12日 23:01]
ノエル
ご参加ありがとうございました_(..)_[23年11月12日 22:54]
tosh
参加します[23年11月12日 22:47]
油獣
参加します[23年11月12日 22:09]
わかめ
参加します[23年11月12日 21:36]
ノエル
皆様歓迎いたします。[23年11月12日 21:26]
この問題が良かったらブクマ・Goodしよう!みんなのコメントを見る
ブックマーク(ブクマ)って?
自分が正解した問題・出題者への賛辞・シリーズ一覧・良い進行力など、基準は人それぞれです。
自分専用のブックマークとしてお使い下さい。

Goodって?
「トリック」「物語」「納得感」そして「良質」の4要素において「好き」を伝えることができます。
これらの要素において、各々が「良い」と判断した場合にGoodしていきましょう。
ただし進行力は評価に含まれないものとします。

ブクマ・Goodは出題者にとってのモチベーションアップに繋がります!「良い」と思った自分の気持ちは積極的に伝えていこう!
物語:1票納得:1票ブクマ:2